佐藤則男; New Yorkからの緊急 リポート

筆者はニューヨークに住んで40年以上 経つジャーナリストです。ビジネスもやってきました。皆様に生のアメリカの政治ニュース。経済ニュース。社会ニュースを独自の分析、予測を加えてお届けします。職歴は、朝日新聞英字紙、TDK, 国際連合勤務を経て独立。NYに、ビジネスコンサルティング会社設立。学歴は、コロンビア大学経営大学院。MBA取得。

佐藤則男のエッセイ・サイトは、次のサイトです。
http://blog.livedoor.jp/norman123-essay/

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トランプ大統領が就任して、とうとう100日が過ぎる。新しい大統領にとって、この100日目が第一の節目である。どれだけその大統領がよく仕事をしたかを表すのは、なんと言っても選挙中の公約をどれだけ成し遂げたかにかかっているのである。

ワシントンポスト紙の分析によると、トランプ氏の選挙民に対して約束した公約は、50項目あったという。そのうち、約束が守れたものは5項目、約束が破られたもの5項目、36項目は、全く手つかずの状況で、後残りは、足踏みの状態と言う。

他の歴代大統領に比べたら、惨めな結果で、落第である。しかし、本人が本人に対し「Fire!」とは言えないだろう。

しかし、トランプはやはりトランプである。「これまでの大統領が就任100日目で、我々が行ったことを半分もできた大統領はいない」と豪語している。とんでもない嘘である。

支持率は、ギャラップ調査によれば、40パーセントと、新しい大統領100日目にしては、ほかの大統領に比べ、極端に低い。

就任以来、100日間、トランプ大統領を筆者は見てきたが、同大統領の親しい友人が筆者に打ち明けてくれたように、「アメリカを優先し、アメリカの国益に忠実な大統領」であるが「世界観、哲学など世界の平和、人類の繁栄に結び付く思想や価値観は持っていない」と言ったことが筆者の頭には、強く残っている。

なるほど、この100日間トランプ大統領の国内政治、外交政策などを観ていて,考えたのは、このトランプ氏の友人の言葉であった。トランプ大統領のアメリカの内政、外交政策についての言動、行動を見ると展望が論理的に明らかにならないのである。

困ったことに、トランプ氏の考え方であるが、ブッシュ大統領、オバマ大統領が行った外交政策は、ほとんど誤りだったのである。特に、オバマ大統領が行ったオバマケアなどの国内政策、ISIS などのテロリスト、シリア、イラン、北朝鮮などに対する政策は、誤りであり即刻見直し、改めるという態度である。

そして、この100日間に何をやって来たのか?シリアには、59発のミサイルを撃ち込み、アフガニスタンのテロ部隊には、22,000トンのTNTに相当する新型爆弾を投下し、北朝鮮には、原子力潜水艦の艦隊を挑戦半島に近い海に進め、威嚇する、と言う行動に出ている。

ビジネスの鉄則に、「なんでもネゴシエーションができる」と言う鉄則があるが、ビジネス上がりのトランプ氏にはなかったのか。いや、違う。前出のトランプ氏の友人は「トランプ氏のビジネスネゴシエーションのやり方は、ほとんど最初は、はったりが多い。そして、相手が予期しないことを探し出し、それで先手を打つ。まず、相手をひるますのである。もちろん、混乱させるのである」という。

そして、「相手を一気に追い込む。その追い込むとき、具体的に相手の利益を指摘し、相手を納得させる。もちろん、最初、自分の利益を確立することは必須である」と言うのである。

筆者には、トランプの外交政策のやり方が見えるようになってきたように思う。

これでは、北朝鮮問題は、トランプ氏が切り回すことはできないだろう。なぜ、日本がその役割を買って出ないのか、筆者は分からない。日本なら、できるのではないか。安倍首相のその役割を望みたい。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプ大統領が上院議員
100人全員にブリーフィングを行うためホワイトハウスに招いたという。用事の向きは、北朝鮮に関して何か、伝えたいことがあるのだそうである。ティラーソン国務長官、マッティス国防長官などがブリーフィングを行うとのことである。

そして、トランプ大統領は、中国の習近平国家主席、日本の安倍首相とあらかじめ話したとのことである。ホワイトハウスが、こんなことをすることはまれである。日本や中国などの人たちには、「いよいよ、アメリカは、北朝鮮に対し、何か新しい戦略をとるのか?」とか「攻撃をするのか?」などと言う不安が出ているのではないだろうか?

しかし、ブリーフィングを受ける上院議員は、こんな大げさなことをして「どんな重要なことを話すのか」と懐疑的である。上院のスタッフは、「あんな狭いホワイトハウスに、こんな多くの上院議員を集めるのか。そんなことをするなら、議会にトランプ大統領が来て、ブリーフィングしたほうが増しではないのか」と言う声が上がっているというニュースがある。

日本の新聞記事は、北朝鮮は25日、朝鮮人民軍創設85年の節目を迎え、これに合わせる形で、6回目の核実験やさらなる弾道ミサイルの発射を強行する可能性もあると報道している。

さらに日本のNHKは、北朝鮮はアメリカ軍の空母カール・ビンソンを中心とする艦隊が朝鮮半島周辺に向かっていることについて連日非難していて、24日も国営メディアが「敵が挑発してくれば、せん滅的な攻撃を加える」と伝え、武力行使も排除しない姿勢を示しているアメリカのトランプ政権を強くけん制した、と報道している。

筆者がアメリカの主要新聞、主要テレビを見る限り、このような緊張した記事を見つけることはできなかった。このような記事を見たのは、Navy Timesで、ミサイルを発射できる潜水艦が朝鮮沖に送られるというニュースで、かなり緊張した雰囲気が伝えられている。

筆者は、Navy Timesを発行しているStars and Stripesを古くから知っているが両紙ともアメリカ軍が公に発行している新聞ではない。軍事を専門に発行している新聞社である。それとして見なければならないと思う。

アメリカのメディアは、このトランプ氏が上院議員全員を集めるのは、「いったい、そんなに重要なことがあるのか」「自分の権力を示すための動きではないのか」と言う議会スタッフの声もあるという報道もある。トランプ氏の得意の扇動ではないのか、と言う疑いである。

筆者の長年の友人であるスコットは、元共和党のストラテジストであったが、「北朝鮮が核弾頭を小型化し、アメリカまで届くミサイルを創るまで、まだ時間がかかるだろう。今の状況でトランプが先制攻撃を行ったら、大きな間違いである」と言う。

それにしても同じイシューでも日米の報道はギャップがあるものである。

 

佐藤則男

ニューヨーク

 

 


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テレビ放送が最初に政治目的で使われたのは、1935年、ナチス・ドイツによって使われたというのは、筆者の理解である。しかし、当時は、テレビの普及は少なくて、とてもその効果を知るわけには行かなかったであろう。だが、ヒットラーやゲッペルスは、その絶大な効果は見ていたと思う。

アメリカでは、本格的に、テレビが政治に使われ、テレビと政治の結びつきが密接になったのは、1960年の大統領選挙戦で行われた、ケネディとニクソンのテレビ討論会であったと思う。

このテレビ討論会は、政治においてどれだけテレビが有効であるかが証明されたのであった。このテレビ討論会がなかったら、ケネディは、大統領になれなかったであろう。

 

接戦であったが苦戦を強いられていたケネディがこのテレビ討論で逆転したのであった。このテレビ討論があまりにも有名なので、次にこの模様を伝えるYou Tubesを見つけておいたので、興味のある方はご覧いただきたい。

 

https://www.youtube.com/watch?v=QazmVHAO0os

 

1980年に、24時間ケーブルテレビニュースのCNNが勃興すると、アメリカは、ニュース専門チャネルの時代に入り、政治ニュースが津波のように流される時代になった。

筆者は、当時、真っ先にアトランタにあるCNN本社を訪ね、創始者であるテッド・ターナーに会い、ニュース部門の社長のエド・ターナーに会った。「これは伸びる!」と痛感したのであった。

 

さて、筆者がここで言いたいのは、トランプ大統領ほどテレビメディアを有効に活用し、頼りすぎている大統領は歴史にいないと筆者は思う。昨年の大統領選挙中、テレビに報道されることを意図した選挙キャンペーンに徹し、相手のヒラリー・クリントンを圧倒した。

 

トランプは、テレビ番組のリアリティ・ショー「アプレンティス」を企画し、制作し、放送自体、自分でホストを務めたこの番組は、「ファイアー」の連発で一世を風靡した。

 

この経験は、トランプにとりあまりにも有益であった。選挙キャンペーンであちこちで、多くの人を集め、集会を開き、強烈でセンセーショナルなメッセージを送り、テレビの中継を捉え、テレビをほぼ独占したのであった。

 

トランプは、選挙運動中、24時間ケーブルテレビニュースチャネルを見ていることが多く、FOX, CNN, MSNBCなどのチャネルの番組を見て、選挙戦略を練ったという。

 

注目するのは、大統領になり、ホワイトハウスに入っても、同じように、24時間ケーブルニュースチャネルを見ることに多くの時間をかけているという。要するにテレビが好きで、大統領として、PRが最も大切と思っているのであろう。

 

そして、極め付きは、ホワイトハウスにおける記者会見をこれまでの大統領に比べ、はるかに多く開いている。さらに、単独の記者会見をより多く開いている。特に、筆者が「トランプ・チャネル」と呼ぶFOXニュースは、自ら操作できるほどである。

 

トランプのこのような単独記者会見でのパフォーマンスは、抜群で、しゃべりもスムーズで説得力を持っている。

 

だが、致命的なのは、政策面における知識が不足していて、勉強を十分していないので、話が情的で、曖昧で、明確でない。トランプ自身、口先はうまいが、政策の説明がディテイルレベルまでカバーしておらず、質問を受けても細かいところまで触れることができない。これは致命的であると筆者は思う。

 

「テレビ時代の大統領」で、それを利用した時代遅れの大統領と思うと、さすが、トランプである。今度は、ツイッターを多く使う。

 

しかし、ツイッターも政策の詳しい説明ができず、人の批判、そして、時には、中傷とも思えることを言っている。だが、トランプ大統領自体、大統領職は、PRが大事で、政策の内容は二次的と考えている点が強くうかがえる。

 

しかし、そのFOXチャネルの「トランプ・チャネル」の人気アンカーマンが次々にセックススキャンダルの疑いがかけられ、さらに経営者にもそのような嫌疑がかかってきている。どうなるか、見ものである。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク

 

 


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ニューヨークタイムズ紙がトランプ大統領が信頼し、外部アドバイザーとして相談する人物を20人挙げた。

 

これまで、トランプ大統領が様々なことを誰に相談しているのか筆者もわからなかったが、このNYタイムズの記事で、はっきりした。筆者は、その中で二人の人物に注目したい。何故なら、両者ともFOX Newsの関係者で同社は「共和党テレビ」と言われる人たちである。

 

NY Timesは、トランプの外部アドバイザーの筆頭とも目されている人物に、ルパート・マードック氏と同テレビ局のニュースショーをやっているショーン・ハニティを挙げている。二人について簡単に述べたい。

 

キース・ルパート・マードックは、オーストラリア系の実業家である。メディア・コングロマリットのニューズ・コーポレーションのオーナーである。

 

長年オーストラリアを拠点としていたが、1986年にアメリカ合衆国でFOXテレビを創設した際にアメリカの連邦通信規則との関係でアメリカに帰化した。

 

1980年代、イギリスの名門紙、ロンドンタイムズ、アメリカの映画会社20世紀フォックスの買収、そして、テレビ・ネットワークFOX を設立した。

 

2007年、ウォールストリート・ジャーナルの発行元であるダウ・ジョーンズを傘下に収める。タブロイド新聞の代表的なニューヨークポスト紙も同氏が所有している。

 

FOXニュースは、2000年代前半には視聴率競争でCNNを抜き、「FOX効果」が注目された。

 

ルパート・マードックの意向もあってアメリカ同時多発テロ事件を機に、愛国心一色の報道姿勢を明確にした。アンカーはみな星条旗バッジを身に着けた。

 

その後は、保守メディアとして、一世を風靡しており、ケーブルニュース局として、視聴率トップを走り続けている。圧倒的な強さである。

 

このFOXニュースのオーナーとトランプの関係は、実に深く二人は、お互い同情的で、マードックは、トランプの戦略アドバイザーだという。また、トランプが最も長く友人として続いている一人だという。

 

次に、同じくFOXニュースのアンカーマンであるショーン・ハニティ(写真)である。親しみやすい個性の持ち主で、徹頭徹尾保守派で、歴代共和党大統領の味方としての働きは、筆者も感心するほかない。トランプが大統領選の時、セックスハラスメントで騒がれたが、それまで、弁護した。

 

この二人の強烈な支持を受けているトランプがしょっちゅう出演ししゃべるわけである。トランプが出演する番組で、トランプに激しく詰め寄る人はいない。トランプのフリートークショーのようなのである。

 

筆者は、FOXニュースを「共和党テレビ」と同時に「トランプテレビ」と呼びたい。このテレビ局でトランプのしゃべることを信じる視聴者は200万人ほどと思われるがその影響は、ニュース内容が一方的に保守派なので、影響力は、他のテレビ局がある程度は、中立を保っているため、大きいと思う。

 

筆者は、トランプは、メディア、特にテレビメディア、デジタルメディアで築かれた大統領だと思う。だから、メディアあっての大統領だと思う。自由自在に操れるテレビ局を持っていることは、大きなプラスだと思う。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプ大統領は、どこまで本当のことを言っているのか分からない。自分で確かめないで言っているのか、不確かな情報を誰かが与え、それに基づいて言っているのか、または、自分の虚構なのか、よくわからない。しかし、問題は、トランプ大統領の不確かな発言が世界を揺るがす重要なことに関係していたらどうなるのか。

 

先日、トランプ大統領が原子力航空母艦のカール・ヴィンスが率いる艦隊が朝鮮沖に向かっていると発言し、一気に北朝鮮を攻撃するような印象を与え、世界は緊張した。しかし、それは、真っ赤な嘘で、その艦隊は、オーストラリア軍との軍事演習に向かう途中で、逆に朝鮮半島がから遠ざかっていたという事実が分かり、危機は避けられた。

 

つぎのストレート・タイムズのニュースのYou Tubesを見ていただきたい。英語なので、英語の苦手な方もおられると思うが、難しい英語ではないので、挑戦していただきたい。

 

https://www.youtube.com/watch?v=voKw8dcedQU

 

カール・ヴィンスが北朝鮮に向かっていなかったことをマティス国防長官が述べている。

 

なぜ、こんなことが起こるのか、世界中の人々がトランプホワイトハウスを注視しなければならないと思う。このトランプが「今、大艦隊が北朝鮮に向かっている」と言う発言は、Fox Newsで伝えられたのであるが、この時のビデオがウエブ上から消えている。是非、ご覧になっていただきたいのであるが、Fox Newsが意図的に消したものだと思う。Fox Newsの不誠実さを感じる。

 

ご承知のように、Fox Newsは、「共和党チャネル」とよく呼ばれ登場するコメンテーターは、右寄りの人が多い。

 

トランプ大統領、およびトランプ内閣の重鎮がFox Newsの登場するとき、筆者はチャネルをほかに回す。彼らがしゃべる内容は、終始ホワイトハウスより、共和党寄りで、事実さえもゆがめられてしまうのである。もちろん、リベラルサイドに立つCNN, MSNBCも同じようなものであるが。

 

だから、困ったものである。メディアが流すホワイトハウス発表のニュースにいちいちバイアスがかかり、疑いを持ってとっかからなければならないのである。高度に言論の自由、報道の自由が与えられアメリカで、真実の報道を捉えるのが、ほぼ不可能になっているのである。

 

つまり、アメリカ国民は、これらのメディアの保守メディアとリベラルメディアの「情報戦」の真っただ中で、選択を強いられているのである。

 

だが、今回のように、艦隊が北朝鮮に向かっているなどと言う重要な情報は、左と右のメディアの情報戦争などと言う類に入らない。言ってみれば、アメリカ国民、世界の人々を大きく左右するニュースである。

 

もし、このニュースで、金正恩が手っ取り早くアメリカの裏をかくべく、韓国のアメリカ軍やソウルにミサイルを撃ち込んだらどうなるのか。一気に戦争となり、第三次世界大戦にすぐ発展するのではないか?

