佐藤則男; New Yorkからの緊急 リポート

筆者はニューヨークに住んで40年以上たつジャーナリストです。ビジネスもやってきました。皆様に生のアメリカの政治ニュース。経済ニュース。社会ニュースを独自の分析、予測を加えてお届けします。職歴は、朝日新聞英字紙、TDK, 国際連合勤務を経て独立。NYに、ビジネスコンサルティング会社設立。学歴は、コロンビア大学経営大学院。MBA取得。

佐藤則男のエッセイは、次のサイトです。
http://blog.livedoor.jp/norman123-essay/

筆者が毎月書いている小学館のネット版PD Magazineに掲載されているカラムをご紹介します。
アメリカのベストセラーを毎月紹介し、その中から、一冊を取り上げ、書評を載せているカラムです。
ベストセラーの小説も入っています。毎月、分厚い原書を読み、要約し、書評するのは大変ですが、まじめにやっています。もう、12回を数えました。是非、一度お立ち寄りください。

今月は、次のサイトをご覧ください。

http://pdmagazine.jp/trend/new-york-review-12/

これまで、12回、掲載しています。バックナンバーは、このサイトでお探しください。
よろしくお願い申し上げます。

佐藤則男
New York


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先日、ビジネススクールで知り合ったフィルとランチを共にした。その時、トランプが自慢したアメリカのエアコンメーカーであるキャリア社のメキシコに工場を建てる計画を断念させ、国内に残したのであるがこれ間違いのもとになるのではないかと言う点で一致した。

 

トランプがどんな条件を出して引き留めたのか知らないが、確かに仕事と労働者は保てるが、メキシコよりはるかに賃金の高いアメリカの労働者を使えば、それだけ生産コストが高くなり、国際競争力を失うことはあきらかであろう。日本をはじめとする外国メーカーの製品と戦えないのではないか。もちろん、トランプは、日本などの製品に対し、馬鹿高い関税をかけるのであろうが、それが自殺行為であることも知っていると思う。トランプの中にあるのは、「自分の任期中、評判になればよい」という意図ではないか、と思うのである。何せ、その場の喝さいが好きな男である。

 

大統領が、企業にこんな干渉を入れて国内に保ったところで、時間の問題ではないのか。それよりも、アメリカ企業が世界のどこで生産しようと、もっと質の高い、優れた、コストの安い国際競争力ある商品を市場に出すことの方がはるかに重要なのではないのではなかろうか。America as No. 1を目指さねばアメリカは、生き残れないのではないだろうか。

 

その代表的な企業がアップル社である。世界最大に企業にまで発展している。アップル社は、中国、韓国、日本、台湾などの国と人々がいなかったら、こんな大企業になり、世界最高のコンピューターは作れなかった。これこそグローバル経済の特徴である。トランプは、グローバル経済を否定している。

 

トランプは、更にフォード自動車などにも同じ手段を使い、海外に生産を計画している企業を説得するようである。「アメリカの労働賃金が高いのをそのまま放っておいて、企業一社一社を当たり、個別に対処するのであろうか。そんなことをしても無駄である」とフィルは言う。筆者も同調する。アメリカの生産コストでは、世界市場で競争することに限界がある。

 

そして、海外進出する企業は、政府の仕事から締め出すなどの手段を講じ、罰するのだそうである。何と情けない政策であろうか。

 

企業は自由経済の中でしか育たないと筆者は固く信じている。市場に委ねなければならないのである。市場メカニズムに人工的な手を加えると大きな問題を引き起こす。筆者のこれまでの観察からすると、産業をいくら政府が関税障壁などを設け保護しても保護できないものである。

 

筆者は、アメリカのコンシューマーエレクトロニクス業界にいてマーケティングやっていたが、アメリカ製品を市場で叩き落すことは簡単であった。彼らの製品は、性能と質で日本勢と勝負できなかったのである。

 

トランプは、経済ナショナリズムを説いていると思う。どこでも「America First」と言い、いかなることでも「アメリカ利益が第一だ」と説き、会場の観衆の喝さいを浴びる。アメリカの大統領がそんなちっぽけなナショナリズムを持っていてどうなるというのであろうか。

 

こんなことばかりをしつこくあちこちで演説して説いていると、あまりにもアメリカ小さくなった感じがする。筆者は、アメリカ生活42年間になろうとしているが、トランプの演説を聞いていると、アメリカの命運が尽きたように思う時もある。器の小さい大統領と思うのである。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク


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好むと好まざるとを問わず、アメリカ国民、いや、世界の人々がトランプ大統領の独特な調子で語る演説を聞かなければならなない。ある時は、威厳のある調子で、大統領らしくしゃべる。ある時は、感情的に愛国心を出し、「アメリカ国内の利益を最優先した」政策を唱える。そして、挙句の果ては、理性を失ったインテリジェンスを感じさせない、しゃべり方もする。

 

筆者は、先日、アメリカの企業が外国に進出するときは、罰を加えるとも言いだしたニュースを見て、唖然とした。。果たして、企業の発展の自由、利益追求の自由を大統領として制限できるのか。そのような権力が大統領に属するのか、など憲法を含む問題である。筆者は、弁護士の資格を持っていないので、法的解釈は避けたい。

 

更に、移民の問題は、いったい、1100万人いると言われれている不法移民をどのように抽出し、探し出し、捕まえ強制送還するのであろうか。果たして、メキシコとの国境に高い塀を建設できるのであろうか。移民問題に関しては、筆者は、トランプの政策を実施するためには、金がかかりすぎると思う。

 

また、トランプは、閣僚に次々に大金持ちを起用している。25億ドル(2500億円)の資産を持つウイルバー・ロス商務長官、元ゴールドマンサックスのスティーヴン・ムニューチン財務長官、巨額の富を持つ家族の娘であるベッツイ・デヴォ教育長官など、大金持ちをそろえ、史上、最もリッチな政権と言われている。

 

筆者は、金持ちが政治が下手だと言わない。彼らが行政府のそれぞれのトップとして、どれだけ仕事ができるかによって判断すべきである。この点、このようなそうそうたる金持をそろえたトランプ政権を金持ちだけで批判するという態度を示している民主党を筆者は支持しない。大金持ち悪人説を頭から決めつけてはならないと思う。

 

筆者が言いたいこと、トランプ政権に尋ねたいことは、選挙キャンペーン中、あれだけ、貧乏な白人ブルーカラーを扇動し、ヒラリーをウオールストリートの悪の権化にしたトランプが、いざ、選挙に勝ち、大統領職を手中にすると、自分が、ウオールストリート、大金持ちを中心に政権をぶち立てているのである。どこか矛盾していないか?

 

トランプは、まだ国務長官を決めていないが、セッションズ司法長官、べノン特別戦略補佐官など、大きく右寄り、白人主義と言われる閣僚で、自分自身は固めている。さらに軍人出身のスタッフも多い。

 

大金持ち、軍人、そして、極端な右寄り、と言うのがトランプ政権の特徴ではないかと思う。

 

オバマ政権とは、まったく逆の閣僚ではないかと思われる。オバマ政権であまりにも左にぶれた調整とも受け取れるが、筆者には、あまりに極端ではないか、と思うほどである。

 

確かに、アメリカのこれまでの政権を見ると、右にぶれ、左にぶれ、共和党と民主党が入れ替わるとぶれ生じた。しかし、今回のブレは、筆者が42年間、アメリカの体制の変化を見てきたが、最もぶれが大きいと思う。

 

内政では、トランプ政権は、オバマケアを改良、もしくは、破棄しようとしているが、現実に手を付け始めるとその困難さがわかるであろう。保険会社の大きない影響、予算の制限、これまでの政策などの延長の是非、問題は山積みである。

 

外交であるが、外国政府は、トランプの外交政策がどんなものであるか、まったく見当もつかないとおもう。トランプの外交政策は、次回に回したい。国務長官が本決まりになるまで待ちたい。

 

佐藤則男

ニューヨーク
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トランプが正式に大統領となると、筆者には気になることが多くあるのだが、その中の一つが「言論弾圧」である。弾圧とは、無理やり権力で従わせることであろうが、民主義国家ではそれは許されない。ゲシュタポの時代ではない。

 

トランプのジャーナリズムの圧迫は、大衆を味方にしているところに特徴がある。大統領選挙で、ヒラリーを徹底的に、デマゴーグ、でっち上げ、誇張、そして、嘘を基に叩いたが、トランプのジャーナリズム戦いもそれなのである。

 

大統領選挙キャンペーン中の集会では、「嘘つきヒラリー」「ヒラリーは、国家機密を漏らした。だから、犯罪人ですぐ監獄にぶち込んでやる」などのデマは、品格も人格もなかった。ジャーナリストに対しても「嘘つきジャーリズム」「インチキジャーナリズム」などとこてんこてんに叩き、会場にいるジャーナリストを指さし、名指しで大衆の前で攻撃したのである。自分の開いた集会であるから、参加者全体がトランプの味方で、極めて不利な立場に立たされたジャーナリストは、その場にいにくい目にあった。まるで公衆リンチである。この点、筆者はトランプと言う人の人格を疑ったのであった。

 

先週は、CNN, Timeなど、トランプに批判的なメディアの重役やジャーナリストを呼びつけ、何か圧力をかけるようなことを言ったようである。この内容は、非公式のもので、一切公表されないが、リーク情報が伝わっている。

 

筆者は、トランプをべた褒めし、ぴったりくっついているFOX Newsは全く視なくなった。このテレビ局の番組を見ていると、いい加減に反吐が出る。トランプが何をやっても、良いこととしてとらえ、そのように報道し、公然とトランプに味方する。もはや、ジャーナリズムではない。共和党とトランプの広報メディアである。新聞に目を当てると、New York PostWashington Timesなど、トランプの味方である。極端な保守的な内容の政治記事が多く嫌な気がする。

 

トランプは、このような味方のメディアの記者たちは、府レントリーに扱うが、New York Times, Washington PostBoston Globeなどの新聞。CBSNBCABCなどの3大ネットワークなどのリベラル派のメディアには、こっぴどく当たる。このトランプには、「メディアはうるさいから、仲良くしていこう」など言う配慮はない。本能の赴くまま、徹底的に叩く。個別にメディア、ジャーナリストを叩く。自分に歯向かう者は、許さないのである。

 

メディアと直接対決をしているのである、と筆者は見る。「ペンの力が強いか、トランプの強権が強いか」の勝負であろう。

 

世界のジャーナリスト組織する「国境なき記者団」と言う団体がある。世界のジャーナリズム界の評価を行っている。2002年以降、『世界報道自由ランキング』(Worldwide press freedom index) を毎年発行している。

 

アメリカは41位、日本は72位である。

 

詳しくは、次のウエブサイトを参照されたい。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%A2%83%E3%81%AA%E3%81%8D%E8%A8%98%E8%80%85%E5%9B%A3#.E4.B8.96.E7.95.8C.E5.A0.B1.E9.81.93.E8.87.AA.E7.94.B1.E3.83.A9.E3.83.B3.E3.82.AD.E3.83.B3.E3.82.B0

 

日本でも安倍首相のメディア操作が問題となっているようであるが、アメリカもトランプの出現で、言論の自由が議論されるようになった。言論が弾圧されれば、その国がどんな運命をたどるか、火を見るより明らかであろう。歴史が証明している。

 

日米関係は、もっとジャーナリズムがしっかりしなければならないと思う。

 

佐藤則男

ニューヨーク



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たしかに、「トランプが大統領に選ばれたのだから。トランプでよいではないか。先に進もう」と言う声は選挙民から聞こえる。だが。その言葉が、トランプが大統領に正式に就任して、100日目を迎え、同じ言葉が選挙民の口から出てくるか?

 

筆者は大きな賭けであると思う。トランプに投票しトランプを勝たせた人達には、大きな疑問が湧いている。「不法移民を捕まえ、本国に強制送還する、メキシコとの国境に高い塀を立て、不法移民が入られないようにする。その建設費用はメキシコ政府に払わせるなどと選挙中は言っていたが、全然やらないのではないか」などと言う公約違反を唱える。その他の公約も次から次へと消えざるを得ないであろう。なぜなら、それらの公約は、トランプの「ホワイトハウス盗り」の作戦でしかなかったのである。

 

要するに「うそつき」で、愚かな大衆は、ごまかされたのではないかと疑いが起こっているのである。トランプの扇動は見事なものであった。愚かな大衆は、すっかり洗脳されてしまったのである。トランプはその大演技力により、ホワイトハウス盗りに成功したのである。

 

トランプの公約に基づき投票した選挙民は、やがて反トランプになるのではないだろうか。

 

さて、次のトランプ支持者のタイプは、「ヒラリーが嫌いでトランプに投票せざるを得なかった」人たちである。彼らは、今になって「こんなトランプなら、投票して損をした」と思うであろう。何故なら、ヒラリーの外交政策と似通ってきたのである。ただ単にごまかしが得意で、正しいまともな政治思想のない男であることに気づくのではないかと思うのである。

 

テレビニュースで、トランプがキャンペーン中、気違いのように吠えたてているときと、現在しゃべっている時を比べ、まったく同じイシューで正反対のことをしゃべっているのである。どちらが本人なのか分からないのである。

 

筆者には、まず、信用ならない大統領、本当のことを言っているのか、嘘を言っているのか分からない大統領と言う、前代未聞の大統領であると見ている。そして、この誠実さのない大統領を世界各国のリーダーと国民が信じるかが課題となってくると思う。

 

もはや、その不信が出てきていると筆者は見る。

 

日本のメディアを見ると、激しい反ワシントン体制の機運の盛り上がり、白人ブルーラー層の反乱などの要因をまだ重要視しているが、内情は、トランプの大演技に大衆がものの見事に扇動されたとみるのが妥当ではないかと筆者は思うのである。

 

そして、トランプの「見事なヒラリー悪人説、悪人のレッテル貼」の扇動に見事ひっかけられたのではなかろうか。

 

今、このトランプの扇動、デマゴーグに基づいたヒラリーの悪事のでっち上げに、信じ込まされたのではないだろうか。気が付いてみれば、自分たちに味方で生活を良くし、安全を守ってくれる人物ではないことがだんだんともっとわかってくるのではないかと思う。

 

佐藤則男

ニューヨーク

 

 


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トランプ政権の国務長官ポストを巡る争いが頂点に達している。現在、激しく争っているのがルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長と前回大統領選挙共和党指名候補のミット・ロムニー氏である。そこに、「ガス抜き」のつもりであろうか、伏兵のデイビッド・ペトレイアス元陸軍大将が入った。。

 

誰が任命されるか全くわからないが、トランプの独裁的統率力があまりないことがうかがえるのではないかと筆者に写る。中でも最も難しい扱いの人物は、ジュリアーニであろう。何といっても、トランプに最初からくっついている男である。それに、性格は、執拗である。ニューヨークマフィアグループであったガンビーの一族を退治した男である。9.11のテロ攻撃では、大活躍した。実績は、申し分ない。しかし、国務長官は、アメリカの顔である。

 

アメリカ合衆国国務長官は、もちろん、国務省の長であり、閣僚の一員であるが、諸外国における外相よりも強力な権限を持っている。ときには外交のみならず通商や国家行事なども統括することがある。よって、その地位は副大統領より、現実的には重要と言える。

 

またアメリカ合衆国政府の首席閣僚であり、憲法の第2条第1節の6の規定に基づき制定された大統領権限継承法の定めるところにより、大統領が欠けた場合の継承順位で副大統領(アメリカ合衆国上院議長を兼務)、下院議長、上院仮議長に次いで第4位に位置付けられており、非国会議員(立法と行政を厳格に分離する大統領制のもとでは、閣僚が議員を兼ねることはない)のなかでは最上位である。

 

このため国務長官の地位は、実務的には大統領に次ぐ事実上の行政府ナンバー2に近い扱いである。これによって政権の支持率までもが左右されることもあるため、当ポストは政権の最重要人事の一つとなっている。

 

1973年、ニクソン大統領はベトナム和平交渉を主導し各界から信望を得ていたヘンリー・キッシンジャー国家安全保障問題担当大統領補佐官を国務長官に任命、政権の浮揚を計り成功した。キッシンジャー氏はこの直後にノーベル平和賞を受賞した。

 

筆者には、思い出深いことがある。ニクソン大統領は翌年ウォーターゲート事件によって辞任を余儀なくされたが、このとき大統領が辞表を提出したのもキッシンジャーに対してであった。

 

アメリカ古文書博物館に行くと、この時のニクソン大統領の辞任の手紙がキッシンジャー国務長官に提出されているが、ただ一行である。

 

「私は、ここにアメリカ大統領を辞任する」とだけ書かれている。

 

さて、このようなポジションに最もふさわしいのはだれか?

 

筆者は、トランプを助けたことは助けたが、ジュリアーニが今、最短距離にあると言われているが、ジュリアーニでは物足りないと思う。ロムニーなら、ピッタリだが、トランプの側近が許さないと思う。ロムニーはトランプ批判の最先鋒であった。もし、国務長官に任じられてもトランプ政権の火種となると思う。

 

案外、伏兵のペトレイアスあたりが有望と報道されているが筆者は、無理なのではないかと思う。。

 

同氏には、女性スキャンダルはあり、その恋人に国家機密を漏らしたという事件がある。

 

すると誰か?トランプは、苦しい選択を迫られるだろう。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク



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仮定の話である。新大統領に選ばれたトランプがホワイトハウスの大統領執務室にいる。そこに大統領補佐官が入ってくる。「Mr. President、今ご子息から電話がありました。A国のトランプホテルの経営が悪化し、すぐ資金が必要とのことですが、融資が得られず力を貸してほしいとのことです」と言うようなことがあったとする。トランプ自身は、そのホテルから手を引き、株も息子に譲渡し、何も関係ないと仮定する。

 

その時、「私は、関係ない。倒産するなら倒産させればよい。第一、たとえ息子でも、このような大統領執務室に電話をかけてくることは許さない。また、私が帰宅してもそのような内容の電話は、受け付けない。私は、合衆国大統領である。そんなことには、関われない、と息子に言っておいてください」と、大統領補佐官に果たしてトランプが言えるであろうか。

 

逆に、オフィスから、外に出て、プライベートの携帯電話で「A国のB氏に相談しなさい。なんとかしてくれるはずだ」と言う行動に出るか。公には、このような行動もできないであろう。

 

アメリカ国内、国外に多くのトランプビルを経営し直接、間接的にビジネス関係を持つトランプ氏であったが、それを全部処理し、大統領としての公務を持ったもののいろいろな関わりが残っているはずである。実体的でなくても、目に見えない関りもあるはずである。、

 

さらに、例えば、息子たちや彼の会社の重役たちが、ビジネスネゴシエーションにおいて、「我々の前会長は、アメリカの大統領である。なんだってできる」などと暗示して、仕事に生かしたらどうなるのであろうか。

 

ここにビジネス界の人が大統領になる難しさがある。特に、トランプ家のように、グローバルにビジネス展開して、ビジネス総額の大きな企業の場合、その国の経済に重要な影響を与える。さらに、その国の政府高官に関連してくることもあるビジネスであろう。トランプ大統領の一声で、巨額のビジネスが新しく展開できるであろう。

 

利害の衝突がない、などとは、決して言い切れないだろう。メディアで巨大なビジネスを築き、ニューヨーク市長に立候補したマイケル・ブルームバーグ氏は、立候補の時、自分が関わっている企業から全面的に手を引いたと、同氏をよく知る人から、筆者は聞いた。同氏は、すっきりと手を引くと同時に、巨額の金をニューヨーク市に寄付した。

 

ブルームバーグ氏は、ウイキペディアによると、ニューヨーク市長選に初出馬した際は、6600ドル(約79)もの巨額の選挙資金を費やしたが、その全てをポケットマネーで賄った。またニューヨーク市長には195000ドル(約2300万円)の歳費が支給されるが、ブルームバーグは受給を辞退した。ただしアメリカ合衆国の法制上、対価なき契約は無効であるため、事実上の無償契約を行う際は1ドルの報酬を受け取るのが慣習であり、ブルームバーグもそれを踏襲した

