佐藤則男; New Yorkからの緊急 リポート

筆者はニューヨークに住んで40年以上たつジャーナリストです。ビジネスもやってきました。皆様に生のアメリカの政治ニュース。経済ニュース。社会ニュースを独自の分析、予測を加えてお届けします。職歴は、朝日新聞英字紙、TDK, 国際連合勤務を経て独立。NYに、ビジネスコンサルティング会社設立。学歴は、コロンビア大学経営大学院。MBA取得。

佐藤則男のエッセイは、次のサイトです。
http://blog.livedoor.jp/norman123-essay/

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ヒラリー・クリントン、ドナルド・トランプ共に、0926日に行われる最初のテレビ討論の準備に、本格的に入ったようである。

 

今回の準備は、極めて労力を必要とすると思う。何故なら、これまでの大統領選とは、全く異なり、焦点は、如何に「相手をこき下ろすか」もっと言えば「相手を否定し、いかにして、犯罪人とするか」と言う否定の論理に立脚しているからである。すなわち、相手をどれだけ叩き、どれだけダメージを与えるか、と言うことに集中すると思う。

 

こんなテレビ討論は、全く意味をなさないし、全くアメリカ国民が許すべき討論会ではないと筆者は強く思う。しかし、討論会は、無様なものになると思う。

 

相手を否定し、その否定を成り立たせることは、選挙民が正常であるなら、本当は、敗北である。選挙民が正常な状態であるなら、選挙民の判断は、相手を否定し去った候補を否定するはずである。そして、ポジティブな論理をかざし、現状を的確にとらえ、アメリカの将来の姿を示した候補を高く評価するはずである。

 

しかし、今回のテレビ討論は、そうはならないであろう。何故なら、そのような方向に進んだら、自分の負け、と考えているトランプが、一方の候補であるからである。トランプは、一切、正論を使わないであろう。ほとんどすべてと言っていいほど、デマゴーグとでっち上げ、そして、扇動に基づいた言動と態度をとるであろう、と予想される。

 

これに対し、ヒラリーも本来の冷静な鋭い視点を削り、この感情的なトランプの戦略を跳ね除け、多分に感情を入れた討論に終始せざるを得ないだろう。悪く言えば、犬猿の喧嘩になるであろう。

 

そして、討論の終わった翌日のメディアは、「どちらが勝ったか?」と盛んに論じ、大衆をこの二人の扇動に巻き込むだろう。それが、メディアがメディアを売り込む作戦であり、メディアのマーケットシェアを伸ばし、利益を上げる狙いなのであろう。

 

メディアとて、利益企業体である。売り上げを最大にし、利益を最大にしなければならない。

 

かくして、アメリカの大統領選挙テレビ討論会は行われるのである。

 

1960年、ジョン・F・ケネディとリチャード・ニクソンが第一回のテレビ討論を行ったが、この時の真摯なまじめさ、アメリカと言う国家を愛し、アメリカ国家の将来を真剣に論じた時代は、一体、どこに消えたのであろうか。

 

下記のサイトをご覧いただきたい。ケネディとニクソンのテレビ討論会の模様である。

 

https://www.youtube.com/watch?v=QazmVHAO0os

 

ご覧のように、アメリカ大統領選候補がいかなるものか、如実に学ばれることであろう。

 

トランプとヒラリーには、このレベルの討論は期待できないと思う。第一、二人ともスキャンダルだらけである。「スキャンダルとデマゴーグに汚れた大統領選テレビ討論」となるだろう。醜いものになるであろう。

 

佐藤則男

ニューヨーク
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MPI(移民政策施設)によると、2013年にはアメリカで4130万人もの移民がいると記録されている。2014年、Pew Research Center によると1130万人もの不法移民がアメリカにいたと発表されており、これは国の人口の3.5パーセントを占める数になる。その大部分はメキシコからの集団である。実際に、Pew Research Centerにおいても不法移民の50パーセント以上がメキシコからの移民とされている。

 そして、このまま移民が増え続けると、2050年には、白人の人口比が全体の47パーセントなり、ラテン系、黒人、アジア系、などの現在マイノリティとなっている人種が人口の多数を占めてしまうことが問題となっているのである。

 しかし、この観点は大きな論議を生む。アメリカという国は、白人が多数を占めなければならない国なのか、という論議である。この論議は、アメリカを真っ二つに割る論議となること必至である。

 トランプは、白人のアメリカを望んでいるようであるが、見方を変え、近いうちに、大演説をする予定である。一方のヒアリー・クリントンは、移民に対し、理解ある態度をとっているが、「マイノリティが多数を占める」ことを容認するかどうかは、わからない。

アメリカの白人、特に、白人ブルーカラーは、白人多数のアメリカを支持することは、明白である。ここ論戦に、アメリカを真っ二つにわっている右と左の対決が加わると、さらに問題は大きく、複雑に、発展すること確実である。

 筆者は、マイノリティの一員として、きわめて、複雑である。アメリカといえば、人種差別が大きな問題として、浮かび上がる国である。黒人が白人警察官を殺したり、その逆のケースもある。アフリカから黒人を連れてきて、人身売買した国である。暗い歴史を持っている。その光景は、よく文学作品にも描かれている。

 だが、移民政策で、白人多数国家を維持を維持し、コントロールする政策はあり得る。移民の数を調整すればよいのである。しかし、これまでと同じように、不法移民は、入ってくるだろう。そして、社会福祉の助けを借りなければ生きていけない人びとがほとんどではないだろうか。

しかし、今回の選挙では、この問題に関し、現実的な回答が出てくることはないだろう。政治的に、あまりに大きな問題であるからである。

 アメリカがマイノリティがマジョリティになったらどうなるのであろうか?想像もつかない。

 

佐藤則男

ニューヨーク

 

 

 



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ヒラリー・クリントンが国務長官時代、国務省のサーバーを自宅のサーバーにつなぎ、仕事をしていて、機密文書が漏えいしたとする事件が長い間問題となっている。そして、クリントンは、国務省を使い、レセプションンなどで、外国の金持ちの客を招き、その引き換えに、クリントン基金に寄付を頼んでいた、とするトランプ側の激しい非難は、果たして、証拠をもって実証されるのか、ということが焦点になってきている。

 

共和党団体の訴えに、裁判所は、国務省にこれまで、公表されなかった15000通のクリントンのメールを公表するよう命令したが、その一部がリークされた。確かに、寄付金を出した人物宛の招待状は出ているが、それが、その人物の寄付金のもととなったかどうか、を裏付けることは、あまりにも困難である。人のモティベーションを読み、その働きかけが原因で、寄付金を出したかどうか、を推察し実証することは、実に困難なことである。

 

この難関をクリントンが何とか逃げ切れば、戦いは、ヒラリーの地滑り勝利に流れる可能性がある。

 

選挙民よりも、このような問題は、メディアが騒ぐのであり、メディアは、このようなスキャンダル、ゴシップストーリーで売り上げを稼ぐのである。しかし、そのようなメディアのマーケティング戦術は、選挙民が落ち着いて考えればわかることである。

 

アメリカの選挙民は、トランプとメディアのデマゴーグの真っただ中にあり、大きなフラストレーションとなっている。アメリカは、メディア自体がキャンペーンの一部であり、選挙民は、よほど注意が必要である。

 

デマゴーグとスキャンダルまみれの大統領選挙。ヒラリーとトランプが残す爪痕を治すのはやはり選挙民であろう。選挙民がしっかりしなければならないのである。

佐藤則男
ニューヨーク

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 先日、東京の我が家の近くにある行きつけのスナックに立ち寄った。すると、久しぶりにわが友である元気のよい青年A君に出くわした。筆者はA君を大いに買っている。清々しく、正面から」「如何に善く生きるか」を常に追求している若者である。

 

このA君が筆者のブログサイトをよく読んでくれているようで、次のように聞いてきた。「あなたがアメリカについて書いているものを読むと、あなたのアメリカに対し抱いている祖国愛を感じる。そうではないのですか?」

 

筆者はドキッとした。これまで、アメリカについて語ってきたが、そのモティベーションは、アメリに対する祖国愛であったのか、と初めて気が付いたのである

 

そして、A君に「その通りだ」と答えていた。

 

正確に言えば、筆者にとって、アメリカは、祖国ではない。筆者にとっては、祖国は、日本である。しかし、筆者は、16歳で、アメリカに渡ることを決意していた。それは、当時、東京で、ワシントンポスト紙の特派員にお世話になっていたから、よけいその意志が強くなっていた。だからであろう。アメリカは、筆者の「第二の祖国」というようなものに自然に変わっていたのだろうと思う。だから、アメリカに渡り、生活しても、最初から、違和感がなかった。

 

国といっても、祖国、母国、本国、居住国などの言い方があるが、いずれの場合も、自分に関係する国の呼び方である。

決まりきった分け方では、祖国は祖先の国、母国は自分が生まれた国、本国は本籍国籍のある国、居住国は今住んでいる国を表す。たとえば、アメリカの日系人でカナダに移住してカナダ国籍をとり、仕事でイギリスに滞在している人なら、祖国は日本、母国はアメリカ、本国はカナダ、居住国はイギリスというようになるのであろう。

 

さて、筆者は、なぜ、アメリカを祖国のように感じるのであろうか?

 

よく考えてみても、論理建てた説明はできない。なぜなら、それは、情的なものであるからであり、自分自身のアイデンティティ(Identity)であるからである。この場合のIdentityという言葉の意味は「同一視から生まれる自主性」という意味である。

 

まず、筆者にとって、アメリカは、自分の物理的な祖国は、日本であることを痛切に感じさせたのであった。それは、アメリカの移民法であった。この移民法を合法的に通過することは、アメリカ移住の第一関門である。これをクリアーできないと、アメリカに住むことは難しい。筆者は、まず、この障害を突破することができた。

 

あとは生計を立てる仕事を見つけることである。筆者は、アメリカであるから、アントレプレナーの国で、独立しようと思い、ニューヨーク法人のコンサルティング会社を設立したのであった。最初の一年、自分で言うのも不適切かもしれないが、苦労した。日本企業は、ほとんど相手にしてくれず、日本企業の冷たさを味わった。外国の企業、アメリカ企業から、仕事をとることができ、2年目から、そのような企業から、ビジネスをもらったのであった。助かった。

 

そして、皮肉なことにそれらの外国企業、アメリカ企業の仕事は、日本関係の仕事であった。これはアメリカンビジネスの特徴である。外国企業の客には、その国の人を社員に雇い、担当させるのである。これが原則で、アメリカ企業のうまいところである。

 

このように、アメリカで働き、アメリカの生活をするには、この原則を忘れてはならないと思った。自分の祖国を誇りに思い、よく知り、日本に対し、尊敬の念を持つことが必須であることを学んだ。

 

このように様々な経験したことが土台になり、筆者の「二重祖国」の思いは、出来上がったと思う。

 

いろいろな説明を見ると、祖国愛は、愛国心の一つとして考えられ、もちろん筆者の場合、日本に対し愛国心は、あるのであるが、祖国愛としてとらえたほうが適当だと思う。

 

「ウイキペディア」いよると、愛国心には、次のような説明がある。

 

「一口に「愛国心」といっても、話者によってその意味するところには大きな幅がある。愛国心の対象である「国」を社会共同体と政治共同体とに切り分けて考えると分かりやすい。

 

社会共同体としての「国」に対する愛着は「愛郷心」(あいきょうしん)と言い換えることが出来る。

 

政治共同体としての「国」に対する愛着は「忠誠心」(loyalty)と言い換えることが出来る。

 

「愛国心によって表出する態度・言動の程度は様々で、ノスタルジーから民族主義や国粋主義まで幅広い。よってこれらを十把一絡げに「愛国心」と表現することもできるため、その内容は往々にして不明確である。また、愛国心を訴える事は政権側からのみでなく、反政府側からも行われることである。反体制的な愛国運動は、政権側から弾圧されることがしばしばである。

政府側の期待する「愛国心」は現政府に対する「忠誠心」と解釈できる。

反政府側の訴える「愛国心」は革命後の新政府に対する「忠誠心」、もしくは時の政府に靡かない「愛郷心」と解釈できる。

 

また、愛国心は大衆を煽動する道具とされてきた一面もある。幸徳秋水は「帝国主義はいわゆる愛国主義を経となし,いわゆる軍国主義を緯となして,もって織り成せるの政策にあらずや」と著書に記している(幸徳『帝国主義』)。

 

平和主義者には“愛国心こそが戦争を起す最大の要因である”と説いた者もいるが、反戦運動においては、戦争を若者を殺し国を危うくするものとし、愛国を掲げて戦争反対を訴える団体も多い」とある。

 

しかし、筆者は、祖国愛も愛国心ももっと身近にあるのではないか、と思う。「あなたは愛国心がありますか?」などと、質問すること。また、「あなたには、何も愛国心がない」などと批判することもナンセンスだと思う。よく、筆者は、日本でこのような質問を受けるが、悲しい気持ちになる、

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプとヒラリーの大統領選での一騎打ちは、今のところ、Real Clear Politicsの各社世論調査平均で、ヒラリーの6パーセントのリードである。筆者から見ると、トランプキャンペーンのひどさから見て、この程度の差とは、ちょっと意外な気がする。

 

クリントン候補は、2ケタのリードぐらいが当然なのであろう。しかも、トランプは、共和党の伝統的保守主流派に支持を得ていない。いわば、片肺飛行である。

 

大統領選の常である共和党の全面的支持を得ていないので、共和党と民主党の二大政党の一騎打ちから外れている大統領選挙である。もし、トランプがおとなしくしていて、愚かな言動、極端な言動をせず、もっと利口なキャンペーンを行っていたら、どうなるかわからない状態になっていたはずである。

 

トランプの傲慢さとエゴがここまで、来させたのである。

 

こんなことになるのも、ヒラリーの支持が弱いからである。筆者から見たら、トランプとヒラリーの戦いなら、ヒラリーの経験、実績からして、断然ヒラリーがリードし、すでに、地滑り勝利が予想されるはずである。

 

しかし、現実はそうはいかない。ヒラリー・クリントンには、ヒラリー・クリントンの問題があり、それが今後も、糸を引きそうなのである。そして、その最も大きな問題が、先日、裁判所より国務省に命令された、クリントンの未公開メールの公表である。これらのメールは私的なものとして、公開されなかったものである。

 

これらのメール公開の訴えは、共和党系の団体によってなされたものであるが、クリントンファンドへの外国からの寄付金が話し合われているメールが含まれているといわれている。もし、そんなことが実証されれば、ヒラリーは、一瞬のうちにピンチに陥ると思われている。

 

国務省は、公のオフィスである。そこで、クリントン財団の金集めのメールが行われていたとしたら、それは、大変なことになると思われれる。それも、サウジアラビア王家など、問題の多いところからの大金である。そんなことになれば、割れていた共和党全体が乗り込んでくると思われる。

 

おそらく、そんなメールは、含まれていないと思うが、調べてみないと何とも言えないと思う。 

 

ヒラリー・クリントンとは、まことに常識のない人物と思われる。

 

さて、このプライベート・サーバーは、ブッシュ政権の元国務長官のコーリン・パウエルがヒラリーに勧めたものだという。いろいろメディア記事を調べてみたが、どうやらそうらしい。パウエルは、名国務長官であった。クリントンもパウエルの信奉者であった。まさか、パウエルの推薦を実行したばかりに、このようになるとは、夢にも思わなかったであろう。

 

クリントンと国務省が抑えていた未公開メールの公表は、早くて9が宇16日とのことである。果たして、何が含まれているか、注目される。

まさにヒラリーのアキレス腱なのである。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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筆者は、自分の勉強範囲以外のことに触れるのは、誠に失礼だと思う。知らずして、ものを語ることは、筆者の恥じるところである。しかし,そう思うと、何について、語ることができなくなるほど、勉強していないことに気が付く。それでも、書くということは、傲慢以外の何物でもない。

 

その傲慢を許していただき、北朝鮮のミサイル、核威嚇について、少々述べさせていただきたいと思う。

 

北朝鮮がアメリカ本土をミサイル攻撃と発表したが、もし核兵器がそのミサイルに搭載されるほどの技術があれば、アメリカ本土も攻撃射程距離以内に入ることになるだろう。しかし、そこまでは、まだ行っていないのではないか、と筆者は、何の証拠もないが、思う。

 

この北朝鮮に対し、これまで、アメリカ、中国、日本、韓国などが様々な形で、会談し、その対策を練ってきたと理解している。しかし、北朝鮮は相変わらない政策を採っており、依然として、対立を続けているのが現状と筆者は理解している。

 

まず、筆者がこの方法について述べさせていただくと、北朝鮮に対し、いくらこれらの国々が包囲網を築いても、北朝鮮は、それらの国々がそれぞれ異なった利害を持ち、そして、異なったゴールを持ち、北朝鮮に包括的なアプローチできないのではないかと思う。つまり、アメリカ、中国、日本、韓国が同一の利害、目的を共有できないのではないかと思う。これらの国々は、同盟国でもないのである。

 

こんなことは、北朝鮮も十分知っており、部分的に中国と手を結んでいるように、いくらでも対抗手段はあると思う。

 

それなら、日本も北朝鮮に対し、独自の外交目的、独自にそれを達成する戦略を持つほうが良いのではと思うのである。そして、独自の防衛体制を敷くほうが賢明ではないかと思うのである。もう出来上がっていると思うのだが、日米安保条約を基本とし、完璧なほどの防衛体制、迎撃態勢を敷き、同時に、外交戦略も進め、世界に発表すればよいのではないかと思うのであるが、いかがであろうか?