核兵器も使われるようになったら、地球は滅亡である。

 

トランプ大統領の発言の不用心さ、軽々しい発言、それを追いかけ、センセーショナルな報道をするメディアは、危険極まりないと思う。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク


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長い間、と言っても、正式に始まった時期が見つからないので、2003年ころからとしておきたい。アメリカの3大ケーブルニュース局で視聴率で断然トップを続けているFOXニュースの看板ニュースショー番組のアンカーマンであるビル・オライリーが番組を降りた。原因は、セクシャルハラスメントである。

 

オライリーの個人的な行為はともかくとして、筆者は、ケーブルニューステレビも新たなスタートを迎えたと思う。筆者は、個人的に、アメリカのラジオ・テレビニュースの研究を長く続けているので、ビル・オライリーの辞任は感慨深い。

余談を許してほしいのであるが、筆者は、元CBSのニュースアンカーマン、ダン・ラザーやABCのニュースアンカーマンだったピーター・ジェニングズ、そして、アメリカのテレビニュースの重鎮で、「アメリカの良心」と言われたCBSのウオルター・クロンカイトにもあって親しく話したことがある。

これらのアメリカテレビニュースの往年の花形スターたちの話をいつかしたいと思っている。クロンカイトとケネディ暗殺の時の話、それを機にアンカーマンへの道が切り開けたダン・ラザーの話などきりがないと思う。

 

さて、このビル・オライリーには、特別な意味を筆者は置いている。それは、アメリカのCBS, NBC, ABCの伝統的な三大ネットワークテレビニュースは、ニュースを「客観的に、中立に報道する」ことが彼らの信条であり、それが各放送局の規則のようなものであった。今では、一応リベラルメディアと言われている。

 

しかし、2000年代にはいると、24時間ケーブルニュース局が立ちあげられた。そこで、オーストラリアのメディア王と呼ばれていたルーパー・マードックがFox Newsを設立、メディア界のベンチャーの星であったテッド・ターナーがCNNを立ち上げ、NBCとマイクロソフトは、MSNBCを設立した。

これらのケーブルニュースチャネルが面白いのは、各局とも政治観、社会観、文化の見方など、保守系、リベラル系のそれぞれの立場を自由に取ることになったのである。

このようなケーブルテレビ局の出現は、アメリカを保守とリベラルの対決を大きく助長したと筆者は思う。共和党テレビ局と言われるFOXニュースは、徹底的に右翼寄りで、リベラル派のゲストを徹底的にこき下ろす。

一方のMSNBCは、その逆で、徹底的に保守派のゲストを叩き潰す。

ゲストは、まるでボクシングのサウンドバッグである。パンチを食らうばかりである。抵抗しようとしても、司会者とそのほかのゲストにやられっぱなしである。

中でも、FOXニュースはその冴えたるもので、非情とも思えるハードヒットな番組が多い。何でもかんでも「リベラル悪し」なのである。

その中でも、このビル・オライリーの「The OReilly Factor」の番組では、ゲストが自分の方向に話を持って行こうとすると、すぐさま横やりを入れて粉砕した。ビルは、それを「No spin zone!」(スピンは許さない!)と呼んだ。この言葉は、この番組のシンボル用語となった。

ビルが番組の最初に手を振り「No spin zone!」と叫ぶと、「俺に逆らうことはさせないぞ」と言うように取れた。

ビルの番組に出演したリベラルのゲストは、ビルに遮られ、不満足な顔でショーを終わる。ビルをひるませ、素早く大声で、ビルを遮り、しゃべったものの勝ちなのである。

これができたのが、ビルの宿敵である元はテレビタレントであるが今は上院議員のアル・フランケンである。筆者は、この男のファンである。面白いことこの上ない。

話が長くなりそうなので、後日に譲りたい。

筆者は、アメリカの政治家の討論が大好きである。三度の飯より好きかもしれない。

だいぶ前になるが元民主党で下院議長を長く務めたティップ・オニールと言う人がいたが、筆者はこの人に会い、政治を論じたが、この人こそ「三度の飯より政治が好き」と言える人であった。

恐らく、ビル・オライリーも同じような人であろう。一度会いたいと思っている。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク





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「ポピュリズム」と言う言葉について、ウイキペディアは、次のように説明している。トランプ大統領と関連させると面白い。

 

「ポピュリズム(英: populism)とは、一般大衆の利益や権利、願望、不安や恐れを利用して、大衆の支持のもとに既存のエリート主義である体制側や知識人などと対決しようとする政治思想、または政治姿勢のことである。日本語では大衆主義や人民主義などのほか、否定的な意味を込めて大衆迎合主義などとも訳されている。、、、、

「複雑な政治的争点を単純化して、いたずらに民衆の人気取りに終始し、真の政治的解決を回避するもの」として、ポピュリズムを「大衆迎合(主義)」と訳したり、「衆愚政治」の意味で使用する例が増加している、(中略)

「民主主義は民意を基礎とするものの、民衆全体の利益を安易に想定することは少数者への抑圧などにつながる危険性もあるという意味では、衆愚政治に転じる危険性は存在する。「しかし、それは民主主義の本質であって、ポピュリズムそのものの問題ではない。民主制は人民主権を前提とするが、間接民主制を含めた既存の制度や支配層が、十分に機能していない場合や、直面する危機に対応できない場合、腐敗や不正などで信用できないと大衆が考えた場合には、ポピュリズムへの直接支持が拡大しうる」とある。

 

前回の大統領選挙では、トランプ陣営の特別戦略家のスティーブ・バノン氏は、このポピュリズムに目を付け、作戦を練ったのであった。そして、大衆と既成エリートワシントン体制の戦いを「演じた」のであった。この作戦は見事に当たった。

この時、筆者は、古い本ではあるが「Anti-Intellectualism」(反知性主義)を挙げ、説明した。バノンは、アメリカ人の伝統的考え方である反知性主義」も利用したのであった。

対立候補のクリントン女史は、既成ワシントンエリート体制の人として、押しやられてしまったのである。

 

大統領選挙で、このストラテジストの存在は、重要である。彼らがアメリカ社会を見て、様々な調査結果もつかい、戦略、作戦を生み出す。このストラテジストがすべてを決めると言っても過言ではないと思う。

かが得てみれば、筆者が42年間にわたり、アメリカの大統領選挙を視てきたが、このストラテジストが大活躍した。

ビル・クリントンのキャンペーンの戦略を作ったジェームズ・カーベル、ブッシュ(息子)の大統領選を見事にやってのけたカール・ローブが筆者には、印象的である。

 

さて、このバノンがトランプ氏から疎まれ始めているという情報である。トランプの娘婿のクシュナーと外交政策で対立し、トランプ氏から、叱られたようである。

 

そして、トランプ氏自体、大統領選挙当時のポピュリストでは、もはや、なくなっていると思う。詳しくは、今後十分ウオッチしたい。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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ほぼ一週間前、トランプ大統領は、FOXニュースに出演し、原子力航空母艦「カール・ヴィンソン」をはじめとする艦隊が北朝鮮に向かっていると述べ、北朝鮮との関係が緊迫していることを述べた。そして、その艦隊らしき写真もメディアが取り上げたが、それは、そうではなく、その艦隊は、オーストラリアとの軍事演習に向かっていたのである。

 

つまり、その艦隊は、北朝鮮に向かっているどころか、北朝鮮より遠ざかっていたのである。朝鮮半島よりはるかに離れたインド洋を航海していたのである。

 

このことに関し、ホワイトハウスは、海軍から得ていた情報が時間的な経過を間違えて起こったものと説明した。

 

筆者は、この回答に疑問を感じている。筆者は、ノーフォークのアメリカ海軍の港で、原子力空母に16時間も乗ったことがある。その巨大な姿に圧倒され、まるで「動く島」と表現できるほどどでかいものであった。官庁室でランチを食べ、船内の兵士とも話し、大変勉強になった。兵士たちの純粋な気持ち、真摯な態度に打たれ、筆者のアメリカ海軍に対する自信は大きくなった。

 

その時、船内も隈なく案内され、ホワイトハウスのスイッチュエーション・ルームのような指令室に案内された。そこには、大きなスクリーンがあり、アメリカの艦隊がそれぞれどこにいるか映し出されていたのである。

 

当然、もし、今回の艦隊が朝鮮半島沖に向かっていたら、ホワイトハウスのスイッチュエーション・ルームのスクリーンに映し出されていたはずだと思う。

 

もし、筆者の推測が正しければ、ホワイトハウスは、とんでもない間違いをしたものである。その艦隊が朝鮮沖に向かっているというニュースは、北朝鮮とアメリカの関係が緊迫していることを伝えたのであった。世界のメディアは、緊急事態と騒ぎ、北朝鮮が今にも攻撃されるのではないか、とさえ思ったのではないかと思う。

 

しかし、何のことはなかったのである。

 

筆者は、このことをホワイトハウスが意図的にやったものとは、信じない。何かの間違いであろう。しかし、もし、そうだとすると、一体ホワイトハウスは、何を間違えたのであろうか。自分の国の艦隊が世界のどこにいるかを正確にくまなく把握していないといしたら恐ろしいことであると思うのである。

 

しかし、そんなことはあり得ようがない。あるはずもない、と筆者は固く信じる。何かの拍子で、間違いにより、偶発的に戦争が起こることがあるのであろうか?

 

佐藤則男

ニューヨーク


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415日は、アメリカの税金申告書、アメリカでは、Tax Returnと言う、の締め切り日で、アメリカ人が最も嫌う日の一つである。今年は、連休があるため、締め切りは、18日まで延ばされた。その延期は、アメリカ人を助けるが、いずれにせよ同じことである。記入が難しいフォームと戦わなければならない。

 

筆者などは、公認会計士任せである。しかし、その公認会計士が信用できないのである。筆者の公認会計士は、もう40年近く使っているが、それでも大きなミスをやる。一度、期限内にTax Returnをファイルしておらず、一大事となった。その時は、首にしようかと思った。しかし、そのまま据え置いた。「公認会計士として、415日を忘れてもらっては困る」と大声で苦言を呈したことがある。

 

さて、トランプ大統領は、このような複雑多岐にわたる税金の申告を簡単にするため、税法を変えたいのである。恐らくこの税法改革がこれから国内課題の中心となり、論戦が繰り広げられるだろう。トランプ大統領は移民法改正で大きな痛手をこうむったが、次の戦いは、税法改革である。激しい戦いになるだろう。

 

トランプ大統領は、選挙公約では35%の連邦法人税率を15%に下げると述べていた。そして、1兆ドル規模のインフラ投資を組み合わせて米経済成長率を4%に高めると発表していたのである。下院共和党が提案する「法人税の国境調整」にトランプ氏が賛成する方向なので、世界経済の成長に大きく貢献できると考えられている。

 

この動きにウオールストリートは乗ってきたのである。株価は上がる一方だったのである。

 

最大の焦点は輸出の課税を免除して輸入課税は強化する「法人税の国境調整」である。下院共和党はこの法案を税制改革の柱としており、トランプ氏が主張する「国境税」とも思想が似ている。

 

だが、同案は輸入品に実質的に20%を課税する仕組みで、日本など貿易相手国への影響が大きい。日本の試算では自動車の対米輸出が半減して、国内総生産(GDP)も0.5%前後落ち込むとの試算がある。

 

税金申告書を公表せよ!

 

だが、もう一つ大きく浮かび上がってきた問題がある。それは、トランプ大統領が自分の税金申告書を提出していないことである。この動きは、トランプの税法改革の動きが始まり、進んでくると、このトランプ氏の税金申告書の提出要求は、さらに強まるであろうと筆者は予測する。

 

トランプ氏が税金申告書を提出すれば、同氏が必死に追い求めた大金がどうやって手に入ったか分かるであろう。数々の法律に触れるすれすれのビジネスのやり方が浮かび上がってくるであろう。

 

ここで、また、大きなトラブルとなる可能性があるであろう。。

 

移民法もだめ、国民健康保険法もだめ、そして、税制改革もだめ、となると、トランプ大統領の実績とは何になるのであろうか?

 

オバマ大統領のようにノーベル賞を授与されるには程遠い人である。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプ大統領が外交に自分の作戦、つまり、トランプ氏独特の戦術を使い始めたのではないかと思う。それは、彼の世界観とか価値観とか歴史観に立脚したものではないと思う。

 

トランプ大統領がそのようなものを備えていないことは、彼の親しい友人から筆者は聞いている。あくまでも国際舞台で他国のリーダーとの交渉ごとにおいて、トランプ大統領独自のやり方ができつつあるのではないかと思う。

 

トランプ大統領は、外国の首脳との交渉では、まず、相手を突拍子もないことを言って混乱させる。カオスを起させるのである。例えば、中国に対してそうであった。「二つの中国」などと、前近代的な認識を言って、相手を怒らせ、平和的な話し合いを遠のかせた。だが、それは、はったりのようもので、交渉に入る前のルーティーンワークのようなものである。

 

まず、言葉で威嚇し、挑発する。それもこれも、軍事力圧倒的に勝っているからであろう。そして、相手が言うことを聞かなければ、軍事的威嚇ばかりでなく、容赦なく軍事行動を取る。しかし、それは限定的である。だがその攻撃は最新兵器を使う。シリア攻撃には、トマホーク、アフガニスタンには、TNT 22.000トンの威力のある新型爆弾を披露したのである。圧倒的な強さを誇示するのである。

 

シリアには、ロシアの後ろ盾、北朝鮮には、中国の後ろ盾があることを十分知っている。そして、彼らは、その軍事力を使うトランプ氏の向こう見ずの恐ろしさを知り抜いている。もちろん、核兵器は使わないという前提である。

 

トランプ氏は、どれだけ自分の行っていることが危険であるのか分かっているのであろうか。いや、それとも、彼自身がビジネスで学んだ最大限のリスクをとる方法を適用しているのであろうか。16日、北朝鮮への対応をめぐり、トランプ大統領は、みずからのツイッターに「中国が我々とともに北朝鮮の問題に取り組んでいる時に、なぜ私が中国を為替操作国と呼ぶことがあろうか」と述べた。

 

更に、「そのうち何が起こるかわかるだろう」と述べて、今後の中国の出方を期待しているのである。

 

トランプ大統領は、先般行われた米中首脳会談で習近平国家主席に対し、北朝鮮問題でアメリカに協力すれば、見返りに貿易面でよい取り引きができるとして対応を迫ったことを明らかにしている。習近平氏の反応は、述べていない。習近平氏がトランプ氏がそういえば、圧力と受け取れると思っているのであろう。習近平氏は、トランプ氏の意図など簡単に見抜いているだろう。

 

この中国との交渉は、あまりにも幼稚ではないか、と筆者は思う。国際政治の取引は、もっと複雑なのではないか?

 

筆者が問題だと思っているのは、トランプ大統領の軍事的威嚇、部分的軍事行動による外交がどれだけCalculative Risk(計算しつくされたリスク)を含んでいるのか、と言うことである。

 

シリア、ISIS, 金正恩との争いをどれだけリスクがあるのか読んでいるのであろうか?

 

ロシアと中国の忍耐の限界はどこまでなのか、読んでいるのであろうか。外交を軍事行動をベースにして行うと、計算しつくされたリスクだけでは、済まなくなるのではないだろうか。

 

先日も申し上げたように、アメリカの選挙民には、トランプ大統領の外交政策がどれだけリスクがあるのかは、読めない。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプ大統領の外交政策は、オバマ大統領当時とは、一変し、軍事的圧力、軍事的威嚇、軍事力行使が中心になったと理解することができると思うがどうであろうか。

 

筆者は、いろいろなアメリカ人の友人たちとこの問題について、討論してみた。以下は、そのリポートである。

 

世論調査ではないので、明確に彼らの大勢の見方をお伝えするわけには行かないが、筆者の友人の中では、このようなトランプ大統領の方針に、リベラル派と、保守派の見方は真っ二つに分かれる。その相違は、あまりにも明確である。

 

リベラル派の友人たちは、「トランプの頭は何で出来上がっているのか?シリアにミサイル攻撃し、北朝鮮には、艦隊を送る。アフガニスタンでは、恐ろしい大型爆弾を使う。いったい、外交とは何であるかを知っているのか?外交とは、戦争を避けるため、平和のための交渉のテーブルに相手をつけ、話し合いにより、それを実現することではないのか。戦争は外交ではない」と言う。

リベラル派の見方は、日本国民の大勢の見方に似ているのではないかと思われる。いかにして、北朝鮮や中国と戦争を避けるかが最大課題で、そこの外交交渉を行うことが国のリーダーの責務ではないか、と言う点である。

 

一方の右翼的な友人は、「やった。大型爆弾で、地下や洞窟に潜んでいる沢山のイスラムテロリストたち、イスラム過激派の兵士を殺した。この強力な爆弾を使い、彼らを皆殺しにすることだ。オバマ大統領はそれをできなかった。こんなにアメリカが、世界が惨めになったのは、オバマの責任である」と怒りを込めて言う。

 

筆者の見方では、アメリカ人が混乱し、常識的な判断、良識的な判断、バランのとれた判断を失ってきているのではないか、と思う。

核兵器を思わせるTNT22,000パウンドの威力を持つ強力爆弾で、イスラム過激派を皆殺しにし、それを喜ぶアメリカ人に「そのような爆弾を使うことをどう思うか」と聞いた。すると「何の慈悲も感じない。彼らは、キリスト教徒を人質にとらえ、首をちょん切る残虐行為を行う。

また、テロ攻撃を同盟国の人々に対し行い、無実の人々を惨殺する。人間の心を持たない慈悲も何もない野獣たちである。我々の大型爆弾を使い、皆殺しにしてしまわなければならない。そうでなければ、我々がやられる。トランプ大統領は、勇敢に我々のために働いている」と言う。

 

事ここに至ると、リベラル派と保守派の人たちの世界の見方は、シャープに異なる。まるで水と油である。

トランプ大統領は、保守派一辺倒の道を進む。リベラル派とは、一切の妥協をしない方向である。リベラル派と民主党は、トランプ氏の動きに、無力のように見える。

 

反トランプの動きにも戦略のなさが目立ってきたように思う。前回の大統領選挙をトランプ陣営とロシアの陰謀スキャンダルもほとんどメディアで報道されなくなってきた。

 

筆者が前から指摘してきたように、トランプ大統領のシリア、北朝鮮、中国、ロシアなどに対する軍事的威嚇、軍事行動で国民の目をそらす戦略なのか?

アメリカと言う大国の大統領がそんな小さなことで、そんな戦略をとるはずがないと思うのだが、もしそんなことなら、あまりにもその代償は大きいのではなかろうか?

 

佐藤則男

ニューヨーク


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ウオールストリートで筆者の年金をマネジメントしているコロンビア大学ビジネススクール同窓生のフィルが言った。「トランプは気が狂っているのではないか。TNT22,000パウンドに相当するGBU-43爆弾をアフガニスタンで使った。シリアには、59発のトマホークミサイルを撃ち込んだ。

「また、原子力空母を朝鮮沖に送り、北朝鮮を脅かす。こんなことをやって、世界に平和は来ると思っているのか。だから、株価は落ちるのだ。ウオールストリートはトランプの外交政策に大きな疑問と不安を持っている」と言う。

「トランプにとって、世界は、脅迫だけでなく、武力を使わなければ平和はやって来ない、と言う認識だと思う。トランプは、気が狂っているのではないだろうか」とさえ言いのける。

筆者が「そういう考えを持つ人物がアメリカ大統領であることを知らなかったアメリカ国民の責任ではないのか?」と聞くと、「確かに、トランプは、我々が選んだ大統領である。敬意を払わなければならない。しかし、このように戦争を好むとは、思わなかった。核兵器に次ぐ強力な爆弾を使い、何百人、何千人を殺そうとも、ISISのような過激なテロ集団に反感を増幅させ、新たなテロ集団をつくるばかりだと思う」と言う。

「しまいには、イスラム教国家に核兵器を使うのではないか?」と筆者が言うと「そんなことをされては困る。アメリカが世界を相手に戦わねばならなくなる。そして、核戦争が起これば、人類は終わりだ」とフィルは言う。

「世界のリーダー、世界の人々がトランプを一斉に非難し、彼を批判の対象とすれば、トランプは、第三次世界大戦を起こすぞ、と世界を脅迫するのではないか?」と筆者が言うと、「そんなことにはならない」と強く否定した。

 

筆者にとって、こんな愚かな話を大統領に関して話をするのは、42年間、アメリカに住んで、初めてであった。

 

だが、大きな問題が残る。それでは、イスラムテロリスト、金正恩、アサッドをどうするのか?