数多くのチャリティや文化教育基金への多額の寄付でも知られ、2009年の寄付総額は2億ドル以上で全米トップ。また、資産の半分をいずれ寄付することを宣言するギビング・プレッジに参加している。

 

このように、ビジネス出身の人物が公の地位に就くと、様々な形で、ビジネスから得た利益を公共のために寄付しようとする。

 

果たして、トランプ大統領はどんなことをしようとしているのか、筆者は、大いに興味がある。

 

筆者は、何も実際に起こらないうちから、トランプ大統領を疑ってみることは避けたい。彼が何をどうやるか、ホワイトハウスに正式に入ってから、100日間で何か手掛かりがつかめるのではないかと思う。

 

新大統領は、就任してから、100日間が勝負である。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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今日、共和党の強い支持者のA氏とランチを共にした。A氏は、「トランプがもし、あのような大芝居を打たなかったら、ヒラリーに勝てなかった。トランプは、偉大な俳優だ」と言うではないか。筆者は、大変興味を持った。

 第一、トランプのような選挙キャンペーンは、これまでなかったし、まるで映画を観ているようで、まさか現実に起こっていることと思えなかった人が多かったと思う。あのような言葉と表現を使い、あのような演技で、大統領選候補が務まるのか、そして、大統領候補として的確な人物か、と大半のアメリカ人は、考えたであろう。

 筆者は、とても大統領しての器ではない。アメリカの恥だ、と思い、このブログでも何度もトランプを否定し、批判してきた。しかし、それは全部トランプの演技であり、「嘘の姿」であったらどうなのか。トランプが大衆の票が最も大きく選挙に影響し、大衆の票が取れれば勝つと踏んだら、どんな戦略をとるか。その作戦は、大衆に迎合し、大衆の言葉をしゃべり、大衆を説き伏せ、大衆を扇動することであろう。

 それには、どうするか?大衆のレベルまで自分を落とし、徹底的に自分が大衆の一人として、振る舞い、大演技をやるだろう。大衆は、ヒラリー・クリントンを嫌っていることは明白である。よって、汚い言葉で、ヒラリーをこき降ろす。大衆は、「プレイボーイ」や「ペントハウス」のような雑誌が好きで、さらにタブロイド新聞の取り上げるようなスキャンダラスな話題、セックスの話題が好きである。

 それらをすべて承知のうえで、そのような内容の自分のスキャンダルが暴かれると利用し、キャンペーンを行う。一瞬にして論争を起こすが、それは、低いレベルの大衆の注目を集めれば大成功である。大勢の大衆の選挙民が集会に集まり、好き放題大衆が嫌うワシントンの政治家たち、そして、ヒラリー・クリントンを徹底的に叩く。そのような大衆は、インテリであることを体現しているヒラリーを軽蔑するし、そのように話を持って行けばよい。これがトランプの「ヒラリー退治」のキャンペーンの本質であったのではないか。

 だから、トランプはトランプ自身でない役割で、完璧に舞台や映画やテレビドラマで演技する俳優に徹し、辛辣でレベルの低い大衆役を演じたのではないか?

 実は、選挙中、筆者の頭にふと湧いてきた見方があった。「これは本当のトランプではなく、策略としてのトランプではないか」と思い、『すべて演技ではないか』と思ったのである。友人たちともこの話をした、しかし、皆一致を見ることはなかった。あまりにもうがった見方だと我々は思ったのである。

 しかし、トランプのやり方を見て、「こんなことがあってはならない。いや、あるはずがない」と思っていたが、心の底には、「ひょっとして、演技をしているのではないか、と言う疑いを持っていた。「こんなおとぎ話の馬鹿な話はない」と思っていたのである。アメリカの大衆のレベルから考えれば、トランプの演技力で扇動できるからである。

 すると、トランプの「アメリカ国盗り物語」が可能になるのである。トランプは、アメリカを乗っ取ったのではないだろうか。そして、ニューヨーク5番街のトランプタワーのペントハウスから、乗っ取ったアメリカを眺めているのではないだろうか、と思う人が増えているのではないか、と思うのである。

 アメリカをハイジャックした大道芸人がトランプの正体ではないか、と言う人たちも出てくるのではないだろうか?

 いずれにせよ、大統領になっても俳優を続けるのであろうか?

 

佐藤則男

ニューヨーク


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ここは、筆者がいつもEat out(外食)の時に来るアイリッシュパブ兼レストランのNeary’sである。イエール大学出身のMr. Wisdom (知性の意味)。Mr. Wisdomとは、筆者がつけたニックネームである。実に賢くて、筆者にいろいろ教えてくれる。彼が断定的な言い方をすると、筆者は手も足も出ない。

 

Mr. Wisdomは、毎日欠かさず、ランチはNeary’sにやってくる。そして、熱心に新聞を読んでいる。新聞を折りたたみ、赤ワインをゆっくり飲みながら、隅から隅まで読む。まるで新聞が彼の目に入ってしまうようである。

 

遠慮がちに筆者は聞く。「今度の大統領選挙の結果をどう見るべきか?」と。すると、新聞から目を離し、「ヒラリーを大統領にしていけない。ピリオド!」と言って、眼鏡の奥から、筆者を知性溢れる目で見る。そして、また、新聞に目を向ける。

 

そこに、筆者の親友でウオールストリートの大手投資銀行で働くMがやってきた。「19000ドルを突破した!」と喜びの声を上げる。ダウ平均株価のことである。

 

そして、すぐ「トランプの再選は間違いない」と言い、これもうれしそうである。「インフラ整備に投資、金持ちの減税などが経済を発展させる」と言う。すると、Mr. Wisdomが口を挟んだ。「その通りだ、ヒラリーを選んでいたら、その逆が起こっていたであろう」と言う。

 

MMr. Wisdomは気が合ったようである。ウオールストリート独特の早口の会話が始まった。トランプの経済政策、アメリカを強くする政策が如何に正しく、ヒラリーの政策が間違っているかを中心に話す。話の結論は「ヒラリー出なくてよかった」と言うことなのである。

 

その夜、夕食もNeary’sに行った。筆者の大の仲良しのオーナーのジミーがやってきた。筆者は、NBCテレビのモーニングショーの司会者であるキャシー・リー・ギフォードが関係しているワインを注文し、飲んでいる。白ワインで実にスムーズな味がして、大好きである。キャシーは、この店によくランチにやって来る。先日もやってきて、彼女のブランドのワインを飲んでいる筆者にお礼を言いにやってきたのであった。素晴らしい女性である。

 

筆者のテーブルの椅子に座ったジミーがそうなると、それは長い政治談議の始まりを意味する。まず。ジミーの店の常連客の一人であるマイケル・ブルムバーグ元ニューヨーク市長について話した。同氏は、一時今回の大統領選に出馬することを真剣に検討したが、親友のヒラリーを邪魔したくないと断念したのであった。

 

ブルムバーグ氏は、民主党員ではないため、あり得ないことであるが、「ヒラリーの代わりに、ブルムバーグがトランプと一騎打ちしていたら、ブルムバーグが勝っていたのではないか?」と筆者が言うと。ジミーは、はしゃいだ。

 

キャシーのワインが入ったグラスが空になったため、お代わりを注文した。「本当かどうかわからないが、来月、ある人と会う。その人がトランプと親しいので、トランプに紹介する機会を作りたいと言っていた。万が一、そんなことになったら、このキャシーのワインを持って行きたい」と筆者が言うと、ジミーはきょとんとした。

 

「トランプは、アルコールを一切飲まない」とジミーは言った。トランプは、敬虔なカトリックだそうな。

 

一体、トランプの正体は何のであろうか?

 

佐藤則男

ニューヨーク





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決断の早い男のトランプも国務長官を誰にするかで足踏みをしているようである。困ったことに、トランプの大統領選勝利の立役者であったルディ・ジュリアーニ元NY市長が国務長官就任の希望を早々と名乗りを上げてしまい、さすがのトランプもそれを簡単に呑み、任命するわけには行かないようである。

 

何故か?ジュリアーニは、これまで、安全に関するコンサルティング会社を経営し、大金を儲けている。カタールなどイスラム圏の政府との仕事もしてきた。また、馬鹿高い講演料も得ている。さらに、NY市長時代には、マフィア一掃するという実績はあるが、それが国務長官として、何の関係があるのであろうか。

 

トランプがこんなことを気にしているなら、彼もまともだと思う。火車は、ジュリアーニがアメリカの「外国政府、人々の顔」として、適当かどうか、火を見るより明らかであろう。

 

もう一人の候補は、ミット・ロムニーであるが、ロムニーが国務長官となれば、外国政府には、適当であろうが、トランプチームがあっさりNOを言っているようである。トランプの悪口をさんざん言っておいて、今、トランプ政権の国務長官になれるか、と言うような声が聞こえてきているようだ。もちろん、その中心は、べノン特別ストラテジストである。「ロムニーを国務長官にしたら、国務省は、裏の行動をする巣窟になる」と言っているようである。

 

それにトランプのサロゲートであるニュート・ギングリッチやジュリアーニなどがロムニー締め出しを図るだろう。いずれにしても、ロムニーでは、落ち着かないと思う。

 

すると第三者?と言うことになる。

 

それでは誰か?

 

トランプが軍人を好むので、候補に上がっているのは、ケリー中南米の総司令官である。パネッタ元防衛長官の右腕であった。実績はある。

 

トランプもケリー氏を任命するにも、十分間合いを取るだろう。この方向で進むとしても頭痛の種は、ジュリアーニである。ジュリアーニを納得させるポストを考えなければならない。トランプには、大きな借りがある男である。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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間もなく、アメリカ国民の多数決で選んだトランプ大統領が誕生する。もちろん、ヒラリー・クリントンが絶対獲得票数では、150万ほど多いそうである。しかし、選挙区の獲得数では、トランプが勝ち、大統領に就任することは確実である。

 

筆者は、アメリカがイギリスから独立したのは、1776年であるから、それ以来240年経ている。この間、アメリカは、目覚ましい発展を遂げ、世界のトップの国力を持つ国になり、世界をリードしてきた。今後もそのような力を持ち続け、世界をリードする大国の筆頭であることは間違いないだろう。

 

これまでのアメリカは、いわゆる政治家と言われる人を直接選挙で大統領として選び歩んできた。筆者もアメリカの大統領をジェラルド・フォード大統領時代にアメリカにわたり、筆者なりにこの国と大統領を見てきた。アメリカの政治のダイナミックさに非常にエキサイトしてきた。

 

しかし、今度ばかりは、アメリカは、これまでと比べ「完璧とも思える変化」を迎え、まったく異なった気持ちと認識で、新しい時代を迎えていると実感している。

 

先日会った親しいウオールストリートの大手投資銀行の重役は、「トランプは再選され、今後8年間は、トランプ時代である」と予測していた。そして、トランプが大統領に就任することを「アメリカにとって、大変良いことだ。著しくアメリカは変わるだろう。また、そうならなければならない」と語っている。

 

アメリカがどう変わらなければならないのか?

 

それは、アメリカがあまりにもリベラル化し、国家も社会も、そして、人々も弱体化してしまい、強いアメリカは消えつつある、と言うのがその重役の根本の認識のようだ。その原因は、ワシントンの政治家にあり、彼等は腐敗し、党の争いに終始し、何もやらない政治家たちを徹底的に嫌っている。そのような政治家たちをトランプ支持者たちは、「取り除くべきだ」と言っているのである。

 

そのような反発が白人ブルーカラーに強いのが特徴であるが、筆者にとっては、あまり目新しいことではない。彼らは、白人としての高いプライドがあり、マイノリティの人々を好まない傾向がある。特に移民に対し良い感情を持っていない。移民がアメリカ国民になっていくことを快く思わない傾向がある。

 

しかし、彼らは、大きな矛盾を起こしている。彼らも、すべてと言っていいほど、移民を先祖に持っているのである。彼らが本当に気にしているのは、白人か白人でないか、と言う点ではないのであろうか。それは、非現実的な見方であり、間違いであると筆者は明確に言える。地球上の人間はすべて人権を持っている。その人権は、尊重されなければならない。白人と他の色の人々とどこが異なるのであろう。

 

原始人は、ほかの地域の人々に会った時、戦いを起こした。その人類の性質は、いまだに続いている。

 

この人間の尊厳、人権、平等の原則が分かっていないと国家は大混乱を起こす。

 

このような人間の尊厳と人権、そして、平等を唱えた大統領がエイブラハム・リンカーンである。それから、1960年代、マーチン・ルサー・キング牧師が公民権法運動を行い、それが議会を通過しても、いまだに、人種問題は絶えないのである。

 

トランプ政権は、この人間の尊厳、人権、平等の原則は、守るかどうか疑問をいだく人々もいるが、筆者は、安心している。たとえトランプと言えども、この原則を無視するわけには行かない。たとえ大統領でも、憲法を無視はできない。

 

憲法は、国家の基礎である。トランプが憲法違反を行えば、当然罷免されるであろう。

 

確かに、アメリカは、トランプの下で変わると思う。トランプ政権の内閣の面々を見ると、彼等こそアメリカ政界のマイノリティであり、異質の人たちで、どんな政権になり、どんな行政を行うか、見ものであるが、あまりに悲観的になる必要はないと思う。筆者は、楽観的に注意深く見ていきたいと思う。

 

できるなら、トランプなる人物にお会いしたいと願っている。

 

佐藤則男

ニューヨーク



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トランプが大統領として、自分自身のビジネスに関わっていることがConflict of Interest、つまり、法的に利害の対立ではないのか、と言う問いがなされている。賛否両論があるのであるが、筆者は、明らかに利害の対立であると思う。

 

トランプは、大統領に就任するので、自分が絡んでいるビジネス、法人から離れると言っているが、自分の息子や家族などに経営を渡すと言っているが、それは、大きな問題ではないか、と思う。

 

大統領が関わっているビジネスとみなされ、世界のいろいろな企業にとり、大きなビジネスチャンスである。何せ、大統領の家族が運営しているビジネスである。いかなることがあっても、倒産することはないであろう。

 

この際、そのようなトランプが関わっている企業からすべて手を引き、保有株を放棄することが当然ではないかと思う。

 

ビジネス関係の人が大統領になることの難しがここにもある。トランプ自身は、なにもそのような利害の対立はない、と豪語している。

 

アメリカは国家として、また、難しい問題に直面している。トランプの傲慢がまた強引に通ることになる。

 

このような傲慢が何年持つのであろうか。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク
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今日、ウオールストリートの大手投資銀行に働く友人のM氏とランチを共にした。大統領選挙では、最初からトランプ支持の人であった。トランプが勝ったので大喜びで、トランプ大統領、トランプホワイトハウスを歓迎していた。

 

そのM氏が最初に言った。「ダウ平均株価が19000ドル台に上がったと。うれしい。トランプの減税策が最も大きく影響している。その第一の理由であるトランプの金持ちの減税は、消費を伸ばす。金持ちの消費の伸びがなければアメリカ経済は伸びない」と言う。確かにそのとおりである。アメリカのGDP7割は、個人消費が占める。金持ちの消費は最も大きな要素である。

 

しかし、金持ちの減税策により、金持ちをより金持ちにし、貧富の差はより大きくなり、格差社会は進む一方である。それを指摘すると「格差社会の問題より、経済を発展させなければ、国が持たなくなる。金持ちに対し税金を上げるより、税金を下げ、彼らの消費、投資を積極的にさせた方が経済全体に大きな影響を与える。格差社会は確かに深刻な問題であるが、私は、経済を発展させることが第一だと思う。

 

「そして、連邦政府は、経済発展により、税収入を増やし、福祉に回すことが肝心だと思う」と語る。「オバマケアは、金がかかりすぎるので、大幅な改定がなされるだろう。これもよいことである。

 

さて、TPPであるが「TPPはアメリカにとり、大きな利益は、産まないと思う。この辺で退却すべきだと思う。アメリカはアメリカと言う国家の利益を優先しなければならない」と語る。

 

「年末もダウ平均株価を19000ドル台で動けばしめたものである。久しぶりに1000ドルの上昇が可能になり、トランプの影響は大きい」と言う。

 

日本経済について質問すると「アベノミクスに期待をかけていたが、どうやら、安倍首相の見通しが悪かったようだ。日本は、トランプの保護貿易主義を恐れているようであるが、日本企業は、すでにアメリカ多くのものを生産している。あまり心配しなくてよいのではないか」と語る。

 

どうやら、経済面だけに限って言えば、ワシントンの政治家とトランプの経済政策に大きな期待感が生まれてきたようである。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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筆者が大変嫌う言葉がアメリカのメディアに現れ、論争が始まっている。その言葉は、「Alt-Rightと言う言葉で、「オルタナ右翼」とよばれる。

 

ウイキペディアによると次のような説明されている。

 

「オルタナ右翼は、右翼思想の一種で、アメリカ合衆国における主流の保守主義への代替案(オルタナティブ)として出現した。共和党の大統領選挙候補者ドナルド・トランプを支持し、多文化主義や移民へ反対する点で特徴づけられる運動だとされる。

オルタナ右翼には公式のイデオロギーがあるわけではないが、次のような思想と関連性を持つと複数の論者は指摘している。白人ナショナリズム、白人至上主義、反ユダヤ主義、反フェミニズム、右翼ポピュリズム、排外主義、新反動主義運動。

4chanなどのサイトを中心として、主にネット上でインターネットミームを多用しながら発展してきた運動であると言われている。」

 

今度トランプ政権の特別戦略家となり、同政権の中核をなす一人として、登用されたスティーブン・べノン氏がこの思想の持ち主だということをリベラル団体やメディアは、指摘するが、まさか、そんな極端な思想の人物をいくらトランプでもそんな重要なポストに就けないと信じたい。だが、事実、そのような声は上がる一方である。

 

更に、アメリカには、この思想に基づいたナショナリズムが勃興し、「ホワイト・ナショナリズム」呼ばれている。つまり、白人中心にした社会、国家を創ろうとするナショナリズムである。

 

このような論争を、特にリベラルメディアは盛んに論じるのだが、ここまで、人種が多様化しているアメリカ社会にこんな思想を当てはめようとするのは、まったく無理であり、無意味である。

 

まさか、トランプ政権がこのようなホワイト・ナショナリズムを信奉し実践するなどとは考えられないことである。第一、トランプ夫人は白人であるが、ヨーロッパからの移民である。

 

この世界で、白人が最も優れているなどとは信じる人はあくまでも少数とと思うし、世界の人口的にも白人が多数を占めておらず、アジア系が最も多いのである。

 

世界的に見れば、ホワイト・ナショナリズムなど、成立するはずがない。

 

リベラル団体やメディアは、トランプの選挙運動で中心の役割を果たしたホワイトブルーカラー層で、彼らの多くは、ホワイト・ナショナリズムの信奉者と見ているところもあるが、それは注意が必要だと思う。確かにそのような白人ブルーカラー層はいると思うのであるが、そのような人々が多数を占める社会ではないと思う。

 

筆者が最も心配するのは、そのような思想を持つ切羽詰まった白人ブルーカラー層の人が、マイノリティに対して犯罪に走った時である。

 

たとえ、トランプと言えども、社会正義は、貫き通してほしいと思う。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプ氏は、スティーブ・べノンと言う人物をChief Strategist(主席戦略補佐官)、Senior Counsel to President(シニア大統領補佐官)と言う地位に任命した。この地位がこれまでの政権でどれに当たるか困惑するが、筆者の理解では、実質的には、政策面において、大統領首席補佐官であるラインス・プリーバス氏とほぼ同等の地位であろうと思う。なぜなら、政策に弱いトランプ氏への影響を考えるからである。

 

べノン氏は、大統領選で劣勢に苦しんでいたトランプをよみがえらせ、勝利に導いた男である。凄腕である。トランプ政権の中で、この人物は、日本が最も注意すべき人物ではないかと思う。何故なら、この男のバックグランドは、アメリカ人として並大抵の人物ではないからである。すでに、民主党議員、ユダヤ人協会、イスラム系アメリカ人の団体、その他方々からこの人物の任命に対する反対の声が上がっている。