 

何も秘密を漏らすなどと考える必要はないのではないだろうか?ありのまま、日米連合軍の力を見せ、北朝鮮首脳部と交渉すればよいのではないだろうか。

 

どうせ、北朝鮮も世界向けPRを行っているのであろう。日本もアメリカとともに、同じことをやったらどうであろうか。北朝鮮の言うことに、真っ向から、世界の政府の前で、論戦を挑んだら、日本に不利なことでもあるのであろうか。

 

せっかくアメリカ軍に日本防衛を共同でやっているのであるから、アメリカを十分活用したらよいのではなかろうか。外交において、PR戦で勝つことは、極めて重要であると思う。官房長官の形式的な声明や記者会見では、PR外交戦に勝てないと思う。

 

対北朝鮮外交広報担当はいるのであろうか?

 

これは、慰安婦問題についてもいえることで、外交政策において、広報担当の役割は、大きく、世界では、慰安婦問題は、「日本悪役説」が常識となっている。いったん、このイメージが広がってしまうと、手がかかる。ほとんどこの汚名を払しょくすることは、難しくなる。

 

広報活動は、外交政策では、実に大切だと筆者は思っている。外交で、広報戦に勝つことは、必須ではないかと思うのである

 

今、日本政府行政部門で。よりターゲットを明確にした、ピンポイントの目的と戦略を持つ広報戦略部隊が必要なのではないかと思う。勉強不足の意見で申し訳ない。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク


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致命的とも思える欠点を持った二人がアメリカの大統領という地位を「泥沼の中で、泥を投げつけあい、名を傷つけながら、必死に戦っている。その姿は、地位欲に燃え、権力に燃え。人間の姿をした魔物」のようにさえ見える。人間、公衆の面前で、ここまで、必死で、すごい表情になれるものである。

 

トランプの後ろには、極右翼のステファン・バノン選挙参謀、一方のヒラリーは、筆者は、実際の選挙参謀は、ビル・クリントンとみている。ビルの野心は、ヒラリーが史上初の女性大統領になる欲望より、強いのではないか、とさえ思える。ヒラリーが勝てば、自分は、初の「ファースト・ジェントルマン」になれる。

 

ビル・クリントンは、彼が大統領選に立候補した時、筆者が選挙の天才とさえ思った男である。自分に有利なところ、特に若さを訴え、悪いところ、つまり「嘘つきウイリー(ビルの愛称)」と呼ばれていた自分をものの見事にかき消した。しかし、その戦略は、ジェームズ・カビール「Economy Stupid」(経済がすべて)という有名なキャッチフレーズを作り出した選挙参謀に助けられた。ビルの強いところを強調し、弱いところは、うまく隠す、作戦が成功したのであった。

 

そして、スポークスマンとして、ジョージ・ステファンポリスを起用し、その若さで成功した。このステファノポリスは、現在、ABCテレビの実力アンカーマンである。筆者には、すがすがしかったその当時のステファノポリスの顔が浮かんでくる。

 

しかし、今のヒラリーの側近には、この二人のような人物が存在しない。ヒラリーのキャンペーンを見ていると、どうも、ビルが力を持っているのではないか、と思う。もし、そうだとしたら、悲劇であろう。ビルは、もうその当時の若さと新鮮な発想は持っていないのではないか。

 

しかし、このビルが、問題のクリントン基金のプレジデントなのである。ヒラリーは、ビルにこれまで任せておいたものと思う。ビルは、失言を繰り返し行い、正直言って、ヒラリーの足かせとなっているのではないだろうか。その指摘は、あちこちのジャーナリストが行っている。

 

一方のトランプの選挙参謀バノンは、「短期決戦」を強いられている。何せ、選挙参謀になったのは、大統領選挙投票日まで、90日しか残されていない時期であった。よほどのことをやらない限り、ヒラリーとの大きな差は、埋められない。即効性のあるキャンペーンを実施しなければならない。打つ手は、いちかばちのかけである。

 

そこで、そのような状況をひっくり返す作戦は、「右と左でアメリカを真っ二つに、明確に割り、選挙民を右か左に極端に偏らせ、そして、中間層を広げ、その中間層の票をごっそり、取ってしまう」ことである。この実施作戦には、相手候補、つまり、ヒラリーを極左に押しやり、封じ込める作戦がとられる。この作戦として、ヒラリーの弱点である移民政策の甘い点を強調し、デマゴーグも入れ、打ちのめそうとすることであろう。

 

しかし、このデマゴーグを使うこととは、極めて危険である。デマがデマであることが判明した時、バックファイアーとなる。しかし、今のトランプには、この作戦をとらざるを得ないのである。マイノリティの票が必要なのである。

 

だから、自ら叫んだ不法移民に対する厳しい態度を手のひらをひっくり返したように改めたのである。だが、これには、大きな問題がある。そのように態度を変える人のことを「フリップ・フロッパー」と呼び、適宜、状況に応じ、態度を変える人を表し、大きなマイナスとなる。ジョージ・ブッシュとジョン・ケリーが大統領選を争った時、ブッシュがケリーをそう呼び、そのようにレッテル貼りに成功し、勝利をしたのだった。これこそ、あのブッシュの天才選挙参謀、カール・ローブの作戦であった。

 

果たして、トランプの選挙参謀、極右のメディアの創始者であるバノンが、カービルやローブのような知恵と力を持っているか。大きな賭けである。

 

ヒラリーは、共和党の反トランプの著名人、ジョン・マッケイン、ジェブ・ブッシュなどの実力者に、自分の側につくように、話を持ち掛けている。キレらの共和党実力者が、続々とヒラリー支持に回ったら、トランプも万事休すであろう。しかし、このような共和党の実力者がヒラリーにつくことはあるまい。なぜなら、そのように動くと、ヒラリーの致命的欠陥である「嘘つきヒラリー」が問題となり、自分に降りかかってくるからである。

 

かくして、アメリカン大統領選は、本格的な泥沼に入ったのである。そして、アメリカ中が泥沼に入ったのである。果たして、そのような戦いの中から、アメリカを認識させ、より強いアメリカを創れる大統領が生まれてくのであろうか?

 

 

佐藤則男

ニューヨーク


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またしても、メディアの大袈裟なトランプ報道が始まっている。トランプが移民に関し、態度を和らげ、これまでトランプが掲げてきた厳しい政策を変更したのである。

 

この変身を褒めたたえるSurrogate(信奉者)をテレビ討論に参加させ、しゃべりたいだけしゃべらせるのである。トランプの黒人の支持率は、一桁である。このような報道の仕方は、トランプを持ち上げる結果になる可能性が高く、トランプの決断力を褒めたたえることになる。

 

もともと、トランプは、人種差別主義者のような発言をして、そう思われてきた。問題は、人種差別の疑いのある人物が、アメリカ大統領選で、共和党の正式指名候補に選ばれること自体がおかしいのである。

 

このようなことを可能にしたのは、メディアなのである。アメリカの選挙民がこのようなメディアの言うことを信用したのである。また、アメリカの選挙民は、わからないようである。

 

特に影響の大きいテレビメディアは、自分たちの視聴率競争に明け暮れ、派手な演技をするテレビタレント、ドナルド・トランプを作り出したのである。

 

そして、それがトランプの戦略なのである。ヒラリーに比べ、トランプのテレビ出演、カバーレッジが圧倒的に多い原因なのである。アメリカでは、メディアがどちらの候補に偏向していようと文句は言えないのである。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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ヒラリー・クリントンは、サウジアラビア王家など、外国から不適切な寄付金を受けているクリントン基金、それと関係していると見られている国務省サーバー不正使用によるメール問題など、スキャンダルまみれとなっている。病気説と重なり、勢いがやや衰えている。

 

トランプは、ヒラリー・クリントンを各地の集会で、痛烈にたたく。容赦はしない。それも舞台俳優のように演じるから、筆者には、不誠実にも見える。

 

クリントン自身も集会で演説するが、直接これらのスキャンダルに関しては、言明しない。クリントンキャンペーンは、反論はするが詳しくは取り合わない。

 

Leave them alone(放っておけ)と言うことなのであろうが、おそらく、「釈明をして、しっぽをつかまれ、よけい突っ込まれる可能性がある。トランプのペースに乗ってはならない」と踏んでいるのであろう。

 

そして、公開が命じられた15,000通の追加メールには、大きく大統領選の流れを変えるような危険なメールはない、ととらえているのではなかろうか?

 

これとは、逆に、トランプは、この機をとらえ、まるで、悪魔のような顔つきとジェスチャーで激しくヒラリーを叩く。普通。大統領選挙では、戦う相手を敬語を使って呼ぶが、トランプは、憎々しげに憎悪をこめて、「ヒイーラーリー」とファーストネームで呼び捨てにする。まるで、女友達をなじるように呼ぶのである。これも、誠に失礼な無礼な態度であると筆者は思う。

 

さて、現状はどうなのだろうか?依然として、Real Clear Politicsの統計によれば、全国レベルで、ヒラリーが5.6パーセントのリードを保っている。しかし、この全国の統計は、あまり意味がない。なぜなら、民主党、共和党のどちらが優勢か、と言うことは、過去の歴史の中で、共和党支持の州、民主党支持の州がはっきり分かれており、それらの選挙区での勝敗はすでにわかっている。しかし、後述するが、トランプには、それが通じないようである。

 

問題は、共和党と民主党が拮抗している州である。いわゆる激戦区である。今回の激戦区で、大きく重要性がさらに大きくなっているのは、ペンシルベニア、オハイオ、フロリダである。結論から言えば、これらの3州すべて勝たねば、トランプの大統領就任への道は、遠くなるだろう。逆にヒラリーは、二つ勝てば、勝利が確実になるであろう。

 

現在のところ、Real Clear Politicsの平均値では、ヒラリーがペンシルベニアで9.2パーセント、オハイオで、6.8パーセント、フロリダで3.6パーセントリードしている。選挙日が近くなるにつれ、もっと接戦になるのが常であるが、今度ばかりはわからない。両候補とももろいからである。こんなリードなど、いっぺんに潰れる予想はできる。

 

トランプは、大きなリスクがある。これまで、共和党の基盤であった南部の「赤い州」で負ける可能性が十分ある。ジョージア洲、ノース・カロライナ州、コロラド州、ユタ州、など、ラテン系人口が増えている地域では、彼らの総スカンを食らっている。これらの「赤い州」全部で勝たねばならない。トランプの現時点の力では、無理ではないだろうか?

 

トランプの問題はさらにある。クリントンをいくら叩こうと、クリントンにとり、今のスキャンダルが致命的な欠点、例えば、犯罪に当たる行為をしたというような、ミステークがない限り、トランプの攻撃は、効果がないと思う。ただ、証拠もなく、空論でトランプが攻撃しても、選挙民がヒラリーを捨て、トランプ支持に回ることは可能性が少ないと思う。

 

欠点ばかりが目立つ両候補だけに、潰し合いがほとんどを占めるであろう。とんでもないネガティブ選挙になったものである。だが、これがアメリカ選挙民の大多数の声である。

 

これも、選挙民がそうしたのである。

 

佐藤則男


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今、大阪に来ています。感じるのは、いくら豊臣秀吉が築いた町とはいえ、ビルの都会であるアメリカが存在しますが、これほどまでに、うまくアメリカを取り入れ、日本化した国はないものと強く感じます。

 

泊まっているホテルは、ヒルトンホテル。アメリカのホテルマネジメントのシステムを入れ、オペレーションしていると思うのですが、これだけ、うまくアメリカのシステムを取り入れ、マネジメントできるのは、やはり、日本化がうまく行われたせいではないかと思います。アメリカ人の客と日本人のホテル客とは異なるはずです。それを日米のホテルマネジメントチームが協力し、築いたシステムだと思います。

 

これは、ビジネスの上での「アメリッッポン」と言えるのは、ないでしょうか。

 

日本とアメリカの関係をよくするために何か必要かと言うことを筆者なりに考えれば、アメリカ人の価値観や、考え方、生活様式である文化、ビジネスマネジメントなどをと取り入れる時、上手に「日本化」することが大切だと思うのです。

 

筆者は、若いころアメリカ人と日本人の相違を「海の魚」「川の魚」にたとえました。今は、そのような考えが大きな間違いであることに気づいています。何故なら、両方の水に住めるのは、サケやウナギなど数少ない種類の魚類です。確かに人間も同じことが言えるでしょう。両方の水に住める日本人、アメリカ人は少ないと思います。

不思議なことに、サケもウナギも、川の水に帰ってきます。これは、日本人、アメリカ人共通したことだと思います。やはり、祖国愛は、強いのですね。

 

この両方の水に住める人間がお互いそれぞれの文化を「日本化」し、「アメリカ化」する役割を果たすものだと考えます。

 

日本とアメリカの衝突は、避けねばならず、これを防ぐのは、インテリジェンスであり、それは、衝突時に起こるマイナスの運動を吸収するクッションだと思うのです。そのクッションを創るのか、このアメリッポンの人たちではないかと思うのです。

 

皆様、日米関係をよくするため、この「アメリッポン人」を研究してみようではありませか?

 

佐藤則男。

 

 

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ヒラリー・クリントンがテレビのトークショー番組に出演し、病気説を否定した。ジョークを交え、コミカルに、巧みに説明する。そして、それは共和党の「Part of wacky strategy」(奇妙な戦略の一部)だと答えている。そして、司会者が、「ピックルズの入った瓶のふたを開けることができるか?」と問われ、それを持ち出され、ふたを開けようとするが、簡単に開けられるわけがない。

 

さて、このようなユーモアを入れた否定の方法は、クリントンでなければ、大変効果的だと思う。しかし、「嘘つきヒラリー」としては、逆効果のイメージが大きいのではないかと筆者は思うのである。ヒラリーキャンペーンのミステークではないか、と思うのである。

 

ヒラリーが重病かどうかは、ジョークではない。アメリカの現実が絡んでいるのである。それこそ、ジョークのテレビショーなどに出演して答えることではない。

 

驚くべく事実がある。ヒラリーは、予備選当時から、正式な記者会見を一度も開いていないのである。常に、スポットでテレビインタビューを受けたり、ニュースショーには出演するが、多くの記者団を招いての正式な記者会見は、筆者の記憶が正しければ、やっていないと思う。

 

筆者が、ヒラリーの報道官であれば、医師の診断書を見せ、自分が病気でないことを明確にすると思うのである。それをやらないとしたら、疑いが大きくなる一方ではないのであろうか?

 

クリントンのスキャンダルが大きくなる原因は、すべてを赤裸々に公表せず、「隠そう」とするところにあると筆者は思う。

 

国務長官時代のEメール問題もそうである。5万とあるメールのうち、「プライベートな部分メール」は、公表しなかった。今になって、それが、14900通もあって、裁判所が国務省に、それをできるだけ早く公開しなければならないと、命令したのである。おそらく、投票日直前あたりに公表することになろうが、もし、それに、今、問題となっているクリントン基金のことなどに触れられているメールが見つかれば、大変な騒ぎになると思う。

 

トランプがこれだけ問題の多い候補であるから、勝敗予想がひっくり返ることはないかもしれない。しかし、いざ、そのようになってみなければ何も言えないと思う。

 

ビル・クリントンが大統領の時、ホワイトハウスは、少しでもスキャンダルめいたことがあると、一瞬のうちに、記者会見を開き、前に進み出て、対処した。それが、それからのホワイトハウスの習慣となった。ブッシュもオバマをそれを心掛けてきた。

 

ヒラリー・クリントンの場合、そのプロセスとして、必ず、周りの有能な弁護士に相談するのである。ヒラリー自体が法律の専門家で、このような場面になると、突然、リーダーシップを失ってしまう政治家ではないのかと思うのである。

 

それは、ヒラリー自体があまりにも有能な弁護士であるが、有能な政治家ではないというところに原因があるのであると思う。

 

佐藤則男

 

 


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2003814日午後であった。真夏であった、冷房ががんがんと鳴っている。

 

我が家のコンドミニウムのトイレに行った。ライトがつかない。そして、肝心なことは、「水が出ない!」そして、冷房も止まった。

 

僕に「通常の怒り」がやって来た。すぐ、内線のテレビ電話で、ビルディングのコンシエージに怒鳴った。「なぜ水が出ないんだ!」と。

 

すると、「我々は、今、ブラックアウト(停電)に見舞われているのです。近所は、皆、電気が止まったのです。今、調べています。お待ちください」と、言うので、テレビをつけてみた。つかない。そういえば、仕事部屋のスタンドがいつの間にやら消えている。

 

仕方なしに、外に出ようとした。「エレベーターが動かない!」階段に向かう。階段に通じるドアを開けたら、ビルの階段をぞろぞろと住民が降りているではないか。皆、口々に、「What happened?」と言い合っている。お年寄りは、階段を下りるのが辛そうであった。

 

一階のロビーに辿り着くと住民が大勢いて、話し合っていた。外に出ると、我が家のビルのある54ストリートは、あちこちのアパートビルから、外に出た人々で、いっぱいであった。

 

しかし、のんきなものである。皆、井戸端会議のように、「停電が創り出した近所の付き合いの社交」を楽しんでいるような雰囲気であった。新しく知りあう同じビルに住んでいる人たちが、挨拶し、自己紹介している姿も多く認められた。

 

皆、一応は、不安もあるのであろうが、それを和やかに分かち合っている様子であった。「超社交的」である僕の「超得意の舞台」が設定されていた。

 

「ピンキー」がやって来た。30歳代の茶目っ気のある30歳代の奥さんである。2030歳も年上の大手投資銀行の会長と結婚している。

 

ピンキーは、小柄で「頭のてっぺんから、足の先」まで、「すべて」「常に」ピンクで覆っているから、「ピンキー」と呼ばれている。勿論、本人は知らない。ピンキーは、例により、「16歳の女の子」のような口ぶりで、「ハロー」と言って話しかけてきた。「落ち着きのない、早口」でしゃべる。ピンキーは、住民には、話さない。何故なら、住民のこと如くの人は、ピンキーを嫌っているからである。

 

従業員は、ピンキーを「小悪魔」のように思っている。ピンキーの言うことを「素早く」聞かないと、怒り出すからである。あるコンシエージは、ピンキーが話しかけているのに、電話中で、すぐピンキーの言うことを聞けなかった。すると、ピンキーは、受話器をひったくり、受話器でそのコンシエージの顔を小突いたそうである。

 

話しをブラックアウトに戻さねばならない。外に出て、気が付いたら、携帯電話がほとんど通じない。ラジオを持ってきた同じ住民の人が、刻々と情報を伝える。電話が通じないから、情報は、ラジオだけとなってしまう。

 

しかし、今時、携帯ラジオをを持っている人は、少ない。ラジオを耳に当て、情報を皆に伝えている人は、周りには、一人しかいなかった。

 

あとは、オフィスから歩いて帰って来た人たちが、「どこそこでは、こうだったと、目を丸くして、話す。

 

情報はまちまちとなった。しかし、どうやら、マンハッタン中が停電しているようである。めったにないことである。その停電の範囲は、ニューヨーク州全部らしい。コネチカット州も、ニュージャージー州も同じらしい。

 

復旧の見込みは、不明との情報が入った。「大変なことになった」と思った。しかし、僕は、「みんなが同じ問題を抱えているから大丈夫」という安心感があった。「こうやって、住民の人達、これまで話したことのなかった近所のアパートに人たちと社交ができるのは楽しい」とさえ思った。

 

その時であった。「Norio!」と叫び、近づいてきた男がいた。「Doug!」と、僕は、言って、すぐ、顔を合わせ、握手をした。「Whay are you here? How come?」と訊くと、「I am living in this building.」と言うではないか!