 

この問題こそ、世界が緊急に取り組む必要があるのではないのか。武力による解決はない、と筆者は考える。イスラムテロリストをGBU-43爆弾を何発使っても、彼らを根絶やしにすることはできない。彼らのアメリカ、西欧諸国に対する憎しみ強め、彼らのテロ活動を盛んにするだけではないのか。

 

朝鮮沖に艦隊を送り、精鋭の戦闘機を北朝鮮上空に送り、脅しても、そうすればするほど、金正恩は、日本、韓国などに核弾頭を付けたミサイルを撃ち込む可能性は高まる。いくら迎撃ミサイルがあるからと言っても、日本近海でそれを打ち落としても、核弾頭は、爆発する可能性がある。そうなれば、日本海は、一瞬の終わりである。

 

アサッドもミサイル攻撃だけでは、取り除けない。地上軍を送り込むことになるだろう。それでは、ロシアをどうするのか?

 

トランプの戦略は何を目的とし、どんな戦略なのか?

トランプの戦略は、「武力による威嚇」と「武力行使」なのか?

それでは、世界の歴史を全く学んでいないと言えるのではないか。「平和を築くための戦争などはない」と言うのは筆者の認識である。第二次大戦があっても、世界は、この通りである。

 

トランプの外交戦略、戦略目的は誰もわからない。その理由は、彼はそのようなものを備えていないからではないのか。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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ワシントンポスト紙に、安倍首相が北朝鮮が日本にサリン爆弾をミサイルで打ち込むのではないか、と懸念する表明をした動きが大きく報道されている。

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がシリアのアサッド大統領と親しく、反アメリカで手を握っている事実は、周知のとおりである。アメリカは、両国の敵とし、戦いを挑むことを発表している。

 

ワシントンポスト紙の報道は、トランプ大統領がシリアをミサイル攻撃をしたことがこの安倍首相の懸念を呼び起こしたように報道されている。筆者もその懸念には、同調するし、そのようなことがあってはならないと強く思う。そして、トランプ大統領の日本国民の懸念を無視しているのではないかと思う。

 

同紙は、中国の外務大臣が「北朝鮮問題は、武力では解決できない」と発言していることを強調している。その見方に筆者は賛成する。

筆者も、アメリカ側から見て、アメリカの政策が周辺諸国、友好国に対しどのような影響を与えるかを十分研究する必要がある。アメリカの都合で世界の人々は生きているのではない。このようなことは、当然で、日本の首相や国政レベルの関係者、そして、日本国民は、このような意思発言は声を大きくして唱えるべきものと筆者は思う。

トランプ大統領は、アメリカ第一主義を叫びながら、事実は、外国の問題に干渉し、今回は、シリアをミサイル攻撃し、ロシアとの激しい対立に発展させている。しかし、このミサイル攻撃は、友好国日本も危険に巻き込んでいるのである。

北朝鮮にとって、軍事的攻撃を最もしやすい国の中には、日本も入る。日本には、アメリカ軍の軍事施設もあり、攻撃ターゲットとして、アメリカに対しての反抗を示しやすい国と言える。それに、シリアの反撃代行としてもこじつけることができる。

日本としても、このような状況は、アメリカ国民にも、そして、世界にも知らせるべきことなのではないだろうか。トランプ大統領がアメリカの国益を優先するのは彼の選択に任せるより、仕方がないのだが、その結果、日本が北朝鮮やイスラムテロの優先攻撃対象となっては困るのである。日本をそのような危険から守る力はアメリカにはないと思う。

日本のメディアもこの種の報道は、大いにすべきではないだろうか。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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テラーソン国務長官がロシアを訪ね、ロシアのラブロフ外相とプーチン大統領と会談した。

もちろん、シリアが毒ガスであるサリンを反政府軍に対し使った残虐行為に抗議する意図はトランプ氏が述べた通りであるが、シリアのアサッド政権を何とか交代させようとする狙いが見え見えである。しかし、簡単にそのような提案をプーチン氏が合意できるはずがないことは、トランプ氏も、ティラーソン氏も十分知っていることだろう。

しかし、その方向にロシアが動けば、アサッド氏の無血退陣も可能になってくると考えるであろう。しかし、現実社会はそうは行かない。イスラムテロリストの攻撃には、アサッドがいた方がよいのではないか、と言う声もある。アサッド氏がテロリストと戦うからである。

 

プーチン大統領はアサド政権に深く入り過ぎている。武器を売り、大きな利益を上げていると想像できる。トランプ氏がシリアを攻撃し、戦いが激しくなればなるほど、プーチン大統領は利益が増える。

トランプ大統領は、シリアを攻撃すれば、このような結果になり、ロシアとの関係は、極めて悪くなることぐらいも簡単に気付いたことだろう。だが、自分が「良い警察官」になり、プーチン大統領が「悪い警察官」になることの可能性を知らないはずがない。

案の定、トランプ氏とプーチン氏の関係は一気に緊張しているとアメリカのメディアは報道している。

トランプ氏はアサッド大統領を「獣」と呼んでいる始末である。また、報道官は、アサッドを「ヒトラー」と呼び、撤回している。トランプにとっては、アサッドを苦しめ、悪者にするばするほど、自分のシリア攻撃を正当化させることができる。また、プーチン氏を悪者にすれば、自分に降りかかっているロシアスキャンダルの火の粉を払うことができる。すでにこのロシアスキャンダル関係のニュースは影も形もなくなっている。

シリアへの59発のミサイル攻撃は、ロシアスキャンダルを吹き消してしまったほどである。今後このロシアスキャンダルはどのように進むのであろうか。

さて、59発のミサイル攻撃は、トランプ政権に全く新たな名誉ある冠を世界に与えたのである。それは、「人道上、世界を守る」と言う価値観でトランプ大統領としては、これまでの態度では取りたくても取れない冠である。

とらんぷ大統領にも、良い追い風が吹いてきたのであろうか?

 

 

佐藤則男

ニューヨーク

 


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ティラーソン国務長官は、すでにロシアを訪れ、シリア問題を話し合うべく、プーチン大統領との会談を目指しているが、プーチン大統領は、待ちぼうけを食らわせているという。

ティラーソン氏は、ロシア政府がこのままアサド政権を支持し、連携を続けるのか、それとも、シリアの安定に向けて動くのか、その選択を迫るということである。

筆者は、このティラーソン氏の作戦はあまりに強引ではないかと気にかかる。トランプ大統領がシリアをミサイル攻撃しておいて、その直後にそのような会談を開き、最後通牒のようなものを突き付けることは、プーチン大統領をかたくなにするのではないかと思う。プーチン氏にしてみれば、イエス、オア、ノーを今の段階で言えるはずがないと思う。イエスと答えれば、トランプ大統領に屈したことになってしまう。プーチン氏にとっては、受け入れ難い交渉である。そんな圧力に簡単に屈するプーチン氏ではない。実にまずい交渉方法だと思う。

 

ティラーソン国務長官は、これに先立ち、G7=主要7か国の外相会合が開かれていたイタリアで記者団の取材に応じ、「シリアのアサドは、国際的な条約を破ってロシアの立場を悪くした。アサドが信頼できないパートナーだとロシアが結論づけることを期待する」と述べた。こんな期待が通るはずがないと思う。あまりにもナイーブすぎる方法である。

 

また、「ロシアは引き続きアサド政権やイラン、それにヒズボラといった勢力と連携していくのか。それともアメリカやヨーロッパ、それにシリアの危機の解決を求めている中東諸国と連携していくのか、よく考えるべきだ」と述べたそうであるが、このような提案は、プーチン氏が呑めるはずがない。

 

さらにティラーソン国務長官は「アサド家の統治に終止符が打たれるのは明確だ。しかし、問題はどのように終わらせ、政権移行するかだ」と述べ、「われわれはシリアの人々の苦しみを取り除き、安全で安定した将来を築きたい。ロシアはそのために重要な役割を担うことができる」と述べたと言う。実に傲慢な提案ではないだろうか。このような提案に対して、プーチンが回答できるはずがない。

 

世界は、トランプ大統領が考えるように、メディアで出来上がっていないのである。自分が正論を述べ、相手は間違っているという主張をし、世界にロシアは間違っていると言っているようなものである。世界は人気投票では動いておらず、トランプ氏は、自分の世論を動かすだけでは、国際政治はやっていけない。それぞれの国には、それぞれの国々の国益が絡んでいる。ロシアを苦境に陥れればそれで、ロシアは屈服してくると予想しているのであれば、それは間違いで、大きな問題を起こす可能性がある。

 

同時に、アメリカのミサイル攻撃を逆効果を起こしている。シリアのアサド大統領と北朝鮮の金正恩が結束し、アメリカと戦うことを誓い合ったという報道がある。これも実に大きな問題となってきた。この二人のリーダーが破れかぶれで暴れだしたら、世界は、大混乱状態になるであろう。

 

急を告げるトランプ大統領の強引でリスクテーキングな外交政策が思わぬ事態を起こす可能性も出て来たと思う。

 

それも、これも自分の選挙キャンペーンチームのロシアスキャンダルから、国民の目をそらし、議会の捜査委員会の捜査を食い止めるためなのか?

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプ大統領には、世界観、価値観、政治理念がないことは何度も指摘した。その時その時に起こることに全力を集中し、イシュー・バイ・イシューに取り組み、方針や政策を決定すると言われている。だから、それぞれの問題を中期的、長期的にどうするかと言うビジョンがない。

 

今日、ワシントンポストが報道したことであるが、ティラーソン国務長官が、ロシアのプーチン大統領に対して、現在議会で捜査中のロシアによる大統領選挙での謀略があったかどうかをはっきりするように求めた。これはアメリカの国務長官として、当然のことであろうが、果たして、これはトランプ大統領が承知していたかどうかである。

トランプ大統領がこのような国務長官の発言を許すわけがないのである。何故なら、この事件こそ、トランプ氏が直接中心人物となっているからである。プーチン氏がもし、トランプ氏の関りを発表したら大変なことになる可能性がある。

 

ティラーソン氏は、プーチン氏の善き友人と言うことであるが、プーチン氏は、ティラーソン氏の予定されていたロシア訪問を断ったとのことである。

 

シリア攻撃の波紋

 

シリアに対する巡航ミサイル59発の攻撃は、アメリカ国民の半数以上が賛成しているが、大統領の外国攻撃がなされた場合、国民の支持率は、ふつうもっと高い。いかなることがあっても、このような大統領の決定は、アメリカ国民が支持を与える行動である。

さて、問題は、一体、この後、トランプ大統領は、もっとシリアを攻撃するのであろうか。たった一回の攻撃で、シリアに与える影響は小さい。しかし、さらなる攻撃をすれば、ロシアが黙っていないことは確かで、トランプ氏とプーチン氏の関係は悪化していることは確実である。

だが、トランプ氏が攻撃を続ければどうなるであろうか?最も怖いのは、トランプ氏がこの攻撃にのめりこみ、地上軍まで送り込まなければならない事態になった場合である。この可能性は低いと思われるが、恐れなければならない。

 

トランプ氏の脅威は、北朝鮮にもある。艦隊を送り、攻撃準備を整えてはいるが、これが中国の習近平主席がフロリダの別荘を訪れているとき発表され、中国に対するけん制と取られている。確かにその可能性はあるだろう。そうであるなら、なんと失礼な手段であろうか。習近平氏はどのように理解したか?

 

このように、トランプ大統領の外交政策は、短期的と言うより「超現実的」で、展望や中長期的戦略はないことがわかる。ここに筆者の大きな不安がある。その原因は、外交に携わったことのないトランプ大統領、ティラーソン国務長官にある。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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さて、トランプ大統領の「現実的対処を中心」とする「即興ドクトリン」とも思える外交政策が始まったのではないかと筆者は思う。トランプ内閣の閣僚は、それぞれニュアンスの異なった外交政策を発表し、シリア政策、北朝鮮政策、中国政策、ロシア政策などに政権内部で統一が取れていないように思う。

 

バノン氏とクシュナー氏の確執

 

この原因には、これまで「第二の大統領」と言われたバノン主席戦略補佐官、クシュナー上席補佐官の確執がまず挙げられる。シリア攻撃は、アメリカの国益に関係ない、として反対したバノン氏、同氏と反対の見方でシリア攻撃を勧めたクシュナー氏の争いは、トランプ大統領が「いい加減にしろ」と叱ったという。しかし、この二人の意見が対立するとトランプ政権も却ってまともになるのではないかと思うのだがどうであろうか。

 

力関係の変化

 

まず、マクマスター国家安全保障補佐官が国家安全保障委員会のリーダーとなり、バノン氏を追い出した。また、ティラーソン国務長官も近日中にロシアを訪問することにしており、プーチン大統領と仲の良いことを利用し、本来の力が発揮できるきっかけを作っている。同時に、マッティス国防長官も力を発揮してきた。

 

これで、筆者は、極端な右翼思想を持つバノン氏、外交経験のない36歳のベンチャー起業家のようなクシュナー氏にリードされて来たトランプホワイトハウスがようやく、本格的に仕事ができる体制になりつつあるのではないかと言う印象を受ける。


うれしいニュース

 

この矢先、トランプ政権には、うれしいニュースがある。連邦最高裁判所の裁判官の空席にトランプ大統領が指名したニール・ゴーサック氏が上院で承認されことがある。上院で多数を占める共和党は、

「ニュークリア・オプション」と言われる方法で、同氏の承認をごり押しし、成功したのである。

 

大統領が指名した官僚候補者及び最高裁判事の承認は上院議会の義務であるが、最高裁を上院議会で認可するために必要な投票数は60票である。ニュークリア・オプションは、そのシステムを単純多数派投票(100議席中51票)に改正することであった。共和党は、それを賛成多数で実現し、ゴーサック氏を最高裁判事にできたのであった。これは、トランプ大統領のうれしい勝利である。

 

さて、このように滅茶苦茶なトランプ政権が少しずつ力をつけ、政権が確立されてきていると見てもよいのではないかと思う。しかし、どうもまだそれぞれの行政府のトップの意見がかみ合っていない。たとえば、ティールソン国務長官とハーレイ国連大使である。ハーレイ女史は、シリアのアサド大統領を取り除くことを主張するが、ティールソン氏は、シリアの国民がアサド大統領をどうするか決めるべき問題と主張している。筆者もそう思う。アメリカのCIAや軍隊が他国のリーダーを殺すことは許されないと思う。

トランプ内閣の中の重鎮たちは、まだ、バラバラの状態なのではないかと筆者は思う。

この原因は、何か、と言えば、トランプ大統領は、世界観も国際政治思想もなく、日常起こることのフォーローをスタッフに任せ、自分は、そのスタッフの言うことを聞き、意思決定を下していると思われ、一貫性はないのではないかと思う。

 

国際政治経済関係は、ビジネスのように、損得の金勘定では決められない。不動産ビジネスとは異なる。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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筆者は、トランプ氏が大統領に就任した直後、トランプ氏に近い同氏の友人に会った。その人物が、「決して、トランプを深読みするな。深く読もうとすればするほど、わからなくなる。何故なら、トランプ氏は、世界観や哲学的価値観は持っていない。彼が持っているのは、現実的取引である。世の中をビジネス取引のように捉えている」と教えてくれた。

トランプ大統領の行動、言動を分析するとき、筆者は、この教えを心掛けている。

シリア攻撃を考えてみよう。トランプ氏は、アメリカ第一主義を唱え、直接アメリカの利害が関係しない限り、諸外国の紛争などには、関わらない、と宣言してきた。「イラク戦争は、愚かな戦争である。アメリカの利害が関係しない」と大声で叫んできた。ブッシュ元大統領をぼろくそに批判してきた。

それでは、なぜ、シリアを攻撃したのか。シリア情勢にアメリカの国益が直接関係しているのか、と問えば、答えはノーであろう。

それではなぜなのか、と言う疑問が浮かぶ。ワシントンポスト紙は、トランプ大統領と言う人物は、写真、ビデオなどヴィジュアルに現場を見た時、大きな影響を受ける人である、とのことで、シリアで毒ガスで殺された子供たちの写真を見て、胸を痛め、大きなショックを受け、シリア攻撃を決めた大きな原因であると報じた。

同時に、ワシントンポスト紙は、今、トランプ氏は、ロシア問題で悩まされ、ロシアがこのシリア攻撃で怒り、トランプ政権と争うことは、ロシアスキャンダルをつぶす働きをするだろう、と分析する。

 

そして、筆者は、トランプ大統領が本当に意図したことがあると思うのである。例を挙げよう。シリアに59発のトマホーク巡航ミサイルを撃ち込んだ時、これまでトランプ氏を強烈に、執拗に批判してきたメディアの一部が突然、好意的な報道を行ったのである。中でも、リベラル中のリベラルであるケーブルニュース局のMSNBCのアンカーマンであるブライアン・ウイリアムズは、トマホークによる攻撃のビデオを見て、「Beautiful」と3回も叫んだのである。このような結果もメディア通のトランプ氏は、十分、計算されたことなのだと筆者は思う。アメリカ人は、戦争となると、超党派的となり、大統領の下に結集する国民である。

 

さて、このシリア攻撃で、十分学ばなければならないことは、トランプ大統領の下で、アメリカには、新しい外交政策の基本のようなものが起こっているということである。それは、アメリカ第一主義を唱えるが、シリアに攻撃を仕掛ける。中国を為替操作の国、悪の国のように強烈な非難を行ったが、実際は、習近平氏を招き、フロリダの豪華な別荘でもてなす。選挙中は、ロシアを重要視すると言っていたが、今では、スキャンダルまみれになり、ロシアと仲違いをする、などトランプ外交は、よく言えば、何事も受け入れ、フレキシブルなのである。否定から肯定へ、肯定から否定へと変化するのである。よく言えば、この「フレキシブル」と言うのがトランプ外交ドクトリンともとれる。

 

だが、言ってみれば、トランプ氏は、外交政策面では、自分勝手で、どう出るか分からない予測のつかない大統領、本能的で信念のない外交政策をとる大統領、とも言えるのではないかと筆者は思う。トランプ氏の友人が筆者に言ったように、深読みできない大統領なのではないか。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプ大統領は、シリアをミサイル攻撃をするという難しい選択を「単純な理由」でしたと思う。それは、「化学兵器を使い、子供を無残に殺す反人道的行為を許さない」と言う感情的な立場をトランプ大統領は、強調した。

世界のアメリカの友好国は、こぞって、トランプ大統領のシリアに対するミサイル攻撃を支持する声明を発表した。友好国のリーダーとしては、そうするより選択はなかったと思う。毒ガスと言う無残で残酷な兵器で子供を殺すという非人道的行為に対しての怒りからの戦闘行為を批判したり、否定することはできない。