 

さらに言うと、大統領首席補佐官は、国家安全保障会議(NSC)で重要な役割を果たし、会議の司会者と筆者は理解している。べノン氏は、正式には、首席補佐官ではないが、陰の力を強力に発揮するだろうと筆者は見る。

 

NSC本体は大統領や副大統領、国防長官、国務長官、参謀本部議長、国家情報長官などのメンバーによって構成される。運用のあり方は大統領によってもかなり異なる。

 

「スタッフ組織は大統領直属のスタッフとして日々大統領を支えるほか、政策立案にも携わる。スタッフの人数は大統領によっても異なるが、専門スタッフと事務スタッフを合わせて200人程度が存在する。多くは国務省、国防省、情報機関などからの出向組だが、一部に民間からの登用もある。このスタッフ組織を統括し、ホワイトハウスにいて大統領と頻繁に連絡を取りながら実際に仕切るのが国家安全保障問題担当大統領補佐官である。だが司会は首席補佐官と言われている。」(ウイキペディア)

 

筆者はこの国家安全保障会議補佐官と首席補佐官の役割を果たすのが、べノン氏ではないかと思う。安全保障も外交も軍事も門外漢のトランプ氏は、このべノン氏に依存することが多いのではないかと思う。いわば、参謀本部の最高指揮官ではないかと思うのである。

 

べノン氏は、きわめて右寄りの人だが、ケネディを信奉する家庭に育ったというから不思議である。べノン氏は、アメリカの主要海軍基地のあるバージニア州のノーフォークで生まれた。筆者もこの地を訪ね、原子力空母「せおだー・ルーズベルト」に16時間も載せてもらったことがある。海軍港ならではの雰囲気がある

 

べノン氏は、バージニア工科大学で学び、さらにジョージタウン大学院で、国家安全保障を勉強し、その後ハーバードビジネススクールで学び、MBAを取得した。

 

卒業後海軍に入り、太平洋艦隊に所属し、後、国防省に勤務した。

 

それから、ゴールドマンサックスに入社し、企業買収の部門で活躍した。1990年、仲間と自分の投資銀行を設立した。メディア企業の吸収・合併に取り組み、大きなビジネスディールをまとめた。

 

その後会社を売り、ハリウッドの映画・メディア会社のエクゼキュティブ・プロデユーサーになった。2004年、べノン氏は、レーガン大統領のドキュメンタリーフィルムを作った時、アンドリュー・ブレイトバート氏と知り合った。これが超右寄りのメディア「ブレイトバート」との関係の始まりであった。

 

2012年、べノン氏は、ブレイトバート氏の死に伴い、同社の会長に就任したのであった。それから、べノン氏は、「ブレイトバート ニュース」をさらに右寄りにし、ナショナリズム化したのであった。べノン氏は、当時、「我々は、自分たちを毒気を含むほどの反体制派にする」と言っている。

 

トランプの思想とまったく一致している。

 

これに対し、ニューヨークタイムズは、2016826日、べノン氏を右翼と呼び、イデオロギーに動かされたジャーナリストと呼んだ。さらに、女嫌い、外国人嫌い、人種差別主義者、と呼んだのである。

 

べノン氏は、3回結婚し、すべて離婚している。家庭内暴力で、訴えられたが、夫人が裁判に欠席したため、取り下げられた。

 

世界のリーダーにとり、このべノン氏の影響は大きいのではないかと筆者は思う。

 

佐藤則男

ニューヨーク

 


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国務長官を誰にするかで人選を急いでいるトランプ氏は、共和党内では、敵とも思える前回共和党大統領選指名候補だったミット・ロムニー氏に会った。筆者は、まさかと思った。この二人は、真っ向から衝突し、お互い散々なことを言い合った仲である。今、仲直りするようなことになれば、政治家とは、魔物である。

 

筆者は、おそらく、トランプが幅広く人材を登用しようとしていることを見せたいのであろうと思う。司法長官に、筆者が最も危険な上院議員と思う。人種差別主義者と言われるジェフ・セッションズ上院議員を決め、さらに、国家安全保障補佐官には、マイケル・フリン元国防情報局長官を任命した。この人は、徹底的な右寄りの人で、オバマのテロ政策を真っ向から否定した人である。

 

このように、極端な右寄りの人たちを任命をしたため、穏健な人も検討しなければならないと思ったのではないか。そうでなければ、またしても強い批判を浴びるのではないかと考えたのではないかと筆者は思う。

 

筆者にしてみれば、ロムニー氏が国務長官を引き受ければベストだと思う。国際感覚、知識などはまさに適任者であると思う。しかし、利口なロムニー氏は、そういう要請はあっても受け入れないのではないかと思うのである。トランプ政権に協力したら、せっかくのこれまでの政治経験がふいになる可能性があるからである。

 

同じ国務長官になりたいと宣言したジュリアーニ元NY市長とともに、国務長官として、噂されているのが筆者が最悪と思うのは、ジョン・ボルトン元国連大使である。筆者は、この人の極端な右寄りの外交政策、そして、なんと言ってもイラク戦争を唱えたこの人をどんなことがあってもアメリカの国務長官として見たくないのである。

 

伏兵として、その他、二人の候補があげられている。ボブ・コーカ^上院外交委員長とサウスカロライナ州知事のニッキー・ヘイリーである。筆者は、この二人のうち、どちら国務長官になってもよいとは思うが、いかんせん、力不足だと思う。アメリカの国務長官には、世界のリーダーに引けを取らない貫禄と、外交経験を持っていなければならない。

 

ロムニー氏は、優秀なビジネスマンでもある。この点、筆者はロムニー氏を買う。

 

ロムニー氏は、ミシガン州知事のジョージ・ロムニーの次男としてデトロイトで生まれた。。父親からの教育で「公に尽くす」ことを旨とする。父はアメリカン・モーターズを再生に導いた実業家でもあったが、自身も若い頃から大きな会社、特にゼネラル・モーターズ(GM)の経営者となることを夢見ていたという。

 

イギリスのスタンフォード大学に進学するが、パリとボルドーで2年間、末日聖徒イエス・キリスト教会の宣教師として伝道活動に従事した。帰国後ユタ州のブリガムヤング大学を最優等(summa cum laude)で卒業。ハーヴァード大学のビジネス・スクール・ロー・スクールのジョイント・プログラムでMBA・法務博士(J.D.)号を取得した。ビジネス・スクールでは上位5%の成績優秀者に与えられるベーカー・スカラーを得て、ロー・スクールは優等(cum laude)で修了した

卒業後引く手数多だったロムニーはマサチューセッツに残り、ボストン・コンサルティング・グループでビジネス・コンサルタントとしてのキャリアをスタートした。その才能を発揮した。

 

1984年にはPEファンドのベインキャピタル社を共同で設立。当初はベンチャー・キャピタルとして、後にはLBOを駆使するバイアウト・ファンドの草分けとして多くの事業を手がけ、ロムニーがトップであった14年間に年平均IRR113%という驚異的な収益を得るなど、同社を世界有数のファンドに育て上げた経験を持つ。

 

政治家としての経験は省くがマサチューセッツ州知事となり、活躍した人である。

 

しかし、トランプがロムニー氏に国務長官をお願いするかどうかは、まったく分からない。ロムニー氏が国務長官になれば、筆者は、良いと思っている。国務高官として、最適任者だと思うが、トランプがどうするか?

 

佐藤則男

ニューヨーク


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筆者はトランプ政権の人事などあまり興味を持たないが、国務長官だけは、大いに気にしている。何といっても国務長官は、政権の大きな看板である。オバマがヒラリーを立てたように、t根に大物が神明される。それは、諸外国政府、人々への看板であり、実質国家と政権の国際社会への代表である。だから、筆者は大いに注視している。

 

さて、そこで、今上がっている候補で自ら「国務長官になりたい」と言って、トップを走っているのは、ルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長である。筆者は、この人は、国務長官として任命されてほしくない第一の候補である。

 

確かに、1994年から2001年までニューヨーク市長を務め、凶悪犯罪の撲滅および市の治安改善に大きな成果を挙げた。アメリカ同時多発テロ事件発生時には大統領ジョージ・W・ブッシュと共にテロリズムとの闘いを宣言し、「世界の市長」と称賛された。

 

そのほか、連邦検事としてマフィア掃討作戦の陣頭指揮を取り、組織犯罪や薬物事件、経済事件などの対応・対策に取り組んだ。また、筆者もよく覚えているが、検事時代には、ウオールストリートの悪玉であったアイヴァン・ボウスキーと、「ジャンクボンドの王」と呼ばれた投資銀行家マイケル・ミルケンというウォールストリートの大物2人をインサイダー取引で告発した。他にもマーク・リッチなどの大物投資家をインサイダー取引で起訴した。

 

レーガン政権が展開した撲滅作戦ではジュリアーニが検事として陣頭に立ち、当時「ニューヨークのファイブ・ファミリー」と呼ばれたマフィアの一掃作戦を始めた。そして、ガンビーノ一家のボスであったポール・カステラーノなどファミリーのボスたちを次々と起訴し、有罪に持ち込んだ。

 

1993年ニューヨーク市長になると、治安の回復を目標に掲げ、筆者のすぐ上のコンドミニウムに住む、ニューヨーク市警のトップにウィリアム・ブラットン(現在、また、トップに任命されている)を据え、「割れ窓理論」を用いて犯罪率の減少に取り組んだ。マフィアのトップを重点的に取り締まった。検事時代のと同じように、まずイタリアン・マフィアをターゲットにしてトップらを逮捕。その後、その代わりに台頭する中国やベトナム、カンボジアやイランなどのマフィア対策を各国別に練り、頂上作戦を展開して大きな成果を上げた。警官を大幅に増やし、マフィアの温床となるセックスビジネスの撲滅作戦に乗り出すなど様々な手を打ち、ニューヨークの安全化に務めた。汚職警官を次々と告発・追放するなど、一時はマフィアより汚いとされていた警官の規律を正した。

 

だが、その成果がなぜ、国際社会で「アメリカの顔」として適しているのであろうか。暗い表情を持ち、人を監視する

 

トランプの選挙戦が始まって以来トランプの親衛隊である。様々な問題発言をし、強烈なトランプのサロゲート(代理人)となった。トランプが勝ったから、運が向いてきた。

 

筆者は、巷の予想が当たらないことを願っている。。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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稀な話ではあるが、ニューヨークならではの話ではないだろうか。ニューヨークという街が持つ、独特の「匿名と孤独の社会」が生み出す小さなヒューマンス・ストーリーである。

 

ラルフは、イタリア系のアメリカ人で30才代後半のオペラ歌手である。歌手としてはまあまあで、一応、アメリカの一流どころの舞台に出演したが、演じた役は、大勢の中の一人で、すべて端役である。ラルフは、自分自身、主役を演ずることなど夢にも思ったことはない。そんな才能は、自分にないことは百も承知している。ここまで来れたこと自体、ラッキー以外の何ものでもないことを知っていた。父親がウオールストリートの大物で、メトロポリタンオペラに多額の寄付をしていることもある。どの国でも、ある程度は金で動くのが世の常というものであろう。

 

ラルフは、自分で歌い、生活ができれば、それで良いと思っている。高望みをしないのがこの男の特徴である。そんなラルフに、東ヨーロッパの劇場から招きがあった。ラルフは、「父親が手を回したのだろう」と思った。ラルフは、その招きに応じ、出掛けた。約3カ月間の契約であった。マンハッタンのアパートは一カ月の契約期間が残っていたが、それを引き払い、解約して、東ヨーロッパに出かけたのであった。

 

東ヨーロッパでの出演は、成果が上がらなかったが、ある程度、ラルフの満足のいくものであった。「まあ、自分はこの程度の歌手であろう」と言ったものである。

 

ニューヨークに帰るとまず、アパートを探さねばならなかった。不動産屋に行ったら、「職業は何ですか?」と問われたので「オペラ歌手です」と答えた。すると、不動産屋は、意外な反応を示した。普通オペラ歌手など芸術家は金を持っていないので、テナントしては、嫌われる。だが、この不動産屋は「それなら良い物件があります。特別なアパートです」と言って、そこに連れて行ってくれた。

 

そのアパートは、マンハッタンのややダウンタウンに位置しているグラマシー・パーク周辺にあった。グラマシー・パーク付近は、古くてエレガントなアパート・ビルが多く建っている。「ウイキペディア」に次のような説明がある。

 

「グラマシー・パーク (Gramercy Park) は、ニューヨーク市マンハッタン区にある私的に運営されている公園である。広さは約8,000平方メートル(2エーカー) 東西は3番街とパーク街の中間の1ブロック分を占め、南北は20丁目と21丁目に挟まれている。公園北側中央からは北にレキシントン街が伸びる。

 

公園の周辺には19世紀から20世紀初頭に建てられたタウンハウスやアパートが立ち並び、グラマシー・パーク歴史地区 (Gramercy Park Historic District) に指定されている。人通りや車の通行量の多いパーク街から1ブロックも離れていないのにもかかわらず、この地域は静かな住宅街となっている。公園の周囲はフェンスで囲まれ、年間使用料を払って入り口の鍵を貸与された周辺住民しか利用できない。ただし、グラマシー・パーク・ホテル (Gramercy Park Hotel) の宿泊客はホテル従業員が付き添うことでこの公園に入ることができる。公園をめぐる道は散歩やジョギングのコースとしてよく利用されている。

 

グラマシー・パークは公園の周囲の住所として使われている。また、イースト川と5番街の間、イースト・ヴィレッジとミッドタウンにはさまれた地区は“グラマシー”と呼ばれている」とある。

 

歴史ある古いアパート・ビルには、アイビーのつたが絡まっているものもあり、見るからに風情がある。ラルフのような芸術家を誘う建物が並んでいる。

 

ラルフはあるタウンハウス・ビルに案内された。「こんなところはとても高いはずだ。私はオペラ歌手で、それも端役ばかり演じるその日暮らしの歌手です。とてもこんなところに住める者ではないのです。あなたは、私をからかっているのではありませんか?」少々ムッとしてその不動産屋を見据えた。

 

「いいえ、いいえ。そんな失礼なことはしません。このタウンハウスは4階建てで、1階の部屋を貸したいと言っているのです。賃貸料はテナントが払える金額でよいのです。勿論、私もコミッションを頂く以上、ただとは言えません。とにかく中を見てください」と言って、呼び鈴を押した。ブザーが鳴り女性の声がインタコムから、「どうぞお入り下さい」と言った。

 

1階のロビーに入るなり、その立派さに驚いた!正面には、大理石の人物の彫刻が置いてあり、ちょっとした美術館のロビーのようであった。大理石の階段があり、それを上がるとそのオーナーの部屋がある。メイドの案内で、応接間に通されると、その豪華さに、これもまたびっくりした。家具の多くは、おそらく18世紀のイギリスのものと思われた。

 

中年の夫人が出て来た。品のある美しい女性であった。ラルフは、どうしたことか、この夫人は、オペラ歌手だったのではないか、と一瞬思ったそうである。同業の雰囲気を感じた。その予感はずばり命中した。オペラ歌手であったが病気になり止めたとのことだった。ラルフはそれ以上語って欲しくなかった。ラルフは、「他人のプライバシーに触れることも、自分のプライバシーに触れられること」も嫌った。他人が自分のプライバシーに触れて来ると、いんぎんにそれをさえぎり、席を外すのがラルフの常だった。ラルフには、完璧な自由が必要であった。

 

その夫人は、容姿と個性だけで見たら「ラ・トラヴィアータ」の「ヴィオレッタ」役が合うのではないか、ラルフは思った。どれだけその夫人がエレガントな女性であるか想像がつくであろう。

 

ラルフは独立している1階の部屋に通された。申し分なかった。必要な家具は全部備え付けられていて、それも、ラルフがそれまで見たこともないほど立派なものであった。特に、バスルームの豪華さには驚いた。

 

ラルフは、自分が払える金額を提示したら、不動産屋の顔が曇った。夫人は上品に笑い、「この人は欲張りなのです」と言うと、不動産屋は、しぶしぶと引き下がり、「分かりました。オーナーの言うとおりにします」と答えたそうである。「あなたはラッキーな人だ」とラルフに言って、肩を叩いたものである。

 

帰り道、不動産屋は言った。「あのご夫人は、資産家の夫を亡くし、それ以来独身の方です。メイドと二人で住んでいる方です。夫が亡くなってから、「自分たちだけでは、安全が心配なので、同居人を入れたい、ということでした。それもオペラ歌手と言う希望でした。後は良く知りません」と言ったそうである。

 

ラルフにはそんなことはどうでもよかった。明日からの仕事を見つけるのが大変だった。ラルフより優れているオペラ歌手はいくらでもいる。ラルフにとっては、端役でも見つけることが難しい。銀行口座は辛うじて閉鎖を免れる残高が残っている。しかし、このまま行けば、口座が閉鎖されるのは目に見えている。

 

わずかな荷物をまとめ、入居してから、3日目の深夜であった。上の階から、バイオリンの音が聞こえた。ラルフは、聞こえた瞬間、その音に吸寄せられたそうである。ラルフは、すっかり気に入り、それを楽しんだ。「これはただ者ではない。夫人の友達が来て演奏しているのであろうか」と思ったそうである。

 

翌朝、ロビーで、メイドと会ったので、「昨夜、素晴らしいバイオリンの音が聞こえてきました。すっかり楽しみました。どなたが弾いていたのですか?」と聞いた。メイドの顔が突然曇り、「そのことは、二度と言ってはなりません」とメイドは、きつい表情で言ったそうである。

 

ラルフは「何故だろう」と思ったが、仕事を見つけることが先、と自分に言い聞かせ、気にも留めないことにした。ラルフには、「他人の嫌がることには触れない」という鉄則があった。それは、自分もそうであった。底を突いた銀行の預金口座のことを考えると、とてもそれどころの話ではなかった。昨夜もデリ(デリカテッセンの略)のテークアウトのサンドッチと豆のスープを夕食にした。それらを缶ビールを飲みながら食べたのであった。

 

その日の深夜、また、そのバイオリンの音が聞こえて来た。繊細で正確で、強く、ラルフの胸に突き刺さった。「誰の演奏かメイドではなく、夫人に会ったら、聞いてみよう」と思った。しかし、そんな気持ちになったのはそれきりであった。「仕事を探さなければ」という焦りが支配した。それからも深夜、バイオリンを奏でる音を聴いた。その音には、悲しさが込められていた。そのバイオリンを聴くのが習慣となり、「誰が弾こうと構わない。良い音楽を楽しめるのだから」という気になった。

 

ある日、ラルフは、部屋代を支払うために2階のドアをノックした。その日は、メイドではなく夫人自身が出て来た。夫人は支払いを受け取り、お礼を言った。ラルフは考えもせず、「素晴らしいバイオリンの演奏ですね」と言ってしまった。夫人が黙っているので、「時には、あのバイオリンの演奏には、繊細すぎるほど感情が籠っていますね」と自分から言ってしまったそうである。「あなたには、いずれ分ると思っていました。お話ししたいと思います。お入りください」と言って、ラルフを応接間に通した。

 

メイドにお茶を入れるように言い、夫人は話し始めた。夫人の話に、ラルフは驚いたのであった。

 

その夫人と亡くなった夫の間には、一人娘がいる。ウオールストリートで大成功した夫は、その娘を特別に可愛がった。時々、自分のオフィスに幼い娘を連れて行き、仕事をしながら時間を過ごすことがあった。

 

娘が4歳になると、バイオリン教師を雇い、バイオリンを習わせた。娘は最初からバイオリンが気に入った。物心がつくと、順調にバイオリンの腕を上げた。バイオリン教師も感心した。両親とも娘の将来が楽しみになった。

 

クリスマスや誕生日間近になると、父親は、プレゼントを買いに娘を連れて出かけるのであった。それがその夫の最も楽しい時であったという。

 