 

Dougは、大きな海運会社に働いていて、投資の仕事をやっている。僕の年金マネジャーのフィルの親しい友人である。我々3人は、それこそ、仲の良い友人で、月に2回は、ランチや夕食をしていた。昼間から、ワインと飲み、笑いこけ、はしゃぎまわっていた。

 

つい、2日前、3人で、ランチをし、馬鹿話をしたばかりであった。

 

何年間も、こんなに親しく、何回も食事をしているのに、Dougが同じビルに住んでいるとは、お互い知らなかったのであった。

 

「ブラックアウトが創った偶然の発見」であったのである。

 

Dougをピンキーに紹介すると、ピンキーは、何か言って、ニッと笑い消えて行った。自分が住民に嫌われていることを知っているようであった。

 

それから、Dougも、「Anxious Neighbors」(停電を心配する近所の人々)の一員に加わったのであった。

 

しかし、それでも、外に出ているほとんどのAnxious Neighborsは、「夜までには、復旧するだろう」と、思っていて、外の階段や腰かける都合の良い場所を見つけ、座り、和やかに話していた。「夏の遅い午後の社交の場」のようなものだったのである。

 

ニューヨーク夏時間は、いつまでも太陽が照り、8時ころまでは、まだ、明るい。

 

しかし、ラジオを持ち、聞き耳を立てていた男からは、「暗いニュース」が流れてくる。皆、だんだんと不安になってきた。困ったのは、トイレに行きたいことであった。しかし、水が出ない。屋上にある給水タンクに水を上げるポンプが停電で働かないのである。

 

皆、もじもじし始めてきた。

 

その時、ビルの従業員が、ロビーに広がっている「池」の大量の水を「使ってください」と、バケツを下げてやって来た。皆、「これは、助かる」と言って、池の水を汲む。

 

しかし、問題があった。「そんなに水を入れた重いバケツを引っさげて、長い階段を上るのか!」と言うことであった。10階なら、まだ何とかなるであろう。しかし、20階や30階に住んでいる人は、どうなるのか。

 

我が家は、3階なので、全く問題はない。池の水を入れたバケツを3個も持ち上げた。それで、一応、トイレの問題は、解決した。

 

ラジオは、悪いニュースばかりである。そろそろ外は、暗くなってきた。あちこちで、あちこちの店で、Looting(略奪)が起っているらしい。いよいよ、「暗い中で、暗い事件」が起こって来たのである。

 

ラジオは、ジュリアーニ市長の声明を流す。警察長官は、「決して、一人で、外を歩かないでほしい。略奪者に襲われる可能性が高い」と言うのである。

 

外に出ている住民の次の問題は、夕食である。空腹の時間がやって来たのである。その時であった。住民の一人が、大きなピッツァの入った箱を持ってきた。まるで、直径、1メートルもあるようなピッツァを箱を開け見せつける。

 

「ピッツァ屋が開いている」と言うので、その場所を聞き、買いに行く人もいた。ピッツァは、ガス火で焼けるのである。電気はいらない。

 

しかし、スーパーマーケットは、店を閉じてしまったようであった。小さな店は、開いている。しかし、キャッシュレジスターカウンターの下に、拳銃が隠されていることは、確実である。そんな店に入って買い物をしている時、何かあれば、「流れ弾」に当る危険性もある。

 

部屋に戻り、必死に携帯ラジオに耳を傾ける。

 

刻々と事態は、悪くなっている。

 

マンハッタンは、「真っ暗闇」になった。「その暗闇の中で、どんな犯罪が行われているか」「人殺し、強盗、略奪」何でも起こる状態であった。ラジオもそのようなニュースは、刻々と伝えているが、報道範囲は、限られている。ニューヨーク警察は、必死の警備であった。

 

「いったいどうなるのであろう?」と思った。

 

夜、11時ころであったと思う。ウエストサイドの一地域の電気が回復した報道があった。じりじりと我々の地域は、まだか、として、待っていたが、ようやく夜半になり、電気が回復した。

 

電気の光がともると、「文明とは、いいものだな」と思った。ホッとしたのでだった。

 

ようやく、歴史に残る、ニューヨークのブラックアウトは、終わったのであった。

 

佐藤則男

 

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無題

筆者は、日本に着いた。ほっとしている。何故なら、アメリカに41年間も住み、大統領選挙にのめり込み過ぎたと思っていた。特に、今回の2016年の大統領選挙があまりにも小さなスケールの大統領選挙で、それにすっかり取りつかれ、疲れたと思っていたところであった。日本で少し、アメリカの大統領選挙を冷静に見ることにしたい。

 

このドナルド・トランプとヒラリー・クリントンとの大統領職を争っての戦いは、アメリカの政治選挙ではなく、如何に選挙民が気に入ることを言うか、と言うことになると思うのである。つまり、ますます衆愚政治化していると思うのである。

 

トランプが、これまでの人種差別的な発言を改め、「1100万人の不法移民を見つけ出し、本国に強制送還する」と豪語していたが、今になって、それを撤回するような発言に切り替えている。

 

新しい選挙参謀を迎え、スタッフを一新した途端、これまでとは、180度方針を変えるのではないかとも受け取れる。これまでの主張は、さらに、変化していくと思うが、その効果が問題である。

 

トランプにとり明るいニュースもある。ヒラリーと現時点で、世論調査では、全国レベルで、その差を5.3パーセントまで縮めたことである。つい先週は、7パーセント近くまで引き離されていた。軌道修正を行ったせいかどうか、まだはっきりしない。筆者は、ヒラリーにその原因があるのではないか、と見ている。

 

ヒラリー病気説

 

ヒラリー・クリントンに暗雲がまた立ち込めようとしている。それは、ヒラリーが脳水腫、水頭(症)にかかっており、時々倒れることがあるというのである。この問題を共和党が問題にし、トランプが、ヒラリーの健康状態を挙げ、そんな病気で大統領職に就こうとするのは、あまりにも無責任と言い始めたのである。

 

送えば、ヒラリーは、一にキャンペーンすると、一日ないし二日休むという。トランプに比べ、テレビに映る映像が圧倒的に少ない。筆者は、それはヒラリーの病気のせいである、と言う情報を聞いていた。

 

筆者は、医師でないから、ヒラリー重病説には、何とも言えないが、問題は、ヒラリーがもはや脳水腫, 水頭(症)にかかっている可能性は高く、大統領として、その健康状態で任務を遂行できるかどうかである。トランプが言うように確かに重要である。

 

この問題をトランプは、今は、ほのめかす程度であるが、これを使い大々的な攻撃し始めると、ヒラリーにとっては難しい問題となると思う。これまで、大統領選候補で、致命的な健康問題を持っていた人はいなかったと思う。

 

まず、トランプは、すでに発表されているヒラリーの健康診断書が何か操作されているのではないかと疑っている。そして、もし、このトランプの再診断の要求が世論を動かし、通るような事態になれば、事は重大な動きになる可能性は十分あると考えられる。

 

相手候補の健康問題を突くのは、極めて紳士らしくないことで、普通の候補は、控えるだろう。そんなことをしたら、逆に選挙民に軽蔑されることになるからである。特に相手候補が女性であった場合、なおさらそうであろう。

 

しかし、トランプとヒラリーの場合、情勢が異なるのではないか、と思われる可能性がある。両方とも、ネガティブに見られている候補で、少しの弱点が、何十倍にも増幅されるのである。特に、ヒラリーは、「嘘つきヒラリー」で通っている。もし、重病にかかっているとしたら、「自分の健康にまで、嘘をつくのか。大統領になって、病気で倒れたら国はどうなるのか。あまりにも無責任だ」と、既にそのような発言をしているトランプに急速に、しじが流れる可能性もなきにしもあらずであろう。

 

しかし、多くの中立的見方をする専門家は、それを信じない。それでは筆者はどうかと言えば、3割程度の確率でそう見ている。

 

共和党テレビ局と言われるFOX News Channelのエリック・ボリングなど大々的に、ヒラリーは、健康診断書で嘘をついている、と言い出した。トランプは、ヒラリーは、そんな弱い体で、大統領職が務まるかと言い出した。

 

他人の健康にかかわる問題でセンシティブな問題である。トランプはこれをどう使うのか。注目しなければならない。

 

ヒラリーは、大統領になって、自分に万が一の時のために備えて、副大統領候補にティム・ケインを選んだと言う説を筆者は、民主党の元ストラテジストだった友人に聞いている。ケインは、市長から始め、知事になり、上院議員になった人物で、政策能力はあり、統治能力抜群の人物なのである。同時に、外交にも優れている人物である。

 

ヒラリーは、選挙に強いという判断だけで副大統領候補を選ばなかった。十分に国の統治能力のある人物を副大統領候補に据えたのであった。

 

それも、これも、ヒラリーは、健康上の理由から、わけあって、ケインにしたのではないか、と筆者は考える。

 

今後の展開

 

正面から、トランプは、自分の世界観、価値観に基づき、ヒラリーと戦えないことは、自明の理である。トランプは、何も公僕として、仕事を経験していないトランプと言う人物がホワイトハウスにファーストレディとして、8年、その後上院議員を務め、4年間国務長官役を終えたヒラリーと政策面でやりあえたら、それは大したものである。

 

しかし、トランプは、ヒラリーと政治論争をすることを避けている。そういうトランプがヒラリーと勝負するためには、小さな町でも、市でも市長として経験すればよかったのである。ロナルド・レーガンは、映画スターであったが芸能人の労働組合長、カリフォルニア州知事などを経験している。トランプの場合は、何も政治経験がないのである。だから、愚かな演説し、失態を招くのである。

 

このトランプは、一人しゃべりはできるが、一人前に討論はできない。

 

できることは、ヒラリーを中傷に近い過激な批判をし、大衆に信じ込ませ、反ヒラリーを扇動しようとしてきたのである。そのためには、手段を選ばなかった。デマを飛ばし、やりたい放題、言いたい放題、ヒラリーを叩きに叩いてきた。ヒラリーに関して、相手を紳士的に立て、西欧的騎士道精神にのっとり、ポジティブなことは一言も言ったことはない。また、世の中を不必要に暗く見せ、8年間のオバマ政権の下で、アメリカの力は落ち、アメリカの威信も落ち、国力が弱まったと説いてきた。選挙民を「不安に導いてきた」のである。「不安と恐怖への扇動」であったと思う。そこで、自分を救世主に仕立てるのであった。

 

その作戦は、見事に失敗した。選挙民は、「悲観主義」より「楽観主義」を買うのである。

 

筆者の予想であるが、今度の新しい選挙参謀は、この「悲観主義」から「楽観主義」へと変化させると思う。もうすでに、それは、第一日目から始まっている。

 

さすが名うての名選挙参謀である。

 

どうやら、「ヒラリー優勢は動かないと思うが、地滑り勝利の可能性は薄らいでくるのではないか」と元共和党ストラテジストで筆者の友人であるフレッドは言う。

 

「トランプが最近の失敗戦略を使わなかったなら、ヒラリーとの戦いは、もっと接戦になっていたと思う」と。

 

ヒラリー・クリントンには、さらにうっとうしい問題が浮かび上がっている。クリントン財団が寄付金をもらった人たちである。悪い人たちがリストに入っている。サウジアラビア王家から、1000万ドル、全ウクライナ大統領の義理の息子から、500万ドル。この人物は、ジャーナリストを殺したと言われている人物である。

 

ヒラリー・クリントンは、国務長官時代このような人たちと付き合っていたのである。ヒラリーは、いつもそうなのであるが、金のスキャンダルが絶えない。嘘つき、と言われることは、アメリカ社会では、実に大きな重みを持つのである。

 

佐藤則男


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日本に着きました。来る途中、飛行機の中でエッセイを書きました。時間潰しにお楽しみいただければ幸いです。

 

今、飛行機の中です。JAL005便です。リオのオリンピックで活躍した体操選手がたくさん乗っています。飛行機は満員です。

僕は、祖国日本に向かっています。日本、それは、世界で最も平和な国。しかし、「ひ弱な花」と、元国家安全保障補佐官のブレジンスキーは言いました。そして、「アメリッポン」という言葉を使い、日本がどれだけアメリカに依存しているか。日本とアメリカが密接な関係にあることかを説明しました

僕は、直接、その話をドクター・ブレジンスキーから聞いた時、日本を知りました。それから何年経つでしょうか。その間、仕事で、ドクターに何回も会い、多く学びました。何回か厳しく叱られたこともあります。

僕は「変わらない祖国」日本に向かっています。日本は大きく変わらないのです。それゆえ、先進国の中で、最も安定した国なんでしょう。

トランプのような人は過去には、現れましたが、もはやそんなことはないでしょう。

今回は、日本でいろいろな方がアにお会いし、思い切って日本側からアメリカの大統領選挙を見たいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

日本まであと6時間以上ある。41年前,ニューヨークに渡った時の飛行機は、ボーイング707であった。当時は、まだ、ニューヨークまで、直行便はなく、アラスカ経由であった。アンカレッジ空港と飛行機の中から見たものすごい迫力と神秘的なオーロラの光の流れを見た。
「アメリカよ,僕にチャンスを与えてください」と、思わずオーロラに祈った。羽田空港で別れた家族を思うと、涙で目が一杯になった。母の病気が気になった。手のこぶしで涙を拭った。「必ずやる」という決意が体中にみなぎった。思い切ってやり、とことんやり抜くことを自分に言い聞かせると勇気が湧いた。
大国アメリカ。チャンスの国アメリカで自分を試す、というより、自分の全てをかけようと思った。日本への帰りの切符はないと思った。実際持っていなかった。そして、日本で行き詰まり、それしか生きようのない自分を強く感じていた。


ニューヨークに着くと,そこは、古い高層ビルとゴミの山,そして、裏路地は猫のように大きなネズミがゴミをあさる都会であった。僕はただ茫然とするだけだった。
41
年前の出来事であった。

 

日本まであと3時間。何回、ニューヨークと東京を往復したであろうか?41年間、50回位かなあ。しかし,決して慣れっこにならない。毎回,リフレッシュする。
そして、思う事は、自分は日本人である事、そして祖国日本を愛している事、日本人である事に誇りを持っている事である。それだからこそアメリカで生きられるのだと後で学んだ。
アメリカ人は、よその国から来た移民であるから、皆祖国を持っている。そして、自分の祖国を愛し、誇りに思っている。だから、彼らは、祖国を愛さないで、誇りに思わない人を尊敬しない。
アメリカから、そんな事も学んだ。
「アメリッポン人」それが僕だと自負したら、ドクター・ブレジンスキーは、きっと笑うと思う。僕は、ドクターに会うと、父親のような気がした。

 

以上、飛行機の中で、iPadで書き、Facebookに載せました。勿論、後で編集しました。

 

佐藤則男

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ヒラリー・クリントンに暗雲がまた立ち込めようとしている。それは、ヒラリーが脳水腫、水頭(症)にかかっており、時々倒れることがあるというのである。この問題を共和党が問題にし、トランプが、ヒラリーの健康状態を挙げ、そんな病気で大統領職に就こうとするのは、あまりにも無責任と言い始めたのである。

 

筆者は、医師でないから、何とも言えないが、問題は、ヒラリーがもはや脳水腫, 水頭(症)にかかっている可能性は高く、大統領として、その健康状態で任務を遂行できるかどうかである。トランプが言うように確かに重要である。

 

この問題をトランプは、今は、ほのめかす程度であるが、これを使い大々的な攻撃し始めると、ヒラリーにとっては難しい問題となると思う。これまで、大統領選候補で、致命的な健康問題を持っていた人はいなかったと思う。

 

まず、トランプは、すでに発表されているヒラリーの健康診断書が何か操作されているのではないかと疑っている。そして、もし、このトランプの再診断の要求が世論を動かし、通るような事態になれば、事は重大な動きになる可能性は十分あると考えられる。

 

共和党テレビ局と言われるFOX News Channelのエリック・ボリングなど大々的に、ヒラリーは、健康診断書で嘘をついている、と言い出した。トランプは、ヒラリーは、そんな弱い体で、大統領職が務まるかと言い出した。

 

他人の健康にかかわる問題でセンシティブな問題である。トランプはこれをどう使うのか。注目しなければならない。

 

ヒラリーは、大統領になって、自分に万が一の時のために備えて、副大統領候補にティム・ケインを選んだと言う説を筆者は、民主党の元ストラテジストだった友人に聞いている。ケインは、市長から始め、知事になり、上院議員になった人物で、政策能力はあり、統治能力抜群の人物なのである。同時に、外交にも優れている人物である。

 

ヒラリーは、選挙に強いという判断だけで副大統領候補を選ばなかった。十分に国の統治能力のある人物を副大統領候補に据えたのであった。

 

それも、これも、ヒラリーは、健康上の理由から、わけあって、ケインにしたのではないか、と筆者は考える。

 

佐藤則男


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無題

「ヒラリーの地滑り勝利」「トランプ大統領選挙史上最悪の敗戦」などと、118日の大統領選挙投票日まで、80日あまり時間があるのに、早くもヒラリーの勝利を確実視する専門家の予測が当然のように報道されている。

 

その理由の第一は、トランプが極端な位置づけの候補で、アメリカの選挙民のセンターに位置する候補ではなく、右寄り、白人より、男性よりの候補で、偏っていることである。第二の理由は、トランプの性格、資質、テンパーの問題で、大統領として適格ではではないのと言う見方である。

 

確かにこれだけ問題があれば、大統領どころの話ではない。上記専門家の見方は正しい。

 

だが、筆者は、最新の世論調査と調べると、Real Clear Politicsの各社調査結果の平均値では、ヒラリーとトランプの差は、5.8パーセントに縮まってきた。一時は、7.8パーセントもあった。ここまで、差が縮まってきた理由は、次から次へと出てくるヒラリー・クリントンのスキャンダルであることは、確実である。そして、「嘘つき」という不名誉な評判を持っている。

 

国務長官時代のサーバー問題、クリントン財団、4億ドルのイランとの人質取引等、新しい事実が次から次へと飛び出してくる。そのたびに、トランプ陣営が素早くそれらを捕らえ、テレビを利用して、叩き拡散する。

 

これに対して、クリントン陣営は、行動がのろい。そして、致命的なことは、トランプに比べ、ヒラリーがテレビに出演する機会が圧倒的に少ない。このところ、トランプは、3日続けて集会を開いている。そのたびごとに、テレビに現れる。それもテレビを意識して、スタンドプレイを行う。

 

ヒラリーは、このところ、集会を開いたのは一回である。この理由は、筆者はわからないが、ヒラリーがの集会が絶対的に少ないのである。集会を開かなければ、テレビは取り上げないことは、ヒラリー陣営は百も承知である。

 

トランプがよく指摘するのであるが、ヒラリーの体力が弱っているというのである。そういえば、ヒラリーの健康診断結果が真実を曲げているというニュースがあった。ヒラリーは、何か病気を持っているのか?