 

これは、アメリカ国内でも同じことで、この動きに対して積極的に発言するアメリカ人は少ない。いろいろな発言はあろうが、たとえ大統領がだれであろうと、戦争行為に関する限り、アメリカ国民には、大統領の決定に従う、と言う不文律、習慣がある。自分たちが選び、その責任感がるからであろう。しかし、これは、あくまでも戦争行為が始まった初期段階の傾向である。戦争が長引くにつれ、大きな批判に発展する傾向がある。

 

シリアのアサッド大統領の人間に対する仕打ちは、実にひどい行為であり許されない行為であると筆者も思う。

課題は、トランプ大統領がこのような決定を下した時、この攻撃の目的は何で、それを達成するための戦略は何か、と言うことである。アサッド大統領に化学兵器を使うことを禁じ、止めさせることが目的とすると、どんなことを行わなければならないか。同大統領を追い払うことが目的なのか。サダム・フセインのように、この世から抹殺するのか。アメリカ大統領にそのような権限はないはずである。

いかなる国でも、ある国がその国の元首を抹殺する権利はない。これは、北朝鮮でも同じであろう。

筆者の見方からすると、アサッド大統領を追い払うには、イラク戦争のように、地上軍を送り込まなければ、可能にすることができないのではないか、と思うのである。

 

そして、大きな課題が浮かび上がってくる。アサッド政権を支持しているロシアにどのように対処するのか。プーチン大統領も一筋縄でいく人物ではない。あらゆる手を使ってくるであろう。外交、世界戦略では、実に長けた人物である。

一体、トランプ大統領の感情で決定したとも見られるシリアミサイル攻撃は、どのような方向に走るのであろうか。次の一手は、どんな手なのであろうか。まさか、これ終わりと言うことはないであろう。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプ大統領は、シリアのアサド大統領が化学兵器を反政府軍に使ったと聞くや否やこれまで気が狂ったように掲げていた「アメリカ第一主義」をたちまち捨て去り、巡航ミサイル「トマホーク」を59発発射し、シリア政府軍のシリア中部のシャイラート空軍基地を攻撃した。その時のトランプ大統領の演説は、次の通りである。詳しく理解していただくために、全文を載せてある。

 

「米国民の皆さん、シリアの独裁者であるアサド大統領は4日、罪のない市民に対し、恐ろしい化学兵器を使用して攻撃を行った。致死率の高い神経ガスを使い、無力な男性や女性、そして子どもたちの命を奪った。

あまりに大勢の人に対する、緩やかで残忍な死を招いた。残酷なことに、美しい赤ちゃんたちもこのような非常に野蛮な攻撃によって殺された。神の子は誰一人としてそのような恐怖に遭ってはならない。

今夜、私は化学兵器を使用した攻撃の拠点となったシリアの飛行場に対し、軍事攻撃を命じた。化学兵器の拡散・使用を阻止し抑止することは、米国にとって不可欠な国家安全保障上の利益の一部である。シリアが禁止されている化学兵器を使用し、化学兵器禁止条約に違反し、国連安全保障理事会の要請を無視したことに議論の余地はない。

アサド政権の行動を変えようとする長年の試みはすべて失敗、それも劇的な失敗に終わった。その結果、難民危機は悪化し続け、地域も不安定化し続けており、米国と同盟諸国に脅威を与えている。

今夜、私はすべての文明国に対し、シリアにおける大量虐殺に終止符を打つため、そしてあらゆる種類のテロを根絶するため、共に手を取ろうと呼びかけた。

非常に困難な世界に直面し、われわれは神の英知を求めている。けがを負った人々が助かるように、また、亡くなった人たちの魂のために祈りをささげよう。そして米国が正義のために立ち上がる限り、最終的に平和と調和が勝利することを祈ろう。

それでは皆さん、神のご加護が米国と全世界にあらんことを。ありがとう。」

 

これまで、アメリカの利益を優先し、アメリカ第一主義を激しく唱え、世界への関りを否定し、「私は、アメリカ合衆国の大統領であり、世界大統領ではない」と言う主張をしてきた。そのトランプ大統領が、とっさにその主張を変え、上記のことを演説として述べたのである。

あれだけ、アメリカ第一主義を掲げ、国連を否定、侮辱し、オバマ大統領をぼろくそに言った人物である。

そして、トランプ大統領が言うように巡航ミサイルトマホークの攻撃で化学兵器が使われなくなり、アサド政権が倒れ、シリアは民主国家になり、中東に平和は訪れるのであろうか。

トランプ大統領も、アメリカ国民もあまりにも世界を甘く見過ぎているのではないだろうか?

 

佐藤則男

New York


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まず、簡単にお伝えしなければならないことがある。下院でロシアがアメリカ大統領選挙に関与し、トランプ氏を勝たせたのではないか、また、それにトランプキャンペーンチームが絡んでいたのではないかと言う疑いを捜査する委員会の会長を務めるデヴィン・ヌーンズ議員が会長職を辞任した。

ヌーンズ氏は、事前にホワイトハウスを訪れ、機密文書を見た、と言う事実が発覚し、民主党と共和党の一部から会長職を辞任するよう強く求められていた。

ヌーンズ氏の辞任の決定は、遅すぎたように思う。何故なら、すでに、共和党は、ヌーンズ氏の居座りで、ダメージを受けているように思う。さらに、彼の傲慢により、著しく下院の公聴会の開始が遅れ、ロシアスキャンダルの隠蔽が見えるからである。また、ヌーンズ氏自身が機密漏洩で捜査されることにもなった。まずい共和党の対処であった。

 

シリアに対する軍事行動

 

トランプ大統領が今夜(アメリカ時間)シリアに対し軍事行動を取るかどうかを決める国家安全保障会議を招集するという。しかし、トランプ大統領の大げさなメディア操作と思われることに振り回されてはならないと思う。

この作戦は、シリアのアル・アサド大統領が化学兵器を使ったことに対する報復攻撃であるとトランプ氏は主張している。しかし、そのような発言は、信用性が薄い。本当の理由は、2013年夏、オバマ大統領が同じような場面で、軍事行動を取ることを断念し、それ以来、オバマ大統領の判断が甘く、シリア情勢は悪化したというもので、そのオバマ大統領の決断を批判する向きもあった。

そして、トランプ氏は、機会があるたびに、こともあろうに、このことで、前任者を強く批判、非難してきた。トランプ氏のオバマ大統領の批判は、激しく、前大統領を公然と非難することは、アメリカの歴史に珍しいことである。特に、超党派的なことで定評のあるアメリカの外交政策上、極めてまれなことで、良識では考えられないことである。

さて、このシリアに対する軍事行動は、実際は、ほとんど空爆とクルーズミサイルによる攻撃で、アル・アサッドの強い空軍を破壊し、住居を攻撃し、アル・アサッドを追い詰め、失脚させることにあると報道されているが、筆者には、大きな疑問が残る。

アル・アサッドを支えるロシアをどうするのか?

すでに、朋友(?)ロシアのプーチン大統領と話し合い、「出来合いの戦争」をするのか?

トランプ氏とプーチン氏が全面的に絡んだ戦争である。何でも起こり得る。もちろん重大な事態にならない方向である。だから、筆者はこのアメリカの軍事行動を心配していない。トランプ大統領とプーチン大統領との合意が先にあると思うのであるが、間違いかも知れない。それに、クルーズミサイルによる攻撃で、シリアにアメリカ海兵隊、地上軍が送り込まれる戦争ではない、と見ている。

トランプ大統領のスタンドプレイだと思うのであるがどうであろうか?

筆者は、1995年、ビル・クリントン大統領がボスニア戦争で、空爆とクルーズミサイル攻撃で、目的を達したことを思い出す。その当時と似た攻撃になるのではないだろうか?

 

佐藤則男

ニューヨーク


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ステンファン・バノン氏は、トランプ政権で「第二の大統領」と言われている男である。トランプ政権では、チーフストラテジストでトランプ氏の懐刀である。そして、異例の抜擢で、国家安全保障会議のメンバーに選ばれ、その力が恐れられていた。「いた」と過去形にするのは、おそらく、誤りであろうが、このバノン氏が国家安全保障委員会から外されたのである。

今後は、国家安全保障補佐官であるハーバート・レイモンド・マクマスター陸軍中将が国家安全保障委員会のリーダーとなる。同委員会を国家安全保障補佐官がリードすることは、本命であり、筆者は、やっとトランプ政権が常識通りに動くことを期待している。バノン氏のような白人至上主義者、人種差別主義者、極右翼として疑われている人物が国家安全保障委員会のメンバーで力を持っていること自体異例のことなのであった。

一体全体、トランプ内閣の中で何が起こっているのか?想像は難しいが、ある程度は、トランプ大統領が「第二の大統領」と言われているバノン氏から権力を奪うような動きであれば、大変好ましいことである。

 

マイケル・フリン前国家安全保障アドバイザーがロシアスキャンダルで首になった後、このマクマスター氏が後任として、選ばれたわけであるが、マクマスター氏は、筆者から見ると、国家安全保障アドアドバイザーとしては、極めて優れた人選だと思った。

1962年ペンシルベニア州フィラデルフィアに生まれ、ウェストポイントの陸軍士官学校を1984年に卒業し、少尉の階級を得る。その後、ノースカロライナ大学で文学修士号と軍事史の博士号 を得た。

1991年、湾岸戦争では73イースティングの戦いで機甲騎兵中隊を指揮し、銀星章を受章した。イラク駐留軍司令官の特別補佐官、アフガニスタン駐留軍の合同調整機動部隊司令官などを経て、20126月、米軍高等機動作戦センター司令長官。20147月から陸軍能力統合センター長。『タイム』誌で2014年のもっとも影響力のある人物に挙げられた。

 

ドナルド・トランプ大統領によって、2017220日、国家安全保障問題担当大統領補佐官に指名された。大統領補佐官の就任には議会の承認は不要だが、米軍の星3つの将官の指名であるため、星3つを保持したままでの就任には上院の承認が必要となる。

 

2017222日、日本の谷内正太郎国家安全保障局長と電話で協議した際、「各国のカウンターパートの中で最初に(谷内氏に)連絡した」「日本は重要な同盟国であり、谷内氏と今後も緊密に意見交換や連携をしていきたい」と述べたと報道された。 20172月、NSCスタッフ全員参加の会議でマクマスターは、テロリストはイスラム的ではないから「イスラム過激派テロ」というラベル張りは役に立たない、と述べたと報道された。これは反イスラム的な態度で知られた前任者のフリンの影響を排除しようとする発言と受け止められている。

 

菅義偉内閣官房長官はマクマスターについて「陸軍に長年勤務しており、現場経験も豊富で陸軍きっての戦略家」と評したと報道された。1997年に刊行されたマクマスターの著書『義務の放棄』 (Dereliction of Duty) では、ベトナム戦争におけるロバート・マクナマラとリンドン・ジョンソン大統領の失敗を論じている。同書においてマクマスターは、解決を目指した軍事行動が抜けだらけの情報、混乱し矛盾した軍事目的によって失敗を招いたと分析している。 2005年のイラク戦争におけるタルアガル奪回作戦では、将兵にアラブの伝統衣装を身に着けさせ地元民に扮し、家の壁の絵からスンニ派とシーア派を区別する方法を兵士に教えるなど、きめ細かい作戦指揮を行ったと報道されている。(ウイキペディア参考)

 

どうやら、国家安全保障会議のリーダーとして、やっと、ふさわしい人物が付いたようである。果たして、トランプ政権は、外れていた軌道を修正することができるか?

 

佐藤則男

ニューヨーク


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ロシアは、確かに、大統領選挙中、ハッキングを行い、アメリカの大統領選挙を左右したと思う。事実、ウイキリークは、ヒラリー・クリントン候補に不利な情報を流し、同候補を敗戦に結び付けた大きな原因になったことは、事実として成立するであろう。

そして、この事件は、ロシアがそのような行動を取った裏には、ドナルド・トランプ候補が自分自身、もしくは、同候補のキャンペーンチームがロシアと結託して行ったもの、とする陰謀説が有力となっているのである。

しかし、このような陰謀をロシアが行ったということは、ロシア政府が認めるわけがない。だが、ロシアが行ったということは、もはや否定し難いところまで来ている。アメリカの当局は。十分な証拠もそろっていることであろう。

残るは、トランプキャンペーンチームがロシアにそのような行動を働きかけたか否か、の問題である。

この疑いに対する回答は、アメリカの諜報機関、FBI, CIAの捜査で何が見つかるか、によると思うのであるが、どこまで捜査が進み、どれだけのことが判明しているのか公表されていないので、不明である。

しかし、これらの機関は、その立証にかなりの情報と実証する自信を持っているのではないか、と思われるのであるがどうであろうか。

だが、そうだとしても重要な判断と決断が秘められていることは、確かである。それは、「大統領の犯罪」の可能性であり、黒だとしてもそう簡単に訴追できないと筆者は思う。

確かに、ニクソン大統領は、ウオーターゲート事件で辞任した。だが、トランプ大統領が辞任するわけがないと筆者は単純に思う。それは、トランプと言う人物は、そのように、自分の非を認め、罪を認め、辞任するような人物ではないということである。逆にあらゆる人々を激しく責め立て、批判し、非難し、中傷し、痛めつける人物ではないかと思う。そのようなトランプ大統領の反撃がアメリカ中を騒がせ、世界を騒がせ、世界を大混乱に陥れることは、必至であろう。トランプ大統領にとっては、「攻撃は最大の武器」なのである。まるで「自分を追い込むと、世界を大混乱させる」と言っているようでさえある。

同時に、この事件は、議会の扱いとなる。すると、共和党と民主党の党派の争いとなり、両党の政治権力争いとなる。この争いは、ほぼ回答はないと見た方がよいかもしれない。特に共和党が両院を掌握している現実である。トランプ大統領を罷免し、共和党の敗北には持っていけないだろう。しかし、民主党にとっては、両院多数の地位を奪い返すチャンスである。

だが、アメリカのメディアはどうであろうか?

若干の右寄りのメディアは別として、リベラルメディアは、度重なるトランプ氏の「Face Media」(嘘っぱちのメディア)と決めつけられ、非難され、プライドを傷つけられている。トランプ氏に対する反発と復讐に燃えている。彼らのトランプ政権に対する反発は、すさまじいと思う。

ウオーターゲート事件では、泥仕合の末、リベラルメディアの勝利であった。その当時、ワシントンポストでこの事件を追っていた二人の記者は、「命を保証しない」と言われた。

このロシア疑獄、同じようなことが起こらないことを祈っている。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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ワシントンポストの衝撃的なすっぱ抜きである。トランプ大統領が就任する以前1月11日、インド洋に浮かぶ島、セイチェレス島で、国際的軍事コンサルティング会社のブラックウオーター社設立者であるエリック・プリンス氏とロシア大統領プーティン氏の側近とミーティンが開かれ、トランプ大統領とプーティン氏のバックチャネル・コミュニケーションルートが築かれたというのである。このコミュニケーションルートは、公式のルートではなく、隠された秘密の私的なコミュニケーションルートを意味する。

このニュースの信憑性は全く分からないが、筆者の目を引くのは、このブラックウオーター社とその創設者のエリック・プリンスである。そして、筆者の関心は、同社のイラク戦争への関りである。(出典、ウイキペディア)

「ブラックウォーターは、アメリカ政府の国務省が契約するコントラクターの中でも最大の会社であり、特にイラク戦争におけるアメリカ軍正規兵の慢性的不足により傭兵の需要が増したことから、急成長を遂げた。同社サイトでは年4万人以上の社員を訓練していると発表している。

警護対象に死者を一人も出さないなど業務の優秀さに定評がある一方で「イラク人のことを動物扱いしている」と評され、20079月に社員によるイラク人射殺事件が表面化したことから、議論の的になっている。また、武器の横流しや目に付いた民間人を無差別に撃って遊ぶ「実弾演習」が常態化しているという噂もあり、これに対し、イラクの反米派からは「ブラックウォーター社の社員は犯罪者だ」とする声も大きい。また、秘密主義で閉鎖的な社風があることや、一部社員達の傲慢な言動や猟色癖など態度が非常に悪いことなどを指摘されており、同じ民間軍事会社の社員など関係者達からもブラックウォーターを酷評する声があった。

民間軍事会社の「不祥事」で、駐留アメリカ軍とイラクとの関係が悪化しかねないという懸念も強い。アメリカ国内においては、FBIがこれに関する事件の調査に乗り出すことを宣言しているが、紛争地での充分な捜査が可能かどうかは疑問である[要出典]。民間軍事会社の犯罪をアメリカ国内法の管轄下におく法案が下院で可決されているが、ホワイトハウスは反発しており、アメリカ政府内では「民間業者に頼るしかなく、むしろその人達の能力、勇気を称えるべきだ」と民間軍事会社を擁護する立場が主流である[要出典]

20079月、バグダッドにおいてブラックウォーターの社員がイラク人17人を射殺する事件が発生し、当初ブラックウォーター側は正当性を主張したが、アメリカ政府は、少なくとも14人の射殺には正当性が認められないと判断した。一方で、アメリカ政府はブラックウォーター社との再契約を「問題ない」とし、その契約を継続している。」

と、説明されている。果たして、このエリック・プリンスとトランプホワイトハウスとどんな関係があるのであろうか?

それとも、ワシントンポスト紙のがさネタ記事なのであろうか?