マンハッタン島の隣の島をロングアイランドというが、その島の東のほぼ突端にイーストハンプトンと呼ばれる別荘地がある。マンハッタンの金持が豪華な別荘を持つタウンである。別荘では、派手なパーティも開かれるところである。この家族もそこに大きなサマーハウスを持っていて、夏はそこで過ごすのであった。父親は、仕事があるので、毎週金曜日の夜、通勤飛行機便でやって来て家族と週末を過ごし、月曜日の朝6時には飛行機に乗り、マンハッタンに帰るのであった。

 

そんな幸せな家族に突然、それをさえぎる出来事が起こった。ある激しい雨が降る金曜日の夜、父親が来るのが遅いと待ち焦がれる母親と娘に電話があった。警察からであった。それは、父親が自動車事故に遇い、病院の緊急ルームに運ばれた、との知らせであった。母親は、メイドに娘を預け、急いで病院に駆けつけてみると、既に、夫の命は尽きていた。

 

そして、「車の中にこれが残っていました」と警察官が差し出したのは、立派なケースに入ったバイオリンであった。それは、父親が娘の誕生祝のプレゼントであった。

 

そのバイオリンは、名のある人が創ったバイオリンで高額のものであった。僕が友人に「そのバイオリンは、ストラディバリウスだったのでは?」と聞くと、「そこまでのものではなかった。誰が創ったものかは知らない」と言う。娘は、父親の死がショックで、それから、外に出なくなり、学校は長期にわたり欠席しているとのことであった。

 

そして、父親が買い、車の中に残したバイオリンを夜弾き、母親とメイドに聴かせるのであった。

 

というのが夫人の話であったという。

 

ラルフは、その娘に会ってみたいと思ったが、ラルフは、他人のことだ。放って置くことに越したことはない、と思った。何せ、銀行口座の残金は底をついている。今晩もデリのサンドイッチと豆のスープである。

 

その日からひと月ほど経ったある日、夫人が「娘に会っていただきたい」と言った。ラルフは人に会うのを避けている娘が、何故そんな気になったのか不思議であった。ラルフはよく理由が分からなかったが、承諾した。しかし、娘は問題児である。面倒なことにならないように注意するつもりでいた。

 

応接間で、娘に会った。母親によく似ている。そして、その娘のしっかりした顔付と態度に、まず、感心した。「この子はただ者でない」と思ったそうである。

 

その時、母親は言った。「娘は、今度学校に復帰することになりました。実は、あなたが、部屋で歌っているのを聴いたのです。私は、病気でオペラを諦めたのですが、娘はあなたの歌っているのを聴き、どうしたことか、私の果たせなかった夢の分も含め、バイオリンを本格的にやってみたい、と言い出したのです。そして、ジュリアードに行きたい、と言い出したのです。」

 

「そして、私がまず学校に復帰しなさい、というと、あっさりと、そうします、と言ったのです。あなたには、感謝しなければならないのです。お礼に、近いうち、夕食に招待します」と言うのであった。

 

ラルフはきょとんとした。自分が時々、上の階の人たちに邪魔にならないよう、バスルームで、声を張り上げ歌っていることは確かである。しかし、それを娘が聴いているとは思わなかった。そして、それがそんな効果を生みだしていたとは夢にも思わなかった。

 

「人は分からないものだ」と思い、嬉しかった。だが、何といっても、気になるのは銀行口座である。毎日の夕食は、デリのサンドイッチに頼っているが、それもいつまで続くかわからなかった。サンドイッチと豆のスープ、そして、好きな安い缶ビールを買い、ニューヨークタイムズを買う。そして、その他の費用を含めると、一日最低、30ドルは出てしまう。

 

その翌日、メイドがやって来た。そして、「夫人がディナーに招待しています」というので、急いで着替え、ネクタイをつけ、訪ねた。豪華なイタリア料理が用意されてあった。

 

「デリのサンドイッチも良いと思いますが、私のメイドもそれと同じくらい料理が上手です」というではないか。ラルフはその表現が気に入ったのであった。自分がデリで、夕食を買うところをメイドに見られていたのである。「デリのサンドイッチも美味しいです。それを知れば、手の込んだ料理が余計、美味しく感じられます」と言ったそうである。皆微笑んだ。

 

そして、「あなたに収入が入る良い役につけるまで、部屋代は待ってあげます」と夫人は言うのであった。ラルフは、「助かった!」と思った。クリスマスも間近であった。ラルフは、「素晴らしいクリスマス・ギフトをありがとうございます」とお礼を言ったそうである。

 

そして、夕食後、娘がバイオリン演奏する。繊細で正確な演奏である。しかし、何と、演奏が悲しさを乗り越え「明るく、力強く、鋭くなっているではないか!」大きな変化である。芸術家は、ちょっとしたことで大きく成長することがあると思う。普通の人に感じられないことを感じ、それが大きな衝撃になるのであろう。だから、芸術家は、ややこしい、と僕は思うであるが。

 

娘のバイオリンの演奏を聴いている間、ラルフは、銀行口座の残高も一瞬忘れた。既に用意していた冷蔵庫の中のデリのサンドイッチが思い出されたが、「明日の夕食にすればよい」と思ったそうである。

 

それから、一カ月経った。ラルフ宛に、メトロポリタンオペラから契約書が届いた。父親の顔が浮かんで来た。父親は、また、大金を寄付するのであろう、と思った。だが、いつものように、また、通行人程度の端役である。しかし、嬉しかった。誰にとっても、仕事がない状態というのは、辛いものである。

 

それでも、ラルフには、いつも銀行口座の悪夢が付きまとう。ラルフは言う。「そんな時は、また、安い缶ビールを飲み、デリのサンドイッチをかじるか」と。そして、鉛色の冬の空を見上げたと容易に想像できる。

 

才能がなく、端役ばかりでも、ラルフには、オペラしかないことは、ラルフ自身が最もよく知っているであろう。ラルフは、まだ、そのタウンハウスに住んでいるというが、どうも、一人ではなさそうである。

 

また来週

 

 

佐藤則男
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「日本と言う国は、総理大臣といえども即座にイエス、オア、ノーを言えない国であることを学んだ。そして、日本との交渉においては、決して総理大臣をそのような立場に追い込んではならないことを学んだ」とは、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官が、筆者に語ったことであった。28年前のことであった。

 

その約2時間にわたる筆者の単独インタビューは、ニューヨーク、マンハッタンのミッドタウンにあるウオルドルフ・アストリア・ホテルの大統領専用のスイートルームで行われた。その当時のビデオを見ると同氏も筆者もまだ若く、感無量である。

 

安倍総理は、キッシンジャー氏が当時。筆者に語ってくれた「即座にイエス、オア、ノーを言えない総理大臣から、言える総理大臣」なったのであろうか。アメリカと最も歴史的関係の深いイギリスよりも先に、真っ先にトランプ氏に会見を申し込み、どの国の元首より早く駆け付けた。まさに電光石火の行動である。「イエス、オア、ノーを言えない総理大臣」などそっちのけである。

 

安倍首相に、トランプ氏に対して、真っ先に駆けつける急務があったのだろうか。トランプ氏の大東洋就任は問題だらけで、今、大統領として政権を築くために、国務長官、国防長官など重要ポストの人選に大わらわである。トータルで4000人ほど、任命しなければならない。

 

日本の新しく選ばれた総理大臣が、組閣しているとき、アメリカ大統領が突然来日することと同じようなことである。アメリカ大統領が「緊急な話である」と言われたら、そんな忙しい時でも会わねばならないだろう。

 

もちろん、このような時でも外交の窓口である外務省を通しやってくる。だが、今回の安倍首相のトランプ氏との会談は、まだ、トランプ大統領下の国務省は出来上がっていないのである。この会談は、国務省経由ではなく、安倍首相とトランプ氏の個人的結びつきから会談はまとまったのであろう。日本の総理大臣とまだ、大統領選挙人に大統領に正式に選出され、大統領に正式に就任していないトランプ氏である。

 

それでは、この個人的緊急会談の目的は何だったのであろうか?

 

キッシンジャー氏は、2015年1月3日付け読売新聞朝刊で次のように述べている。

 

「戦後から立ち上がり、経済力をつけてきた時から、日本が自国の安全保障に対して、より責任を持ち、国際安全保障により積極的な役割を担うことは、避けられないことだった。つまり、『普通の国』になるということだ」
 「日本がこれから取りうる道は、三つある。一つは、日米同盟の継続、二つ目は、従来より中国が強い存在感を持つ北東アジアへの接近、そして、より国家主義的な外交政策を取ることーである」
 「安倍首相は強力な指導者だ。日本も他の国と同様、勢力均衡の新たな変容を受け、外交を適応させていくことになる。首相のもとで日本外交は、より幅を広げていくことになるだろう」
 「中国を囲む国々を見ると、それぞれ米国と協力することで均衡を保てる状態であることがわかる。むろん、日本とインドは、強力な国だが。米国は今後も、アジア太平洋の国として扱うべきであろう。ただ、私は中国に対して、包囲網を作ることには反対する。米中関係のみを基軸とした外交政策にも賛同しない」

と述べている。筆者が特に意を持つのは、トランプ政権の下で、アメリカ一辺倒でよいのか。果たして、今度の異常な早期なトランプ訪問は、中国に対し、どういう影響を与えるのであろうか。

 

果たして、安倍首相は、今回のいち早いトランプ氏訪問で何を達成したのだろうか?

 

トランプ氏が安倍首相に会うメリットは「とにかく早く、アメリカの元首たることを示す」ことではないのか。安倍首相の訪問は、まさにこれにかなうものではないだろうか?

 

佐藤則男

ニューヨーク


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背の高いブロンドの髪の毛の男だった。僕は、夜10時ごろ、マンハッタンのミッドタウンのレストランのバー・カウンターでいつもの赤ワインの「メルロー」を注文して飲んでいた。

 

ここは、以前、このエッセイシリーズで紹介したウエイターとウエイトレスがブロードウエイの卵たちであるレストランである。ジャズの生演奏が終わり、スピーカーからジャズが流れている。正直言って、生演奏よりはるかに良い演奏である。

 

その男は、40歳代であろう。シャツとジーンズのカジュアルな服装で、にこにこ笑い、辺りをきょろきょろ見回している。間もなく、その男は、隣に座っていた二人の女性に話しかけ、しばらく話していたが、女性が帰ったので、一人になった。ビールを飲みながら、また、にこにこ笑い、あたりをきょろきょろと見回している。

 

この男、必ず、僕に話しかけて来るだろう、と予感が走った。そうしないで欲しいと僕は願った。何となく、人は良さそうであるが「何となく、気持ちが悪い」のである。普通のアメリカの白人と異なる感じがしたのである。

 

案の定、その男は、僕に話しかけて来た。断る理由がなかった。その男は、「ジョン」と名乗った。そして、「香港に4年住んでいる」と言って、「弁護士」だと自己紹介した。

 

そして「今、用事があって、ニューヨークに来ている」と言った。ちょっと薄気味悪いので、少々無理をして、中国情勢についての話題に入った。プライベートな話をする気になれなかった。また、話しかけられ、話す以上、僕も何らかの役に立つ情報を取りたいと思った。それは仕事の一部である。そして、アメリカ人の中国観に興味があった。しかも、その男は、4年間中国に住んでいる。何か役に立つ情報を持っているのではないと思った。

 

「中国は、20億近い人口を抱えている。それに、多くの民族集合体である。そんな国は、人間の統治能力を超えている」と、ジョンは言う。それには、僕も同感である。そんな条件の国を治めることは、確かに人間の力では不可能に近いであろう。「だから、中国は、歴史上、他民族や他国に侵略されてきたのだ」とジョンは言う。

 

ジョンのインテリジェンスレベルの高さが分かり、多少、安心した。さらに中国の話を聞き出すことにした。「今の習近平体制は、10年ほどしか持たないと言うがどう思うか」と訊くと、「経済次第だろう。中国人にとっては、政治は、問題ではない。金だ。すべてが金だ。

 

「中国人は、もっと文化を大切にする人たちだと思って中国に渡ったのであったが、彼らの生活は、余りに悲惨で、金を儲ける話ばかりだ。ものすごい金持ちが多くいる。しかし、彼らは、その金を国内の銀行にとどめておかない。銀行が何時、潰れるかわからないからだ。だから、彼らは、金を外国に持ち出す」と言う。

 

「しかし、金を国外に持ち出す場合、規制が厳しいのではないか」僕が言うと、「そこが我々弁護士の仕事だ」とにやりと笑う。また、薄気味悪さが漂う。この男、人なつこいが、何か裏に暗い部分を持っている。

 

「中国には、まだまだ、インフラストラクチャー開発が多く行われる余地があり、経済に貢献するのではないか」と、僕が言うと、「その通りだが、そのような仕事には、多くの贈収賄が絡む。政治が腐敗しているのだ。この不正は、中国の公共事業には、つきものだ」と言う。

 

「そんなところにも、外国の弁護士は入っているのではないか」と、意地悪な質問をすると、にやりと笑い、「そうだ」と答える。案外正直である。

 

「中国の法整備はひどく、特に、著作権などの知的所有権の分野で、弁護士は、仕事が多いのではないか」と訊くと、「その通りだ。私の専門分野の一つである。私の場合、エンターテインメント分野の知的所有権が専門で、映画、ビデオ、動画、ポップソングなどを扱っている」と、ようやく、自分の仕事を具体的に言った。

 

「中国人の金持のアメリカへの投資、株投資や、不動産投資などの仕事もあるのではないか」と訊くと、「十分過ぎるほどある。私もその分野もやっている」と言う。

 

「中国と日本の関係が悪くなっているがどうか」と訊くと、「それは、中国政府と日本政府との関係だ。中国人から見れば、金に関係ないことは、ほとんど気にしない。中国人が日本人を嫌っているなどと言うことは、ニュースメディアが言うことだ。

 

「ニュースメディアはひどい。ニュースメディアが言うことを信用していては、中国でビジネスは、できない」と言う。

 

「日本の安倍首相が右に偏り過ぎていることが問題になっているが、中国人は、どう思っているのか」と訊くと、「確かに、安倍首相の歴史認識は、問題であるが、どれだけの中国人がそのことに、どれだけ関心を持っているか、と言えば、ほとんど関心を持っていない」と言える。

 

「何回も言うようであるが、中国人の最大関心は、金である。日本を嫌い、日本人を嫌っても、彼らには、金にならない。彼らは、そんな無駄なことをしている余裕はない」と答える。

 

「尖閣諸島問題はどうか?」と訊くと、「これも、中国人は、ほとんど関心を持っていない。尖閣諸島がどれだけ、自分たちに金をもたらすのか。何もないではないか、と思っている」と答える。

 

「中国政府が不満やるせない中国人の関心を外に向けさせ、クッションとしているのではないか」と訊くと、「そうだ」と言う。

 

スピーカーから、ジャズ音楽が流れている。夜も遅くなってきているので、ウエイターとウエイトレスたちは、店じまいを始めたようである。ガチャガチャとあちこちで音が聞こえる。客は、まだ、10人ぐらい残っている。

 

女性バーテンダーに訊くと、「まだ、大丈夫」とにこやかに答える。よく社員教育が行きととどいると思う。

 

ジョンに、「Let me buy you beer (ビールをご馳走しよう)」と言うと、嬉しそうに「Thank you」と言う。僕もビールに切り替え、注文をした。秋口としては、やや暑い日であったので、ビールの冷たさが快く舌と喉を潤した。

 

ジョンは、アルコールが回って来たのであろう。饒舌になった。

 

すると、意外な話をし始めた。

 

「私は、香港、中国本土に家を持っている。また、マンハッタンにもアパートを持っている」と言う。そして、「その3か所住むところを転々としている」と言う。

 

そして、「何故、そうするかと言えば、税金を払いたくないからだ」と言う。「脱税か」と思わず訊きそうになった。しかし、それをこらえ「ニューヨーク、香港、中国本土の3か所を住み分け、アメリカに183日以上住まなければ、アメリカの税金を払わなくても良いはずだが」と訊くと「その通りだ」と曖昧に答える。

 

「それを利用しているのか」と訊くと、これも曖昧に肯定した。「それでは、香港ではどうなのか」と訊くと、「うまくやっている」と答える。つまり、香港でも税金を払っていないのである。

 

「何故、税金を払わないのか」と訊くと、「こんなアメリカで、税金を払うのは、馬鹿げている。一体、税金を納めて、その金がなんに使われているのか考えれば、実に馬鹿馬鹿しい。働かない人たちの生活を面倒をみたり、税金の無駄遣いが多い。そんな国に生まれ、生活してはいられない。

 

「自分で儲けた金は、自分のものだ。ひたすら働いて稼いだ金だ」と言う。そして、「あなたは、アメリカで生まれ、育った。アメリカに対する愛国心はないのか」と訊くと、「そんなものはない」と答える。僕は少々腹が立ってきた。

 

僕は、「私は、アメリカ国家にお世話になって生きている。だから、アメリカ国家を尊敬し、感謝し、そして、アメリカの中央政府、地方政府、つまり、ニューヨーク市のサービスを受け、利用して、生活している。そのために税金を払っている、と思っている。だから、正当な税金は必ず払う」と言った。

 

すると、「ジョンは、こんな国に愛国心は持てない。殺人と暴力の国、安全に通りも歩けない。そして、貧困。通りには、ホームレスが多い。こんなアメリカを誇りに思えない。アメリカを逃れ、香港に住んでいると気持ちが安らぐ。

 

「香港は、確かに小さな島であるが、外に出ると、美しくて、楽しめる。中国本土に行けば、文化もある。人々もアメリカ人のように、他人行儀ではない。親しく話ができる。アメリカを逃れ、中国に渡り、人間らしい生活ができ、それを楽しみ、心が安らいだ」と言う。

 

どうもこのジョンの話には、大きな矛盾があるような気がした。それを僕は、隠し、「ナサニエル・ホーソン、ジョン・スタインベック、パール・バックなどの小説家は、アメリカ文化に失望し、一旦、アメリカを離れて、外国で作品を書いた。彼らは、いわゆる「エグザイル」(流浪者、亡命者)であった。

 

「森の中にいては、一本、一本の木しか見えない。森を出て、外から森を見ることが必要なのではないか」と僕が言うと、分かってか、分からないのか、ニヤリとするだけであった。

 

そして、「将来何をやりたいのか」と僕が訊くと、「香港にナイトクラブを創りたい」と意外なことを言う。「それも小さなナイトクラブで、この部屋くらいのもので、」とバー・カウンターのある部屋を例にとり、説明する。そして、「一軒香港に開いたら、次は、上海、そして、アメリカにも開く。そこで、世界に人々を楽しませる」と夢を膨らます。

 

「弁護士なので、そのようなビジネスに投資する投資家は知っている。資金面での不安はない」と言う。

 

「しかし、そうなれば、税金は払わなければならない」と僕が言うと、「その通りだ。今、自分が直面しているような問題にはまりたくない」と言う。

 

「その問題とは、現在、税金問題に悩んでいるのではないか」と訊くと、ジョンの顔は鈍く歪んだのであった。

 

「実は、IRS(国税局)の捜査官に追われている」と言うではないか。

 

ジョンは、それきり、黙りこくってしまった。

 

ジョンは、「エグザイル」だったのである。それも、悪いことに、国税局の捜査官に追われている身であったのである。

 

ジョンの「薄気味悪さの原因」であった。

 

閉店時間が来たので、ジョンに別れを告げた。ジョンは、僕の手を握り締め、「会えてよかった」と言った。そして、また、きょろきょろと辺りを見渡した。国税捜査官の目を気にしているのであろうか。

 

何故、入国の時、税関で捕まらなかったのだろうか、と思った。まだ、隠していることがあると思った。

 

ジョンは、暗闇の通りに消えて行った。

 

また、来週。

 

佐藤則男


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トランプが大統領に選ばれた瞬間、アメリカが一瞬のうちに変り、アメリカ中が浮き上がっているという印象を受ける。親も子供も一般のアメリカ人の多くが共通してあたりをきょろきょろ見渡しているのである。皆、ほかの人がどう考えているのか、答えが欲しいのである。

 

「いったい、我々はどうなるのだろうか?」いう疑問である。

 

つまり、トランプと言う新しい大統領の下に、不安がやってくるのである。ビジネスマン、ウーマンは、「経済はどうなるのであろうか?」と言う心配はあまりないのであるが、最も心配しているのは、親としてである。「いったい、子供たちにトランプ大統領をどう説明するか」と言う問いである。

 

「婦女暴行、女性軽視、女性不遜、女性誘惑、人種差別主義者、人間として品格のなさ」などの特徴を持つ人物が大統領と言うアメリカのトップリーダーになったことをどう子供たちに説明するかである。

 

この事実をただ単に「大人の価値観と子供の価値観」との差異として説明するだけでは、今の子供たちは、納得するはずがない。子供たち自体が「いっぱしの政治評論家」のようになっている時代である。アメリカの子供たちの政治意識は、はるかに高い。「コンサバティブとリベラルの対立」を論じることなど、小学生でさえもできる子どもたちである。トランプがどんな人物で、どんなことをしてきたか、など詳しく知っている。

 

大統領選挙は、18歳以上の大人たちが決定するもので、多数決で、トランプを選んだのである。その事実は、いかなることをしても曲げることはできない。子供たちは、そのような民主主義のルールを知っている。

 

子供たちは、大人たちの選択をどのように思っているのか、子供たちの対象にした調査がないので分からないが、親としては、まさか子供たちが女性蔑視、婦女暴行、人種差別、移民強制送還などのトランプの考えや大統領の政策として、正しいと思ってはいないだろう、と思うこと自体に不安を感じているのである。

 

アメリカの家庭で子供を持つ親たちは、「このトランプを大統領に選んだ大人たちの行動をどう説明してよいか全くわからない」と親たちは筆者に語る。「今になって、トランプを大統領に選んだ人たちは、自分たちが何をしたか、やっとわかったであろう」と筆者の友人は語る。実に心配そうな顔つきである。無理もない、その友人は、11歳の女の子を持つ父親なのである。「家族でこの問題をよく話した」と深刻に受け止めている。

 

自分の娘がトランプに影響を受けた男子生徒が、学校で暴行を受けたらどうするのか。常識では考えられないが、子供たちの模範になる大統領が女性蔑視、女性暴行を働いた人物とすれば、それが堂々と許される国アメリカであることへの認識につながる。

 

学校の授業で「女性への性的ないたずら、性的な暴行は、正当ではないか。大統領さえ行った行為である」と中学生や高校生の男子生徒が言い始めたらどうなるのか。そして、性犯罪が増えることになったらどうなるのか。

 

性犯罪を起こした子供たちを逮捕すれば、「大統領さえもやったことではないか。しかも、その大統領は何も罰せられない。どこが悪いのか!不公平だ!」と性犯罪者である中学生や高校生が自分を正当化したらどうなるのか?