 

とにかく、これだけ、トランプに比べ、テレビに出演する機会が少ないと、せっかく、党大会でトランプとの差を大きくしても、各社の世論調査が示しているように、追いつかれているのである。

 

忘れてはならないのは、クリントンとトランプの対決は、どちらも、選挙民にとって、ネガティブレベルが高く、ネガティブにより大きく取られている者同士の戦いなのである。どちらも基盤が極めて弱いのである。だから、ほんの小さな動きで選挙民がどちらかに動く。

 

ヒラリーは、この点、十分な注意をしなければならない。いくら世論調査でリードしていても、それはあまりにももろいのである。ちょっとした失言、また、政情が変わってくれば、そのあおりまともに食らえば、いとも簡単に情勢はひっくり返るかもしれない、と考えた方がよさそうだ。確固たるものは何もない、という前提が必要であろう。

 

これから、トランプ陣営の戦いは、徹底的にヒラリーの弱点を猛然と突いてくると思う。

 

選挙は、相手をどれだけ、デフェンシブにさせ、リングのコーナーに追い込むかの勝負である。

 

今度の大統領選挙は、地滑り勝利もあるが、それが転じて、僅少さの勝負になることも十分あり得る、と思う。そうなった場合は、「勢い」のある方が勝つことは間違いない。

 

 

佐藤則男


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大統領選の歴史で、最悪の負け方をするのではないか、言われる劣勢を一気に挽回しようと焦るトランプが、選挙部隊の刷新を図り、最後のばくちに出たと筆者は見る。これまでの選挙部隊を総入れ替えし、ブレイトバート・ニュースのスティーブ・バノンを指揮官に迎えた。

 

このバノンと言う男は、極右翼で、危険な男である。バノンがどんな人間かは、アメリカの政界ではよく知られている。

 

バノンは、元海軍の将校であった。退役後、ゴールドマン・サックスで投資銀行業務を行った経験がある。だから、クリントン財団の内情は、よく知っている。

人気コメディー「となりのサインフェルド」に出資して大儲けをしたと言われている。

 

ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌は昨秋、バノンを特集で紹介した。そのタイトルは、「この男はアメリカで最も危険な政界の仕掛人」と呼んでいる。

 

バノンはブレイトバート・ニュースでワシントンの政界エリートを痛烈に批判してきた。

 

また。フロリダ州では、NPO法人である「政府説明責任研究所」の共同設立者として反クリントン・キャンペーンを展開してきた人物である。この研究所が取り上げたのがクリントンファンドである。クリントン夫妻がクリントン財団と呼ぶ慈善団体を通じて、一体、外国政府や企業からどれだけの金を集めたであろうか。この巨額のカネをどのようにして集めたのか、そのカラクリを暴いた調査報告書を作り上げたのであった。

 

中には、不正確な点もあるが、政界、アメリカの保守派からは、価値ありと言われている。この報告書は昨年出版された。また、映画化されてアメリカ選挙民にかなりの影響を与えたのではないか、筆者は思う。

 

もうお分かりであろう。大統領選挙まで、あと86日に迫っているが、この短期間で、一気に挽回しようとする、いわば、トランプの「最後の作戦」と理解してよいであろう。

 

トランプは、クリントン夫妻自体に、最後の特攻攻撃を行うつもりなのである。バノンの攻撃は、これまでとは異なると筆者は思う。まず、右翼系メディアを徹底的動かすと思う。そして、右翼系メディアを結集し、徹底的にクリントン夫妻を攻撃する。それも、クリントン財団と言う航空母艦に狙いを絞り、最大級の攻撃を加えるだろう、と筆者は予測する。

 

トランプの最後の作戦は、最も危険な極右翼とアメリカの政界が警戒する男の手によって行われるのである。

 

佐藤則男


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注目の「イスラム国テロ小説」とは?アメリカのベストセラーランキングと共に紹介!|ブックレビューfromNY【第9回】

NY在住のジャーナリスト・佐藤則男が紹介する、アメリカのベストセラー事情。元CNNジャーナリストが描く、「イスラム国テロ小説」とは?今注目の一作をピックアップして紹介します。

                                                                                      

BRENY9書影

THE BLACK WIDOW / by Daniel Silva
http://pdmagazine.jp/trend/new-york-review-9/

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BRFNY8

今月のアメリカのベストセラー読書評
<第8回>《エミー賞》に輝くテレビ・プロデューサーが小説家になった会心の作です。「Before the Fall」-Noah Hawlet著
http://pdmagazine.jp/trend/new-york-review-8/
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CNN_Center_studios

アメリカの政治ニュース、分析の討論番組を見ていると、いらいらする。ドナルド・トランプ側とヒラリー・クリントン側の代表者を招き、議論させる。この方法は、「このテレビ局は偏っていない。公平に扱っている」と言う印象を与えたいから、そうするのであることは明白である。

 

お互いのサイドの意見は、それぞれの候補に忠実で、トランプ、ヒラリーを褒め称え、屁理屈を一方的に喋り捲る。このような人たちをSurrogate(候補の代理人)と一般的に言うが、果たして、このような方法は、中立を守り、客観的な報道になるのであろうか。

 

番組を観れば、お互いの叩きっこでのみであり、何の意味もない。「このようなやり方は、最も単純で、公平を視聴者に印象付けるあまりにも容易で、愚かな方法である≫とジャーナリストの友人は、指摘する。

 

この極端な例がCNNである。3人ずつトランプとヒラリー陣営から、論客を呼び、議論させるが、相手の話は何も聞かない。自分の主張を繰り返す。素子絵、相手の発言中に口をはさみ意見をしゃべり、相手を無理やり込めようとする。このような時、筆者イライラの頂点に達する。

 

これほど、フラストレーションの感じる時は、めったにない。エゴの丸出しとはこのことである。また、言葉による暴力とさえ思う時がある。しかし、この「安易な公平の演出」は、FOX News Channelの場合は、「右翼のテレビ局によるリベラルのリンチ」とでもいえるであろう。CNNのように、両サイドから公平に2多雨ずつ出すのはなく、2対Ⅰの不公平出席者なのである。このような番組に出演するリベラル派の論客は、其れなりの覚悟をしているのであろう。まるで、ボクシングの練習の時使うサンドバッグである。一方的にたたかれるだけである。哀れ極まりない。

 

テレビ局がこのようなやり方で、視聴者が公平な番組と感じるはずはないのである。

 

そんなことをするなら、保守とリベラルなジャーナリストや専門家を招き、客観的で、より突っ込んだ議論を交わした番組の方がよりましだと思うのである。

 

Sarrogateたちの番組は、ごめん被りたい。

 

佐藤則男


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無題

アメリカには、24時間ケーブルニュースチャネルが3局ある。そして、右と左に分割されているアメリカの視聴者を奪い合う。彼らの視聴率争いはし烈である。しかし、右寄り、と言っても、極端に右寄りであるが「共和党テレビ」と言われるFOX News Channelは、競争相手がなく、右寄りの視聴者を独占している。

 

左寄りは、CNNMSNBCである。とくに、MSNBCは、極端に左寄りで、民主党、特に強いリベラル派チャンネルである。CNNはリベラルであるが、うまく中立を保とうとしているが、それが、災いして、視聴率を稼げないのではないかと筆者は思う。

 

視聴率では、FOX News Channelが断然トップで、プライムタイム番組で172万人に視聴者を持ち、平均107万人である。

 

CNNは、それぞれ535,000人、466.000人、MSNBCは、それぞれ、315,000人,85,000人である。

 

如何に、極端に右寄りのFOX News Channelの力が強いかわかるであろう。しかし、このニュース局を視ていると、その「右寄り」の異常さに気が付くであろう。この局の放送内容には、独特の雰囲気がある。ニューストークショーのホスト、ホステスは、一様に右寄りの立場を取り、ゲストとしえ招いたリベラル派の出演者を強烈に質問詰めにし、やり込める。リベラル派のゲストは、何のために出演するのか、筆者は、疑問にさえ思う時がある。

 

さて、前置きが長すぎた。これらのケーブルニュース局のトランプとヒラリーの報道の仕方が、アメリカの選挙民を実によく表しているのである。

 

ビル・オライリーとショーン・ハニティなどのレギュラーの男性キャススターと、いつもかっこいい、ミニスカートのよく似合う女性の司会者を立ててニュース番組をやるのであるが、必ずトランプを良く言い、ヒラリーを悪者にする。彼らは、何かあっても、ヒラリーを悪者にするである。

 

報道に客観性などはひとかけらもない。司会者のインタビューを聞いていると、リベラルのゲストが出演した時などは、出演者の言葉を曲げ、必ず、ヒラリーを攻撃し、不利にする方向に力で導くのである。

 

一方のリベラル局の方はどうか、と言うと、CNNは、トランプ側とヒラリー側を同人数登場させ、議論を行う。しかし、司会者は、ヒラリー側である。だが、筆者にとっては、FOX News Channelと直接戦わねばならない、CNNのはるかに良いと思う。

 

このように、アメリカは、選挙民がメディアを真っ二つに割っているのである。メディアが割っているのではないか、と思うであろうが、メディアは、視聴率稼ぎに、選挙民を調査し、選挙民の市場特性を調べ、マーケットセグメントを決め、視聴率獲得のための効果的な戦略をとっているのである。この意味では、メディアが割れている選挙民を利用しているといえる。

 

だから、ニュースメディアは、社会をリードするものではなく、社会を扇動するものととらえた方がよさそうである。

 

 

佐藤則男
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Donald_Trump_August_19,_2015_(cropped)

ウオールストリート・ジャーナル紙が、トランプの大統領選に関し、注目すべき社説を掲げた。

 

95日のレーバーデイまでに、トランプが人を責めることをやめ、大統領らしく振舞わらなかったら、共和党は、トランプを大統領選候補として、取り消し、マイク・ペンス副大統領候補を大統領候補とすべきだ、というのである。原文は、以下に示してあるとおりである。

 

共和党を支持する有力なウオールストリート・ジャーナルの社説である。かなりのインパクトがあるものと思う。こんなことは、前代未聞のことである。さあ、共和党はどうするのか?

今、トランプを切る勇気はあるか?

 

If they can’t get Mr. Trump to change his act by Labor Day, the GOP will have no choice but to write off the nominee as hopeless and focus on salvaging the Senate and House and other down-ballot races. As for Mr. Trump, he needs to stop blaming everyone else and decide if he wants to behave like someone who wants to be President—or turn the nomination over to Mike Pence.

 

佐藤則男 


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ヒラリートランプ

何という大統領選挙になってしまったのであろうか?論争はあるだろうが、世界で政治、経済の分野で、最も影響力の大きいと思われるアメリカが、このような最高司令官を選ぶ選挙をやっていてはいけない、と思う。こんな無様なアメリカの大統領選挙は、41年間アメリカで暮らし、大統領選挙を見て来た筆者は、残念でたまらない。

 

これだけレベルの低い大統領選挙になったのは、トランプと言う人物の扇動に、反ワシントン政治体制の感情が頂点に達している一般大衆が動かされたことが第一の理由であことは明白であろう。多くのアメリカ人がこの、見方賛成するだろう。しかし。トランプの正体が見えるに従い、選挙民は混乱に陥っている。なぜ、このような人物を最後まで、戦線に残したか。

 

だが、トランプだけが悪者かと言うとそうとばかりは言えない。民主党候補のヒラリー・クリントンもスキャンダルまみれである。アメリカの選挙民も、トランプがだめだからと言って、簡単にヒラリーに投票するわけにはいかないのである。今の状況は、明らかにヒラリーが有利であるが、クリントン財団のスキャンダルが浮上して来ている。この事件は、クリントン財団が外国から寄付金をもらったとか、それがヒラリーが国務長官だった時期に、国務省で話し合が行われた、と言うスキャンダルである。これ事実と判明されれば、ヒラリーは、突然ピンチに追い込まれそうである。中国から、金がクリントン財団に入っているという噂は、以前からあった。

 

筆者は、なぜクリントン夫妻が金に大きな興味を持っているか、そして、それに執着するのか、その理由がわからない。権力に対する欲求があまりにも強く、そのためには、金が必要なことはわかるが。

 

さて、大統領選挙そのものもそうであるが、それを報道するアメリカのニュースメディアにも、筆者は、がっかりしている。筆者は、アメリカのジャーナリズムをウオッチしてきた。特に、そのような態度で臨んだのは、筆者は、コロンビア大学ジャーナリズムスクールが発行しているColumbia Journalism Review誌を12年間に渡り、手伝った。この雑誌の目的は、「ジャーナリズムがジャーナリズムをウオッチし合う」と言うことである。筆者は、この信念こそ、社会で重要な役割を果たすニュースメディアに必要であると今でも信じている。ニュースメディが自力で、民主主義の理念である言論の自由を守り、責任を持って、真実の報道を追求しなければ、社会は、正常に発展しない、と言う立場を筆者は信じている。批判はあろうが、筆者の考えるジャーナリズム観である。

 

その意味において、今回の大統領選の初期段階、つまり、共和党の予備選が始まった時期から、アメリカのメディアは、トランプに対し、責任ある任務を果たし、正しい行動をとったであろうか?テレビも新聞も雑誌も、あまりに無批判にトランプの言うことを報道してきたのではないだろうか、と強く思う。

 

この背後には、コマーシャリズムがある。メディアも売れなければ話にならないのである。「トランプを生で、放送すれば視聴率は上がる」と踏んだのではないだろうか?実にテレビ局の単純明快な態度であり、アメリカ社会にとっては当然のことである。

 

アメリカの大衆は、テレビに毎日、毎時間のような流されるトランプが大観衆を集めての集会を無制限に放映し、一般大衆は、トランプの「テレビショー番組」に酔った。トランプの話術と茶目っ気委のある態度、そして、普通の政治家にはない、カジュアルな「大衆語とゼスチュアー」に夢中になった。この面では、トランプはコミュニケーションの天才なのかもしれない。ワシントン政治に飽き飽きしていた大衆、特に白人ブルーカラーは、トランプの大きな波のうねりに乗り、トランプ支持に馳せ参じたのであった。

 

トランプがどんなビジネスをやり、どんな方法で大金を儲けたビジネスマンであることも知らないで、盲目的にトランプ支持に走ったのである。トランプは、大衆の言葉を知っていた。それを巧みに使ったのである。

 

ニューヨークタイムズが、7月にトランプのビジネス、ビジネスのやり方を報道した時は、すでに遅かったのである。トランプは、税金を払ったかどうかも分からないし、倒産法を有利に使い、金もうけをした、という見方が多くある。そのために、債権者として、泣き寝入りをした企業は多い。

 

トランプは、7月の共和党大会で、指名代表と正式になったのであった。トランプの正体が一気にあきらかになったのであった。しかし、大衆と、特に社会で人生が行き詰っている大衆は、その認識を拒んでいるのではないかと筆者は考えるのである。トランプが単独でそのようにビジネスで成功した事実のみを見ているのではないだろうか、と思うのである。だから、政治でも同じことができると思い込んでいるのではないだろうか。筆者が知る限りでも、そのような共和党支持者は、沢山いる。

 

その第一の理由は、民主党候補のヒラリー・クリントンに対し、底知れない嫌悪と憎悪を持っているのである。これには、筆者は、啞然としてしまう。あまりにも強い嫌悪、憎悪なのである。どうやったら、人間ここまで、嫌われるのかと思うほど強いのである。

 

筆者も一時は、ヒラリー嫌いであったが、そのような嫌悪感を捨て、政治家として、また、大統領候補として、ヒラリーを見れるようになった。それは、同女史にほんの一瞬会い、言葉を交わした時からであった。思ったより、腰の低い人物であった。さらに彼女のイエール大学ロースクール時代の友人に話を聞いた。評判は良く、多くの学生に信頼されていた、と言うことだった。