ホワイトハウスは、全面的に否定している。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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さて、トランプ政権も発足100日を待たず、大きな賭けを行うところまで来た。トランプ大統領がフィナンシャル・タイムズ紙とのインタビューで、もし中国が北朝鮮に対い、何もしないのであれば、アメリカは単独で行動を取る、と発言したのである。

この発言は、来週トランプ氏を訪れる中国の習近平主席を慌てさせることが目的なのか、それとも、筆者がこれまで述べてきた、ロシアスキャンダルなどで政権運営に行き詰まり、国の危機を煽り、国民の注意を外に向けさせるための戦争を始めるからなのか。

さらに、最近の報道によれば、ジャレッド・クッシュナーなど、トランプファミリーは、法外な額の資産を持ち、トランプ政権にどっぷりつかり、厳しい公私の利害の対立の疑いをかけられ、その基盤も揺さぶられている。

 

いずれにせよ、数多くのトランプ大統領の地位を揺さぶる大きな問題が次々に起こり、ホワイトハウスがマヒ状態であることは、これまでお伝えした通りである。

 

さて、北朝鮮問題である。単独で軍事行動を取れるのかどうかである。筆者の見方は、まず、難しいと思う。その理由は、たとえ特殊部隊を送っても、核兵器のありかをくまなく知り、それを破壊することは難しいのではないかと思う。北朝鮮の金正恩氏もそのようなアメリカの作戦を知り、とっくに核兵器を隠し、立ち向かう準備をしていると思う。

トランプ大統領が、いくら訓練された優秀な特殊部隊を送り込んでも、正確な核兵器を隠している場所を知らなければならない。そして、北朝鮮に上陸し、核兵器の存在場所が分かったとしても、それをどう処理するのであろうか。

それどころか、上陸を知られれば、即座に金正恩氏は、核兵器ミサイルのスイッチを押すだろう。彼のボタンを押す手を止めることも難しいだろう。

このような問題を無視し、トランプ大統領が北朝鮮に対し、侵攻作戦をとることはできないと思う。

そして、日本、韓国、中国もこのような作戦は、認めないものと思う。これらの関係諸国の同意なしにこの作戦は成立しないと思う。

トランプ大統領とその側近のバノン戦略補佐官、クッシュナー上席補佐官がこのような戦略をこれらの関係諸国を考慮しないで、考えているとしたら、誠に恐ろしいことで、その外交能力のなさに筆者はあきれるばかりである。

それにしても、トランプ大統領は、一切、北朝鮮に対し、外交を行っていないのではないか、と思うのである。「侵攻するぞ」と脅かすことが精一杯なのではないのではないだろうか。

第一、今、そんなことのために費やするスタッフがいないと思う。外交政策は、なにも外交経験のない36歳の娘婿のクッシュナー氏が主役と言う。中国の習近平氏の訪米を実現したのもアメリカ側は、クッシュナー氏であるとのことである。

外交を司るティラーソン国務長官は、一体どこにいて、何をやっているのであろうか。

外交は、ティラーソン国務長官の管轄下のはずである。一体、この人物は、何を意図しているのであろうか?

 

佐藤則男

ニューヨーク


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ジャレッド・クッシュナー、36歳、トランプ政権内でトランプ大統領が最も信頼する男で、その夫人はトランプ大統領の娘、イヴァンカ・トランプであることは周知の通りである。しかし、この夫婦の資産総額がトランプ政権の発表によると、74000万ドルであるという。日本円に直すと740億円である。金もあり、権力もあり、頭が切れる男である。

 

ここで、クッシュナー氏を再度知らねばならない。中国の習近平主席が来週、トランプ大統領を訪問するが、この裏役は、クッシュナー氏が担当しているのである。習近平VSトランプの対決のアメリカ側の裏は、バノン戦略補佐官とクッシュナー上席補佐官の「仕込み」である。

 

クッシュナー氏は、1981年、不動産開発企業クシュナー・カンパニーズの創業者チャールズ・クッシュナーの長男として生まれた。クシュナー家は1949年に祖父母がベラルーシからポーランドを経て米国へ移民したユダヤ人で、ホロコーストからの生還者である。家族は、正統派ユダヤ教の戒律に従った食事をとり、安息日を守り、ニューヨークのアッパーイーストサイドにある上流階級向けのシナゴーグに通う。父親は民主党への大口献金者であり、息子たちの入学直前にハーバード大学、ニューヨーク大学へ大口寄付をしたという。息子たちの入学を買ったようなものではないか?

2003年にハーバード大学を優等で卒業、社会学士号を得た。2007年にニューヨーク大学ビジネス・スクール・ロー・スクールのジョイント・プログラムでMBA・法務博士(J.D.)号を取得した。

2004年に父親が脱税、証人買収、選挙資金の違法献金など計18件の訴因で2年間の実刑判決を受け、ジャレッドが事業を引き継いだ。

 

2006年、筆者もよく覚えているが、当時、ビル購入としては米国史上で最高額となるマンハッタン5番街666番地の41階建て高層ビルを41億ドルで購入する案件を手がけて話題となった。

2009年にドナルド・トランプの娘イヴァンカと結婚。イヴァンカは結婚前にユダヤ教に改宗した。

20155月にワン・タイムズスクエアの株式の50.1%を買収する。

2016年アメリカ合衆国大統領選挙に立候補した岳父のドナルド・トランプの選挙顧問を務めて選対本部長も度々選任させては解任させるなど一貫してほぼ全ての選挙活動に関与して「トランプを大統領にした男」と評されており、政権移行チームの編成を任されたり、刷新された政権移行チームではその一員となり、ヘンリー・キッシンジャーら様々な有力者や世界各国の政府からトランプとの連絡役となっている。

これらの事実からわかるように、油断のならない男ではないかと筆者のウオールストリートの友人は言う。「まず、不動産事業から、金の回し方のトリックを隈なく知っているだろう。そして、父親の不正事件から多くを学び、36歳と言う年齢からくる大きな野心を持っているだろう」と言う。

そして、「尊敬する岳父に忠実であることが彼の第一の義務と自覚しているだろう。そして、将来、大統領を目指すためであろう」ともいう。

筆者は、クッシュナー氏の中国資本、イスラエル資本、中東資本との深い結びつきに関心を持っている。中には、捜査中のドイツ銀行など外国の銀行と灰色の関係もあると言われている。

筆者は、バノン氏とクッシュナー氏に頼るトランプ大統領を憂慮する。

 

佐藤則男

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トランプ大統領が就任以来7週間を経た。この7週間、アメリカは、カオス(混乱)の真っただ中にはまり込み、トランプ大統領が大統領職にある限り、このカオスからの脱出は、難しいのではないか、と指摘するのは、筆者の友人のアメリカ人記者である。「それでは、トランプは辞任するまで、このカオスは続くのか、そんなことはあり得るのか?」と聞くと、「カオスは続く、しかし、トランプは大統領に居座る」と言う。

誠に哀れなアメリカの姿である。

トランプホワイトハウスは、国民医療法案、いわゆる、オバマケアの廃止に失敗し、大打撃をこうむり、そして、今度は、ロシアスキャンダルである。この問題もトランプ政権にとっては、政権の存亡をかけた戦いになっている。

大統領選挙戦中に、トランプキャンペーンチームとロシアのコミュニケーションが行われ、ロシアを動かしたのか、それとも、ロシアがトランプ陣営を動かしたのか、まだあきらかでないが、何らかの結託が行われ、アメリカの大統領選挙を左右したのではないか、と言う疑いは、成り行きいかんでは、トランプ政権の存亡にかかわる大問題であると筆者は思う。

最近浮かび上がったことは、トランプホワイトハウスが下院でこの事件を捜査する捜査委員会の議長であるデヴィン・ヌーンズ氏に「オバマ大統領がトランプタワーを盗聴した」と言う文書を見せたという事実が判明したのである。この事実をめぐって紛糾し、同委員長の辞任を求める動きが起こり、捜査委員会は、開かれなくなっている。

一方上院は、すでに捜査委員会は、公聴会を開始し、現在問題となっているのは、ロシアとの関係で辞任したマイケル・フリン国家安全保障補佐官が訴追をしない免除を与えてくれれば、自分は何でもしゃべるという条件を提案する模様である。

しかし。この動きは、トランプ大統領にとっては、危険極まりない。だが、トランプ氏は、このフリン氏の声に同調したのである。しかも、このフリン氏の要求を勧めているのである。

何と不思議なことと思うのであるが、何か魂胆あってのことだろうと筆者は想像する。フリン氏にそうさせておいて、彼の証言を証拠をもって否定できる限り、フリン氏にしゃべらせてもいいだろうという魂胆かもしれない。彼の証言を否定できれば、大きなプラスになる。

しかし、民主党のこのトランプ氏の作戦を十分知り尽くしている。「フリン氏にこのような免除を与えることは、次期早々である」と言う声が上がっている。この理由は、「早くからこのような免除の特権を与えたら、フリン氏の証言は信ぴょう性に欠ける」のではないか、言う懸念もあり、最後まで、彼自身の自供にすべきだ」と言うこともある。

トランプ氏も強く言っているように、このような罪の免除を条件とする証言は、信用できない、と取られるケースもある。

さて、このロシアスキャンダルの上下両院における捜査は、まだ、序の口であるが、前途多難であることが想像される。一体、ロシアがアメリカの大統領選挙を左右したなどと言うことが証明されるのであろうか?

そんなことがあっては、アメリカは、国家としての立場がない。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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下院のロシアスキャンダルの捜査委員会の議長であるデヴィン・ヌーン氏が秘密にホワイトハウスを訪れ、この事件に関しての書類に目を通す機会を与えられたということが大きな論争を巻き起こしている。ホワイトハウスの二人の人物がこのヌーン氏に与えた特権であった。

しかし、このような行為は、不適当で、法律を犯しているという意見が強く、ヌーン氏は、この捜査委員会議長を辞任すべきであると民主党に指摘され、ピンチに立っている。

上院は別として、下院は、パーティライン(党派の対立)を抜けきることはできない。多数派の共和党と少数派の民主党は、ことごとく強く反発し合う。ヌーン氏は、共和党で、早くから辞任を求められていたが、なかなか同意しない。先週開かれる公聴会は、延期させたのである。今がチャンスと民主党は、積極的である。ヌーン氏を攻め立てる。

恐らく辞任することになるだろうと予想されると思うが、最後まで抵抗するというアメリカの議員は、一筋縄ではいかない。かなりもめるであろう。

とにもかくにも、ロシアの盗聴、ハッキングはすさまじい。よくここまでアメリカのインテリジェンス機関は、許したものである。トランプになってからもロシアのスパイ活動は続いている。なぜ、そんなレベルまでになったのか。それは、これまでの政権に大きな問題がある。ウイキペディアやウイキリークが大胆にスパイ活動をやって来たのか。

その理由を筆者は、アメリカ行政府の中にある情報のリークがあたりまえとするところにあるのではないかと思うのである。ワシントンは、仕事も競争率が高く仕事がない。かられらは、多くの重要な秘密を持っている。だから、その秘密を金で売るのである。高い金を払えば。そんな役人から、情報が入ってくる。

こんなアメリカのワシントンの人たちの習性がこのようなスパイ網を生んだのではないだろうか。

そして、背後には、このリークを起させる大金持ちが潜んでいるのではないだろうか

 

佐藤則男

ニューヨーク


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上院で、トランプ大統領およびトランプキャンペーンチームにまつわるロシアスキャンダルの捜査委員会が上院で明日から開かれることになった。この公聴会は、公開されると言うので、また、アメリカの新しいドラマが始まるのではないかと筆者は楽しみである。

アメリカ議会のこの種のテレビ中継は、まさにドラマであり、実際のドラマより面白い。

筆者は、これまで、イラン・コントラ問題、911テロ攻撃の公聴会などをテレビの実況中継を食い入るように視てきた。これらの公聴会では、アメリカの上院議員が品格ある態度で、正しい英語で証人に質問する。日本の国会のようにヤジは飛ばない。証人を顔を立てながら、初めは丁寧に、尊敬をもって質問するが、だんだんとその態度と語調が厳しくなる。しかし、証人の人格は尊重される。丁寧な尊敬語、表現が使われる。筆者は、これぞアメリカの民主主義、といつも思う。そして、大変英語の勉強になった。

証人には、自分が罪に問われるような不利な証言をする必要がない権利が与えられる。証言の際、そのような質問を受けたら、この権利を定めたアメリカ国憲法の修正第5条を挙げることにより、この質問から逃れることができる。

証人は、また、弁護士を同席することができ、常に法的に保護されている。しかし、聖書に宣誓をしているため、嘘をつけば訴追される。いわゆる偽証罪である。だから、証人は慎重である。

 

今度の証言で、筆者が注目している証人は、クシュナー上席大統領補佐官、フリン前国家安全保障補佐官、コビーFBI長官である。クシュナー氏は、ロシアの政府が所有する銀行と会談した証拠がある。何の目的であったのかが気にかかる。フリン氏は、この一連の事件のカギを握る人物である。しかし、弁護士の代理人を立てる可能性がある。

第三番目のコビー氏は、よくわからない人物である。覚えておられるだろうが、大統領選挙投票日直前になり、ヒラリー・クリントンをサーバー問題で、再捜査する、と言う爆弾宣言を行い、それまで有利だったヒラリーをトランプ氏に追いつかせ、敗北を喫せしめた人物である。

このような人物が、ロシアスキャンダルで、今度は、トランプ氏に不利な状況を創ろうとしているのである。

 

何は、ともあれ、明日から始まる捜査委員会がどのような事実を見出すか注目される。この公聴会がトランプ氏不利の結果を出すようなことになると、一気にトランプ政権の力は弱まる。

 

佐藤則男

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トランプ大統領の支持率が、ギャラップ調査で36パーセントとなり、就任以来最低を記録した。トランプ氏の最大の支持者であった白人ブルーカラーの支持を失っていることが大きな原因である。

この支持層は、所得が低い層である。しかし、トランプ氏が何を言っても、トランプ氏を支持したら、彼らの実際の生活とは、かけ離れた政策をとることを知っていたはずである。普通のアメリカ人なら、それがどんな結果を生むかもわかっていたはずである。

彼らは、低所得者層を救うために用意されたオバマケアを廃止しようと絶叫するトランプ大統領の政策をどうして支持できたのであろうか。

金持ちの税金を減らし、金持ちをより優位にしようとするトランプ氏の政策になぜ、賛同したのであろうか。

白人ブルーカラーがいくら頑張っても、トランプのような金持ちになることは、確率ゼロであった。アメリカ社会が甘くないことは彼らは知っていたはずである。なぜ、トランプ氏の大衆の味方、貧乏人の味方を装った姿を信じたのであろうか。

トランプ氏が大統領に選ばれ、その内閣の閣僚は、大企業の重役、大金持ち、最大大手投資銀行のゴールドマンサックスの重役などで、とても白人ブルーカラーの味方などにはなれない人たちであった。

しかし、彼らは、トランプ氏に気が狂ったように熱狂し、トランプ氏を支持したのであった。

トランプ氏が大統領に就任し、次々に所得の低い人たちに照準を合わせたオバマ政権の政策を議会を無視し、大統領令で覆し、実行しようとしたトランプ大統領の真の姿をホワイトブルーカラーは見たのであった。

筆者の友人でコンドミニウムビルの守衛をやっているサミーは言う。「トランプには騙された。選挙中に行ったことと、大統領になってやることと全く異なる。トランプは我々の味方だと思っていた。しかし、トランプの任命した大統領補佐官や行政府のトップは、大金持ちばかり、我々のような貧乏人は誰もいない。味方しようとする人もいない。

「そして、本人は、自分の娘や息子を第一に考え、優先的に面倒を見る。我々は一体、だれに投票してしまったのか」と言う。そして、「金持ちが金持ちを助ける社会を作るのがトランプだ」と語る。

多かれ少なかれ、トランプに投票した白人ブルーカラーは、こんな見方をしているだろう。

トランプ大統領の支持率はどこまで落ちるのか?

20パーセント台に達したら、何か起こると思う。

 

佐藤則男

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議会の諜報委員会が開く予定の「ロシアがアメリカの大統領選挙を操作したのではないか」と言う事件を捜査する委員会に新しい動きが起きている。

 

下院の動き:

まず、下院の捜査委員会は、共和党のデビン・ヌーンズ議員がホワイトハウスとつながっていたことが持ち上がり、捜査委員会の議長として、不適任ではないかいう声が上がっている。先に、ヌーンズ氏は、今週、開かれるはずだったロシア捜査委員会開始を延期している。

ヌーンズ議員は、トランプ大統領のオバマ政権からの引継ぎチームのメンバーで、最初から、この人物がこの事件を担当すること自体間違いなのではないか、と言う批判がある。

更に、ヌーンズ氏は、大統領選挙中、トランプタワーが「偶然」盗聴されたというリークされた未確認情報に関係していたのではないか、と言う疑いをもたれている。「オバマ大統領が盗聴をしていた」と言う根拠のないトランプ大統領擁護の動きにも関係しているという嫌疑である。

民主党は、このヌーンズ議員が捜査委員会議長である限り、公平な捜査は行われない、と主張し、同議長の辞任を要求している。もっともな主張であると筆者は思う。

この種の議会での捜査委員会で、筆者が思い出すのは、9.11テロ攻撃の後開かれた捜査委員会である。リー・ハミルトン議長の党派を超えた捜査、党派にこだわらない捜査報告書は、アメリカの歴史に残るものと筆者は思う。

 

上院の動き:

ついに、トランプ大統領の懐刀、そして、同大統領が全幅の信頼を置く、娘婿のジャレッド・クッシュナー上席補佐官が上院の諜報委員会で証言するためのインタビューの要求を受け入れた。恐らくクッシュナー氏は、「どうせ、証拠はないのだから、否定するば良いのではないか」と言う認識に立っていると思う。果たして、上院議員議員に「スモーキング・ガン」はあるのか、注目される。

クッシュナー氏は、大統領選挙キャンペーン中、また、引継ぎチームのメンバーとして、重要な役割を果たしていた期間中に、駐米ロシア大使のセルゲイ・キシリアク氏に会ったということが知られている。また、ロシア政府が所有するヴネココロザシケイコノムバンクの総裁にも会っている。

当時、トランプ氏の外交は、このクッシュナー氏が全権を握っていたと思われる。しかし、クッシュナー氏には、外交の経験は全くない。一口に言えば、不動産屋である。しかし、だからと言って、筆者は、クッシュナー氏を軽蔑はできない。外交の経験があるからと言って、必ずしも、外交ができないと決めつけるのは、不公平であろう。

クッシュナー氏がロシアの関係者とどんな話をしたのか。捜査委員会のメンバーには、知りたいところである。

上院の外交委員会は、下院のように党派にこだわることはあまりなく、超党派で行われるケースが多い。筆者は、上院外交委員会をアメリカの良識と考えている。

前副大統領のジョー・バイデン氏が上院外交委員会の議長をしていた時、筆者は、同氏の上院の事務所を訪ねたことがあるが、チーフスタッフが「アメリカの外交政策は、国務省、ホワイトハウス、議会の協調的なプロセスにより決められる」と説明してくれた。筆者は、この言葉に興味を持ち、見守ってきたが、確かに、そのように思えた。しかし、トランプ大統領になってから、その伝統的プロセスは、消えたのではないか、と気になるのである。

アメリカの外交政策の世界に対する影響は極めて大きい。

いくら、ロシアのプーチン大統領が頭が良いからと言って、アメリカの大統領の世界に対する影響より大きいかと言うと、その国力から見ても、比べ物にならないのではないかと筆者は思う。

 

さて、ロシアスキャンダルの行方はどうなるのか?