 

筆者は、このようなことになることを大変憂う。子供を持つ親たちの心配がよく理解できる。

 

アメリカ社会は、とんでもない社会になろうとしている。

 

今、アメリカ社会が必要としているのは、人々の「正義感」である。女性を守ることのできない社会など、とんでもない社会である。アメリカは、トランプを選んだことにより、国が乱れること必至であろう。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク


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ヒラリー・クリントンファンには、まことに申し訳ないが、筆者は昨夜、ふとあることに気が付いた。それは「やっとこれでブッシュ王朝とクリントン王朝が終わったのだ」と思ったのである。そして、それが大きな変化を起こしたのではないか、と思ったのである。

 

考えてみれば、問題の多いトランプでも、このことが分かれば、なんとか「トランプが大統領でもよいのではないか」と思う人々も多いのではないかと思うのであるがどうであろうか。中には、このブッシュ王朝、クリントン王朝が終わったことで、ほっとしているアメリカ国民も多いと思うのである。

 

思い起こせば、ブッシュ王朝の始まりであるパパブッシュは、1989年に大統領の地位に就いた。湾岸戦争で大勝利を収め、再選を確実にしたのであったが、経済が急変し、再選をかけた選挙で、すい星のごとく現れたビル・クリントンに難なく敗北したのであった。

 

そして、ビル・クリントン、ヒラリー・クリントンの8年間が始まったのであった。ビルとヒラリーの二人は、バブル経済に恵まれ、なんと巨額の財政赤字を埋めるほどの大成功を収めた。だが、二人とも金に興味を持ったのである。それは、後、クリントン財団として形になる。

 

しかし、2期目にビルは、セックススキャンダルを巻き起こし、下院で弾劾が成立した。しかし、上院は、民主党が多数を占め、弾劾は上院で否決され、事なきを得た。ビル・クリントンは、せっかく実績を上げたのであったがこのスキャンダルでアメリカ中を混乱させ、暗いアメリカにしてしまったのであった。

 

その後、政権を担ったのは、ブッシュ家の息子のジョージ・ブッシュであった。ジョージ・ブッシュは、リスクテーキングな大統領で、9.11の同時テロと言う未曽有の事件に巻き込まれ、その反撃として、イラク戦争を起こした。それは、見当違いの戦争であったと思う。テロ攻撃をしたのは、アルカエダで、サダム・フセインではなかったのである。イラク戦争を強引に行い、4000人の死者を出し、35000人の兵士が精神に異常をきたすことになった。暗い悲惨な戦争だったのである。この戦争ほどむなしい残酷な戦争は、アメリカの歴史の中でベトナム戦争に次ぐものであろう。

 

このイラク戦争は、中東に新たな動きを起こし、ISISの勃興をきたし、今や最悪の事態となっている。

 

ブッシュを引き継いだオバマ政権は、これらの重荷を背負い、悪戦苦闘の政権であった。オバマにできたのは、このような事態を鎮静化させることであったのみではないだろうか。結局は、手をこまねき、状況を見極めるというWait and See (待って見守る)と言う作戦に出るより仕方がなかったと思う。

 

これらの時期に、経済は危機を迎え、大きな不況に突入した。アメリカの国民、特にブルーカラー層は、大いに影響を受け、生活は苦しくなる一方であった。

 

彼らは、ワシントンに対する批判を強め、激しい怒りを持つようになった。ホワイトハウスも議会も保守とリベラルが争うばかりで、何もできない。国内は、左右の対立、人種間の対立も深まる一方であった。

 

そして、大きな問題が浮かび上がってきた。収入の格差である。格差社会が広がり、金持ちは、莫大な金を得るようになり、太った豚になるばかり、貧乏人は、余計貧乏になる、と言う社会構造にアメリカ国民は、嫌気がさすとともに、怒りと恨みをワシントンに向けたのである。

 

そこにトランプが登場したのであった。トランプは、共和党予備選候補者で最も人気の高かったブッシュ家の息子、ジェブ・ブッシュを簡単に倒した。そして、勢いに乗り、なんと、トランプが共和党の指名候補になったのであった。これは誰もが信じられないことであった。しかし、冷静な見方をすれば、そこまで、国民は規制の政治家を信用しなくなっており、ブッシュ家やクリントン家は、すでに信用を失っていたのである。

 

一方の民主党は、ヒラリー・クリントン、クリントン家が夫婦そろって大統領になる野望とともに、アメリカ史上初の女性大統領と言う歴史的な偉業を成し遂げようとする野心に燃えたのであった。

 

しかし、アメリカ国民の間には、「Clinton Fatigue(クリントン疲労)があったのである。もはや、「クリントンの名前は聞きたくない。もうたくさんだ」と言う雰囲気があったのである。

 

「もう、ブッシュ家やクリントン家に関わっていてはならない。彼らは、私たちのことは考えていない。彼らは、もうたくさんだ」と、怒りに燃えたのことも今回のトランプのような人物を大統領にした原因の一つなのではないかと思う。。

 

筆者自身、このブッシュ家とクリントン家に引っ張られてきたアメリカをつくづく感じたのである。そして、オバマは、この大きな変化へのクッションではなかったかとも思うのである。


そして、トランプをてっぺんに仰ぎ、アメリカは新たな混乱、前代未聞の混乱に向かって突き進んでいる。アメリカよ、どこへ向かっているのか?トランプを大統領に選ぶアメリカ国民には、アメリカと言う国家を正しい方向への道しるべを見つける能力はあるのか?

 

佐藤則男

ニューヨーク



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丁度一年前の事だった。筆者が「なぜ、あめりかは、ヒラリー・クリントンは、大統領にしないのか?」という題名の本を講談社から出版させていただいたのは。

 

それから、一年がたったわけであるが、筆者は、大統領選挙を追っかけることに夢中になり、出版したこと自体忘れていた。人間の興味とは恐ろしいものである。しかし、そんなことを忘れさせるほど、今回の大統領選挙は、大荒れに荒れた。

 

この本の原稿を書き始めたのは、昨年7月であった。今から、なんと18か月も前のことであった。去年の夏、汗をかきながら、ニューヨークの自宅のコンドミニウムの書斎で、一気に書いたものであった。

 

発売は、昨年の11月だった。

 

その本についてまさか、一年後の今、沢山の読者からメールをいただくとは全く予想もしなかった。大体自分で何を書いたのか忘れてしまっていたのである。

 

ここに、読者の方々からのメールの一つをご紹介させていただきたい。原文のままである。

 

――――――――――――――――――――――――――――

 いつもすばらしい分析レポートを拝読させて頂いております。

アメリカの熱狂(大統領選挙後の)が、まだ続いているようですね。

 

それにしても、一年前に、すでに、ヒラリー・クリントンが、大統領になれない理由を、分析され、それを、出版され、ご自分の考え、分析を、世に問われたことを、心より、尊敬申し上げます。

 

トランプに対しては、私は、大変ショッキングな、予感を持っています。共和党は、したたかな政党で、トランプを、あるとき、見限ることでしょう。

 

いわゆる傀儡政権で、内外から、揺さぶりをかけて、トランプを引きずり落とすことでしょう。其の間、世界中が不安定になりますが、共和党は、そんなことは、お構いなしで、国益のためと称して、ありとあらゆる謀略、策略の限りを尽くすでしょう。

 

かって見たDVDのドラマ「24」の影響が私には、強すぎるのかも知れませんね。トランプが大統領になったら、アメリカを去ると、おっしゃっておられましたが、彼は無事に45代大統領に就任できるのでしょうか?

 

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――――――――――――――――――――――――――――

筆者は、当時、ヒラリーが大統領になれないことは、確信を持っていた。ヒラリーは、大統領になるために大切な「人間としての奥深く、広い幅と経験、洞察力と実行能力」が不十分で、ホワイトカラーには、受けるが、一般大衆の支持を受ける器ではないと判断していた。さらに、女性の行く手を阻むアメリカの男性社会」「根強い女性差別観念」があり、それを破れるだけの包容力を持ち合わせていなかった。

 

当時、アメリカの専門家やジャーナリストは、ほとんどが「ヒラリー本命説」を唱えていた。それは共和党の予備選候補はたくさんいたが、それこそ本命はいなかったせいもあったであろう

 

しかし、筆者が大統領候補として、もっとも買っていたのは、マーコ・ルビオ上院議員であった。ルビオは、ヒラリーを一蹴すると思った。だが、すべての候補を一蹴したのは、トランプであった。そして、ヒラリーをも一蹴したのであった。

 

ここまでは、筆者も予測できなかった。

 

さて、それでは、筆者は以前の発言通り、アメリカを去るかというご質問であるが、これからの動きを見て、真剣に考えようと思う。このブログサイトで、随時、述べさせていただきたいと思う。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク





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ファイナンシャルタイムズ紙の要約記事によると、トランプについて、次のように述べている。

 

「トランプは、各国との通商条約を破棄し、中後製品の関税を45パーセントにし、中国貿易戦争を始める。外交政策を改め、イランとの核条約を破棄し、日本と韓国を核武装させ、ロシアと親しくなる。

 

「そして、オバマケアを廃止する。また、法人税を上限15パーセントとする。個人税も現在より上げない。さらに、連邦裁判所の判事をより保守的な人にする。極め付きは、地球温暖化のパリ条約を破棄する。国連負担金の削減。

 

「そして、移民への厳しい政策、などを発表している」と報じている。

 

どの政策をとっても、世界のリーダー国の大統領とは思えない、生きずりばったりの政策で、アメリカの保守層が快く感じる政策を集めたものにすぎない。何一つ目新しいものはなく、これまでのアメリカの政策を逆に取っているだけである。そして、ワシントンの政治家を馬鹿呼ばわりした。

 

アメリカ国民は、こんな創造性のない人物として知っていて大統領に選んだのであろうか?それでは、あまりにもアメリカ国民は、世界を知らな過ぎるのではないか。

 

日本の安倍首相は、17日に早くも、トランプを訪問するらしいが、待てないのであろうか?

 

今は、トランプに関して、大きな疑問が浮かび上がり、デモ隊が殺到している。今、トランプを訪問すれば、トランプのPR作戦にはまることになり、利用されるだけとは思わないのであろうか?

 

日本の総理大臣の訪問は、トランプとしては、トランプが外国政府に認められている証になり、日本は、トランプの核武装政策に同意しているように取られはしないのか?

 

トランプがちゃんとアメリカの次期大統領として、国民に十分認知される時期を見てはどうなのであろうか?

 

それから、安倍首相は、いち早く、クリントンを訪問したことで、外務省を批判したそうであるが。それがもし、トランプに対するジェスチャーとしてやったのであれば、そんなことは意味がないと思う。今後、トランプ政権から日本政府に対し、難しい要求が来るものと理解するのであれば、アメリカの民主党とのパイプも作っておかねばならないと思う。もし、トランプが日本に核武装を強要するようなことになれば、そのコネは、役に立つかもしれない。4年後、トランプの再選の可能性は低いというケースも考えられる。今のうちから、準備しておかなければならないと思う。

 

トランプ政権は、おそらく独裁色が強く極めて強い保守主義に流れるであろう。トランプ政権は、一期政権の可能性が高いのではないかと思うのであるがどうか?

 

不用意に近づき余り深入りすると一緒にビジネスをやらされることになる可能性もあると思う。トランプは、「他人の金」でビジネスをやってきたしたたかな人物である。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク

 


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筆者のコネチカット州のウイークエンドハウスの庭を手入れしてくれているジョバンニが、冬支度をするため、打ち合わせに来た。久しぶりなので、握手も堅かった。そして、ジョバンニは、言いだした「あの男は、ラテン系を嫌い、中国人を嫌い、日本人を嫌い、そして黒人も嫌いで、白人しか好きにならない。我々の大統領になぜなったのか?」と言う。

 

ジョバンニは、ニカラグアの出身で、グリーンカードを持っている。さらに続ける。「我々がこうした土いじりの仕事をしているのは、白人がやらないからで、本当は、もっと良い仕事がしたい。しかし、アメリカは、大学を出ていないと良い仕事に就くのは無理である

 

「アメリカの白人は、自分たちが仕事を我々に奪われたという。しかし、彼らだって、我々と同じ仕事をするのであれば、いくらでも仕事はある。私だって、白人がやると言えば雇う。しかし、彼らは、土いじりのような仕事はしない。

 

「仕事もしないで、朝から、家でビールを飲み仕事をしない。そして、社会福祉を受けている。それで、我々に仕事を奪われたという。ナンセンスである」と、不満をぶちまける。

 

トランプは、大統領に選ばれてから、テレビ局のインタビューに答え、徐々にキャンペーン中に気違いのように叫んだ不法移民の扱いをやわらげ始めたが、今度は、トランプに投票した白人の人種差別主義者に圧力がかかり始めている。トランプが提唱したむちゃくちゃな移民政策を断固取るように言っているのである。

 

きわめて極端な政策、例えば、メキシコとの国境に壁を立てるとか、オバマケアの廃止、世界の通商条約の破棄、など無理なことは当たり前で、できるはずがない。このように徐々に追い詰められていくことは明白である。

 

しかし、筆者が何度も言うように、これらの政策は、トランプが自分の口から言い出したことである。できなくてどうするのか?

 

アメリカ国民は、自分たちがトランプの公約に賛同し、国家の大統領、つまり、最高指揮官に選んだのである。トランプに、公約を守り実施するよう圧力をかけてほしいものである。そうでなければ、アメリカ国民がどれだけトランプの政策を理解して投票したか、そして、どれだけ自分たちがトランプに投票したことが間違いであったか、身に染みてわかるであろう。

 

そうでなければ、自分たちがどんなことをしたのか、理解できないアメリカ人が多いことか分かるだろう。

 

トランプのような人物を4年後の大統領選挙で、再選しないよう、アメリカ国民は、十分学ばなければならないと思う。そうでもしなかったら、アメリカ国民は、自分たちがどれだけミスを犯し、町あった男を大統領に選んだか、分からないであろう。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク



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やはり、告白せねばならないと思う。筆者は、投票が終わり、開票速報が流れ、クリントンの負けが決まりかけた時、テレビ放送を切ったのである。それから、丸二日間、まったくテレビを観なかった。アメリカの選挙民に対し、激しい怒り感じたからだった。そして、テレビのうるさい放送を徹底的に遮り、自分をテレビ報道から解放したのである。

 

そうせざるを得なかったのであった。もはや、アメリカの左と右に分かれたテレビ放送局の欺瞞に我慢がならなかった。口先では、中立と見られるゲストを討論番組に登場させ、もっともらしいことを言わせるが、それは形ばかりである。実際は、クリントンとトランプのサロゲート(代弁者)を登場させ、彼等にも演技をしてもらい、激しい左右の対立をしてもらう。これもまた、公平を確立し、左右の対立社会構造を浮きだたせる。

 

今回の選挙では、左右の対立の外に、クリントンとトランプが激しく対立していることを増幅するのみで、二人を落ち着かせて、真剣な議論に持ち込もうとしなかった。それどころか、火に油を注ぐ戦いに仕向けたと筆者は思っているのである。テレビ討論でも、同じであった。できるだけ、過激な発言をするようメディアの司会者は挑発したと筆者は思う。

 

そうなると、反ワシントンを唱えるトランプは有利である。テレビを使い、大衆を扇動する力と技を持っている。大統領選では最も力を持つテレビを独占したのではないかと思うほど一方的であった。

 

一方のクリントンはそんな力も技も持っていない。トランプが「大統領として不適格」とか「感情を抑えることができない」などと言って、具体的な問題を鋭く突っ込み激しく叩かなかった。「目には目を、歯には歯を」という原則に基づいた戦いが必要だったのである。

 

筆者は、「クリントンが勝てないのはないか」と、一瞬そう思ったのは、「戦う相手が低次元で出てきたら、こちらは高次元で行く」と言った時であった。アメリカで最も高い地位を争うのである。叩き方に低次元も高次元もないと思う。何でも相手を叩くだけ叩くことが勝つための鉄則だと筆者は捉えている。大統領選挙では、最終段階でのネガティブキャンペーンがものをいう。

 

そして、メディアにどれだけ訴えるかがカギである。

 

筆者はこんなメディアが嫌になったのであった。二日ぶりにテレビを見ると、今度は、反トランプデモである。友人がトランプタワーの近くのビルの屋上から撮ったビデオを見せてくれた。確かに凄まじい。そして、それをまた、テレビが煽るのである。

 

アメリカのメディアも追いかけるのは、センセーショナリズムである。そうでなければ、視聴率は下がる。アメリカ国民は、政治について、もっと皮肉になっていると同時に、単なる右と左だけではない。サンダースとトランプのおかげで、もっと分け方が複雑になると思う

 

佐藤則男

ニューヨーク

 

 

 


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筆者のところに1通のメールが届いた。カルフォルニア州で、若い人たちで映画を作っているグループの一人の女性である。メールは次のように言う。

 

「新しい大統領にトランプがなってよかった。彼はビジネスマンなので、政治家のように我々の税金を無駄遣いしないと思う。政治家は、自分たちに都合の良いように、我々の税金を使う。いつも再選を狙っているからである。また、トランプは、法人税と引き下げると言っている。これは我々のビジネスを助ける。トランプが大統領になったことを歓迎する」と言う内容であった。