 

ヒラリーは、筆者が特別に褒め称える女性ではないが、アメリカの大統領として、十分資格はある人物だと思う。また、トランプに比べたら、大統領として、尊敬できる人物だと思う。それは、アメリカ史上、初の女性大統領ではなく、普通の大統領選候補としての見方からである。

 

これまで、民主党の大統領選候補のカーター、ビル・クリントン、アル・ゴア、オバマなどに比べ、劣る人物とは思わない。大統領になれば、尊敬を受ける大統領になると思う。共和党議会からも、尊敬される大統領になると思う。

 

但し、条件付きである。今後現在のスキャンダルが大きくならず、新しいスキャンダルが出ない、という前提である。

 

一方のトランプは、率直に言って、大統領の資格はないのではないか、と筆者は考える。トランプの数々の言動は、多くのメディアやジャーナリスト、専門家が批判する通りであると思う。何も内容がないし、大統領としての知識、風格、能力がないと筆者は、つくづく思う。

 

この人物をアメリカの選挙民が大統領に選ぶことは、アメリカ国家に関し、世界の人々の信用にかかわる問題になると思う。

 

このことを報道することを控えている共和党テレビと言われているFOX News Channelのニュースメディアとしての資格も疑わざるを得ない。

 

トランプは、自分の支持が沈んでいく理由は、リベラルメディアにあるとし、信じられない軽蔑用語を使い、メディアを非難している。かつては、無制限に自分を報道してくれた、テレビ局を否定しているのである。

 

現状は、ヒラリーがReal Clear Politicsの各社世論調査を集めた平均値でヒラリーが6.8パーセントリードしており、大統領選に勝つために必要な激戦区で、ヒラリーが大きくリードしている。

 

繰り返すが、この差が縮まる可能性は、ヒラリーのスキャンダルの発覚次第であろう。その確率は、小さいと思う。50パーセントもないであろう。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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「馬鹿じゃなかろうか?」と筆者は、思わず叫んでしまった。共和党大統領候補のトランプがペンシルベニア州で演説し、狂ったように次のように叫んだ時である。

 

「ここにこんなに沢山の私の支持者が集まっている。もし、ペンシフべニアでヒラリーが勝ったら、それは、ヒラリーのチーティング(インチキ、ごまかし)だ」と大声を上げたのである。

 

いつものように大勢集まったトランプの大集会である。テレビ中継のため、トランプ陣営がオルグした集会である。トランプは、その大集会を利用したのであろうが、いくら多く自分の支持者を集会に集めたところで、それがなぜ選挙の投票でそのような結果が出ると思っているのであろうか。馬鹿、とした言いようがないが、もちろんそれは作戦である。自分の集会のパワーを盛り上げるためであろうが、何と、ばかげたことのなるか事前に想像もつかないのであろうか。そんなこと言ったら、馬鹿と見られるのがわからないのであろうか。

 

ヒラリーが今日、税金の申告書を発表した。トランプはそれを拒み続けているが、過去40年の大統領選挙において、共和党、民主党共に税金の申告書の発表を拒んだ候補者はいない。ヒラリーの公表は、トランプにとり大きなプレシャーになるだろう。

 

筆者は、トランプは、決して税金申告書公表しないと思う。何故なら、トランプのずるい金もうけの方法がばれてしまうからであろう。ウオールストリートの筆者の友人は、「税金は一銭も払っていないと思う。そして、収入金額が少ないと思う。大富豪トランプの金額はそこにはないと思う」と語る。なんとなく、筆者もそのように思う。

 

白人ブルーカラーを中心とした、反ワシントン政治体制への不満がまだ強く続いているので、トランプ支持は、まだ強い。しかし、激戦区では、クリントンとの差が目立つところも出てきた。しかし、選挙民の間には、トランプしか改革はできない、とい信念から、まだ、根強いトランプ支持がある。後、大統領選挙の投票日まで、90日弱ある。

 

トランプの逆襲のチャンスがあるか、ということであるが、悲観的であろう。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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共和党全国委員会のレインス・プリーバス議長が、トランプに対し、「これまでのような不埒な選挙キャンペーンを改めなければ、共和党の選挙運動の中心を大統領選挙から外し、議会の選挙に力を注ぐ」と言ったようである。

 

このことは、トランプにとり、大きな意味を持つ。しかし、トランプには、自分のやり方を変えるという意志はないのだろうか?

 

また、とんでもないことを言った。「ISISの創始者は、オバマ大統領であり、その副創始者は、ヒラリーである」と発言したのである。その理由は、イラクから早く兵を引き揚げたからだ、と言うのである。

 

こんな論理が通ると思っているトランプに、さらに、大統領としての資格が問われる。もともとイラク戦争を始めたのは、ブッシュ共和党大統領であり、戦争を勧めたのは、チェニー副大統領が率いるネオコンであった。そして、イラクの国の復興に失敗し、様々な内戦を経て、現在のような泥沼の状態になったのである。

 

どこに、オバマ大統領とヒラリー・クリントンがISISを創った張本人と言える根拠があるのであろうか。このような言いがかりをつけ、世論を反ヒラリーに動かそうとするのであるが、このようなでたらめな動きは、逆効果である。バカにされるばかりである、共和党にとってはマイナスである。ポール・ライアン下院議長は、即刻辞めるよう注意した。だが、若いライアンの言うことを聞くトランプではない。

 

トランプは、キャンペーンのテーマを失っているのである。それは、自分が大統領になる目的を失っていることを意味するのである。ヒラリーのミステークが出てくると、それをテーマにして叩くのである。

 

トランプが勝つとすれば、このケースだけである。つまり、ヒラリーの致命的なスキャンダルが出てくるケースが起こるときのみ、トランプのチャンスが出てくるであろう。ヒラリーにそんなスキャンダルがあるであろうか?

 

今、クリントン財団に疑いがかかっている。ヒラリーが国務長官だった当時、外国からの寄付金の話が入っていた。その寄付金を出す人たちは、国務省内で会議をすることを望んだ。実際、その会議が行われたかどうか、知らないが、それが国務省内で話されていたら、まさに不適当である。この件に関し、今年初めにFBIが捜査したが、司法省が「何もなし」と結論付けた。司法長官は、ビル・クリントンと懇意である。

 

このように、ヒラリー・クリントンに関しては、夫のビルとともに、金のスキャンダルが絶えない。この夫婦に何が問題なのであろうか。そんなに金が欲しかったのであろうか?通常の人から見て、やはり、行政に携わる人として、公僕として異常である。そして、正直に説明しないから、「嘘つき」と言われてしまう。

 

今、選挙民の中で大きな問題となっているのは、「トランプとヒラリーのどちらかを選ばねばならないという状況は、大きなジレンマ」と言うことなのである。どちらも選びたくないのである。

 

だが、いかなる状況であっても、この二人のうち、どちらかを選ばねばならない現実がある。リベタリアン党、グリーン党など第三の党に投票することは、票を捨てるようなものである。

 

今、アメリカ国民は、否定の上に、さらに否定を載せ、あと大統領選挙まで、残された90日弱の間に、投票を決めなければいけないのである。

 

そして、命取りとなるスキャンダルが出てくるのかどうか?

 

それまで、アメリカの選挙民は、メディアが伝える毎日のゴシップニュース、スキャンダルニュースの報道に翻弄されるのである。

 

そのように選挙民が不快な報道で踊らされれば踊らされるほど、テレビ局は視聴率を上げ、儲かるのである。

 

佐藤則男

ニューヨーク
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トランプ222

今回の大統領選挙には、あきれるばかりである。「ゴシップ選挙」「スキャンダル選挙」で、「タブロイド選挙」と言わざるを得ない。毎日、新しいゴシップ、スキャンダルでメディアは、ここぞとばかり、にぎやかに報道する。メディアは右と左に分かれているから、この様相が端的に表れる。

 

テレビメディアは、ひどいの一言である。トランプ側、クリントン側の味方のコメンテーターを出演させての番組である。がなり立てて、怒鳴り立ててて、言い争いをさせるだけである。このような方法で、放送局の中立を保っているというのであれば、それは、間違っている。報道とは、真実を追求して、それを報道することで、そんなことでは、安易な中立、ごまかしの中立を築くだけである。

 

もし、これで、ケーブルニューステレビ局が熾烈な視聴率競争を演じているなら、迷惑なのは、視聴者である。ただ、彼らの勝手で無責任な発言を一方的に効かされるだけである。筆者は、このような何も達成しない、単なる言い争いの番組になると、チャネルを変える。

 

テレビや新聞と異なり、面白いのは、巷の人々の会話である。

 

筆者は、行きつけのアイリッシュレストラン兼パブに行った。顔なじみのオーナー、ジミー、そして、客が二人加わり、話が始まった。その客の一人は、元ブローウエイの女優で、同時に弁護士だった女性であったKさんである。

 

Kさんが「トランプが大統領選から、離脱する可能性が出てきた」というではないか。みんな顔を見合わせて驚いた。その理由は、「トランプが負けることが嫌いである。負ける可能性が高まった以上、離脱し、共和党は新しい候補を立てなければならなくなる」というのである。しかし、現実に、それは不可能であるという結論に達した。

 

今度は、ジミーが「FOX News Channelは、ヒラリーがオバマが暗殺されるといった」と問題にする。確かに、2008年の大統領選予備選で、ヒラリーは、そのような意味のことをオバマについて、言ってしまい、謝罪している、と筆者は言った。みんな覚えていた。

 

ヒラリーが、今、オバマ大統領の力を得て、優位に立っているのにもかかわらず、そのような発言をすることは、意味をなさないのである。それは、共和党テレビ局と言われるFOX News Channelのデマゴーグなのである。

 

次は、クリントン財団が外国から巨額の寄付金を得ているというスキャンダル。クリントンの国務次官当時のメールにベンガジテロ事件に関連していて、そのテロ事件で殺された領事館員の親が訴訟を起こした、とか、何の証拠もないスキャンダルを次々に報道するメディア。

 

ヒラリーが大統領になれば、銃の保持を認めるアメリカの憲法のセカンドアメンドメントは、取り除かれ、銃で自分を守れなくなる、などとトランプは発言し、共和党の下院議長であるライアンは、「行きすぎだ」と公言する。

 

これらのスキャンダルが上がり次第、大げさに、カジュアルにトランプが飛びつき、大集会でしゃべる。それをまた、テレビが派手な映像で報道するというような状況で、「タブロイド版大統領選挙」は燃え上がるばかりである。

 

そして、トランプは、報道陣にそれらのスキャンダルを突っ込まれると、自分のミステークは一切認めず、今度は、メディアを非難する。トランプにとっては、自分は正しくて、他が悪いのである、という論理である。

 

こんなレベルまで落ちたアメリカの大統領選挙である。このようなアメリカにいつからなったのであろうか。

 

白人ブルーカラー層が選んだトランプ、それを認めることができない共和党。白人ブルーカラー層と共和党が創った亀裂が大きな原因と思われる。もっと言うなら、共和党幹部は、トランプを大統領選指名候補にするつもりはなかったのである。すべては、ここから狂ったのである。

 

行きつくところまで、行かなかったら、収まらないのであろう。異例ずくめの大統領選挙である。

 

佐藤則男

ニューヨーク
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hillary-clinton-donald-trump

どうやら、トランプの大統領になりたい、という野望が極めて実現困難な状況になって来ているようである。

 

筆者は、昨年夏、拙著「なぜ、ヒラリー・クリントンを大統領にしないのか?」を執筆中、トランプが急速に浮上したトランプの勢いは消え、他の候補が出てくるだろう、と予測したが、それが見事に外れたのであった。筆者の予測の狂いの原因は、アメリカの低学歴の保守的な白人ブルーカラーの反ワシントン体制の強さを読み誤ったことが挙げられる。

 

しかし、それは、アメリカのメディアも読めなかった。そして、まさか、トランプが共和党の指名代表になるとは、昨年の夏時点で、予測することは、たいていのアメリカのジャーナリストは不可能であったと思う。筆者の思い当たるところ、トランプの共和党指名代表を読んでいたジャーナリストには、実態的にジャーナリストも記事にも遭遇しなかった。

 

しかし、ようやくトランプを持ち上げた学歴の低い白人ブルーカラーのやみくもな反ワシントン体制のフィーバーが収まりつつある。

 

また、大統領選挙で大きなファクターになる大学生を中心にした若い選挙民は、トランプと同調せず、民主党のサンダース候補に流れたのであった。もしも、このヤングたちがトランプと結びついていたら、彼らがオバマに示したような大フィーバーが起こっていたであろう。トランプは、あくまで、学歴の低いブルーカラー労働者が支持の中心であった。

 

トランプは、そのようなブルーカラーの扇動に成功した。そのようにトランプに扇動されたブルーカラー労働者は、一時は、トランプの導くところが自分たちの繁栄への道、考えたのであろう。しかし、今は、彼らも立ち止まり、自分たちが選んだ指名候補、トランプを真剣に考えていると思う。我々の見方、トランプを大統領にしたい、という彼らの夢も消えるのではないか、と疑問を抱き始めたと予測する。

 

そして、大金持ちのトランプと自分たちの違いをどっしりと感じさせられるときも来ると思う。彼らとトランプが結びついているのも奇妙な話なのである。

 

そして、そのようにして大統領選指名候補になったトランプとエリート共和党幹部、伝統的共和党の重鎮、熱心な共和党員とはかけ離れた存在であった。ここにトランプを孤立させ、よけい大統領としてふさわしくない人という存在にしつつあるのではなかろうか。

 

新しいデータが出た。ニューヨークタイムズとCBSの調査であるが、トランプを支持する共和党の女性は、73パーセントで、これまでの共和党候補よりはるかい低いことである。ロムニーは93パーセント、マッケインは89パーセント、ブッシュは93パーセントであったとのことであった。

 

女性は比較的、投票率が良い。この女性の支持を失うことは、極め大きなファクターになる。

 

これまでの大統領選候補より、20パーセントも低いのである。そして、彼女たちの中で、ヒラリー支持に回る人も結構いるとのことである。この数は、ダブル効果となって、ヒラリーを有利な方向に持って行く。

 

ヒラリーは、調子に乗り、共和党をターゲットに広告戦略を打っている。ヒラリーのこんなそつのなさが嫌われる原因の一つなのであるが。筆者がヒラリーキャンペーンチームのメンバーなら、この作戦は反対すると思う。もっと正々堂々とした論戦、例えば、中国、ロシアなどを交え、どういう世界観で世界を導いていくか、などという、アメリカ大統領が取り組まなければならない議論を展開し、トランプをやり込める戦略をとる必要があるのではないか、と思うのである。

 

堂々と、本論でトランプを打ち負かすという戦略のほうがアメリカン選挙民に対して必要だと思うし、世界にアメリカの存在を示すうえで必要なことだと思う。いつまでも、トランプと不毛のつまらぬ論戦をしていては、アメリカの恥だと思う。

 

まさに、「ゴシップの選挙」で、「タブロイド版大統領選挙」だと思う。

 

佐藤則男

ニューヨーク

 


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各社の新しい世論調査結果が出されるたびに、ヒラリー支持が上がり、トランプが落ちるという傾向が続いている。調査によっては、クリントンのリードが二ケタになっている結果もある。今のところ、Real Clear Politicsの平均値は、クリントンの7.4パーセントのリードである。

 

これで、明確になっていることは、このクリントンの7.4パーセントのリードは、普通、大統領選では、安全圏であり、こんな早い時期にこのような結果が出ることは、珍しいことである。


この2週間ほどのトランプの行動、言動を見ていると、わざわざクリントンの勝利を助けているようにさえ思える。

 

ペンシルベニア州やオハイオ州、フロリダ州など、勝敗のカギを握る激戦区でも、同じような傾向が続き、トランプが激戦区でリードしている州はなくなった。驚くべきことは、共和党が絶対的に有利であるはずのジョージア州でもクリントンがリードを奪ったことである。赤い州から、青い州へと変えつつあるのである。この原因は、増え続けるラテン系の人口である。トランプは、ラテン系に全く人気はない。

 

トランプにさらに不利なことが起こった。女性共和党議員として力のあるスーザン・コリンズ上院議員がトランプ不支持を発表したのである。女性票獲得を狙っていたトランプには、誠に痛いことであろう。コリンズ上院議員は、共和党であるが、メイン州の選出で穏健派である。やはり、東部の共和党には、極端な右翼はいない。

 

コリンズ上院議員は、トランプを大統領として投票することは、「すでに危険になっている世界情勢をさらに危険にする」という理由から、そう決意したのである。同女史のトランプンに投票しない決定の根拠は、ワシントンポスト紙に載っているので、是非、次の記事をお読みいただければ幸いである。

 

https://www.washingtonpost.com/opinions/gop-senator-why-i-cannot-support-trump/2016/08/08/821095be-5d7e-11e6-9d2f-b1a3564181a1_story.html

 

共和党女性議員のトランプの見方には、厳しいものがある。

 

さらに、同じ共和党で、ブッシュ政権のブレインだった50名もトランプに対する不当票を確認し合っている。

 

いつまでも、共和党と対立しているトランプには、その和解の道筋も立っていない。候補者と所属する政党がばらばらであっては、大統領選挙に勝ちようがない。

トランプを選んだ白人ブルーカラー層と、本戦になると、重要になってくる共和党の間にかい離があるのであるから、どうしようもないと思う。


それでは、こんなに嫌われている日蘭リー・クリントンが大統領になって、アメリカは、うまくいくのか。国がさらに栄えるのか。おそらくそのように考える選挙民は、少ないだろう。

 

佐藤則男

 


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トランプ222

早くも、ドナルド・トランプのアメリカ大統領になるという野望が消えつつあるという記事が出てきている。筆者は、ニューヨークに41年間、大横領選挙を見て来たが、これほど早い時期に、このような記事が出たことは記憶にない。巷の予想では、ヒラリー・クリントンが大統領になる可能性が80パーセントになっている。