アメリカの大統領がだれであれ、「外国がアメリカのリーダーを決める選挙を操作した」と言う事実が証明されるなら、アメリカ国家の史上に残る大きな国家を傷つける事件となると思う。

 

佐藤則男

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ドナルド・トランプ大統領の最大の欠点は、政策の本質が分からず、本質を論じられないことではないだろうか。大統領選挙キャンペーン開始以来、これまで、筆者は、何百回もトランプ氏の演説を聞いてきた。そして、彼から聞いたのは、オバマ批判、ヒラリー・クリントン批判であり、その批判自体、批判ではなく、ほとんどが悪口、ののしりの類であったと思う。

トランプ氏自身「私は、ワシントンの政治家ではない」と述べ、型破りなキャンペーンを行い、ワシントン体制に対する反旗を掲げキャンペーンを行った。そして、大衆を扇動することに大成功し、見事に大統領選を制したのであった。

しかし、それは、アメリカ選挙民を自分の主張で「説得した結果」ではなく、あくまでも「演出による大衆の扇動」だったのである。トランプ氏のすさまじい相手候補の批判、悪口を大衆は、「この新薬をのんだら、病気は治る」と言う空想を描かされたのであったと思う。大衆は、新薬の成分も効果を知らないままのんだのではなかったか?

それもそのはずである。大衆の病状は進んでいた。格差社会、極端な右と左の対立、人種の争い、頻繁に起こる銃の乱射事件、行き詰まった外交政策など、問題は山積していた。国民は、これらの問題をワシントン体制、伝統的な政治家に帰結していたのであった。議会の支持率は、20パーセント台に落ちていた。

そこを見事に、トランプ氏は、突いたのであった。トランプ氏は、メディアを十分すぎるほど知っていたのである。自分自身テレビのショー番組を作り、自ら演じ、大成功を収めていたのであった。メディアは、トランプ氏のコントロールする土俵で、ほかの候補を寄せ付けなかった。メディアにより、たっぷりと飼いならされた選挙民は、このメディアによって創られた「得体のしれない新薬」をのんだのであった。

今、アメリカには、「トランプ新薬」の大きな副作用に悩まされていると思われる。

第一、この新薬を作ったトランプ大統領自体、その成分、効果を知らないのではないかと思うのである。確かに、アメリカが病気にかかっていることは知っている。しかし、その病気の根源は、ワシントン体制にあると、信じ込んだのではないか、と筆者は思うのである。そして、ここに「アメリカの大衆の不満はあり、ここに焦点を当て、大げさな表現、言葉を爆弾として、投下すれば効果は抜群」と読んだのではないかと思う。

そして、生来の皮肉な性格、人々の心を「ネガティブに向け、味方にする」と言う独特の能力を発揮したのではないであろうか?

現在、多くのアメリカ国民は、自分たちの選択について、懐疑的になっている。それが共和党支持者の間でも広がっている。

今後の課題は、トランプ氏がこれまでの大衆の扇動を辞め、民主党にも友好の手を差し伸べ、協調していくのか、それとも敵対の道を歩むのか、大きな決断を迫られると思う。

たとえ、大統領と言えども、立法機関の議会を無視しては、大統領職は務まらない。

それには、第一にやらなければならないことは、自分の政策をもっと知り、議員と国民と、政策の本質を討論することを知らなければならないと思う。

 

トランプ大統領は、レーガン大統領を信奉しているようであるが、レーガン氏とトランプ氏の大きな違いは、レーガン氏は、「自分が知らないことを知っていた」のである。だから、民の声を聞き、スタッフや専門家の声を聞き、政治をおこなったのである。しかも、外国のリーダーの声も聞いたと筆者は記憶している。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプと共和党の医療保険法案の議会提出断念の決定は、トランプ大統領の今後の進路に暗雲をもたらすこと必至である。今後同大統領が予定している大幅な減税策や予算カット、不法移民政策、巨額の軍事費の増加策など、トランプ大統領がこれまで、得意になって力説していた政策の法案が進まなくなる可能性が高いと思われる。

これで、共和党が危機を感じ、トランプ大統領の野望に協力し、それらを果たそう、と言う機運が共和党内部に起きるのか、起きないのか、そして、トランプ大統領が新たなる政治的モメンタムを得るのかどうか、が大きな問題となる。

この医療保険制度の大幅な改革案のメルトダウンは、トランプ大統領の今後を決める大きな試金石になっている。

筆者は、この失敗は、トランプ大統領の強気の政策に大きなダメージを与えると予測する。筆者は、これで、トランプ大統領が政治的モメンタムを失ったのではないかと思うのである。

トランプ氏は、自分の法案が困難に陥ると、自分の支持者であるブルカラーを中心とした大衆を味方につけ、大集会を開き、自分の政策を大げさに述べる。まるで、大統領選挙がまだ行われていると思っているのではないか、と思うほどである。その大観衆に向かって、まるで、映画スターのように振る舞い、得意になって自分の政策を述べるのである。しかし、その政策の詳しい、細かい部分については、話さないのである。あたかも、その内容が分かっていないかのようである。実際、筆者は、どこまで分かっているか、疑問視している。

そして、これまでの大統領がやってきたことをすべて間違っている、愚かなやり方とけたたましく批判するのである。これでは、大衆から、支持が落ちていくはずである。

アメリカ国民にも良識がある。トランプ大統領の激しい批判、激しい口調、前任者に対する不遜な態度は、すでに多くの国民の許容限度を超えたのではないかと思う。

今後トランプ大統領は、これまでの態度を改めるのか、それとも、そのまま押しまくるのか、彼自身の判断にかかっている。少しでも態度を変化させ、共和党と歩調を合わせるのか、民主党の支持を得ようと懐柔策に出るのか。

大幅な軌道修正がない限り、トランプ大統領の先行きは、暗くなる一方だと思う。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプ大統領と下院共和党がオバマケアの廃止を諦めた。24日、金曜日、オバマケアの廃止を図り、共和党は、そのための法案を通すことを試みてきたが、共和党内部の保守派の賛同を得られず、議会の通過を諦めざるを得なかったものである。

オバマケアの廃止は、トランプ大統領の大きな公約の一つで、これを断念しなければならなくなったことは、トランプ大統領にとり、大きなセットバック(後退)であることは間違いない。

トランプ大統領と共和党にとり、なぜ、このような敗北になったのか?

オバマケアは、確かにコストがかかりすぎるという欠点はあるが、国民全員に医療保険を加入させらない国と言うのは、先進国で、アメリカ以外なかった。この汚名を改善するものであった。

アメリカの医療費は高く、貧乏人には、とても手が届くものではなかった。それをAffordable Care Act(貧乏人にも可能な医療保険制度)を築き、実現した法律がオバマケアであった。

このオバマケアは、強制的なものであり、国民全員が医療保険に加入しなければならなくなった。これに対し、トランプ氏、共和党は、反対し、オバマケアの廃止を唱えたのであった。

トランプ氏と共和党の主張は、大きな問題にぶつかった。幅広く国民をカバーする医療保険制度であるオバマケアをなくすれば、4800万人の医療保険を持つ人々を失わせるものであった。今回の法案提出断念は、このようなトランプ大統領と共和党の動きを封じるものだったのである。

共和党の反対派は、このような法律を通過させれば、来年の中間選挙で共和党の大敗北を可能にし、共和党議員は、自分の席を失うことを心配したのである。議会議員の最大の関心は、常に再選されることである。この関心は、どこの国でも当然であろう。

 

筆者が驚くのは、トランプ大統領が共和党の反対派議員に対し、「ここの法案に反対した議員は、来年の中間選挙でその罰を受ける」と脅しをかけたことであった。そして、国民を納得させるため、大集会を開き、圧倒的な迫力と聞き苦しい暴言を吐き、まるで選挙運動のように、国民に訴えたことであった。

更に、トランプ大統領は、このような敗北を民主党のせいにし、自分の責任は、一切逃れる発言をしたのである。

さて、このようなオバマケア廃止の動きが共和党議員の支持を得ることができず、反故になったことで、どのような影響がトランプ大統領にあるのか、注目される。

 

トランプ大統領の支持率は、すでに30パーセント台と低い数字なっている。これ以上落ち、20パーセント台に落ちるようなことになると前代未聞のことになり、重大な自体に発展する可能性があると思う。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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昨夜行われるはずだったオバマケアの廃止、新医療保険法の成立のための採決は、多数を占める共和党内の反乱があり、採決が持ち越された。恐らく、共和党はこの法案を修正し、通過させることになるだろうが、ホワイトハウス、および、ライアン下院議長にとり、屈辱的なことになるであろう。

 

共和党の現在の法案が通過すれば、来年、1400万人が健康保険を失うことにると予測され、最終的には、2400万人が健康保険を失うことになると推定されている。この最大の原因は、国民に健康保険に入ることを義務付けるか否かであるが、共和党の代替案は、これを否定している。

 

若い人は、健康保険は、病気にならないから必要としておらず、そんな金を払ったら、年寄りに使われるばかりである、と言うのである。要するに健康保険に加入することを国民の任意にすることを意味する。

 

「自分で得た金は、自分のもので、その金を使うことに政府からとやかく言われる必要はない」と言うアメリカ人なら当然の考え方であると思うのであるが、連邦政府の考え方としては、そのような考え方は、不適当と思う見方をする国民は多い。

 

日本にこの論争がどれだけ関係があるか分からないが、これで、もしもこの法案が通過しない場合、共和党とトランプの大打撃となる。しかし、共和党の賛成派と反対派は、いずれ、法の改正を行い妥協点を見出し可決されるであろう。

 

だが、この問題から生じる問題は、共和党の親トランプ、反トランプの対立を深めるだろうと思う。

 

筆者は、政府のメディケアと保険会社の健康保険に入っていて最初に払いに充てられるのがメディケアで、足りない分は、保険会社から払われることにしている。アメリカの医療費は、馬鹿高い。何時も医者に行くと驚く。先日、健康診断に行ったら、1200ドルかかったのである。これは健康診断で、病気の治療でないので、保険は効かなった。

 

歯医者にかかると悲劇である。一万ドルもかかることがあり、保険は、年間4000ドルがカバーされる。治療費は、簡単に1000ドルを超える。

 

健康保険に入っていない人はどうなるのであろうか。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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下院諜報委員会の議長、デヴィン・ヌーンズ氏が、オバマ大統領のトランプタワーの盗聴を肯定するような発言をし、民主党の反発を買っている。ヌーンズ氏の主張は、諜報機関が、通常の諜報活動の途中、トランプタワーが「偶然、盗聴されたのではないか」と言う新しい解釈を発表したからである。この発言は、トランプチームを喜ばせているのである。

これまで、アメリカのリベラルメディアは、「トランプは何も証拠もなく、オバマ大統領がトランプタワーを盗聴した」と発言したことを批判し続けていた。

筆者は、この事件を大きく見ている。何故なら、もはや、アメリカ議会には、「政治的争いがあまりにも沸騰し、党派の争いを捨て、真実を追い求める精神がなくなったのではないか」と言う疑問があるからである。

9.11のテロ攻撃の後、議会で捜査委員会が設置され、共和党、民主党が公平に調査を行い、正当で、公平な捜査報告書が作成し、発表したのであった。国難には、大統領の下に国民が結集し国を守るという、アメリカらしいやり方であった。

今や、このような共和党、民主党の協力はなくなったと筆者は考えるようになった。この主な原因は、どこにあるのか、が問題であるが、筆者はここでは述べないことにする。本件のさらな進展を待ちたい。

 

トランプ大統領の支持率37パーセントに転落

 

さて、トランプの支持率がクイニピアックの調査によると37パーセントに落ち、56パーセントが不支持と言う。就任100日にも満たない政権がこんな低い支持率となったのは初めてである。特に白人層の支持が落ちている。その中でも、トランプを支持した白人ブルーカラーの失望は大きい。

この原因についても、多くを語る必要はないであろう。トランプ大統領自身がその原因を最も知る立場にある。自ら、支持率を下げる態度と行動を取っているのである。

トランプ大統領がなぜ、このようなことをするのか、筆者にはその原因が分からない。アメリカの多くの国民との政治思想の違い、価値観の違い、それとも、アメリカに何らかの変化を起こしたいという歴史的判断、などいろいろ考えてみるが、そのようなものでないことは明らかだと思う。それでは何か?

あの特有な演説の仕方、言葉遣い、態度などは、異常と思える。それでは、アメリカ国民は、異常人物を大統領に選んだのか。そんな程度の国民であるのか。

今になって、自分たちが選んだ大統領に、恐れおののいているアメリカ国民は多いだろう。そして、自ら選んだ大統領を辞めさせることがどれだけ難しいことかもかみしめていることであろう。一旦、権力を持ったリーダーを民主主義国家が変えるのは、至難の業である。民主的手続きを踏まねばならないこと、権力者とその政党は、いかなる合法的手段も世論操作も行うのである。

権力の座に就き、そのような行動を取る政治家を筆者は、尊敬できない。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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ポール・マナフォートと言う男がいる。大統領選挙当時、トランプのキャンペーン・チェアーマン(選対本部長)をしていた男である。この男がウクライナの親ロシアの政党から金を受け取り、マネーロンダーリングしていたことが浮かび上がってきている。

 

昨年8月にこの疑いは報道され、同氏はトランプ選対本部部長を辞任したが、今度は、ウクライナの議員が文書で、マナフォート氏のマネーダーリングを実証したのである。もちろん、非公式である。

昨年、マナフォート氏は、親ロシア派だったウクライナ政府のコンサルティングを行い、ニューヨーク・タイムズは、ウクライナのヴィクトル・ヤヌコビッチ前大統領が率いる与党「地域党」の秘密口座にマナフォート氏の名前があったと報じたことがあった。

マナフォート氏は、1270万ドルを受け取っているとされている。もちろん、マナフォート氏は、否定している。

マナフォート氏の事務所がウクライナ政権に代わってロビー活動の調整を図ったとされている。事務所が海外エージェント登録をしていなかったため、連邦法に触れている。

マナフォート氏の代理人リック・ゲーツ氏は、ワシントンのロビイストたちと連携し、ウクライナ政権に好意的な見方を浸透させる調整をしつつ、ヤヌコビッチ前大統領の政敵ユリア・ティモシェンコ元首相への支持を弱体化させようと圧力をかけたという。ゲーツ氏も同様に、海外エージェント登録をしていなかった。

このような疑いのあるトランプ関係者は、どれだけいるのであろうか。

これまで、辞任したフリン国家安全保障補佐官がその一人であることが明らかになっている。しかし、同氏は、トルコ政府からコンサルティングフィーを得ていた。だが、フリン氏は、何回か駐米ロシア大使と会談しているがその内容は明らかになっていない。

更に、トランプ内閣の閣僚でロシアの要人、ロシア大使に会った人物は複数いて、トランプ氏の娘婿クシュナー氏、セッションズ司法長官などもその仲間に入っており、いつどこで何が話されたか、FBIは、捜査を進めていると思われる。

この操作は、昨年7月から始められているというから、相当捜査は、進んでいるものと思われる。

しかし、その捜査は極めて難しいであろう。このようなトランプ内閣の閣僚が正直に証言をするはずはない。それは、議会で開かれている特別捜査委員会でも同じことであろう。

このトランプ大統領のロシアスキャンダルがどこまで、到達し、トランプ内閣を揺るがすのか、筆者には見当もつかない。だが、トランプ政権にとっては、大きな痛手で、対策にてんやわんやであろう。

 

この上に、木曜日には、オバマケアを廃止し、新しい医療保険の下院における投票がある。賛成多数で通過するかどうか微妙な状況である。

トランプ氏は、反対する自党の議員に「この法案に賛成票を投じないものは、2018年の選挙で敗退する」と恐喝じみたことを述べた。今後ますます、トランプ氏の脅しによる政治は激しくなるだろう。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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まさに爆弾宣言である。FBIのジェームズ・コミー長官が昨年の大統領選挙で、トランプキャンペーンチームとロシアとの間に陰謀が行われ、トランプ氏を勝利に導いたのではないかとする捜査が進行中であることを議会で証言したのである。これは明らかに犯罪調査であり、この事実が捜査で明らかになれば、アメリカ史上、最大の犯罪ではないかと筆者は思う。外国がアメリカのリーダーを決める選挙を操作したことになり、世界史の中でも、前代未聞の犯罪である。

実は、筆者がこのトランプ陣営の陰謀説をこのブロサイトで唱えたのが昨年10月であった。その時、読者から「根拠もない陰謀説。私は陰謀と名の付く事件を一切信用しない」と批判を浴びた。当時、筆者は、FBIがこの事件を犯罪捜査として、扱っていることが想像できたのであった。当時、犯罪の疑いは、状況証拠でしかなかったが、筆者は、この事件の裏には、金が動いていることを直感した。事実その通りでった。首になったフリン国家安全保障補佐官は65000ドル、元トランプキャンペーンマネジャーには、ロシアから100万ドルを超える金が支払われていたという報道もある。

トランプと言う人は、金持ちでもケチな人であることは筆者も聞いている。そのような人たちがトランプ氏からどれだけ金をもらっていたのであろうか。外国からの金を受け取ったこれらの人たちは、安く使われていたのではないか、と想像する。しかし、外国から金を受け取ることは、十分注意が必要なのである。

ロシアは、金がどれだけアメリカ人にとって「ものをいうか」知りつくしているはずである。筆者が昨年10月、ロシアの陰謀を疑った理由には、この金で動かされるアメリカの政治に関係する人たちの習性を知っていたからであった。何時か、この事件に金が含まれていることが明らかにされると思っていた。

FBIは、この事件によほど自信があるのであろう。めったにしない捜査中の事件を発表したのである。それなりの証拠に基づく自信がない限り、公にはしない。しかし、今回はそれをやったのである。現職の大統領を犯罪の可能性を込めて、コミー長官がこのような議会での証言をすることには、それ相当の覚悟と勇気が必要であったであろう。

 

また、この議会証言で、トランプ大統領がオバマ大統領がトランプタワーを盗聴していたというクレームも嘘っぱちであったことが証言された。それでも、トランプ大統領は、自分の主張が正しいことを叫ぶ。往生際の悪いことにもほどがある。

 

さて、今後この事件がどのように転がるのか。ことは風雲急を告げると思う。アメリカのメディアは、長年この事件の結末には、時間がかかり、何年も続くのではないか、と言う見方がある。