 

この一つで、若者がトランプとヒラリーをどうとらえたのかは言えないが、筆者は、ヒラリーに若者の望んでいること、求めていること、そして、達成しようとしていることが分かっていたであろうか。

 

ヒラリーは、キャンペーンの最初から、若い人の票をとることが難しいと言わていた。このために、ベンチャー企業への政府特別融資、ベンチャー企業が入れる工業団地の建設など、若者アントレプレナーに対する特別待遇などのインセンティブ政策などあったはずである。

 

また、トランプの支持母体で、最も反ワシントンで、不満をもっている白人ブルーカラーには、IT産産業やそのほかの特別技術を必要とする仕事に就けるための教育をする、大きい職業訓練所を作るなど具体的な計画もキャンペーンに組み込めたはずである。

 

ヒラリーの負けた理由に関しては,これ以上は、控えたい。アメリカも日本もヒラリーの敗因についてあまりにも多くのメディアや専門家が言っているからで、筆者如きが口を挟むことではない。あまりにも学説的だと思うものもある

 

この学説的傾向は、日本の専門家の論文に多いと思う。欠けていると思うのが、アメリカ人の現実の生活である。対象となっている土着のアメリカ人の姿が見えなくなってしまうのである。

 

アメリカ各地で、反トランプデモが起こっているが、筆者は彼らの怒りはわかるが、多数決原理が民主主義の原則である。アメリカ人自身が投票で選んだのがトランプなのである。トランプを支え、できるだけアメリカ国家を良くするような政策をとってもらうのがアメリカ国民のやるべきことだと思う。

 

筆者もトランプが大統領になることは反対であるが、トランプは、アメリカ憲法が定める正式なプロセスを経て、大統領になったのであるから、これは、アメリカ人が受け入れなければならないのが原則だと思う。

 

いつまでも、反とランプなどと言っているのではなく、できるだけ早くトランプに行政機関のトップを決めてもらい、アメリカとしてベストな体制を整えてもらわなければならないと思う。

 

日本は、もちろん、安倍首相のように早くトランプに会い、友好関係を結ぶことは良いことと思うが、トランプが外交、内政、軍事などの面で、どう出てくるかを読まねばならない。トランプの周りには、ジュリアーニ元NY市長、クリスティニュージャージ州知事などが側近としてついている。この人たちは、辛辣である。オバマ政権のように甘くはない。十分準備してかかる必要がある。

 

トランプは、日本政府に対し、グイグイ押してくるだろう。各省庁ともトランプを迎え撃つ体制を整えねばならないのではないだろうか。手ごわい相手であろう。外交辞令は少なく、実質的に具体的に、直接的に出てくると思う。「ああ、うう」は通じないと思う。

 

佐藤則男

ニューヨーク。

 



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トランプ222

今日は、大のトランプファンの友人であるJ氏にランチに招かれ、マンハッタンの由緒ある名門のエクゼキュティブ・クラブに行った。J氏は、トランプが新しい大統領に選ばれたことをすこぶる喜んでいた。しかし、その喜びの理由は、トランプが大統領になることよりも、ヒラリー・クリントンが大統領に選ばれなかったことが先であった。

 

J氏は、「オバマとヒラリーは、アメリカを弱くした。このまま、ヒラリーが大統領になり、オバマ路線を継承したら、アメリカは軍隊も経済も弱くなるばかりだった。アメリカは変わらなければならなかった」と言う。

 

筆者は、この点は理解できる。確かにオバマが大統領になり、アメリカは、国内にその政策の中心を移した。外交政策、軍事政策などは、後回しにした。もちろん、前任者のブッシュが始めたイラク戦争の後片付けがあった。だが、J氏の指摘は理解できる。しかし、だからと言ってトランプを支持するのは解せない。その旨言うと、「このような時は、指導者を変え、根本から変えなければならないと私は思う」と言う。

 

筆者は、J氏がアメリカを心配していることは分かった。だが、クリントンでもそれができると思っていたが、クリントンの健康状態を考えると大統領として、持ちこたえることができるかと言えば、大きな疑問がある。彼女は、やはり、病気にかかっていると思う。

 

さて、J氏とタクシーで帰ろうとウエストサイドでタクシーを捕まえようとしたが、通りが警察により閉鎖されている。すぐ気が付いてことは、トランプである。選挙の翌日で、5番街のトランプタワーでトランプの何かがあるのだととっさに思った。

 

案の定、五番街のトランプタワーを広く囲む通りと言う通りには、ブルードーザーや大型トラックが並び、コンクリートのガードもたくさん並べられ、厳重な警戒がとられている。

 

筆者がJ氏に「White House on 5th Avenue(5番街のホワイトハウス)と言うと、J氏は「まったくその通り」とうれしそうな笑いを浮かべ「ニューヨークにとっては素晴らしいところができた」とはしゃぐ。

 

同じニューヨーク出身のセオダー・ルーズベルト元大統領は、ロングアイランドにある自宅をよく公の目的にも使い、重要な演説をしたが、その地の名前をとり、「サガモアヒルのホワイトハウス」と呼ばれた。筆者は、ルーズベルト家に親しくさせてもらい、何度もその地を訪れているので、当時のそのにぎやかさがよくわかる。恐らく、トランプもこの5番街のトランプタワーを何かの目的のために使うと思う。5番街のトランプタワーは、彼の専売特許である。

 

さて、このようにして、トランプの大統領選勝利の翌日は始まった。ニューヨーク・マンハッタンをJ氏と歩いていると、「ある時代が終わり、新しいページが開かれたのではないか。いくら、ヒラリーが負けたことを悔やんでも、選挙の結果はどうにもできない。大統領として選ばれたトランプをアメリカは立てて行かねばならないのではないか。新しい時代が来たのではないか。国民と政府が一丸となって新しい道を新しい発想の下で進まなければならないのではないか」と言う気持ちが筆者にも起こってきた。

 

それにしても、日本の安倍首相は、気がせく人だと思う。17日にニューヨークでトランプに会い会談するという。日本の情報を得ると「さすが安部さん、動きが速い。中国より先に挨拶に行くのは偉い」と言う評判のようである。しかし、筆者の見方は、多少、異なる。筆者は、やはり、トランプの日本の見方を調べる。まず、トランプの対日戦略を知り、日本としての対アメリカ政策構想を早急に作る。それができるまで、トランプに会うのを避ける。なぜなら、トランプは、表敬訪問を評価しない人だと思う。一気にその場で、片付ける問題を話し合うと思う。その準備がないとトランプに先手を打たれると思う。

 

これまでの大統領とは、まったく異なる人間と思った方がよいであろう。トランプは、即断即決の人だと思う。

 

このように、トランプを大統領に迎えてアメリカは、大きく変わると思う。ジュリアに元ニューヨーク市長、クリスティニュージャージ州知事など、意地悪で辛辣(失礼!)な側近が待っていることを忘れないことである。

 

もはや、伝統志向のワシントンの政治家ではない人たちなのである。新しいニューヨーカーなのである。早急に考えを改めなければならないだろう。

 

ここで余談をしておきたい。J氏は、マイケル・ブルムバーグ氏を親しい、ブルムバーグ氏は、ヒラリーに5800万ドル、ヒラリーに選挙資金として寄付したそうである。それは、完全に無駄になった。選挙とはそういうものである。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク

 



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まず、この筆者のブログサイトへの訪問者が昨日一万人を超えたことに深くお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。

昨夜はトランプの大統領選勝利で興奮してあまりよく眠れなかった。なぜ眠れなかったか?それは、トランプが微妙に保たれてきた世界秩序を変えるのではないか。世界の力の均衡を変える動きにつながり、世界は、また不安定になり、リーダーレスの時代に進むのではないか、と言う結論に達したのであった。

 

その理由は、まず、トランプがホワイトハウスに入れば、いよいよ自分の描いている世界観、アメリカの国家としての基本的改革をがむしゃらに進めることは確実と見たのである。そういう性格の人物で、それをやらねば気が済まない人物である。今度は、アメリカの大統領に選挙民の投票で選ばれたのであるから、ものすごい自信とやる気を持っているであろう。それが困るのである。

 

彼が第一にやることは、アメリカ自体にもっと目を向けること、つまり、国内の問題に集中することであろう。「アメリカ国家の利益を中心に据える」だろう。これは、外交面、軍事面、経済面で世界に大きな影響を与えるだろう。

 

それは、対ヨーロッパ諸国、アジア諸国、中東諸国、アフリカ諸国、中南米諸国などに大きな変化をもたらすであろう。まず、軍事的な変化であろう。NATOから軍隊を部分的に引き上げを図るであろう。さらに、日本、韓国、そのほかアジア諸国からも部分的に軍隊を引き揚げを図るであろう。

 

この影響はかなり大きいと思われる。これまで、アメリカ軍の保護にあったヨーロッパ諸国、アジア諸国は、軍事費を増やさねばならない。日本は、ともかくとして、これらの諸国は、核武装を考える可能性があるのではないか、と思う。

 

この面では、日本はそのような問題が上がるかもしれないが、永久に核兵器保持はしないと思う。すると、どうなるであろうか。中国もそれを知っているため、日中の軍事力の差は歴然となり、日本は、軍備に莫大な金をつぎ込まねばならないだろう。これは、日本経済にとっては良いかもしれない。しかし、日本がその決断を下せるかどうかは、疑問である。

 

もし、韓国が核武装すれば、東シナ海で、日本だけが核兵器を保有することなく、中国、ロシア、北朝鮮と対峙しなければならなくなるであろう。日本がこれまで取ってきたアメリカに頼っていた国防政策を大きく、基本的に変えなければならないであろう。

 

東シナ海において、日本は、アメリカとの軍事的パイプがより細くなるだろう。その細いアメリカとのパイプで、国防を考えるのには、無理があるだろう。そこで、憲法9条問題も含め、国防政策を練り直すことが急務になるのではないだろうか。トランプは、「自国は自国で守りなさい」と迫るであろう。もし、日本がそれを受け入れないならば、アメリカに、もっと金を払え、とビジネスマンらしく要求してくるであろう。日本の弱みを握り、いくら要求してくるか知れたものではないと思う。

 

次にビジネスであるが、これまでの世界貿易協定でアメリカが加入している協定の見直しにかかるだろう。それにより、世界の貿易は、大混乱に陥るであろう。日本からの自動車などの関税は引き上げられる可能性は十分あると思う。日米貿易摩擦の再来になるかもしれない。

 

繰り返すが、トランプの最大の狙いは、「アメリカの利益優先」である。アメリカが与えてきた海外援助などは、大幅に縮小されるであろう。

 

だが、なんと言ってもトランプ大統領の下で世界が失うものは、アメリカの大統領が演じて来た「世界のリーダー」の役割である。これは、アメリカの歴代大統領が行ってきたことである。自国の利益を優先すした大統領は、第5代大統領のモンロー大統領であった。1823 もモンローは、議会へ送った教書のなかで述べた原則で、おもな内容は,アメリカはヨーロッパの政治に介入しないこと,ヨーロッパ諸国の圧迫その他の方法による西半球諸政府に対するいかなる干渉もアメリカへの非友好的意向の表明とみなすこと,であった。

 

このトランプ大統領が同じような原則に立つことは容易に想像されると思う。

 

トランプの内政の改革は、それにとどまらず、リーダーレスの世界を築くのではないか、と筆者は不安を持つのである。トランプと言う人物は、協調を知らない人である。自分だけの得を考える性格の人であると言われている。彼のこれまでのビジネスのやり方がそうであったと言われている。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク


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筆者は20158月に執筆を開始し、昨年11月に発売された拙著「なぜ、ヒラリー・クリントンを大統領にしないのか?」で述べたことと同じようなことが、今回起こったように思う。この本は、講談社からの出版であった。

 

自分の書いた本のくせに、下記のようなメールを読者の方にいただくまで、気が付かなかった。

 

―――――――――――――

佐藤様

アメリカよさらば!?

そんな国だとはしりませんでした。

「なぜヒラリーを大統領にしないのか?」

今になって知る、意味深いタイトルでした。

 

――――――――――――――――――――

この本で、筆者は、ヒラリーがなぜ、大統領に選ばれないのか、明らかにした。

 

その最大の理由は、ヒラリーと言う女性の性格的面、つまり、嫌われ、憎まれる性格、そして、運命的な面を挙げた。

 

更に、女性を口では、うまく持ち上げ、実際は卑下しているアメリカの男性社会、「ガラスの天井」など述べた。

 

筆者自身が述べたことが、それも、一年以上前に出版した本のことを忘れるとは、不覚の致すところである。

 

佐藤則男

ニューヨーク 

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トランプ222

世界が最も恐れていたことが起こった。ヒラリー・クリントンがトランプに敗北を認めたのである。筆者が最も心配なのは、これから、世界に大混乱が始まるのではないか、と言うことである。恐らく、議会も共和党が握るであろう。

 

トランプ支持者は、今、大喝采をし、喜びにあふれている。「USA, USA」と叫んでいる。

 

ここで、筆者にウオールストリートの友人から電話が入った。徹頭徹尾、トランプを支持してきた友人である。某投資銀行の重役である。

 

「やはり、トランプでしたね。私は、あなたと昨年夏、大統領選挙について話した時、トランプが勝つ、と言った。それ以来、私は、トランプ支持に全く迷いはなかった。本当は自信がなかった。しかし、ヒラリーが嫌いだったので、ヒラリーを大統領にしてはならない、と言う強い願いがあった。ヒラリーがなるなら、なぜ、トランプではいけないのか、と思った。

 

「ヒラリーは、大統領になる資格はない。なぜなら、ヒラリーでは、これだけ弱くなったアメリカを強くできない。オバマは、アメリカを腰抜けにした。世界が直面している問題に、オバマは全く何もできなかった。ヒラリーが大統領になれば、さらにアメリカは弱くなっていくばかりだ。ここで、アメリカを変えなければならない。すると、トランプを大統領にするしか選択はなかった」と言う

 

筆者は思う。ヒラリーに大統領選挙に出る時が味方しなかったのであると。時が味方しない場合、政治家には勝ち運はない。

 

それでは、「強いアメリカ」が世界で何をしようと言うのであろうか。世界は、複雑になる一方である。本当にトランプ大統領でよいのか。

 

誰もが即答はできない。トランプにどれだけ能力が備わっているのか。アメリカの選挙民の選択は、大きな賭けである。

 

佐藤則男

ニューヨーク

 


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これまで何度もリポートしたように、筆者の周りには、トランプ支持者が圧倒的に多く、トランプの考え方、性格に大きな疑問を持っている筆者には、彼らがなぜ、そんなにトランプを強く支持するか分からなかった。

 

分かったのは、彼らが如何にヒラリーを嫌っているかと言うことであった。その嫌悪は尋常ではなかった。

 

彼らは、超エリートでありながら、トランプの反民主的な行動、言動、態度や女性蔑視とその行動などは何とも思わない態度をしていることもなぜなのか、と筆者は思っていた。それを直接聞いても彼らは、曖昧な表情をするだけであった。触れてもらいたくない様子であた。

 

それでも、当時、トランプが勝利し、大統領になるなどとは、あるはずはない、とほぼ確信していた。それが常識と言うものであろう。しかし、それが起こったのである。

 

白人ブルーカラーの怒り、ワシントン政治に対する怒り、政治家のだらしなさ、などいくらでも理由は上がると思うが、筆者が考えるのは、トランプ大統領の下で、トラプがこれまで示してきた政策をそのまま実施するとしたら、世界は、大混乱となるだろう。

 

もし、トランプ大統領の下で、世界が混乱すれば、その時、国民の直接選挙で大統領を選び、国を治めることの恐ろしさが判明すると思う。筆者はアメリカの政治が衆愚政治になることを恐れると同時に、トランプ大統領の独裁色のある強引な政治に移ることを恐れる。

 

世界もそれに引っ張られると思う。世界におけるアメリカのトランプ大統領の下で、アメリカの進む方向に間違いが起こった場合、アメリカ国民は、どうするか考えておかなければならないと思う。


世界に大混乱が起これば、アメリカ国民がその代償を払わなければならない。しかし、そうは行っても、それは理屈であろう。

 

いよいよ、アメリカが大きく変わる時が来た。

アメリカもトランプ大統領の下で、アメリカの新しい方向が示され、進むと思う。しかし、それが正しい方向であるかどうか、アメリカ国民は、冷静に自分たちの目で確かめなければならないと思う。そういう方向に進んだ場合、トランプを選んだアメリカの選挙民は、それがどんなことになるのか、考えたこともないだろう。

 

今、友人と電話で話したのであるが「案外、ヒラリーよりもトランプの方がアメリカをうまく引っ張っていけるのではないか。トランプは、現実から学んできた男である。今のアメリカには、そういう大統領の方がよいかもしれない」と言う。

 

全世界が注目すべきであろう。

 

佐藤則男

ニューヨーク
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無題

ほぼ2週間前、筆者は「FBI長官が決めるアメリカ大統領選」と題して、コミーFBI長官のヒラリーの再捜査をするという爆弾発言をお伝えしその不当さを述べた。

 

そして、投票日の二日前、ヒラリーの無罪が発表された時、筆者は、それを使って何もやらない、というクリントン陣営の高次元の戦略を大いに批判した。クリントン陣営の脇の甘さを指摘した。

 

しかし、昨日の各社世論調査の結果で、ヒラリーが再度リードを奪っていたので、そういう結果になると思っていた。アメリカのジャーナリストたちもほとんどヒラリーが勝つとみていたと思う。

 

だが、選挙は、水物である。やってみなければ分からない。現実は、刻々と逆の方向に向かっている。トランプ勝利の方向に向かっているのである。

 

なんと、あのトランプが次期大統領になる可能性が高まってきたのである。

 

すでに、ウオールストリートは、ダウ750ドルの暴落を予測している。すでに世界は大混乱に陥っている。

 

続く

 

佐藤則男

ニューヨーク


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無題

アメリカのテレビ局は、投票日でもトランプとヒラリーのサロゲートたち(代弁者)を登場させ、激論させている。しかし、彼らの主張には、自分自身の主張ではないのである。それもそのはずである。彼らの役割は、自分が与えれた候補者に忠実であることが第一で、自分の候補を代弁することなのである。そして、相手の候補をなにがなんでも攻撃しなければならないのであろう。そして、攻められた時は防御に回るのが任務である。

 

果たして、このような役割を果たす人たちが必要なのであろうか。テレビ局が必要な理由はよく理解できる。右と左に大きく分かれているアメリカ社会である。どちらか一方にぶれているテレビ局であるが、それでも、客観報道をしているところを見せなければ、偏向テレビ局と見られてしまう。

 

しかし、現実はすでにそのようになってしまっているのであるが。ケーブルニュース業界では、左は、CNNMSNBC、そして、右は、FOX Newsである。

 

しかし、中立を装うため、共和党テレビ局と言われるFOX Newsでさえ、リベラルな民主党支持のサロゲートを番組に立てている。だが、このFOX Newsでは、このリベラルのサロゲートは、ボクシングのサンドバッグである。人数の多い共和党支持のサロゲートたちのパンチを食う。それだけの存在である。

 

さて、本題に入る。投票日には、そのようなことは省き、選挙民が投票をしているのであるから、一時的にも、右と左の戦いをストップし客観的な報道番組したらよいのではないかと思う。

 

筆者も含め、選挙民は、ヒラリーとトランプの暗い戦いには、うんざりしていると思われる。特にトランプのデマゴーグに基づいたヒラリー攻撃には、少なくとも、筆者は、その非生産性と辛辣さに大きなストレスを感じている。これが民主義国家の最高峰と自慢するアメリカかと、今回の変わり果てたアメリカの大統領選挙を見てきた。

 

そして、今日、やっと投票日を迎え、すっきりとした気持ちになっていた。すべて、暗い雲は去ったと思っていた。

 

だが、このサロゲートたちの番組をまだやってるアメリカのテレビ局は、なんとかならないのかと思う。

 