 

トランプの最大の問題は、アメリカの大統領職というものがなんであるかを理解していないのではないかと思う。オバマ大統領は「トランプ氏は、大統領として不適格」と明言したが、筆者も否定はしない。

 

説明が長くなって申し訳ないが、American Centerアメリカの大統領の権限として、次のように述べている。

 

大統領の権限

  米国の大統領職は、世界で最も強大な権限を持つ職務のひとつである。合衆国憲法は、大統領は「法律が忠実に執行されるよう配慮し」なければならない、と述べている。この責任を果たすために、大統領は、連邦政府の行政府を統轄する。これは、現役の軍人100万人を含む、およそ400万人から成る膨大な組織である。加えて大統領は、立法と司法においても重要な権限を有する。

 

行政権

  行政府において大統領は、国務および連邦政府の機能を管理する広範な権限を有する。大統領は、規則、規制、大統領命令と呼ばれる指令を発令することができる。大統領命令は、連邦政府機関に対して法的な拘束力を持つが、連邦議会の承認を必要としない。また大統領は、米軍の最高司令官として、州兵を連邦の任務に召集することができる。戦時、あるいは国家の非常時には、連邦議会が大統領に、国家経済を管理し米国の安全を守るための、さらに広範な権限を与えることができる。

  

大統領は、行政府のすべての省庁の長官と、その他多くの連邦政府高官を指名し、上院がこれを承認する。しかし、連邦政府職員の大半は、公務員制度によって選ばれ、能力と経験に基づいて任命と昇進が行なわれる。

 

立法権

  憲法は、「すべての立法権」は連邦議会に属する、と規定しているが、大統領は、公共政策の策定者の長として、立法にも大きな役割を果たす。大統領は、議会が可決したいかなる法案に対しても拒否権を発動することができ、上下両院が3分の2以上の票によってこの拒否権を覆さない限り、この法案は法律にならない。

  

司法権

  憲法で定められた大統領の権限のひとつに、主要な官僚の任命権がある。大統領による最高裁判事を含む連邦裁判所判事の任命は、上院が承認しなければならない。もうひとつの主要な権限としては、連邦法違反で有罪となった者に対して、弾劾の場合を除き、全面的な恩赦または条件付きの恩赦を与える権限がある。現在では、恩赦の権限に、刑期を短縮し罰金を減額する権限も含まれるようになった。

 

中略

 

外交における権限

  合衆国憲法の下で、大統領は、米国と諸外国との関係について主要な責任を負う連邦政府官僚である。大統領は、大使、公使、および領事を任命し、上院がこれを承認する。また大統領は、外国の大使およびその他の外国官僚を接遇する。大統領は、国務長官とともに、外国政府とのあらゆる公式な接触を管理する。時には、大統領は各国の首脳同士が直接協議する会議を行うこともある。

 

  大統領には、国務省を通じて、在外米国人および在米外国人を保護する責任がある。大統領は、新しい国家や政府を承認するかどうかを決定し、また外国との条約交渉を行う。条約は、上院の3分の2の賛成を得て、拘束力を持つようになる。大統領は、外国との「行政協定」を交渉することもできる。これは上院の承認を必要としない。

 

筆者は、アメリカ大統領の大きな権限とその権限に対する責任は重いと思う。トランプは、このような重要な大統領権限を十分理解しているのだろうか。筆者には、はなはだ疑問である。

 

もしそうであれば、あのような無責任な言動、不真面目な態度は取れなかったのではないか、と常識論を持って、筆者は言いたい。テレビでショー番組をやるのではないのである。

 

いつもヒラリーの悪口と汚い批判ばかりでなく、正面から、天下国家を論じてみろと言いたくなる。このまま、大統領選が終わったら、何の意味見ない大統領選となり、アメリカ史上初の女性大統領誕生というメディアのヘッドラインで終わってしまう。

 

お粗末極まりない。

 

佐藤則男


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選挙民が選んだ大統領候補が不適当と判明した場合、その政党の混乱を収めることは容易ではない。今回のトランプが起こしている共和党への影響はあまりに大きい。

 

アメリカの大統領選は、議会の半分の改選も同時に行われる。改選を迎える議員は、普通、自分たちの党の大統領選候補に歩調を合わせれば、それでよいのであるが、今回は、トランプの評価が悪く、現時点で、各社世論調査の集計では、平均値で、6.9パーセントという予想外の差をヒラリー・クリントンにつけられている。

 

それに伴い、議会選候補は、トランプと一線を画さねばならない。それどころか、トランプと距離を置かなければならなくなっているのである。そうでなければ、共倒れなのである。そして、そのトランプ離れを告知しなければならない。そのために何をやるかというと、広告宣伝で、自分は、トランプと関係ないことを訴えなければならないのである。

 

既に、この傾向は、改選を迎えている共和党議会議員の中に、多くいて、特に選挙区で、マイノリティの多いところは、このメッセージをテレビ広告で流さなければならない。本来テレビ広告ならば、自分の主張を述べ、最も効果があるのは、テレビ広告の特徴である。トランプとの無関係を言わねばならないことは、広告費と時間の大きな無駄である。

 

トランプは、そんなことをちっとも気にない風に見受けられる。推薦を拒んでいた改選を迎えるライアン下院議長、マッケイン上院議員などは、それを改め推薦したが、相変わらず、イラク戦争で戦死したカーン夫妻の息子に関して、まだ不適当な発言を行っている。

 

トランプの考え方は、自分に逆らっている共和党のどの議員に対しても敵対行動をとっているように見受けられる。その理由は、明らかに、トランプは、反ワシントン体制を貫き、そのようなワシントンの議員を推薦すれば、自分を選んでくれたブルーカラーの選挙民は、逃げてしまい、大統領本戦を戦う上で、そのような選挙民に見放される。そんなことになったら、大変と考えるのでろう。実に、自分勝手な候補である。

 

そして、トランプ支持層と議会議員支持層とが全く異なるのである。一方は、白人ブルーカラー労働者で、共和党の支持者は、教養の高いどちらかというと裕福な層なのである。

 

トランプの支持層は、教育のレベルも低く、インテリジェンスの低いレベルの人たちなのである。このかい離は、共和党にとり、不幸といえるであろう。共和党の予備選に勝利したトランプの支持母体が、白人ブルーカラー層であるとは、筆者は、最初の段階で気が付き、本来の共和党と大きな矛盾を生むであろうことは、容易に想像ができたのであった。

 

大統領制も一歩誤ると危ないものである。国民が国会議員を選び、その選んだ国会議員が総理大臣と選ぶという議院内閣制の優れたところがあるとつくづく感じるのである。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク


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無題

筆者には、長い付き合いの友人で、ポールという男がいる。ポールは、こちこちの共和党支持で、一時は、ワシントンにいて、共和党のストラテジストであった。ハーバード大学ロースクールの出身で、典型的ともいえるIvyリーグのエリートで、共和党支持らしい男である。現在は、ニューヨークの弁護士事務所に勤めている。

 

久し振りに、ポールと電話で話した。するとどうであろう。事もあろうに、ポールは、民主党に登録していたのである。あれだけ、共和党に熱心な男で、共和党から、州議会に出馬する意欲を見せていた男である。

 

筆者は、興味がったので、その理由を聞いてみた。すると意外な話であった。クリントン陣営から話があり、「民主党支持に変え、我々のキャンペーンに参加していただきたい」という話があったのだそうである。ポールは、躊躇せず、クリントンキャンペーンに身を投ずることを約束したそうである。

 

筆者が「その理由を明確に聞きたい」というと、大体次のように答える。

 

ジョージ・ブッシュが大統領になると、ネオコングループが外交政策と軍事政策を握った。そして、イラク戦争に進んだ。この時は、私は賛成したが、大量破壊兵器はなく、イラクは大混乱に陥った。この責任に対し、共和党は何もしなかった。

 

今回の大統領選挙で、共和党支持者の中心が知的レベルの低い白人ブルーカラー労働者に乗っ取られ、トランプが指名代表となった。トランプの政策、価値観、世界観には、自分と相通じる点は何もない。トランプが核兵器発射のボタンを推す権限を持つことは恐ろしいことである。また、トランプは、共和党の伝統的価値観は何も持ち合わせていない。

 

この危険人物を大統領にしてはならない、と考えた。我が家は、3代に渡り、共和党支持であったが、ここで変わる。後悔はない。

 

という理由からであった。

 

筆者が「ブッシュ政権時代、マイケル・ハイデンCIA長官も。何と、ヒラリー・クリントンのキャンペーン広告で、トランプは大統領になったら、恐ろしい」と言っている。

 

「また、その当時のマイケル・モレルCIA副長官も、ロシアのプーチン大統領がトランプを巻き込み、アメリカを動かそうとしていると忠告を発している。つまり、共和党の重要人物が、ヒラリー陣営と結びつつあると言えるのではないか。あなたもその人ではないのか?」と聞いた。

 

すると「その通りである。共和党内部の国家安全保障の専門家、外交専門家、経済専門家もクリントン陣営の協力要請を受けて、動いていることは確かである」と答える。

 

そして、Republican for Hillary Clinton 2016 (ヒラリー・クリントンの応援をする共和党組織)も組織されている。このグループは、ブッシュ政権のメンバーであたちによって創設されたものである。

 

このように、共和党から、人材がヒラリー・クリントンのところに流れ込んできているのである。

 

共和党支持の選挙民も、ヒラリー支持に回らざるを得ないのが現状である。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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突然、トランプが変身し、ポール・ライアン下院議長、ジョン・マッケイン上院議員、ケリー・アヨット上院議員などをエンドース(推薦、承認)した。

 

これらの共和党の中心人物は、今回の大統領選挙と同時に行われる議会選挙で苦戦を強いられている。トランプのせいであることも間違いない。トランプ場家劇な発言をすればするほど、議会選挙に巻き込まれている共和党議員は、困るのである。

 

同じ共和党のメンバーでも「私はは、トランプとは関係がありません」と立場をはっきりすることにより、票が稼げると踏んでいる候補もいるくらいである。

 

しかし、大統領選指名候補の推薦は、最低必要である。トランプは、これらの議員の推薦を渋っていた。それで、共和党から猛烈な非難を浴びていた。

 

さて、このようなトランプの変化を共和党、トランプとの間の溝を埋めるのか、についてはまだ誰も分からない。また、トランプのヒラリーに対する巻き返し効果がどれだけあるのか。

 

トランプとヒラリーの世論調査での支持の差は、さらに開き、各社調査の平均では、ヒラリーが6.8パーセントリードしている。この6.8パーセントは、大きな差である。

 

キーは、これでトンランプは、共和党議会と仲良くし、共和党をまとめる作戦であろうが、これだけ、共和党に、傷を作り、傷口をより深くしてきたトランプである。そう簡単には、溝を埋めることはできないだろう。

 

何せ、反ワシントン体制を激しく掲げてきた男である。そのトランプの立場は、自分の味方である共和党にも向けられたのである。だから、トランプと共和党との争いは、必然であり、そう簡単に、解決できる問題ではない。

 

正直言って、トランプがそれでも挙党体制を築こうとするなら、これまでの選挙キャンペーンは、全面的に間違っていたといえるのではないか。それを踏まえた上で、どこまで、この変身が有効なのか。

 

この度の大統領選挙は、これまでとは、全く異なっており、全く予断を許さないのである。

 

そして、民主党大会の成功で、勢いを得たヒラリー・クリントンのリードは、本物かどうか。これからも続くのか、どうか、まだ、まだわからない。

 

佐藤則男

ニューヨーク

 

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アメリカ大統領選挙を占う時、トランプのメルトダウンは、本当か?という、疑問にぶつかるのであるが、筆者は、5割ほどの確率で、その表現が使われても仕方のない状況になったと思う。

 

まず、最新の世論調査結果がそれを示している。全米レベルの支持率では、対抗馬のヒラリー・クリントンに、各社調査平均で、Real Clear Politicsの結果によれば、ヒラリーが5.6パーセントリードしている。これは、極めて大きな差で、10パーセントの差を出している調査が2社ある。この10パーセントの差は、大きな意味を持つ。

 

筆者の41年間のアメリカ大統領選挙の記憶からすると、全国レベルの差で、このような大きな差がついた大統領選挙は、初めてである。普通は大きくても5パーセント以内である。10パーセントの差は、ほぼ、地滑り状態と言えると思う。

 

大統領選挙王票日まで95日あるが、こんな早いうちから、このような差がつくことは稀なことである。しかし、この95日の間に何が起こるかわからない。テロ攻撃をはじめ、なんでも起こり得るのがアメリカである。大きなリードはしていても、何かが起これば、アメリカの選挙民は、それに反応しすぐ変わるのも、彼らの特徴の一つである。

 

筆者が注目するのは、オハイオ州、ペンシルベニア州、フロリダ州、ミシガン州、コロラド州、バージニア州などの激戦区である。これらの激戦区でトランプが勝てないと、ヒラリーの勝利が見えてくる。伝統的見方をすれば、民主党支持の州、共和党支持の州とは、赤い州(共和党)と、青い州(民主党)明確な線を引くことができるが、共和党は、やはり、党員が民主党より少ない。何としても、大統領選で勝つためには、民主党寄りの激戦州を抑えなければならないのである。

 

前出のReal Clear Politicsの各社世論調査の結果を見ると、二ケタの差も出ている。追いつくには、トランプにとっては、高いハードルとなってしまっている。

 

クリントンの成功の理由の第一は、民主党がオバマ大統領を中心に、ヒラリーの下に団結したことがある。団結した一つの党、一人の候補に、終結できたことが最も大きい。サンダース支持者を取り込むのに成功したといってもよいであろう。これを成し遂げたのは、オバマ大統領の力が大きい。オバマ大統領の支持率は、54パーセントまで上がっている。二期目の大統領で、任期終了に向かい、支持率が上がってきていることは、大きい。ブッシュ政権の末期は、支持率が30パーセント台であった。

 

ヒラリー・クリントンは、このオバマ政権にぴったりと附き、キャンペーンを続けてきた。ヒラリーが大統領選に勝ち、ヒラリー内閣ができると、その政権は、「第三次オバマ内閣」と言われているが、幸運にもオバマ内閣が支持率が頂点の時、くっついた形になった。

 

だが、危険なことがある。ヒラリーもトランプも選挙民に否定的にみられ、嫌われていることである。選挙民の否定的見方が高いという候補は、ちょっとした事件やスキャンダルがあると、もろく、落ち方も早い。トランプ、ヒラリーもこの危険性を含んでいる。

 

それにしても、トランプのキャンペーンは、ひどいと思う。戦死した若い兵士に対する態度、移民に対する態度、ヒラリーを批判する態度、などには、品格がない。自分の独善的な見方をそのままストレートに述べる。しかし、政策の中身となると、何も示せない。

 

トランプのキャンペーンチームは、トランプの演説の原稿は作るがそれをトランプは、無視し、自分の世界に入る。

 

困ったのは、共和党である。ライアン下院議長、マッケイン上院議員などを支持しない。共和党の中には、反トランプグループがいて、今でもトランプを共和党候補と認めず、トランプを外そうとして動いている。

 

よもや、そんなことはない、と思うが、実際、トランプをひきずり落とし、ことここで、他の候補を推す動きもある。

 

明らかに、勢いは、ヒラリーにある。しかし、もろい、ひ弱な花である。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプ222

トランプがついにこれまで、最悪の時期を迎えた。これをトランプのメルトダウンなのかどうか、判断に迷うところである。

 

イラク戦争で戦死したカーン夫妻との対立、共和党内部では、マッケイン上院議員、ライアン下院議長などの実力者を大統領選挙と同時に行われる議会選挙に承認せず、危機的トラブルに陥っている。

 

世論調査では、共和党テレビと言われるFOX News Channelの世論調査では、ヒラリー・クリントンが10ポイントリードしている。各社調査を平均すると、クリントンが5.1ポイントリードしている。接戦から、クリントン優勢の動きに移り、このまま進むと、クリントンの地滑り勝利となる可能性もあると筆者は考える。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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無題

筆者は、ランチに行きつけのアイリッシュレストラン兼パブに行った。いつものように、筆者が中に入ると、あふれる知性を感じさせるのでMr. Wisdom(ミスター知性)と、筆者が呼んでいる男性と、いつも一人でテーブルにつき、あまりにも静かに座っているので、筆者がMr. Silenceと呼んでいる男性がいた。

 

Mr. Wisdomは、名門イエール大学のマネジメント大学院 (ビジネススクール)の出身で、会計監査会社を経営している。一方のMr. Silenceは、NYのトップ美術館の社長をしている。ハーバードビジネススクールの出身である。この二人、年中、このレストランで、ランチに来ているが、二人が一緒に座っているところを見たことがない。

 

まず、Mr. Wisdomに質問した。「ドナルド・トランプをどう思いますか?」この質問の裏は、当然、トランプのひどさを言ってもらうことであった。しかし、筆者の質問を聞いた途端、Mr. Wisdomの目がぎろりと変わり「単純な答え方をしよう。私は、あの女性、ヒラリー・クリントンには投票しない。これが私のアンサーだ」と、すごい剣幕で回答した。そのあとの質問を諦めた。「この女性は大統領になる資格はない」と、付け加え、また、新聞に読みふけった。トランプに投票することをほのめかしている。

 

次に、Mr. Silenceに、同じ質問をした。「トランプは、問題にならない」と、これもまた、このワンセンテンスで終わった。ヒラリーに投票するつもりであった。

 

両者とも、今のアメリカの選挙民を代表しているのではないであろうか。面白いことは、ヒラリー嫌いは、徹底的にヒラリー嫌い、仕方なくトランプに投票する。トランプ嫌いは、徹底的にトランプを嫌い、仕方なく、ヒラリーに投票するというパターンである。

選挙民の多くは、トランプにも、ヒラリーにも投票したくないので、棄権しないと思うと、どちらをネガティブにとらえるかが問題なのである。

自分の子供たちが成長した時、アメリカがどんな国になってほしいかなどということは考えられないのである。

 