筆者は、FBIが何か重要な事実をすでに握っており、その裏付け捜査を行っているのではないかと思っている。ただ、想像だけで何も証拠はないが、FBIがここまで公に発表するからには、それなりの理由と確信があるのではないかと思う。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク

 

 


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久しぶりに筆者の年金を管理しているウオールストリートのフィルと話した。フィルは、もう30年間も筆者の年金を投資している。リターンは、まあまあの実績である。

さて、このフィルがトランプ大統領に関し、筆者と全く異なった見方をしている。

「トランプ政権の評価を聞かせてい欲しい」とい聞くと、「やっと、トランプ政権は、落ち着いてきた。大統領選挙で公約したことはまだ十分実施していないが、追いつきつつある」と言う。

「ちょっと、待ってほしい。メキシコ国境に高い塀を作ると言ったがまったく手のつけようがない。オバマケアも廃止しようとしているが、議会での成立が危ぶまれている。また、ロシアとのハッカー事件、トランプスタッフとの関係など、議会の捜査委員会が始まる。多くの不確定要素がトランプ政権にあり、落ち着いてきているとはどういうことか?」と聞くと、「それは、リベラルメディアの報道を見ているからだ。リベラルメディアは、真実を伝えていない」と言うではないか。まさか、ビジネススクールのクラスメートがそのような見方をしているとは思えなかった。まさに「フィル、お前もか!」であった。

フィルは言う。「トランプには、議会の風習を壊さなければならない、と言う意識がある。だから、何でも食いつく。その意味では、議会と何とか一致点を探して政治を行うというこれまでの大統領とは異なる。まず、トランプは、ワシントンの弱点を攻撃し、粉砕する」と。

筆者は、反論する。「それは、何でも破壊するという、危険な考え方で、国家を困難に陥れ、国の力を弱めるだけであろう。政治には、妥協が働かなければならない。アメリカのように真っ二つに割れた国では、より大事である。トランプは、単なる破壊者でしかないのではないか?」と。

「トランプは、確かに破壊論者かもしれない。だが、今、アメリカが強くなるためには、多少の極論は仕方がない。これまで、オバマのアマ政治が続いた。何も成し得なかった」といフィルは主張する。

 

話を変えて、「トランプは、北朝鮮に対し、軍事行動をとると思うか?」と聞くと、「取らないだろう。あまりにもリスクが高すぎるし、中国、日本、韓国は反対するだろう。軍事行動をとるとしたら、これらの国の支持が必要であろう」と言う。

「アメリカ経済は、どうなるか」と聞くと、「利上げは、ゆっくりと行うだろう。後、23か月は大丈夫だろう。その後は、分からない」と答えた。

 

佐藤則男

ニューヨーク
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今こそ、日本政府、国民は、アメリカがどんな国であるかをじっくりと観察し、これまでとは異なった角度からアメリカと言う国を見なければならないのではないか、と筆者は思う。言うまでもなく、トランプ大統領が誕生してから、アメリカは、異なった国に変貌しつつあるとみて差し支えないであろう。

トランプ大統領のアメリカ第一主義は、アメリカの外交政策に大きな影響を与えている。例えば、先日アメリカを訪問したドイツのメルケル首相に対し、NATOに対する借金を返し、もっと金を払うべきだと、夜中の3時にツイッターを発し、述べたのである。公式の席上で述べたものではない。

そもそもこのトランプ大統領のツイッターは、主要新聞やテレビニュースを全面的にはじき、ブログサイトやオンラインニュースを読む人たちを対象にしているのではないかと筆者は見ている。このような情報の取り方をしているアメリカ人は、急激に増えている。

言ってみれば、筆者もそうであるが、筆者の場合は、主要新聞、テレビ局のウエブサイト版を見ている。ブログサイトには、ほとんど目を向けない。

トランプ大統領がこのようなコミュニケーション戦略をとるのは、アメリカ国民が選んだ大統領であるので、仕方がないとする。しかし、外交政策面で、アメリカの大統領がこのような非公式のコミュニケーション戦略をとり、公式発言と非公式発言をまぜこぜにして、世界を混乱させることは、誠に不適当だと思うのである。

ドイツのメルケル首相に面と向かって、ツイッターで述べたことを直接言ったらどうなのであろうか。

筆者のNYの外国のフリージャーナリストの友人は、「これではまるでアメリカの大統領自身がブロガーである。そして、そのブロガーが世界の注目を集め、喜劇を演じている。まるで、ピエロである」と言う。そして、「今後最低4年間は、世界はアメリカ大統領により、混乱させられるだろう。この間に、世界に大きな戦争が起こったならどうなるであろうか。アメリカのバランスが崩れつつある中で、トランプ大統領がその戦争に介入することになったら、どうなるのであろうか」と危惧する。

過去の歴代大統領が築いてきたアメリカの外交政策を無視し、新しい外交政策をとるトランプ大統領。世界は微妙な力のバランスを築き、かろうじて平和を守ってきたと筆者は信じている。トランプ大統領のこのバランスを崩そうとするアメリカの外交政策は、危ないと思う。

外交政策を金銭のやり取りとしているのではないかと思う。その根本は、アメリカがこれまでその巨額の富を使い、世界のポリスとして、イニシアティブをとって来たことを全面的に否定しているのではないかと思う。

そして、ホワイトハウスは、世界20か国会議の共同声明から「フリートレード」と言う言葉を消しているのである。この傲慢さは、世界を不幸にすると筆者は思う。

アメリカは変わる。手のひらをひっくり返したように変わっているのではないか、とさえ思う。

 

世界は、「用心に用心を重ねる時代」に入ったのではないだろうか。

 

果たして、トランプ大統領が日本に核武装をするよう唱えることなどがあるのであろうか。その時、日本国民が核武装をしないと言ったら、トランプ大統領はどう出るのであろうか?

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプ大統領の不退転の決意、執拗さもここまでくると筆者は、その精神の強靭さに感嘆せざるを得ない。オバマ大統領がトランプ氏を大統領選挙中、盗聴したという彼自身のクレームを取り下げず、まだ主張している。

ニュースメディアがその証拠を執拗に要求しているが、それに屈せず、オバマ氏が盗聴したことを主張する。証拠は示さない。「オバマ大統領がイリスの監視機関にトランプ氏を盗聴するようにいらした」と言うアンドリュー・ナポリターノ元ニュージャージー州上級裁判所判事が言ったことを引用したまでだ」と逃げた。このナポリターノ氏は、FOXニュースのコメンテーターである。

FOXニュースの他の番組のアンカーマンであるシェパード・スミスがそれを否定している。

この事件で、トランプ氏の嘘をついていることを認めさせ、勝利宣言しようとしているニューヨークタイムズやワシントンポストなどのリベラル系新聞、MSNBC, CNNなどリベラル系テレビ局は、強烈にトランプホワイトハウスに挑むが、ホワイトハウスは、譲らない。

このような争いを筆者は、小競り合いと思うのだが、ホワイトハウスとメディは、執拗に続けるのである。

トランプホワイトハウスは、なんと暇なのであろうか。

 

対北朝鮮軍事行動準備か?

 

一方日本では、ティールソン国務長官が北朝鮮の核ミサイル攻撃の脅威に対し、軍事行動をまじめにほのめかしている。いや、ティールソン氏の声明を読むと、いまにも軍事行動をとるのではないか、と思うほど切迫した言い方である。

これまでのオバマ大統領の穏健とも思える北朝鮮戦略を大幅に改めている。それが何を意味しているか、日本は、読まなければならない。

今回ばかりは、これまでにないアメリカの決意が秘められていると筆者は思う。

しかし、トランプ政権がどれだけこの軍事行動のほのめかしが現実的なのか、分かりかねる。トランプ政権得意のブラフなのではないか、と言う見方もできる。何故なら、北朝鮮に軍をすすめ、北の核兵器をどう抑え、どう封鎖するのか。戦略ばかりが先走りし、実践作戦の成功率はどれだけあるのか。第一、北が核兵器をどこに隠しているのか確実な情報はつかんでいるのか。

ニューヨークに住む筆者のジャーナリストの友人のK氏は、「いつものトランプ政権の外交ブラフではないか。国内の問題が山積みしている。トランプは、苦境に立っている。それをかわすには、戦争をほのめかし、国民の注意をそれに向けさせるのが良い」と言う。そして、「今のトランプ政権が東アジアで軍事行動を展開することはできないだろう。シリアなどの中東問題がある。さらに、中国と大統領就任以来、首脳会談もできていない。日本、韓国の合意もできていないだろう。アメリカ単独、いや、トランプの独断で北朝鮮に軍事行動をとることなどできる状態ではないだろう」と言う。

しかし、筆者の別の記者であるS氏は、「7月か8月に、トランプは軍事行動をとるかもしれない」と言う。何故なら「トランプは、そのころ、行き詰まるからだ」とS氏は言う。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク


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新幹線に乗り、福岡にやってきた。日米協会のKさんが温かく迎えてくれた。Kさんの温かい歓迎と温厚なお人柄に、胸がいっぱいになった。深く感謝申し上げたい。

車窓から眺める日本の風景は、平和でのどかで、とても中国と対峙し、北朝鮮の核ミサイルの脅威にさらされ、相変わらず韓国と対立する国とは思えなかった。

どうして、こんな平和でのどかな日本が東アジアでこのような難しい立場に立たされているのであろうか、としみじみ感じた。

そして、思い起こされたのは、司馬遼太郎のNHKのドラマ「坂の上の雲」の冒頭のセリフだった。

「まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている。小さな、といえば、明治初年の日本ほど小さな国はなかったであろう。産業といえば農業しかなく、人材といえば三百年の読書階級であった旧士族しかなかった。明治維新によって、日本人ははじめて近代的な「国家」というものをもった。。。。」と言うセリフであった。

この明治時代の日露戦争勝利により、日本は、世界の列強の仲間入りをした。この時、日露戦争終結の仲介を行ったのが、セオダー・ルーズベルト大統領であった。そして、同大統領と友人となり、仲介を依頼したのが金子堅太郎であった。この金子堅太郎こそ、日米協会の創立者である。筆者は、このルーズベルト大統領のファミリーのリーダーである善き友人であるツウイード・ルーズベルト氏から何度もこの当時の話を聞いた。

この時から日本がどのような発展を遂げ、歴史過程を経て来たか、日本の国民一人一人にそれぞれの認識があるであろう。大論議を醸し出すこともあるであろう。

 

今、日本が直面している大きな課題の一つは、東アジアで生きていくためには、アメリカの軍事的プロテクトがなければ、日本の平和、安全は保てないということだと筆者には見える。そして、日本人の多くがそのような状態は果たして正しいのか、と言う疑問を持っていると筆者には見受けられるのである。

筆者が車窓から見ている平和でのどかな風景は、日本の安全が保たれているから成り立ち、アメリカの軍事協力が不可欠なのであると理解している。このような日本の安全保障のセッティングには、莫大な金がかかる。2011年に決定された在日米軍駐留経費の日本側負担は、1881億円となっている。

これが日本国民の自国の安全保障についてのベストチョイスなのか、と言う命題にぶつかる。

トランプ大統領は、「アメリカを第一する」と言う自国の国益を優先するという基本政策を打ち出している。これは、これまで、アメリカがとって来た軍事援助、経済援助政策を改めることを示唆している。その政策が日本にどれだけの影響があるかはまだ分からない。

安倍首相は、一月に真っ先にトランプ氏を大統領就任前に駆け付け会談した。そして、2月には、公式訪問を行い、日米関係の継続を図っている。自分を真っ先に訪問した安倍首相をトランプ氏は自分の別荘に招き大歓迎している。これが実質的に何を意味するかはまだ分からない。

世界の多くの国々の元首がトランプ大統領がどのような外交政策をとるのかよくわからず苦慮しているが、実際はトランプ氏もわからないのではないかと筆者は想像する。

トランプ大統領の外交政策の懐刀は、ジャレド・クシュナー上席補佐官であると筆者は見ている。同氏には、外交経験は全くない。よって、外部の専門家から情報を集め、必死にその役割を果たしていると思う。

そこで、筆者が最も注目している人物は、アレックス・ティールソン国務長官である。この人物は、一体、どこで、何をやっているのか?アジア諸国訪問に出たが随行記者団を連れていない。

この意味では、「忍者外交」を行い、中国国交回復を可能にしたキッシンジャー元国務長官に酷似している。キッシンジャー氏は、筆者に「外交交渉は、秘密に行わなければならない」とはっきり語っていたことを思い出す。

ティールソン氏の今後の動きを筆者は、不気味とさえ思う。何せ、プーチン氏とは、特別な関係の持ち主である。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプ大統領が独裁体制を目指していることは確実であろう。セッションズ米司法長官は10日、オバマ前政権で任命され、職にとどまっている46人の連邦検事に対して首切りを行った。。

新政権の発足に合わせて連邦検事を首にするのは慣例だが、業務の継続性を確保する観点から1年程度は職にとどまらせることが慣例である。この前例に従わないトランプ大統領の狙いは、明らかである。

アメリカには、大統領が任命する連邦検事は全米に93人おり、連邦法にかかわる刑事事件の捜査、起訴を担当する。約半数はトランプ政権の発足で辞任したが、46人が残っていた。トランプ大統領が就任前に留任を約束したバララ・ニューヨーク南部地区連邦検事も辞任を求められた。またしても、約束違反である。

トランプ大統領は、相次ぐトランプ政権の情報リークには、これらの連邦検事が、このリークに絡んでいるとみていると報道されているが、筆者は、「逆らう者は、すべて首にする」と言うトランプ関係者に対する恫喝であると見ている。

今後この締め付けは、さらに厳しくなるだろう。筆者の友人である新聞記者のフレッドは、「トランプは裏切りを決して許さない。トランプに就くものは、この覚悟をしなければならない。トランプには、この意味で親衛隊がいる。この親衛隊に逆らえば、すぐ首が飛ぶ。この親衛隊の幹部は、バノン戦略補佐官、娘婿のクシュナー上席補佐官であることには間違いない。この二人の同意を得ないとトランプに話すことは不可能である」と言う。

筆者は、トランプ大統領に見込まれ、高い地位に就かされ、トランプ大統領に仕えることは実に難しいことではないかと想像する。職務の遂行よりは、その忠誠心が問われ、フレッドは、「絶えず、監視されているように思うのではないか」と言う。

例えば、スパイサー首席報道官である。この人ほど大統領報道官として、近年、口調に滑らかさのない人はいなかったであろう。頻繁に言葉に詰まり、内容は本質を欠き、記者の質問には、切羽詰まった回答をする。それも挑戦的で、説得力はない。

しかし、メディアを知り尽くして、毎日長い時間テレビニュースを視て居るトランプ氏にはかなわないだろう。スパイス氏は、記者会見では、破裂するような答え方をする。自分の言っていることに自信がないのではないか、と筆者は想像する。

報道官と言う仕事には、自分の創造力は生かせない。仕事は、主人を守り、より正しい認識を公衆に持たせることである。何時も、常に主人の近くにいて、主人がしゃべることを聞き、その考え、思惟を読み、主人の身になって思考し述べなければならない。いくら主人と異なった発想、意見があっても、それらは全面的に押し殺さねばならない。

主人がうそをつけば、それを擁護しなければならない。裏切れば、即刻首、こんな仕事はだれも望まないであろう。

かくして、トランプ大統領のデマゴーグ、嘘のニュースは、世界を駆け巡るのである。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク


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今朝、日本の方から、次のような声をいただいた。

先日のメールに日本人がトランプを過大評価しているのに驚いたとありましたが、その裏には日本のアメリカに対する期待があると思います。

日本にとって、頼りはアメリカだけです。誰が大統領になろが、日本はアメリカが頼りなのです。

アメリカ国民の力でトランプ政権も正常な軌道に乗るだろうという。期待があります」と言う投書であった。

筆者は、改めて、アメリカの力、国際的なポジションの重要さ、そして、日本にとり、アメリカの存在の大きさを認識し、身がしまる思いがした。

 

アメリカ国民、アメリカのメディアは、ほとんどトランプ大統領の問題を「自国の内情を中心」に論じているが、日米関係は完璧なほど無視されていると言っても過言ではないだろう。

筆者は、今、日本にいて、改めて日米関係の重要さを感じている。そして、アメリカ国民、政府、特にホワイトハウス、議会は、日本に注目しなければならないと思う。

筆者は、アメリカのもっとも信頼できる外国のパートナーであると思っている。イギリスよりも、ほかのヨーロッパ諸国よりも、日本は、アメリカの友好国と思っている。

古いが元国家安全保障アドバイザーであった、ブレジンスキー氏は、その著書で「ひ弱な花、日本」で日本にとって、アメリカの重要性を説き、筆者には、日本を「アメリっぽん」(Ameripponn)と言い現わしたことがある。この言葉は、ニューヨークタイムズ紙で、ブレジンスキー氏の論文として載り、当時、評判となった。

ブレジンスキー氏とは、何度も仕事をさせていただいたが、彼の日本理解が適切であり、優れたものであることを筆者は学んだのであった。

さて、日米関係は、トランプ大統領が起こしているアメリカの政治Turmoil(混乱)にどれだけ、どんなふうに影響を与えるのであろうか?