しかし、今夜から、明日の朝にかけて開票され、アメリカの新しい大統領は決まる。アメリカの選挙民は、ほっとする人たちが多いだろう。

 

だが、一抹の不安は、負けたトランプが敗北を素直に受け入れない可能性があることである。そうなると、サロゲートたちがまた活躍する。また、地獄のような騒ぎになる。潔いトランプを見たいものである。

今日は、徹夜で、皆様に開票を追いかけ、お話しさせていただきたい思います。よろしくお願い申し上げます。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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もし、ヒラリー・クリントンが今度の大統領選で、勝利したとしたら、オバマ大統領とオバマ夫人に大きな借りを作るであろう。このオバマ夫妻のクリントン夫妻に対する協力のように、現職大統領夫妻が、次の大統領候補を全面的に助けることは、アメリカの歴史で、極めて珍しいことである。

 

2008年の大統領選挙では、オバマとヒラリーの二人は激しく争ったが、この戦いは、オバマが勝ち、大統領になると、ヒラリーを国務長官に任じた。ヒラリーこのオファーを考えに考えたが、考えたが、引き受けることにした。

この時、ビル・クリントンが動き、クリントン夫妻は、オバマと取引し、ヒラリーを
2016年に大統領選挙に出馬させるので、その協力をすることで、ディールが成立したのであった。それは、ヒラリーを史上初の女性大統領にする密約であった。ヒラリーは国務長官を引き受けたのであった。

 

オバマにとっては、ヒラリーを2012年の再選で出馬させればまた、難しいことになると考え、そのような密約をかわし、ヒラリーを2016年まで、待たせたのであった。

 

今回、ここまで、オバマは、ヒラリーの協力したのである。オバマ夫妻の協力は見事である。このままヒラリーが勝てば、オバマ夫妻のおかげであろう。

 

クリントン夫妻にとっては、アメリカ史上初の女性大統領の誕生を可能にするための作戦であったのである。

 

どうやら、クリントン家とオバマ家の深慮遠謀がうまく働く可能性が強くなったと筆者はみている。だから、この両家は、アメリカの大統領選挙の歴史に大きなページを作ることになると思う。

それにつけても、バラックとミシェルのオバマ夫妻の演説は、お見事と言わざるを得ない。ヒラリーは、救われたと思う。ヒラリーだけでは勝てないであろう。

 

佐藤則男

ニューヨーク




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トランプ222

今、トランプが大統領選の締めくくりの集会を開き、演説を行ている。いったい、この人は、何を求めているのであろうか?何に価値を置いているのだろうか?演説の趣旨は、ほとんど、アメリカの問題を「ヒラリーが悪いからだ。ヒラリーが原因となって、起こしている問題である」と、アメリカの諸問題は、ヒラリーのせいにしている。

 

そして、ヒラリーは、嘘つきで、すべてにおいてヒラリーを嘘の上に成り立っていると言っている。そのしゃべり方は、地獄から聞こえてくるように思われる。ねちっこく、まったく尊敬なしに、がむしゃらに非難、批判するだけである。

 

ひらりーに何の恨みがあるのであろうか。憎悪と嫌悪を丸出しである。

 

更に、メディアは、八百長と決めつける。ヒラリーはこのようなメディアの産物だ、共謀者だと唱える。

 

何という大統領選候補であろうか?

 

そして、観衆は、「USA, USA. USA」と叫ぶ。観衆は、そんなアメリカを望んでいるのであろうか?

 

筆者は、アメリカに41年住み、誇りと感謝をもってアメリカに住んできた。第二の故郷と思って、生きてきた。しかし、このトランプの大統領としての立候補には、驚き、失望した。

 

そして、そのトランプを選び、ここまで、進ませたアメリカの選挙民に失望した。

 

だが、アメリカは、トランプが言うような国でないこと、国家でないことを強く筆者は望む。

 

41年前に筆者がやってきた国、アメリカは、こんなアメリカではなかった。こんなアメリカの人々ではなかった。少なくても、

トランプのような人を大統領選挙候補に選ばなかった。誠に残念でたまらない。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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無題

「残念ですが、我々は勝てません」と、もうそろそろどちらかの候補、つまり、トランプかヒラリーに。キャンペーンマネジャーが報告しているのではないか、と思われる。

 

なぜなら、候補者のスタッフは、新聞社やテレビ局の世論調査より、さらに詳しい地域別調査をやっており、もっと詳しい情報を持っている。勝敗は、本人のチームが一番よく知っているのが大統領選挙である。

 

カーター大統領が再選を目指した時、投票日の三日前に、キャンペーンマネジャーが大統領執務室にやってきた「大統領閣下、今回は勝てません」と言った時、カーター大統領は、観念したように外を眺めたそうである。

 

さて、今回も投票日を前に、候補者であるヒラリーもトランプも自分のチームの調査で、自分の運命をすでに知っていると思う。そして、その後のキャンペーンで、その結果を反映した姿、表情、態度、演説の内容に出ていると思う。筆者は、今日のキャンペーンでの両候補の行動でそれを読み取ることができたと思っている。

 

態度と演説に否定が多く、疲れが激しいと思う。それがどちらであるか、名指しを控えさせていただきたいと思う。

 

佐藤則男

ニューヨーク

 


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trump-clinton

投票日も明日に迫り、アメリカ大統領選挙は、「常識が勝つか、非常識が勝つかと言うところまで来たのではないか」と言うのは、筆者の20年以上働くクリーニングレディである。彼女がいなければ、我が家は成り立たない。

 

「トランプ」と言うと、顔をこわばらせ「ノー」と吐き捨てるように言う。どちらに投票するか、それで分かる。その理由を聞くと、「常識だ。あんな非常識な男に投票はできない」と強く言う。

 

「私の友人は、すべてそう思ている」と言う。彼女は、コロンビアからの移民で、市民権を持っている。「トランプを支持する人は誰もいない」と言う。増え続けるラテン系の人々は、ほとんどヒラリー支持である。

トランプによる非常識の哲学がいつ、どこで、白人ブルーカラーから、追放されるのであろうか。トランプは、決して彼らの味方ではないことがいつわかるのであろうか。トランプの周囲は、階級の異なるニューヨークの大金持ちのセレブたちである。白人ブルーカラーが、そのようなセレブのスキャンダルをタブロイドメディアで読んで、せせら笑っている人たちなのである。トランプをどうとらえているのであろうか。

そして、トランプは、ISISとイラクで命をかけて戦うアメリカ軍の上層部を「無能な集団」と呼ぶのである。何という非常識であろうか。

筆者は、まさにトランプの常識が問題だと思う。もし、トランプが勝ち大統領に慣れば、アメリカは、非常識な国となるだろう。世界から離れ、孤立し、世界ののけ者になるだろう。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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無題

せっかく、コミーFBI長官がメール問題に関し訴追しないという有利が結論を出したのに、ヒラリー陣営は、それについてグッドニュースだとは全く発表していない。

 

ヒラリー陣営は、事前投票で選挙民の多くはすでに投票を終わっており、「Too Late」だと言言い、まったく無視しているのである。キャンペーンマネジャーも、先ほど、このグッドニュースについて、何も言わないことを確認している。「この選挙は、メール事件のための選挙ではない。アメリカを一つにまとめるか、分裂させるかの選挙である」とし、このメール問題から離れることを促している。

 

要するに、ヒラリーは、こんな次元の低い問題をこの投票まで、切羽詰まった時期に論じても仕方ない。前に進もう、と言うことと筆者は受け取る。

 

また、出た!と思う。クリントン陣営の「ハイロードを行く」戦略である。筆者は、このヒラリー陣営の「ハイロード」戦略を2008年の彼女の大統領選出馬の時から、指摘してきた。当時、ヒラリーキャンペーン事務所を訪ね、このことについて進言した。答えは、「ノー」であった。

 

今回、ヒラリーが投票直前にピンチに陥り、再びメール問題に関し、コミーFBI長官が再捜査をすることを発表したからではなかったか。そして、トランプは、この事実を利用し、徹底的にヒラリーを責め、押しに押しまくり、追いつき接戦の状態にもって行かれたのではなかったか。

 

たとえ、多くの選挙民が既に投票をしたからと言って、このグッドニュースに全く触れず、無視してしまうことにしているのである。選挙民をこのつまらぬ問題に、再び触れることは、得策でない、としているのである。

 

筆者は、間違った戦略であると思う。

 

愚かな大衆の支持がものをいうのが選挙である。「目には目を、歯には歯を」と言うのが選挙の戦略の基本ではないのであろうか。高次元のキャンペーンがどれだけ効果があるのか、筆者が常にヒラリーキャンペーンに関し疑問を持つところである。

もし、ヒラリーが敗北するようなことがあれば、このような高次元戦略が少なからず、責められると思う。幸いなことに、トランプは、まったく大統領としての資格がないのではないか、と疑われているレベルの候補であることであろう。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク



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trump-clinton

何ということであろうか。FBIのコミー長官が、先般、ヒラリー・クリントンのサーバー問題、メール問題の再捜査を発表し、それまでのヒラリーのリードを帳消しにしたが、今その嫌疑が間違いであったことが発表された。

 

アメリカの選挙民、そして、クリントンキャンペーンチームは、大いに怒らなければならない。こんなバカなことがあるか!アメリカは、本当に文明国かと思う。

 

FBIと議会を牛耳る共和党、そしてトランプの共謀であることは間違いない。国のリーダーを決めるのに、こんな共謀があってよいものかと強く思う。

 

アメリカの選挙民がトランプをどう扱うか世界が注目する必要がある。

 

アメリカの国家として、質の低下が顕著になってきたと思う。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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無題

筆者は、この場に及んで、いかなる権威あるメディアの世論調査も信用しないことにした。特に全国レベルの調査結果である。

 

今回の大統領選挙は、最初から例年の大統領選挙と異なっていた。それは二人の人物の出現によると考えられる。その二人の人物とは、ドナルド・トランプとバーニー・サンダースである。トランプは、ご覧の通り、ビジネスマンで、これまでの大統領選挙の常識を変えた。政治家による国家のリーダーシップを覆した。カリフォルニア州知事に映画スターのアーノルド・シュワルツネガーが出馬した時を思い出させるが、トランプは、そんなナイスガイではない。

 

また、トランプは、メディア操作に長けており、規制のテレビメディア、ソーシャルメディアを駆使し、アメリカの大衆をとらえていった。

 

そして、サンダースも、アメリカの歴史上の初めてと言ってよいほど社会主義社会の価値観を取り入れた。ここにアメリカの大統領選挙に階級社会の姿が顕著に浮き上がり、階級闘争のような形の戦いを作り出した。

 

あまりにも単純な見方かもしれないが、この二人は、アメリカの政治論争を保守主義派とリベラル派の対立抗争から、もっと複雑な分け方による対立構造を作ったと筆者は思う。貧富の差、男性と女性、年代の差、特に若者層、人種、特にラテン系、白人ブルーカラー層など、社会構造における戦いを大きく複雑にしたのである。

 

だから、社会調査がこれらの複雑な要素を入れなければならず、調査モデルの構築がより難しくなったのである。

 

これまでのように、選挙を大きくくくっていたナショナルレベルの調査はほとんど意味がなく、選挙区別、つまり州別、そして、州の中の地域別の調査、分析、予測をしなければ、より精度の高い調査はできなくなったのではないか、と筆者は思う。

 

そして、前述のような複雑な新しい要素を加えなければならないのである。それは、不可能なことと筆者は思うのである。

 

理屈はここまでとし、直面しているヒラリー・クリントンとドナルド・トランプの戦いの分析と予測は極めてやりにくいと思う。リサーチャー泣かせだと思う。

 

それに、トランプは、自分が政治的な知識、経験がなく、この戦いをデマゴーグをふんだんに使い、感情的な私闘にしてしまったと思うのである。大衆にクリントンに対する憎悪、嫌悪を持たせ、クリントンを犯罪人に仕立て上げるという前代未聞の戦いに仕立てたのである。それが、トランプの戦略としたら、あまりにも反社会的な戦略なのではないか、と筆者は思う。

 

確かに、大衆に怒りを起こさせ、既成の政治家に反旗を翻させ、思想、価値観のない扇動をする戦略はあり得ると思う。だが国はどうなるのであろうか。トランプは、「国をどうするか」「国民をどこに導いていくのか」「国の方向は、どこに向かって進むのか」などの肝心のポイントの討論はほとんどない。感情の戦いであり、嫌悪と憎悪をどちらの候補に余計持たせるかの戦いになってしまった。

 

多くの選挙民は、判断基準を失っているのではないか、と筆者は見るのである。

 

筆者は、今回の大統領選挙を国家レベルの戦いではなく「私闘」と見る。このトランプとクリントンの私闘に国民は、「望まないのに」巻き込まれ、どちらに勝たせるか決めかねているのである。どちらも勝たせたくないことはわかっているが、それを選択しなければならないのである。

 

選挙民にとっては、「迷惑」なことと思う人もいるであろう。各地の世論調査は、くっついたままである。それは、このような感情、つまり、怒り、嫌悪、憎悪の戦いにしたトランプの戦略の結果なのではないかと筆者は思うのである。

 

このような選挙には、いかなる社会調査手法も通じないと思う。人の感情の動きを知り、予測する手段はないと思う。

 

そうするより、ビジネスマンのトランプには、政治知識、政治経験のない弱点を隠し戦える方法はなかったのではないだろうか。

 

ビジネスマンから、政治リーダーに見事な転身をしたのは、筆者の見方では、元ニューヨーク市長のマイケル・ブルムバーグ氏である。今年も、大みそかの夜、ブルムバーグしの行きつけのレストランで年越しをすることを楽しみにしている。そして、「ホワイトハスにあなたを見て、新年を祝いたかった」と、同氏に言いたい。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプ222

さて、ぞっとすることがある。もし、トランプが大統領に選ばれ、ホワイトハウスに入ったとしよう。第一日目、ホワイトハウススタッフは、すべてトランプの息のかかった人たちになり、ニューヨークからのビジネスマンたちが召集される。トランプが堂々とした態度で、訓辞を与えるだろう。

 

「私がこの国の最高令官だ。諸君が私の命令を実行することは、絶対である。よく承知してもらう。私と意見を異にする人は、去ってもらう」と言うだろう。

 

さて、すぐさま次のような政策がとらえるだろう。

 

まず、中国からの輸入品に45パーセントの関税が課せられる。そして、NAFTA(北アメリカ自由貿易協定)から脱退。メキシコからの輸入品に35パーセントの関税。中国とメキシコは、報復として、アメリカ進出企業のオペレーションを禁止するだろう。

 

その結果、中国とメキシコは、猛烈な不況となるだろう。アメリカの消費者は、品物が手に入らなくなり、ものすごいインフレが起こるだろう。アメリカは大不況に陥り、企業倒産、個人倒産がうなぎ上りに上ると思う。

 

外交では、イランとの核開発条約を見直し、新たな交渉を始め、暗礁に乗り上げるだろう。中国と南シナ海で軍事的対峙が起こり、不安定になるだろう。北朝鮮とも緊張が増すだろう。NATOや日本、韓国にもっと軍事費を出させるようプレシャーをかけるだろう。

 

核兵器の保有も進めるだろう。

 

そして、内政では、不法移民の割り出し、見つけ次第本国に強制送還、親と子供の泣き別れが全土で起こるだろう。選挙運動中、トランプをセクシャル・ハラスメントを証言した女性たちに対し、訴訟を起こすだろう。

 

そして、議会の共和党と組みオバマケアの廃止を図るだろう。そして、アメリカ中に医療保険のない人々があふれ、病人国家となるのではないだろうか。

 

更に、敗れたヒラリーに対しては、特別検察官を任命し、メール問題を捜査し、ヒラリーの政治生命を奪う動きに出るだろう。また、夫のビル、娘のチェルシー、ヒラリーのクリントン財団を徹底的に捜査し、クリントン家を根こそぎ刈り取る方策を講じるのではないか。

 

そして、連邦裁判所の判事をレビューし、自分の意図にそぐわない判事をやめさせるだろう。これは、三権分立を犯すことになる。

 

とまあ、トランプがこれまで言ってきたこと、公約のようなものを基にトランプ大統領をアメリカの選挙民が選んだ場合、起こることを予想してみた。

 

どうであろう。このようなことを行うアメリカの大統領は、何者であろうか?

 

独裁者ではないか?そして、アメリカを悪くし、世界を悪くする大統領ではないか?

 

アメリカの選挙民には、このようなことを想定しないのであろうか?

 

「ドナルド・トランプ大統領、恐ろし」ではないのであろうか?

 

そもそも、なぜ、このような大統領をアメリカの選挙民が求めるようになったのか。

 

その原因は、筆者の独断と偏見であるが、ディジタルメディア時代になり、情報がくまなく簡単に流れ社会の下々まで伝わるようになり、もはや、政治家は自分たちがやっていることを隠せなくなったのである。また、自分たちの無能も隠せなくなったのである。

 

政治家の無能とやることの貧困さに気づいた大衆は立ち上がったのである。しかし、立ち上がったもののそのような大衆の不満と怒りをぶっつけるところがない。

 

しかし、それをうまく利用する男が現れた。メディアを利用することにかけては、天才的な男だった。しかし、そのような男であることに、大衆は、気が付かない。その男がセクシャル・マニアで、道徳的に大統領として的確でない人物であると、それに気が付いても、「世の中を変えるためには、誰かを担がなければならない」と思ったのであろう。

 

政治改革には、そのような行動をとれると思って、その人物を容認したのである。しかし、その男は世界秩序、平和を基本とする外交政策を知らない。世界を相手に金儲けは知っているだけである。

 

アメリカの選挙民は、このような人物を国家の最高指揮官である大統領に選ぼうとしているのである。少なくても、アメリカの選挙民の半分ないしそれ以上のアメリカ選挙民は、世論調査では、そう思っているのである。


この傾向は、アメリカだけでは収まらなくなると筆者は、予想している。世界のどこの国でも起こるのではないであろうか。

 

佐藤則男

ニューヨーク

 

 

 


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無題

俗に「共和党チャネル」と言われる24時間ケーブルニュースチャネルであるFOX Newsを観るいると、気が狂う思いがする。レギュラーテレビニュースのチャネルと全く異なった世界のニュースのような気がしてくる。同じニュースなのであるが。

 

このテレビ局の大統領選のニュースと解説と予測は、まるで100パーセント、トランプの味方で、トランプに不利なニュースでも、トランプの有利なようにニュースのコンテキストをひん曲げる。誠に珍しいテレビ局で、観ていても、「出演者は、自由が欲しいだろうな」と思う。

 

一方、CNNはリベラルの味方のテレビ局であるが、まだ共和党に配慮している。共和党支持のコメンテーターやジャーナリスト、共和党

議員を出席させ、討論する。保守系の人にも言いたいことを言わせるので、公平だとは思う。しかし、CNNが本気でFOXに対抗するなら、もっと鮮明にリベラル色を出した方がよいと思う。

 

所詮、テレビニュース局もマーケットシェア競争に勝たねばならない。中立などとばかり言っていられない。アメリカ社会は、右と左に分かれている。その事実を知り、番組を組まなければらない。

 

マーケットシェアでは、FOXが圧倒的な力を持っている。数字もあるのだが、番組別になっているので、全体はつかみにくい。しかし、その差は、2倍以上である。

 

さて、トランプ支持の高さの原因の多くは、このFOX Newsに大きな原因があると思う。何せ、極端な反リベラルで、それぞれの番組のアンカーマンは、徹頭徹尾保守の味方の立場をとり、リベラルのゲストを登場させても、強引にやり込める。

 

チェニー元副大統領は出張先のホテルに着いたらFOX News Channelを入れておくことが命令されていたというから、FOXがどれだけ共和党にとり、大事であるかよくお分かりと思う。

 

このように、アメリカのメディアのニュース報道には、それぞれ右と左の対立があり、アメリカの選挙民が中立報道に触れる機会は、少ないのである。CBS, NBC, ABCの各テレビ局は、リベラルとして見られている。

 