全くの「ネガティブ選挙」なのである。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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トランプが賭けに出た。自分に対し、批判的態度をとっている同じ共和党の下院議長、ポール・ライアンとジョン・マッケイン上院議員のそれぞれの選挙区での選挙戦に支持を与えないと発言したのである。

 

ライアンは、前回の大統領選の共和党副大統領候補、マッケインはベトナム戦争の英雄で、8年前、オバマ大統領と大統領選を争った候補である。

 

このような共和党の大物を真っ向から、否定したのである。筆者から見れば、トランプに見捨てられた方が支持は上がるのではないか、と見るのであるがどうであろうか。トランプと距離を置けば、議会選挙で有利になる、などということが事実てなれば、トランプ離れに拍車がかかることになれば、共和党は危機を迎える。

これで、共和党内部の対立は決定的となり、統一されない形で、大統領選挙に臨むことになり、極めて異常な雰囲気となった。

 

筆者は、「トランプのメルトダウン」の可能性が出てきたと思う。

 

佐藤則男


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トランプのイラク戦争で戦死したカーン夫妻の息子に対する不遜な発言を続けているトランプに対し、ついに、オバマ大統領がとうとう切れた。

 外国来賓との記者会見の席上、「トランプ候補は、大統領として、適任ではない。共和党幹部は、同候補のエンドースメントを取り下げるべきだ」と明確に言い切ったのである。

 トランプの軍人の勲章受賞者に対する暴言は、日に日に強くなるばかりである。ベトナム戦争で、戦争捕虜となり、拷問の後で、無事帰還し、上院議員になり、オバマと最初に大統領選を争ったマケイン上院議員に対しても、不遜な態度をとったのである。マッケイン上院議員は、アメリカの英雄として尊敬されている人物である。そんな人物に不遜な言動をすることはあり得ないことである。

 トランプは、さらに、ヒラリー・クリントンを「Devil(悪魔)」と呼び、CNNもそのように呼んだのである。公の政治的舞台で、反対の党の候補を最も強い軽蔑用語で呼ぶことは、フェアープレイではなく、アメリカのような文明化された国に起こってはならないことである。

 あまりにも、トランプの非常識な発言、不遜な態度が、アメリカ中をゆすっているのである。

 日本にも、本件は詳しく伝わっていると思ので、詳しいことは、省略するが、筆者は、大部分のアメリカのジャーナリストと同じ意見である。トランプは、戦場で、国家のために命を賭けて戦っている将来のある若い兵士をなぜ、尊敬しないのであろうか。

 いろいろアメリカのメディアもジャーナリストもトランプのそのような態度を説明しようとしている。筆者は、トランプに「自分の間違いを認める勇気がない」と思うのである。決して、自分の発言の誤りを認め、お詫びする意図は毛頭ない。

トランプは、ローマ帝国の王様のように、絶対君主のような態度である。もっと、言えば、ヒットラーのようにふるまう。

 しかし、筆者は、このようなトランプの態度に、臆病な性格、人間の心の狭さ、さらに言えば、心理的に何か恐れを持っているのではないかと思うのである。ひょっとしたら、自分が大統領として、仕事をする自信がないとも思える。

 筆者は、民主党大会の結果を反映したが各社の世論調査を調べてみたが、クリントンとトランプの差は調査会社により異なるが、3パーセントから、9パーセントに広がっている。

 トランプの支持が落ちていることは、確実で、それをつぶさにニュースメディアは、報道しないのである。不思議である。筆者の予感は、「トランプ王国のメルトダウン」を予測している向きもあるのではないか、とさえ思うのである。

 筆者は、まず、トランプを支える共和党自体が、トランプに対し「何らかのアクション」を起こす可能性があるのではないかと思うのである。共和党のストラテジストなどの離党が始まり、このままだとトランプが創った共和党の傷が深まるばかりであろう。まさか、共和党がトランプを見放すことはないだろうが、共和党の有力政治家が、トランプ不支持を言い出すであろう。これから、あまり強くトランプを支持すると、次の選挙で「トランプを支持したことが重い荷物なる」可能性が高いからである。

 問題は、トランプ支持者たちであろう。今になって、トランプの本当の姿に気が付いたのではなかろうか。彼らが、支持してきた人物がどのような人間なのか、真実が分かった時、どのような行動に出るのであろうか?

 大統領選挙の投票日まで、あと90日である。何でも起こり得るのが、アメリカである。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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無題

筆者は、現在のアメリカ人がどうにもならない状況に陥っていることを痛感する。

 

数字を挙げよう。ギャラップ世論調査によると、わずか17パーセントの回答者が、「アメリカは、現在、よい方向に進んでいる」と答えたアメリカ人がおらず、82パーセントの回答者が「間違った方向に進んでいると答えている。

 

NBC/ウオールストリートジャーナルが行った調査でも、それぞれ18パーセントと73パーセントであった。

 

この数字は、アメリカ人が日常働き、収入を得て、日常生活をしていて、払う税金、そして、払った税金に対し、どれだけ恩恵を受けいるかなどを考えての意見が集約された結果であると思うが、ワシントン政治を反映しているのが主であろう。

 

ここで、アメリカ人がいかに現在のワシントン政治、政治家に不満を持っているかわかるであろう。

 

ここにトランプが登場したのである。ワシントン政治体制を徹底的に打ちのめし、「再び、アメリカを偉大にする」という標語を掲げたのである。これが、大衆をトランプが引き付けている理由なのである。同じ調査によると、56パーセントの回答者が、「素早くこの状態を変えられる人」を大統領に望み、41パーセントの回答者が、「無理なく徐々に変えていく人」を大統領になってほしいと思っているという結果が出ている。

 

この意味で、トランプの人気が高いのであるが、トランプは、人格的な問題が多く、このような人たちの要望とうまくマッチしていない。トランプの作戦は、できるだけ否定的なことを言って、アメリカ選挙民に暗いアメリカのイメージを助長し、扇動して、自分はメサイアうを装い、支持を得るという作戦である。確かに、ある程度までは、扇動が効いてきたが、もう、ピークを越え、やがて、トランプがどんな具体策を持っているかが問われて来ている。中身は何もなく、空っぽなのである。メサイアでも何でもないのである。

 

一方のヒラリー・クリントンは、「徐々に変えていく」タイプであるが、彼女も随分個性の問題がある。筆者は、ヒラリーは、「嘘つきヒラリー」と呼ばれるほど嘘つきではなく、政策に関する限り、主張に矛盾が生じ、立場を変えることがあるからである、 それ故に、嘘つきと呼ばれるのであろう。しかし、これは、ヒラリーが女性でここまで来たことに対する、女性たちのジェラシーも多分に入っていると思う。ヒラリーは、頼みの女性にも嫌われているのである。

 

このようにみると、今回の大統領選挙の大きな特徴は、トランプは、現状を悪い状態とし、時には、地獄ように扱い、そこからアメリカを引き揚げるという戦略なのである。マッチポンプのようなものである。

 

一方のヒラリー・クリントンは、現状がどれだけ悪いというのか。現状(Status Quo)地獄のように、暗く扱い、人々を混乱に陥れることは間違っている。より良いアメリカにして行こう、と一致団結して進んで行こうという立場を取っているのである。所謂、大統領選を戦う時、楽観的な見方を感じさせなければならない、というこれまでの大統領選の鉄則を歩んでいるのである。

 

言ってみれば、トランプは、戦場に急いで駆け付けたが、準備が足りない。戦略はあっても具体的作戦はない。また、闘う兵士は将を信用していない。

 

一方のヒラリーは、戦略はあり、作戦もあるのだが、兵士の統率に弱い。何故なら、兵の信頼を得ていないからである。

 

トランプとヒラリーは、作戦は異なるが、目的は同じで、同じ欠点、弱点を持っているのである。国の最高指揮官である大統領の地位に就くのであるが、両者とも、国民の信頼が低いという弱点があるのである。

 

選挙民は、最終的に「信頼できるか否か」で、誰に投票するかを決めるのである。今のように、お互い悪口を言い合い、お互い、鋭い、激しい批判の言葉を交換しても、差をつけることは難しいと思う。もはや、ネガティブキャンペーンの効果の限界が来ていると思う。

 

あと100日間、この不毛の戦いを続けられれば、ますます、選挙民はそっぽを向いて行くだろう。残るのは、やじうま選挙民のみが騒ぐことになるだろう。そして、相変わらずメディアも大衆を扇動し、選挙民は、そっぽを向くのではないか、と思う。

 

佐藤則男


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ピーターと養女ジェナ

 

我が家のウイークエンドハウスは、「一人の男」がいるから存在し続けることができるのである。1994年、コネチカット州で、ウイークエンドハウスを買った時、その物件を世話してくれた不動産ブローカーであるジョーンに、「家の中のリノベーションをどうしようか」と聞いた。彼女は、「それには、うってつけの良い男がいる」と言って、紹介してくれたのが、ピーターであった。

 

ジョーンは、ピーターを「Handyman」と呼んだ。日本で言う「大工」である。ピーターに初めて会うと、すぐ、「真面目で信用できる男」と言う印象を受けた。ピーターは、「毎週日曜日、教会に行く」と言った。それも気に入った。すぐ、その仕事をお願いした。年の頃、30歳代の後半で、小柄な大工であった。

 

雇ってみると、ピーターは、よく働いた。そして、立派な仕事をしたのであった。リノベーションが終わると、まるで家の中は、新築の家のように見えた。「この男はできる」と思い、ピーターに全面的に家のメインテナンスをお願いしようと思った。「毎週一度この家にやって来て、点検してもらえないか」とお願いしたら「やりましょう。普通は、そんな仕事は引き受けないが、あなただからやるのです。ついでに、毎週、ごみも捨ててあげましょう」と言うではないか。それで、話しは決まった。

 

それ以来、22年を経た。ピーターは、それから、ずっと、毎週、一度ずつ我が家を訪れ管理してくれている。これまで、水漏れ、水道管の凍結など様々な問題を解決してくれた。

 

先日、そのピーター、92歳になる父親、ピーターのガールフレンドのジーン、そして、16歳になった養女のジェナの4人をレストランに夕食に招待した。毎年、クリスマスを祝って、夕食に招待していたが、昨年は、都合が合わず、正月明けとなった。

 

ピーターの父親は、マサチューセッツ工科大学の出身で、ユニオンカーバイドに勤めていた。数年前、夫人を亡くした。ピーターとジェナと一緒に同じ家に暮らしていたが、近年、家族と一緒に住むことを嫌い、一人暮らしをしている。

 

ピーターは、大学を卒業すると、銀行に勤めたが、組織に合わず、独立して大工となった。父親は「ピーターは、人に使われることが我慢できない性格である」という。ピーターは、そんな風には全く見えないが、人は見かけによらないものであることがうかがえる。

 

ピーターは、最初、会った当時は、結婚していた。奥さんは、ハーバード大学出身の中国系アメリカ人であった。大変気の利いた美しい女性であった。二人は子供がいなかったし、宗教心から、中国の孤児を助けるのが神の使命と思ったのであった。中国に出向き、孤児院を訪ね、女の子を引き取り、養女にした。その養女がジェナである。

 

しかし、いざ幼児を迎えると、どうしたことか、奥さんが子供を育てることを嫌ったのであった。ある日、奥さんはピーターから去った。3歳になったジェナを育てるため、ピーターは、住んでいた家を売り、父親の家に移り、父親とともにジェナを育てることにした。

 

ジェナの世話をすること、食事の支度、その他もろもろの家事は、父親が行った。当時、ピーターの家を訪ねると、80歳を過ぎたピーターの父親の苦労がわかり、「大変だろうな」と思い、胸が詰まった。僕は、そんな時、できるだけ、ジェナと遊んでやった。ジェナは、利発な子であった。クリスマスを間近に控え、薪が赤々と燃える暖炉の前で、一人しゃべりをしながら遊ぶジェナを見て中国の孤児院で、どんな風に育てられていたのであろうかと思いを馳せた。ジェナの実の両親とは、永久に会わせない約束なのだそうである。

 

ジェナは、一日中面倒を見てくれる、「グランドパ」(おじいさん)に良くなつき、夜眠るときは、ベッドのそばで、おじいさんが本を読んで、寝かしつけるのであった。しかし、ジェナが女の子であるため、その苦労も絶えなかった。マンハッタンのラジオシティホールにクリスマスのパーフォーマンスの舞台を観に行ったときなどは、ジェナを男子便所に連れ行かなければならなかった。「それが可愛そうで」と、父親は、涙ぐんだ。

 

ピーターは、「ジェナには、母親が必要だ」と、真剣に、再婚を考え、その相手を探していた。やがて、ピーターに待望のガールフレンドができた。しかし、相手も子供が二人いて、離婚が成立しても、前夫との関係もあり、なかなか一緒に住めなかった。しかし、父親が一人で住みたい、という希望を受け入れ、ピーターは、家を買い、ガールフレンドと住むことにしたのであった。そのガールフレンドがジーンである。そして、ジェナ新しい母親である。

 

これで、その夕食会のメンバーがお分かりになったと思う。

 

ジーンの父親についての驚き

 

やがて、大人の話題に移った。そして、こんなことがあろうか、と自分でも驚くことが起こった。

 

大人が会話をしていると、ひょんなきっかけで、セオダー・ローズベルト大統領の話題になった。僕がアメリカの名門であるセオダー・ローズベルト家の今の総帥であるトィード・ローズベルトと親しく、もう、20年以上、ローズベルト協会のメンバーであると、話をすると、予期せぬことが起こった。

 

突然、ジーンの中年の美しさを浮かべた顔が微笑み、「私の父親ウイリアム・マナーズは、もう亡くなっているが、生前、フリーライターで、セオダー・ローズベルトの本を書いた」と言うのである。アッと僕は驚いた。

 

「不思議な国のアリス」

 

そして、偶然、僕がセオダー・ローズベルトの長女だった、アリス・ローズベルトの話題に入った時であった。何と、「ジーンの父親は、アリス・ローズベルトに会いに行った」言うのである。そして、「アリスは、パリス・ヒルトンのような女性だったのではないですか?」と、僕に聞くではないか。

 

パリス・ヒルトンは、ご存知の方も多いと思うが、ホテルチェーン、ヒルトンホテルの創業者一族の令嬢。活動はモデル、デザイナー、女優、歌手、作家と多岐にわたる。仕事よりも派手な私生活が取りざたされることが多く、その突飛な言動や行動でゴシップ誌や新聞などを賑わせる「パーティ・ガール」として有名である。

 

アリス・ローズベルトは、パリス・ヒルトンなどより、はるかに立派な女性だったのであるが、似通った性格であることは確かである。

 

アリス・ローズベルト1884年に生まれ、1980年に96歳で亡くなっている。

 

アリスは、美しい女性で、大統領の父親とは、全く異なり、常識はずれの女性として当時かなり話題になり世評を賑わせた。そのお転婆ぶりは、生い立ちが語る。セオダー・ローズベルト大統領が愛して止まなかった最初の妻アリスは、娘アリスの出産直後に亡くなってしまった。この悲劇が生んだ複雑な家庭環境が、アリスの勝気で破天荒な性格を形成した理由の一端であったと思う。

 

アリスは、ホワイトハウスのVIPを自分のペットの蛇で歓迎したり、ダンスホールで踊り明かしたり、男性諸氏と一緒にポーカーに耽ったり。「不思議の国のアリス」と新聞の見出しが謳われた。公用で太平洋を渡った父親について旅行を敢行し、世間をあっと言わせた。日本も訪問したことがあり、相撲観戦もしたそうである。 

 

アリスの纏う服装は何でも話題に上がった。「アリス・ドレス」「アリス・グローブ」「アリス・リボン」ドレスの色は「アリス・ブルー」とまで名づけられ、プリンセス・アリスは人気を博した。しかし、同時に父親の頭痛の種でもあったようである。

 

201012月、ニューヨーク・タイムズ紙は、「The Imperial Cruiseは、セオドア・ローズベルト大統領に対する従来の評価を新たにするほどの衝撃である」と評している。要するに、ローズベルトが後の太平洋戦争への道を日本に示唆したのだと言う主張なのである。この本とNY Timesの記事に対し、友人であるトィード・ローズベルトは、烈火のごとく怒ったのであった。

 

そして、また、驚き!