この設問は、筆者が日本に到着して以来、何度も聞かれた設問である。筆者の答えは、ただ「分からない」と言うだけである。何故なら、第一、「トランプ大統領の下で、アメリカがどうなるか」かが分からないのである。

安易で確証も何もない空想で日米関係について述べることは、筆者が最も避けるところである。筆者は、これでも、日本を我が祖国と思い、わが故郷と思い、日本に深い尊敬と祖国愛を持っている。日本を良くするために微々たる力ではあるが、粉骨を惜しまずお役に立てればと思っている。

そのような立場から、日米関係を述べると、トランプ大統領の下でのアメリカとの友好関係については、政治、軍事、経済面で、日本政府は、決して、先走った慌てて行動をとってはならないと思う。

何故なら、トランプホワイトハウスは、対日政策に目を向け、耳を傾け、問題の本質に入り、お互い分析し、予測し、行動をとる状態ではないと思う。

第一、トランプ政権に対日政策を司る、人物がいないと思われる。また、対日政策の中心に当たる国務省は、ティラーソン国務長官の下で、まだ、積極的に外交政策を作成し、行動に出る状態ではないと筆者は思う。何せ、ティラーソン国務長官は、今回のアジア諸国訪問でさえ、メディア記者団を同行しないのである。何ということであろうか、と思うのであるが、トランプ大統領とアジア政策の同意ができていないのではないか、と思うのである。

南シナ海への中国の軍事的進出、尖閣問題、そして、北朝鮮問題、など極めて高度な外交が要求されるアジアで、トランプ大統領がこれらの問題について、十分政策を打ち出せるとは、ティラーソン氏は、考えていないのではないだろうか。

大統領がこのような状態の時、日本政府としても、表立った行動はとれないのではないか、と筆者は考えるのである。

筆者は、日本の国会議員がそのカウンターパートナーであるアメリカ議会、特に、上院の外交委員会、軍事委員会、諜報委員会と親密になり、お互い忌憚のないコミュニケーションを重ねることが重要だと思う。日本の国会議員が、安倍夫人のスキャンダルに時間と労力を費やしていることを大変残念に思うのである。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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アメリカのリベラルメディアとトランプ大統領は、戦争状態にあるといても過言ではないと思う。リベラルメディアが懸命に報道するトランプ大統領のロシアとの関りには、トランプ氏の側近が会ったという証拠はあるが、彼らが何をロシアと話したか、その内容に関しては報道がない。それをトランプ大統領はフルに利用している。

一方のトランプ大統領が主張するオバマ大統領の盗聴にも、その証拠はない。

つまり、トランプ大統領とリベラルメディアは、お互い証拠のないスキャンダルを激しく上げ、論争しているわけである。

これを筆者は、「戦争」と言う表現を使いたい。内容を確かめることはさておき、お互い砲火を浴びせ合っているのである。

この戦争の決着をつけるのは、議会の捜査委員会の調査であるが、この議会が機能しない。議会が民主党共和党の「政治の駆け引き、政治のダイナミックス」となるからである。今の議会は、上院下院とも共和党が多数を占める。よって、トランプ氏に政治ダイナミックスは味方する。議会の捜査で、トランプ氏が白か黒か明確になることはないであろう。この捜査委員会で、独立した検察官を任命するかどうかでもめるだろう。

だが、世論は、リベラルメディアに今のところついている。これで、共和党、民主党、リベラルメディア、世論の争いとなるのであるが、国民の目に触れ、耳に触れるのは、リベラルメディアが圧倒的に大きいと筆者は思うのである。世論は、リベラルメディアによってより大きく影響される。

このような状況で、トランプ大統領は、徹底抗戦をする。彼の戦う武器は、ツイッターとテレビでカバーされる大集会を開くことである。さらにプレスミーティングを開き、激しくリべアルメディアを非難する。まるで、大統領選挙戦がまだ続いている印象を与える。

このような状況は、大スキャンダル、例えば、ウオーターゲート事件のようなことが起こった時のように、アメリカ国民には、危機意識が起こる。大統領自体の地位が危なくなり、辞任するかしないかなどの議論が起こるのである。

世界中の多くの人々がトランプ大統領が、アメリカ国内のリベラルメディアと世論に押され、辞任するか否かの動きに興味が移りつつあると思う。

トランプ大統領の性格、バイブルには、「辞任」と言う選択は全くないと思う。いかなる事態になろうと、いかなる状態になろうと、トランプ氏は、大統領の椅子に居座り続けると思う

たとえ、FBIや議会の捜査で、トランプ氏とロシアの関係が明らかになり、トランプオーガニゼーションとビジネス関係が暴露されても、トランプ氏は、居直ると思う

そして、共和党が上院、下院で、多数を占める限り、トランプ氏を大統領職から追い払うことは不可能であろう。

たとえ、ロシアとの関係において、不正行為があったとしても、その可能性は小さいと思う。

アメリカは、今後ほぼ4年間、トランプ氏の下で生きなければならないのではないか、と筆者は思う。

キーは、共和党がトランプ氏を見放し、弾劾が決定するかどうかであるが、その可能性は、非常に小さいであろう。

アメリカは、トランプシンドロームに悩まされ続けるであろう。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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クイニペック大学の最新の世論調査によると、調査サンプルの61パーセントがトランプ大統領とロシアの関係に不安をいだいているという結果が出ている。トランプ大統領は、この事実を無視することは、難しいと思う。

更に、民主党の有力議員マイク・ワーナー上院議員がトランプとロシアの関係にアメリカの諜報機関が全面的に取り組むべきだと述べ、攻勢を強めている。そして、FBIを訪れ、すべてを公開するよう迫る予定である。特に、問題になっているのは、大統領選挙で、トランプ陣営がロシアのクリントン陣営、民主党のハッキング行為に関係していたのではないかと言う強い疑いである。

更に、トランプ大統領がオバマ大統領に大統領選挙中、トランプ陣営を盗聴していたというクレームをつけ、議会の捜査を要求していることが大きな問題として浮かび上がっている。民主党は、それは真っ赤な嘘で、トランプ氏がロシアとの関係疑惑に対する対抗措置ではないかと主張し、この問題も大騒ぎとなっている。

このほかに、共和党とトランプ大統領がオバマケアの代替案を発表したが、共和党の中にこの代替案に反対しているグループもおり、トランプ大統領は、国民の支持を集めるため、キャンペーンに出かける予定である。そこまで、この代替案は、人気がないのである。

更に、不法移民問題、テロリストに関係する国々からの訪問者の入国問題、北朝鮮問題などを抱え、トランプホワイトハウスは、どこまで国政をやることができるのか?筆者は、大きな不安を感じる。

これらの重要課題にトランプ大統領がどれだけ取り組むことができるのか?どれだけの能力があるのか?

筆者が最も不安に感じるのは、トランプ大統領のスタッフである。彼らがどれだけこれらの問題に対し、解決能力があるのか?

内政、外交に長けたベテランスタッフがいないのではないのか?さらに、ホワイトハウス自体をマネジメントできる人物がいないのではないかと思うのである。

そして、トランプ氏の独善的で、スタッフに厳重に忠誠を要求している。トランプ氏は、絶対君主のような人物であることは方々から指摘されている。歯向かう者なら、首である。また、問題が起こると誰かのせいにし、自分を救う作戦も巧妙である。「首」を「辞任」に変えることもできる。

そして、さらなる問題は、外部のアドバイザーである。どのシンクタンクがアドバイスを行っているのか、どの人物がアドバイスを行っているのか、筆者に明確な情報は入っていない。「そんなものは、いないし、ない」と言う筆者のトランプファンはいる。「トランプは、自分が選び、ホワイトハウス内にいるスタッフ以外、信頼していない」と言う人もいる。もし、外部スタッフ、アドバイザーがいないとしたら、筆者は怖いと思う。

筆者は、アメリカの安定を望むし、アメリカがこれまでのように世界をリードする役割を果たしてほしいと思っている。「アメリカ第一主義」とか「アメリカが先だ」などと言ってはいられない世界の現実があるのではないかと思う。

 

不思議なことは、ティラーソン国務長官がどこで、何をしているか分からないことである。仕事に取り組んでいるのか、泥沼に漬かることを避けているのか?

 

佐藤則男

ニューヨーク


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各社世論調査を集めて、平均して発表するReal Clear Politicsの最新の調査結果では、トランプ大統領の支持率は、44.7パーセント、不支持は、49.3パーセントとなっている。平均するのが正しいかどうかには疑問がある。何故なら、極端に右寄りの調査会社が出す数字は、トランプ支持が圧倒的に大きい。例えば、ラムズセン・リポートは、5149で、トランプ支持が上回っている。もちろん、リベラルメディアも同じことで、不自然と思われる大きな差を示している。これでは、世論調査結果を平均するより手がないだろうが、どれもこれも一色単に平均すればよいということはないだろうと思う。

 

そして、New York Times, Washington Post, CNNなどのいわゆるリベラルメディアと言われるメディアとトランプ大統領の対決は、ますます激しくなる一方だと思う。議会も世論もトランプ大統領支持、不支持が割れてしまい、アメリカの世論は混とんとしている。

筆者は、この原因の一つに、オバマ大統領の出現があったのではないか、と思う。それも8年間続いたのであった。

筆者の共和党支持者の友人J氏は、次のように言う。「オバマ大統領は、黒人でアメリカの人種問題をやわらげ、アメリカ国民を団結させる、と思われたが、結果は、逆であった。オバマ大統領は、人種差別問題をより、顕在化し、人種の対決を悪化させた。黒人の大統領の誕生は、何も解決しなかった。

「アメリカ国民は、オバマ大統領とマイノリティの大統領の無力さを知った。彼らの反省と反発は大きい。それが男性で、白人至上主義で、アメリカ国民を世界一優秀な国民とするトランプに支持を向けたと思う」とJ氏は言う。

そして、次のようにも言う。

「だが、トランプに期待したアメリカ人は、失望しつつある。彼が選挙で述べ、我々を納得させた政策のアジェンダを実行に移していない。

「もちろん、リベラルメディアのロシアスキャンダルと戦わねばならない。しかし、この問題に何も関わっていないなら、その旨、前に進み出て、堂々と述べればよいのではないか。隠すから、疑われ、非難を浴びるのである。もし、ロシアと何か関係があっても、それも発表してかまわないではないか。次の政権がロシア大使と会い、話し合っても許されるのではないか。第一、それを話せば、国民も安心するのではないか。少なくても、私はそう思う」と語る。

筆者は、このJ氏の見方には、賛成しない。何故なら、就任するまでは、正式な大統領ではない。国を代表していない。

そして、もし、昨年のトランプ氏のスタッフやセッションズ氏(現在司法長官)がロシアと選挙について話し、トランプ氏を有利に導いたとすれば、違法行為である。

J氏の言うように、アメリカ国民に対し、トランプ氏が明確に答えれば、ことは済むことである。しかし、それは起こらないだろう。

アメリカの混乱は続き、トランプ大統領のトラブルは。アメリカ政治をマヒさせるだろう。

ここで、この困難な時期を打破するため、トランプ大統領が虚に出るか?

例えば、北朝鮮への侵攻?❓❓

 

佐藤則男

ニューヨーク


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筆者は、トランプ大統領を論じる時、同大統領を良く知る友人に言われたことをいつも思い出す。「深く考えるな。論理的に深く彼を分析しても何もならない。彼には、何も世界観がない。思想、価値観もないから」と言われたことを思い出す。確かに、就任後のトランプ大統領の行動を見ると、そのようない深い世界観、思想、価値観は見当たらない。世界情勢を分析予測し、リーダーシップをとるところが全くない。あるのは、「アメリカ第一」主義だけである。

そして、その友人が言ったことは、トランプ氏は、「感覚、直感の人だ。だから、物事をビジネス取引のように考える」と知らされた。なるほど、トランプ大統領の行動を見ていると、そのような友人のアドバイスが有効であることに気が付いた。

しかし、筆者はトランプ氏のそれらの性格に加えて、さらなる重要な性格、資質を見つけたように思う。それは、トランプ大統領の「怒り」である。英語でいうTemperである。このトランプ大統領が怒ると、異常事態が起こるのではないかと思う。

それは、ツイッターでその怒り、フラストレーションを表し、とんでもないことを書き綴るのである。

筆者のニューヨークに住む友人の保守系ジャーナリストであるスティーブは、「トランプ氏は、これまで、大統領選挙当時から、怒りとフラストレーションに陥ると、常に他の人を批判、非難し、悪者にし、自分にかかった嫌疑、疑惑をそらそうとする。それをそのまま、ツイッターに載せる。その時のトランプ氏の顔は怒りとフランストレーションに燃えているだろう」と言う。

スティーブはさらに言う。「今回のオバマ大統領へのトランプタワーの盗聴の非難もそうではないかと思う。ロシアスキャンダルで、ホワイトハウスは、行き詰っている。

「そして、それが行政機関のリークによってメディアに流される。より自分に忠実であらねばならないスタッフがそのようなリークをすることを極端に嫌い、激しく怒る。フラストレーションの塊になる。すると、トランプ大統領は、とんでもないことをツイッターで発表する」と語るのである。

筆者が「今回のオバマ大統領の盗聴疑惑は、それを証明する証は、何もない。そんなことをすればするだけ、信用を失うばかりではないか。そして、それが嘘で分かれば、バックファイアーするのではないか」と言うと、「多分、そうであろう。トランプ氏は「目には目を、歯に歯を」と言う戦略をとる。自分が問いただされている問題を無視し、他人に新たな嫌疑を着せ、自分のスキャンダルから逃れようとする習性があるのではないか」と聞くと、スティーブは、「その通り」と答えた。

そして、「我々保守主義者は、そのようなトランプ氏の性格、習性、そして、だれもコントロールできない怒りをどうしたらよいのか、分からない」と述べた。

トランプ氏の怒りは、アメリカのみに限らず、世界にとり、大きな問題となって来ている。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプ大統領がオバマ大統領が大統領選挙中、「自分の電話を盗聴していた。議会は、特別捜査委員会を設置し、この事件を調査すべきだ」と強く主張している。しかし、このクレームの根拠が、問題となっているのであるが、スパイサー報道官は、ブレイトバート、BBC, NY Timesなどの記事を根拠として取り上げた。

ブレイバートは、トランプ大統領の懐刀である極端に右寄りの思想を持つバノン戦略補佐官がCEOをしていたメディアである。筆者は、スパイサー氏が挙げたそれぞれの記事を読んでみたが、ブレイバート以外、直接、オバマ大統領がトランプ氏を大統領選挙中、盗聴をやったという記事ではないことが分かった。

要するに、ロシアスキャンダルを何とか逃れようとするトランプ陣営、と言うより、トランプ氏が直接指揮した戦略であると判断する。もし、そうだとしたら、あまりにも幼稚な手段ではないかと思う。彼のツイッターがその証拠である。まるで、子供の喧嘩だと筆者は思うのである。

それにしても、トランプ大統領は就任後わずか6週間しか経っていないのに、90以上の法的規制を取っ払ったと、NY Timesは報じている。それらは、銃規制、銀行の責任などで、これまで規制されていた法律を撤廃したということである。

その中で恐れるのは、精神異常者の銃保持を認めたことである。銃乱射事件が後を絶たないが、そのような事件の犯人は、精神に障害を

持つものがほとんどである。そのような人に銃を持たせる自由を与えるのは、行き過ぎだと思う。

トランプ大統領、それを支持する議会で多数を占める共和党の力で、アメリカは確実に変わっている。筆者は、「マイルドな保守主義者」だと自分を考えており、そのように公言しているが、ここまでくると、トランプ大統領と共和党の「現実の保守主義」には、賛同できなくなる。

 

日本に来て思うのであるが、日本には、意外とトランプ支持者が多いことに驚く。これを証明する世論調査結果は見たことがないが、トランプ氏が「やり手である」、とか、「経済に強い」ことを評価している人に二人会ったし、このブログサイトにもそのような方からの声があった。そして、筆者のトランプ大統領に対する批判の立場を否定する意見もいただいた。

これらの日本人の方々の評価には、筆者は何も言えない。アメリカの大統領をどのように評価するかは、個人の自由であり、筆者は、そのような方々の見方に口は挟まない。申し上げたいのは、トランプ大統領が本国、アメリカで何をしているか、を十分理解いただくことを希望したい。その結果、トランプ大統領支持を唱えるのであれば、筆者は言うことはない。その人の意見を尊重することにしたい。人間異なった価値観、意見を持つのは当然である。大事なことは、お互い尊重し合うことが大切である。

トランプ大統領のリードするアメリカが日本にどのような影響を与えるか、世界にどのような影響を与えるか注意深く見守っていきたい。

 

佐藤則男

ニューヨーク

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昨夜、ある日本の若者に言われた。筆者が「楽しんで、ブログを書いていないのではないか」と。筆者は、はっとした。この若者の言うとおりである。筆者は、このブログサイトを書くにあたって、楽しんではいない。アメリカの現状を深く憂慮している。筆者は、良いことを言ってくれたとこの若者に感謝した。

今のアメリカについて述べることは、実につらいことである。何故なら、こんなアメリカは、42年間アメリカに住んで初めてなのである。その最大の原因は、アメリカの選挙民がトランプ氏を大統領に選んだことであることは間違いない。

このトランプ氏が昨年、共和党の大統領選予備選で勝利し、大統領選本選で勝利したことは、多くのアメリカ国民にとって驚きであった。

そして、トランプ氏が大統領に就任してから、次から次へと大統領令が発令し、これまでの歴代大統領の下で、行われていた不法移民政策、オバマケアの廃止など、多くの政策が覆され、現在、その実施のプロセスに入っている。ここで保守派とリベラル派の対立が激しくなる一方である。

そして、大混乱が起こった。ロシアとの関係でトランプ氏とそのチームがロシアと関係し、大統領選挙を操作したというスキャンダルが持ち上がり、トランプ政権は、土台から揺さぶられている。

ここで解釈に注意しなければならないことがある。よくメディアもアメリカ人もトランプ氏が「大統領選に勝った」と言うがそうではなく、「トランプ氏が勝利したのではなく、それは、アメリカの選挙民の選択」であったのである。トランプ氏が現在、巻き込まれているスキャンダルに驚いていてはならないのである。そのような大統領を選んだ原因をアメリカ国民が十分考えなければならないのではないかと、筆者は思う。

トランプ氏の支持の中心は、確かに白人ブルーカラーかもしれない。だが、彼らも苦肉の選択だったのではないかと筆者は思う。トランプ氏と並び、もう一方の民主党候補は、ヒラリー・クリントン女史で、ワシントン体制の張本人であり、極めて論争を巻き起こすキャリアとキャラクターの持ち主であった。大統領選挙中、トランプ支持派に押され、状況が不利になると、クリントン候補は、体制派の中心であったオバマ大統領にほぼ全面的にすがったのであった。これは、反ワシントン体制に盛り上がる選挙民、特に白人ブルーカラー層をトランプ支持に走らせたのであった。

アメリカ国民は、「右と左」にいやおうなしに選択を迫られ、好むと好まざるとにかかわらず、どちらかの選択をしなければならない、と言う状況に追い込まれていると言っても過言ではないだろう。もちろん「そんなことにこだわってはいられない。自分たちの生活が第一である」と言う無関心組も多い。当然である。トランプが何を言おうと、自分の生活が第一なのである。

だが、アメリカ国民は、自分たちが選択したトランプ大統領について、もっと、考えなければならないのではないか。世界に与える影響を考えなければならないのではないか。

 

今日も、トランプ大統領はツイッターで反撃を加えた。「オバマ大統領がトランプタワーの電話を盗聴していた」と言うのである。筆者は、「トランプ氏の戦略は、攻撃のみで、攻撃は最大の武器」と言う基本的戦略を持っているのではないか、と思う。こんなことを進めているホワイトハウスは、機能マヒに陥っていると思う。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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