アメリカの選挙民のトランプ支持、ヒラリー支持もこのテレビニュース界の競争状態に大きく影響される。FOXニュースは、それにプラスして、容姿端麗な白人女性が多い。このテレビ局の狙いはよくわかる。

 

それにしてもFOXのトランプ支持に対する影響は大きい。筆者の友人で共和党支持、トランプ支持の人は、ほとんどFOX News Channelしか見ないということである。

 

如何に、彼らの考えが凝り固まっているかよくわかると思う。

 

FOX Newsの今日の特ダネは、自社の世論調査で、ヒラリーが2パーセントリードしているが、先日より、1パーセント縮まり、この傾向が続けば、トランプが追いつき、追い越すこと。そして、地域別に見れば、トランプが必要代議員数の270の獲得が濃厚のようなプレゼンテーションをしたのであった。印象としては、クリントンが苦戦をし、トラプが追いつき追い越すのが当然のようなニュースの流し方なのである。

 

どんなニュースでも、ヒラリーに関する限り、「すべてにおいて悪」と言う印象を選挙民に持たせるのがFOXのやり方である。いや、使命かもしれないのである。そして、それがビジネスとして生き残るビジネスモデルなのである。

そのビジネスモデルにはめ込まれたのが多くの選挙民なのである。

 

佐藤則男

ニューヨーク



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トランプ222

このブログサイトに来てくださった方の数が昨日約2500になりました。心からお礼申し上げます。ありがとうございます。

さて、大統領選挙の投票日まで、後4
日。トランプとヒラリーの接戦が続いている。しかし、これは、両者の対決と言うより、選挙民の選択の日が迫っているということである。

 

筆者の見方は、今回の選挙は、アメリカの選挙民が「世界に対して、自分の国をどう認識し、どのような国として、世界に認識されたいか、そして、どのような国として誇りたいか」を問われている重要な選挙であると筆者は認識する。

 

アメリカ人は、「世界にどう思われようとかまわない」と言う人が多いことはよく知られたことである。しかし、中国の人権問題には口を出す。また、日本人の男性がアメリカ人の女性に対し失礼な態度をとると、そんな意図もないのに、猛然と日本人男性を一方的に責め、噛みつく。それで、日本人をUncivilized(文明化していない。野蛮人)と呼んでいるところを目撃したことがある。

 

それでは、トランプの行動はどうなのか。数々の女性にセクシャルな行動をとり、暴言を吐き、人間としてあるまじき行為を女性にとってきた。また、ヒラリー・クリントンを犯罪人と決めつけ、監獄にぶち込むと言い、数々の誹謗、中傷を行ってきた。さらに、アメリカの問題は、オバマ大統領とヒラリーが起こしてきたと責めあげ、すべてを二人のせいにする。テロリストのAISISもオバマとヒラリーが作り出したと叫び、二人を馬鹿呼ばわりする始末である。トランプの集会での演説を聞いていると、耳を覆いたくなるほどの汚い言葉と表現で、ヒラリーを批判する。そして、それらの表現は、明らかに不当な中傷である。

 

そして、トランプが問題とするこれまでのアメリカの政策は批判するが、それでは、トランプの政策は?と聞かれると、何も具体策はない。さらに、どうやってトランプが金を儲けたか、税金を払ったか、と聞かれると何もしゃべらない。

 

アメリカの選挙民を不安に陥れ、そのようにしたのは、ヒラリーと決めつける。ヒラリーのサーバー問題、メール問題は、ある事ないことを取り上げ、自分で勝手にスキャンダルを創り上げる。そして、デマゴーグを創り上げ、ヒラリーを蹴っ飛ばす。その表現たるや、人間として扱っていない表現である。

 

とにかく、トランプの集会に集まった大勢の人々の前でしゃべる演説は、「Terrible, Horrible」(ひどい、恐ろしい)の一言である。筆者は、耳を覆い、チャネルを切り替える。

 

一方のヒラリー・クリントンは、これだけのことを言われて、なぜ、あんなに落ち着いていられるのであろう。確かに興奮して、逆上して反論したら同じように取られるだろう。だが、筆者に言わせれば、選挙の戦いを間違っていると思う。

 

さて、アメリカの選挙民は、こんなトランプを支持し、大統領にしようとしているのである。このまま、トランプの攻勢が続けば、トランプ大統領が成立する可能性が高いのである。ヒラリーの優勢は、トランプのヒラリー叩きに会い蒸発してしまい、現在、まったくわからなくなってしまったのである。

 

それだけ、アメリカの選挙民がトランプを支持しているのである。このようなトランプを大統領背に選んで、アメリカの良識、民主主義の種を世界にまき、実らせてきたアメリカのメンツが保てるのか。

 

世界の非民主主義的な国々を民主化せよ、と高らかに歌ったアメリカが、トランプのような人物をリーダーとして、大統領に選んで何とも思わないのであろうか。

 

アメリカの民主主義の理想、そして、世界における民主主義の確立の情熱はどこへ行くのであろうか。アメリカの選挙民に筆者が問いたいのは、「これまで、アメリカが世界の人々に唱えて来た民主主義、人権、そして、国として、人間としての品格」はどこへ行くのであろうか。

 

筆者は、アメリカに41年間住んで、アメリカの良さを大いに甘受し、人生を有意義に送ってきた。このようなトランプをアメリカ国民が大統領に選ぶとは、夢にも思っていなかった。

 

アメリカの良識ある人々に強い自戒を促したい。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク

 


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hillary-clinton-donald-trump

昨日このサイトへの訪問者数が2000を超えた。心よりお礼を申し上げます。

筆者は、とっくにジャーナリストの資格はなくしている。なぜなら、大統領選挙について書くに当たり、あまりにも感情的になり過ぎているからである。

 

お許しをいただき、さらに述べさせていただきたい。

 

今朝のニューヨークタイムズの記事によると、ヒラリーは、まだ3パーセントトランプをリードしているとのことである。調査は、筆者が信頼するNY TimesCBSテレビの共同調査である。このリサーチ会社を訪ねたことが何度かある。社会調査で定評のあるミシガン大学出身の人がディレクターで、社会調査に詳しく、すっかり信頼したのであった。

 

とにかく、筆者は、この調査結果に多少なりとも安堵した。もはや、トランプの地獄から響く、自分の競争相手のクリントンの悪口、誹謗、中傷は聞きたくない。地獄から聞く獣の吠え声のように聞こえる。人間がこんな言葉、表現を良く使えるものだといつも思う。それも、公衆の場で、しかも、大統領選挙の一方の大政党の候補なのである。とんでもない人をアメリカの選挙民は選んだものである。

 

筆者の行きつけのレストラン兼パブに行くと、必ず、オーナー、客たちと大統領選挙の話になるが、ほとんどトランプ支持であり、筆者は、反論を控える。論争になることを恐れるからである。ワインを飲み、好きな食事をしているときの政治論争に入り、気まずい思いをしたことが多くあった筆者は、気と付けている。

 

彼らがなぜ、トランプを支持するか?

 

その第一の理由は、ヒラリー・クリントンを決して認めず、許さないからである。ヒラリーを持ち出すと、まったくまともに取らない。吐き捨てるように「あの女性を大統領にしてはならない」と明確に言う。なぜかと聞くことは筆者はしない。回答は決まっているからである。「アメリカにとって良くない」と言いたいのである。

 

そして、トランプは?と聞くと、これは、曖昧に、消極的に答える。だが、決して、トランプが大統領として、的確で、積極的に支持している様子はない。対立候補がヒラリーだからなのである。トランプを支持する理由がないのであろう。仕方なしに、トランプを選んでいる感じである。

 

彼らは、白人ブルーカラーではない。オーナーを除けば、皆IVY リーグ大学の大学院を卒業している。

 

ここで言えることは、ここまで、リベラルが掌握しているマンハッタン区でありながら、60歳代、70歳代は、とにかく、ヒラリーを信じることができず、そのネガティブな選択として、トランプを選ぶのである。

 

なぜ、ヒラリーが嫌うのか?

 

彼らに聞くと、曖昧な答えしか返ってこない。彼らは、とにかくヒラリーが嫌いなのである。非論理の世界、としか言えない。考えてみれが筆者がトランプに対する嫌悪を同じなのであろう。

 

これでお分かりいただけると思うが、トランプの支持者の中心は、白人男性で60歳代以上、そして、ブルーカラーが圧倒的に多いのであるがトランプの支持が学歴の高い層にも及び始めたことがわかる。

 

この店に良く姿を現すオーナーの親友であるブルムバーグ前NY市長の話を筆者は持ち出した。「ブルムバーグは、ヒラリーを支持し、ヒラリーを困らせないため、大統領選立候補取りやめた。あなた方は、もし、元市長が民主党から立候補していたら、支持するか」と聞いたら、全員支持するで一致した。

 

これで分かることは、彼らのチョイスは、党派ではないのである。人物なのである。

 

そして、ヒラリー・クリントンは、彼らのチョイスの枠に入らないのである。

 

FBIに再捜査開始について聞くと「その代償は払わなければならない」と言うことだった。その代償こそ、票を失うことであり、大統領になり損ねることを意味した。

 

筆者が「トランプが大統領では、世界に示しがつかないのではないか」と聞くと、「ヒラリーはどうか?外交で、自分の金もうけをした女である」と反論してきた。

 

ヒラリーとトランプ、どっちもどっちなのである。

投票日まで、後5日。当日までどちらかが支持を若干増やすであろう。それは、今まだだれに投票するか決めていない人たち、一応は決めたが支持を変える人たちで、5-10パーセントいるのではないかと筆者はみている。

そして、この人たちは、穏健な人たちと筆者はみる。この人たちがどちらに向かうのか?

 

佐藤則男

ニューヨーク

 


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トランプとヒラリー]

どうやら大統領選に関しては、アメリカのテレビ局は、風向きがトランプに傾いていることを認めているようである。これは、ヒラリー陣営にとり、最も嫌な状況である。なぜなら、アメリカの選挙民は、勝ち馬に乗る傾向があり、強いもの志向である。日本のように判官びいきはないと言った方がよい。

ヒラリーは、FBI,ウイキリーク、そして、とランプ、共和党の集中砲火を浴びている。

 

この追い風の流れに乗った候補は、そのまま押し切る傾向が強い。特に、終盤に入った場合、これまでのケースでは、逆転は難しく、勢いのある方が勝ってきた。今回は、トランプに勢いがあり、勝利の可能性が高いように見えるが、実際は、分からない。最後まで、何が起こるか分からない。

 

なぜ、分からないかと言うと、今回の大統領選挙は、ヒラリーの対立候補があまりにも大統領としての器がなく、そして、品格もないトランプなので、これまでと同じ傾向が起こるとは限らない。


筆者が心配しているのはウイキリークである。ぎりぎりで何か用意されているのではないだろうか?

 

佐藤則男

ニューヨーク


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無題

アメリカの大統領選挙も、投票日まであと6日と迫り、急を告げてきた。そして、ここまで両候補が接近すると、予測は、大変難しくなる。トランプとヒラリーは全く並んだ。

 

しかし、ここでよく分析しなければならない。その分析は、果たして、トランプが追い上げ、その勢いが続き、6日後の投票日に、実際選挙民がそのような勢いでトランプに投票するか?

 

そして、世界にとっては、最悪の事態が予測されるトランプ大統領が誕生するか?

 

そして、トランプ大統領が誕生すれば、ウイキリークがアメリカを動かしたことにもなる。これは、アメリカが国家として成り立たなくなっていることを意味しないだろうか。

 

そして、ヒラリー側にすれば、このサーバー、メール問題で、ヒラリーがいやになり、ヒラリーに投票を決めていた選挙民がどれだけヒラリーから離れ、トランプに移り、トランプに投票し勝たせるか?

 

この観点から、まじめに分析しなければならない。果たして、いったんトランプを嫌い、ヒラリーをこれまで、叩きに叩き、人権も無視してきたトランプに、そんな簡単に乗り移り投票できるものであろうか。しかも、トランプも、嫌われている。

 

だから、筆者は、もしヒラリーが大きく支持を失い、彼女への票がそう簡単にトランプに流れることがあるのであろうか、と思うのである。ヒラリー票の流れる先は、第三党に多く流れると思うのである。

 

すると、どうなるか?

 

トランプ支持の票は、若干伸びるが、大きく伸びることはないのではないかと思うのである。あまりにもトランプは悪者すぎ、そんな簡単にヒラリー支持だった選挙民を引き付けられないのではないかと筆者は思うのである。

 

よって、ヒラリーへの票は多く第三党に流れると思われる。問題は、ヒラリーの票がどれだけ第三党に流れるかである。そして、そのサイズを予想することである。

 

そして、大きな命題は、そのようなヒラリーを見放した選挙民が6日間そのまま動かないか、と言うことである。

 

このようなことは、不可能である。しかし、筆者は、ヒラリーの支持者がそれほど多くヒラリーを見捨てて、トランプと第三党の候補に流れるとは思わないのである。。

 

確かに、ヒラリーを見捨てる選挙民は多いと思う。だが、その行動は、トランプを大統領に選ぶことを意味する。しかし、トランプがどれだけアメリカの大統領としてふさわしいのか。適任者なのか。ここまで、考えて、自国の大統領を選ばないのでは、アメリカ国民は世界に信用されないのではないかと思う。

 

トランプの勢いが勝つか。ヒラリーの防御が勝つかの勝負となってきた。

 

筆者自身は、この残りの6日間で、情勢を変える動きが起こると思うのだが、どうであろうか?

 

今回の大統領選挙は、最後まで分からないと言いたいのだが、いざ開票となるとあっさりと決まるんのではないかと思う。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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日本にほぼ2か月いて、先月末まで日本にいました。そして、書かなければならないと思っていたのですが、今になってしまいました。

 

日本で驚くことを知りました。それは、日本の女性は、アントレプレナーが多いのにびっくりしました。日本で、いろいろな機会で女性にお会いしたのですが、ほとんど99パーセントアントレプレナーだったのです。

 

中には、上場準備をされている女性もいました。そして、小さなビジネスから始め、ちゃんと一本立ちしている女性、アイディアにアイディアを重ね、ベンチャーを創立させた女性、自分の特殊技能を生かし、独立した個人事業をやっている女性。

 

筆者は、日本女性は、世界の女性の中で、もっと優秀と思っています。第一、一人でビジネスを始めるという勇気を持っています。恐れません。そして、持ち前の粘り強さ、一生懸命、徹頭徹尾働くという信念は、世界一です。そして、今回は、日本女性の優れた創造力を学びました。

日本女性の優秀さは、世界でよく認識され、日本女性は、高い評価を得ています。

 

そして、音楽、バレエ、絵画、生け花などの芸術の世界、スポーツの世界や、ミス・ユニバースなどの女性美の世界、などでも日本の女性の活躍は目覚ましいと思います。

 

頑張りましょう。

 

佐藤則男

ニューヨーク

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hillary-clinton-donald-trump

投票日まで、後6日となった。この6日間が歴史的な日々となるであろう。それが正しい方向で進めばよいのであるが、そうは行かないことは明白である。

 

その筆者の言う正しい方向とは、アメリカという大きな船、「アメリカ丸」をどこに向かわせるか、と言うことであるが、この長いトランプとヒラリーの戦いにおいて、真剣に選挙民の前で堂々とこの論議がされたことはないのである。

 

その主な原因は、トランプが政治に無知で、デマゴーグを創り上げ、それを隠すため、ヒラリー叩きに集中してきたこと、そして、最終的にFBIがこれもでっち上げで、ヒラリーの勝利を阻もうとしたことなどがあげられる。

 

この選挙のどちらにも味方をしてはならないと固く法律で禁じられているFBIがトランプになびいたことは大きな要素である。それで、トランプに風向きが変わったのである。もしトランプが勝てば、最後の審判を下したのは、FBIと言われるだろう、

 

しかし、筆者は、メディアの責任は大きいと思う。メディアは、この大きな「アメリカ丸の進路」を選挙民に問いかけ、両候補にこの大きな命題に真剣に取り組ませなかったのではないかと筆者は思うのである。特に、トランプに対して、この命題を突き付け、このような命題を論じるよう、強い圧力をかけていなかったように思う。トランプにいわば「フリートークショー」の時間を与えたのではなかろうか。トランプのコミュニケーションの術策にかき回され、トランプのきちんとした政策を引き出してこれなかったのではないだろうか。

 

多くの選挙民は、このトランプのテレビ、ツイッターのコミュニケーションの術策に引っかかったのではないかと思うのである。果たして、トランプが「アメリカ丸の進路」と示せるかと言うと大きな疑問である。だから、トランプは、感情的に振る舞ってきたが、それは、演技である。そのような内容に陥らないよう避ける手段だったのであると筆者は思う。

 

アメリカのメディアが、ウイキリークのような情報を得る能力があったなら、選挙戦は、変わっていたであろう。同時に、このウイキリークをなぜ、国家の危機として、アメリカ政府は、手を打たなかったのであろうか。

 

さて、これから、この選挙戦でトランプとヒラリーは、死に物狂いで、お互いを攻撃し合い、傷つけ合うであろう。

 

アメリカ丸は、どこにいるのか、どこに向かって出港するのか?

 

この二人の候補からは、聞くことはできないと思う。この命題は、アメリカの良識ある選挙民にゆだねるより仕方がないのであろうか。

 

しかし、トランプを大統領に選ぶアメリカの選挙民も恐ろしいと言えないだろうか。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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無題

アメリカの大統領選挙も、とうとう、ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンが獲得する大統領選挙人(一般的に代議員と言われる)の数の勝負となった。クリントンとトランプが獲得する代議員数は、固まりつつある。

 

激戦区を除けば、クリントン259代議員、トランプ164となり、クリントン有利となっている。大統領選に勝つためには、270人の代議員を獲得すればよい。ヒラリーは、あと11人だけ獲得すれば、勝利となる。

 

さて、その激戦区とは、オハイオ州、ペンシルバニア州、フロリダ州、ネバダ州、ノースカロライナ州、アイオワ州、ニューハンプシャー州、ジョージア州、コロラド州、アリゾナ州、メイン州である。これらの州で、クリントンが一州も勝てないことは、思えない。

 

また、逆にトランプがこれらの激戦区で全部勝利することも難しいことである。現在のところ、トランプがリードしているのは、アイオワ、フロリダ、オハイオである。

 

いくら、世論調査がヒラリーとトランプの差が1パーセントに縮まったとはいえ、選挙区別に代議員数を見ると、トランプが勝つためには、厚い壁が立ちふさがっている。

 

これから、一週間、何が起こるのか?

 

「ノベンバー・サブライズ」でも起こるのか?

 

トランプは、巨額の広告費を使い、よりヒラリー叩きを強め、徹底的に直進的にヒラリーを攻めてくるだろう。ヒラリーを犯罪人に仕立てるような動きに出てくるだろう。だが、トランプの軍団は、ばらばらである。戦略もメッセージを統一することができない。大将であるトランプそのものが将であり、独裁者である。

 

一方のヒラリー軍団はと言うと、守りながら攻めるという苦しい戦いをしているようであるが、攻撃一本に切り替えなければならないと思う。それには、もっとトランプの税金の問題、女性侮辱事件、税金問題などを声を張り上げ、攻撃を強めなければならないだろう。攻撃は、最大の防御である。

 

筆者はさらに言わねばならないことがある。アメリカの男性たちの女性差別、蔑視、偏見は、明らかで、筆者の大きな関心事である。なぜ、そんなに女性を低く見るのであろうかと思う。

 

男性の教養レベルが低くなるにつれ、この傾向は、強くなると思う。アメリカ男性の女性平等の見方は、アメリカの男性にはまだまだであると筆者は思う。やはり、女性があまり高い地位に就くことをあまり好まない傾向があると思う。

 

アメリカには、「ガラスの天井」は、まだまだある。ヒラリーに対するアメリ男性の口から、ヒラリーについてよい話は聞いたことがない。皆、ひどいことを言うものである。それに耐える女性、ヒラリーは偉いと思う。

 

トランプの女性を低く見る態度にはあきれ返る。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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