 

世の中は、不思議なものである。アリス・ローズベルトに関する驚きは、これで、止まらなかった。

 

翌日、ウイークエンドハウスから帰り、早速、ニアリーズに夕食に行った。月曜日は、余り、客がいないのだが、結構入っていた。それにもかかわらず、ジミーがテーブルにやって来たので、昨夜のアリス・ローズベルトの話をした。

 

すると、ジミーが、「そのアリス・ローズベルトだと思う。うちの店によく来ていた」と言うではないか。

 

「まさか」と思った。何故、日露戦争当時の人がニアリーズに来れたのか。時代が違い、来れるはずがない」と思い、人違いだろうと思った。しかし、それは、正真正銘に第26代アメリカ大統領の長女、アリス・ローズベルトだったのである。1980年に亡くなっているのであるから、ニアリーズの1965年の開店から考えれば、時間的に合うのである。

 

「マッカーサー元帥専用機のパイロットが、よくアリスのお供をして、うちの店に来ていた。上品でしゃべり方のきれいな素敵な女性だった」とジミーは言う。そして、「この近くのサットンプレースに住んでいた」とジミーは、言う。

 

何せ、「ニアリーズ」には、マッカーサー夫人やアイゼンハワー夫人がよく来ていたそうである。往年の名女優、モーリン・オハラも常連だった。どんな大物の女性が来ても不思議ではない。この住宅地の片隅にある、冴えない、小さな、目立たないアイリッシュレストラン兼パブ「ニアリーズ」は、そのような人たちには、格好の場所なのかもしれない。

 

テーブルの上の赤いキャンドルの灯が光っている。そして、皮の赤いソファのような椅子を照らし揺れている。

 

アリス・ローズベルトもこの椅子とテーブルに座って食事をしたのであろうか「当時と椅子もテーブルも変わっていない」とジミーは言っていた。

 

今週末、ウイークエンドハウスに来ると、台所のテーブルの上に、一冊の古い本が置いてあった。ジーンの父親、ウイリアム・マナーズが書いたセオダー・ローズベルトについての本であった。夕食のお礼だそうである。ピーターが点検の時、持って来てくれたのである。ジーンの手元に残るただ一冊の本だそうである。

 

僕とセオダー・ローズベルトとの不思議な縁と、つくづく思う。

 

佐藤則男


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またまたトランプの発言が問題になっている。民主党大会で、イラク戦争で息子を失ったモスレムの両親であるカーン夫妻が演説し、トランプのモスレムの入国を禁じたことに抗議した。

 

かーン夫妻は、アメリカの憲法の小冊子を持ち出し、「あなたの言うことは、ここに書いてあるアッメリカ憲法に違反する。憲法を読みましたか?」と演説した。トランプの人種差別は、憲法違反であることを訴えたのであった。

 

これに対し、トランプは、「夫人は一切しゃべらなかった。宗教により、夫人は、しゃべることを禁止されているのだ」と発言した。これに対し、加^ン氏は、「妻は、息子を失ったあまりのショックと悲しさで、話さなくなったのだ」と反論した。

 

これに対し、また、トランプが「民主党大会に出る資格はなかった」とか、カーン氏が家族が犠牲を払った、といったことに対し、トランプは「私もまた大きな犠牲を払った」と言って、ビジネスをやって行く上で、多大な犠牲を払った、と反論し、それとこれとは別であ、とカーン氏は、反論した。まだ、やり取りはあるが省くことにしたい。

 

このトランプの態度は、戦場のヒーローを侮辱したと、ひんしゅくを買い、トランプは新たなピンチに立っている。しかし、トランプ本人は、そんなピンチに立っている様子はなさそうである。

 

筆者は、トランプにとって、そのようなことは些細なことであり、本選前の通常起こることである。気にしない。ヒラリーとのテレビ討論で、最大の攻撃を加え、一気に、つぶしてしまおうという魂胆があると推察する。テレビ討論で、トランプは、相手候補をなぎ倒し、完璧に優位の立場立つことに自信を持っていると筆者は、踏んでいる。

 

トランプのテレビ討論で相手とのやり方は、徹底的に攻撃すること。相手に有無を言わせないこと。そして、声とゼスチュアーの迫力で相手を威圧すること、議論で詳しい内容に入らないこと、のようである。

 

おそらく、9月の第一回テレビ討論に総力を挙げるつもりであろう。8月ののキャンペーンは、その前哨戦で、徹底的にヒラリーを追い込むだろう。トランプとペンスのキーワードは、「今、とっくに監獄に入っているはずだ」であろう。国務省のサーバーを自分のサーバーにつなぎ、そこから取り出した機密文書のことである。

 

そして、「嘘つきヒラリー」を連呼し、ヒラリーの人格の破壊を目指すであろう。アメリカの将来、アメリカの若い世代なども、そっちのけと思われる。ましては、アメリカの世界における役割、などの課題もそっちのけであろう。

 

後、大統領選選挙まで、100日であるが、まさに、「100日戦争」である。その間、アメリカの選挙民にとっては、実りのない、暗い選挙戦となるであろう。世界の人々にも、少なからず、うるさいトランプの騒ぎが聞こえるだろう。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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アメリカのテレビの視聴率調査は、ニールセンに独占されているが、その調査によれば、共和党大会が32.2百万人の視聴者を獲得し、民主党大会が29.8百万人で、トランプの演説の方がヒラリー・クリントンの演説より影響が大きかった、とCNNのブライアン・ステルター氏は、結論付けている。党大会は、共和党の勝ち、それは、とりもなおさず、トランプの勝ち、と言っているのである。

 

このような単純な分析と見方が、アメリカのニュースメディアがやることなのである。このステルター氏の分析には、それでは「視聴者がより多ければ、それは、その演説者がより大きな影響を与えたとなぜ判断できるのか。なぜ、視聴者に、どれだけ影響を受けたか質問しないのであろうか。それが行われて、初めて、そのような結論が引き出せるのである」と、筆者は言いたいのである。

 

アメリカのメディア記者の能力が劣ってきているのではないか、と筆者は思っている。特に数字を使った分析力が落ちているのではないかと思う。先日のウオールストリートジャーナルに、ダグラス・スコエンというコメンテーターが、トランプが共和党大会後の世論調査で、6パーセント支持率が跳ね上がったことで、すぐヒラリー・クリントンを負け犬と決めつけている。

 

これは、ロスアンジェルスタイムズの調査であり、他の調査の結果と異なる。各社の世論調査結果を集めて、平均値を出しているのが、Real Clear Politicsというウエブサイトであるが、今日時点では、ヒラリーとトランプは、ほぼ同じで、この数字には、民主党大会の結果がまだ織り込まれていない。今週の半ばころにならないと、その結果は、出てこないのである。

 

そのトランプが6パーセント跳ね上がったというのは、ロイター通信の世論調査であるが、ウエブサイトを使った調査方法である。ウエブサイトを使っての調査が行われているが、その精度は、未知数である。

 

選挙報道は、アメリカのメディア、記者、解説者、コラムニスト、コメンテーターなどは、右と左に分かれている。彼らにとっては、それが選択なのである。そのどちらかを取らなければ、自分を売れない、と見なければならない。ジャーナリストの中には、リベラルでありながら、保守派に属している人もいるであろう。もちろん、その逆もいるであろう。そして、書く時、テレビ番組でしゃべるときは、そのような立場をとって話すことになる。

 

読者や視聴者もすぐ彼らのカラーに染まってしまう。保守かリベラルか、右か左か、そして、トランプかヒラリーか、と日常生活でも、問われるのである。勿論、中間を取っても良いのであるが、トランプ半分、ヒラリー半分とは行かない。そんなときは「Undecided (まだ決めていない)」と答えるのがある。相手がうるさそうであれば、この答えがベストである。

 

とにかく、アメリカで生きるには、こんなところで気を使わなければならない。それほどまでに、アメリカ社会は、保守とリベラルに分割されているのである。そして、巷でもその対立は、時として激しい。

 

先日、友人のサマンサと行きつけのレストランに夕食に行った。リンダは、元国際機関に勤めていたアメリカ人で、その後、コロンビア大学ビジネススクールでも教えていた。アメリカ女性とは違い、少々ヨーロッパの感じのする美人である。

 

筆者が隣のテーブルで、一人で夕食をしている男性に話しかけると、その男性は、気さくに応じた。ウオールストリートの大手投資銀行で働いているという。筆者は何となく「今度の大統領選は、選択が難しいですね」というと「難しい、だが、私は、嘘つきのヒラリーには、投票できない」と言った時であった。隣に座っていたサマンサが口をはさんだ。「それでは、あなたはトランプに投票するのですね?」というと、その男性は「そうです」と答える。

 

それからが大変なことになった。筆者は、サマンサがリベラルとは、知っていたが、ヒラリーの大ファンだとは知らなかった。サマンサとその男性との激しい議論が始まった。ヒットラーの名も上がった。筆者は、一体どうしたらよいものかと迷った。サマンサは、洗面所に行ったので、その男性も席を立った。筆者が「申し訳ない」というと、その男性は、「これが民主主義のアメリカの良いところ」と言って、ニコリとして笑って、レストランを出て行った。

 

サマンサは、洗面所から帰ると、「だから、私は、アメリカ人でありながら、アメリカが嫌なのだ。スイス国籍になるのだ」と言った。それは、サマンサの願いで、既に、ジュネーブに住んでいるのである。

 

これは、一例に過ぎないが、とにかく、ヒラリーとトランプのことを話題にすることは、危険である。トランプとヒラリーは、極端な対立軸なのである。アメリカを真っ二つに割る対立軸なのである。よくぞ、こんな二人による争いの大統領選挙になったものである。この選挙は、国のリーダーを選ぶ選挙であり、私闘ではない。だが、この名うての嫌われ者のヒラリーとトランプの戦いは、泥沼化しなければ決着がつかないのである。

 

ロシアの介入

 

あと決選投票日まで、100日であるが、いかなることも起きるであろう。その起きることは、まったく予期できないことであろう。

 

すでに、ロシアのハッカーがこの選挙に目を付け、介入を狙っている。これは驚くべきことで、トランプがプーチンとビジネスディールをやっているのではないか、という疑惑を起こしている。これは、信じられないことである。ロシアがアメリカの大統領選挙を左右したがっていること、実際、ハッカーを使ってやっていることは、大問題であり、アメリカの危機ともいえると思う。

 

いったい、プーチンは、トランプを大統領にして、何を狙っているのであろうか。それよりも前に、トランプとプーチンは、どこかで会い、話し合いを行ったのであろうか。確かに、トランプとプーチンは、何かをやりそうであるが、やれば、極めて危険のディールをするのではないか、と心配が先に立つ。なぜならば、確かにトランプは、プーチンと、金銭的ディール、経済的ディールで、何かをできるかもしれない。しかし、政治的ディールは、トランプは、全くの素人である。国内政治も、国際政治も何も携わったことがない。トランプが国際政治的ディールをすることは、あまりにも危険である。

 

NATOも日本との安全保障条約も、何もわかっていないという印象を持つ。そして、傲慢すぎる。なぜ、NATOの加盟国は、アメリカの金を多く使っているといえるのか。また、日本も同じである。日本がどれだけ、「思いやり予算」などで、アメリカに金を払っているかなど知らないのではないか。

 

そのトランプの性格と価値観は、決して外交に向いていないと筆者は思う。また、大統領として、アメリカをリードしていくのは、不可能に近いのではないか、と思う。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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民主党大会が終わり、その大会の期間が含まれる世論調査結果が発表された。ロイター通信が行った調査で、4035で、ヒラリーが5ポイントリードしている。この調査だけで判断することは、早計であるが、アメリカの選挙民を見ていると、ヒラリーが党大会で、一応の評価を全体的に得ていると思われ、この5ポイントの差は、妥当と筆者は、判断する。

 

民主党は、この大会に総力を挙げて取り組んだ。その成功を見て、トランプは、大いに不安を感じたのであろう。記者会見で、鋭突になり、ヒラリー、オバマ大統領、バイデン副大統領をはじめ、ブルムバーグ前ニューヨーク市長にも怒りと敵対心をむき出しにした。

 

「体の小さい男に、攻撃を仕掛ける」と豪語した。それは、ブルムバーグを差すのである。ブルムバーグを多少知っている者として、筆者は、言いたい。ブルムバーグは、トランプなど比べ物にならないお金持ちであるが、養老施設やそのほか、いろいろな施設に寄付をすることで有名で、トランプのように倒産で逃れるビジネス戦略など全く関係のない人である。また、徳のある優しい人物である。

 

また、トランプは、ヒラリーに最大の攻撃を仕掛ける、とこれもまた豪語し、今後も徹底的に批判し、こき下ろすであろう。おそらく、民主党大会の成功で、世論調査結果がそれを反映し、再度リードを奪われることを予想できたのであろう。

 

「ロシアのヒラリー倒しーー国際ウオーターゲート事件か?」

 

気になることがある。

 

メールがハックされたのは、民主党本部だけでなく、ヒラリー・クリントンの選挙?事務所のメールもハックされているということが判明し、FBIと司法省が捜査に入ったというのである。

 

いったい、ロシアの狙いは何であろうか?ヒラリーが大統領になることを妨害しているのであろうが、ヒラリーが大統領になっては、ロシアにまずいことがあるのか?

 

それとも、プーチン大統領が、トランプが大統領になれば、アメリカとロシアにとり、何か良いことができると期待しているのか?プーチンとしては、今、アメリカが必要なのか?

 

このロシアのハックの問題は、トランプが指摘したものであった。トランプは、国務省でヒラリーが行方不明にしている公文書を「ロシアに見つけてもらえ」と記者団に言ったのであった。そして、その時の記者会見を終わり、帰り際、記者に聞かれ「(それを依頼するのは、)オバマの仕事だ」と言っていた。

 

果たして、トランプは、プーチンに会ったことがあるのであろうか?会ったとしたら、当然、大きなビジネスの話になったであろう。これは、全くの謎である。トランプとプーチンが気の合うことは、あまりにもよく知られている。そして、自分でもそう言っているのである。

しかし、ロシアには、「トランプ」の名のつくビルはない。

 

このトランプが、大統領選挙で、負けが決まっても、何らかのことをしでかす不安が沸いてくる。プーチンは、目的のためには、手段を選ばない人物なのではないだろうか?

 

筆者には、思いもかけないことが大統領選に降りかかってくるような嫌な予感がする。

もし、トランプとプーチンが何らかの関係があることなどが暴露されると、とんでもない事態になること確実である。筆者は何も起こらないことを期待している。

 

 

佐藤則男

ニューヨーク


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ヒラリー・クリントン女史から、次の感謝メールを受け取りました。

Friend --

On the day I was born, a little girl who dreamed of being the president needed a powerful imagination.

On the day I was born, there were seven women in the entire House of Representatives. There were no women in the Senate. There were no female governors.

There had never been a female Secretary of State -- and wouldn't be until Bill appointed one fifty years later.

Women were still largely told to think small, aim low, and pare down their dreams. To aim no farther than being secretaries, nurses, teachers, or mothers. That is the world I was born into.

The world has changed. And it has changed because of you.

I'm the nominee of the Democratic Party because of this team’s commitment. Because of the money you donated, the phone calls you made, the shoes you wore out canvassing, all the times your voices went hoarse at a rally or a phone bank, and for this transformation in our culture. For the chance to show that, yes, men and women are equally fit to occupy the highest posts in the land and that, yes, any girl can dream of being anything.

From the bottom of my heart -- thank you.

There’s just one last step in shattering that highest, hardest glass ceiling. We have to defeat Donald Trump and win 270 electoral votes in November. It’s going to be hard. It’s going to take everything we’ve got. But when I see how how much you’ve done already to pave the way for a better future for all of us -- I know we can go this last distance together.

Thank you,

Hillary

以上

佐藤則男
ニューヨーク


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hillary-clinton-donald-trump
筆者は、今回の大統領選挙について、新しい見方をするようになっている。それは、この選挙は、最初から本命だったヒラリー・クリントンとヒラリー・クリントンを根本的に嫌う反ヒラリーの戦いだったのではないかということである。

つまり、「ヒラリー・クリントン対ヒラリー・クリントン」の戦いではなかったかと思うのである。そこで、トランプなる人物が登場して、反ヒラリー・クリントン層を形成したのではないかと思うようになった。だから、トランプは、なりふり構わず、ヒラリーを攻め立て、自分の支持層を作っていったのではないかと思うのである。

今作戦は、あまり、インテリジェンスを使う必要ななかった。女性蔑視傾向のある白人ブルーカラーを扇動すればよかったのである。このような層は、「Playboy」や「Penthouse」の読者である可能性が高い。トランプもこの種の人々と同類項の傾向を持ち、彼らをとらえる言葉、表現はよく知っていて巧みなのである。

こうやって、ヒラリーVSヒラリーとしてみると、トランプがなぜ、出現し、ここまで躍進できたか、謎が解ける。

そして、今回の大統領選挙が、これまでのように、民主党と共和党の二大政党の争いにならないことも説明がつくのである。

さらに、筆者が言えることは、今回の大統領選挙は特殊なケースで、いわば、「生状態以上の戦い」ともいえるのではないかと思うのである。民主党もヒラリーもこれまでの2大政党がやってきたと同じやり方をしているが、共和党は、トランプのせいで「批判、悪口、つるし上げなどの否定一辺倒」、明らかに異常である。

このような「正常と異常」の戦いも、ヒラリー対ヒラリーの戦いから来ているものと筆者は、思うのである。

佐藤則男
ニューヨーク

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ヒラリー・ロダム・クリントン、筆者は、この女性について、大統領選挙に関連付けて、本を書き始めたのが、丁度、一年前の7月であった。そして、一年後の今日、この時、ヒラリーがようやく民主党の指名候補を勝ち取り、今、フィラデルフィアでの民主党大会で、それを正式に受諾したのである。アメリカ史上、女性として初の主要政党の大統領選指名候補である。

 

ヒラリー・クリントンに心から「おめでとう」と祝福を言いたい。そして、「本戦でトランプに勝ちますように」と心から叫ぶ者である。

 

筆者は、その本の原稿を昨年10月に校了したのであった。本のタイトルは、「なぜ、ヒラリー・クリントンを大統領にしないのか?」となった。それから、今日のこの時まで、筆者は、ヒラリーに関し、何をウオッチし、何を考えて来たのであろうか、と考えてみた

 

正直言うと、途中、予想外に、トランプが急浮上し、これは困ったと筆者は思った。これでは、世界はめちゃくちゃになる、と思った。トランプを大統領にしない、ということは、ヒラリーに勝ってもらうしかない、と考えた。

 

「どうやったら、ヒラリーがトランプに勝てるか?」ということを考えて来たのであった。筆者は、ジャーナリスト失格と思っているが、トランプだけは、アメリカの大統領にしてはならない、と固く思っている。「トランプを大統領にしないために、ヒラリーがいるのだ」とさえ、思ってきた。

 

筆者の内心では、時として、「ヒラリーは、トランプに勝てないのではないか」という疑いが生じ、時には、自虐的になって、ヒラリーを鋭く批判した。国務省のサーバー不正問題をFBI長官に、議会で証言され、告訴はされないがほぼ叱責処分と同じような結果になった。残虐で無慈悲な性格を持つ、トランプに「牢獄にぶち込め」と言われた時には、筆者は、思わず、「ヒラリーはここで終わりだ」と思った。

 

しかし、今日、この時、民主党大会でのヒラリーのパフォーマンスは、抜群であった。筆者は、世代的にもヒラリー、ビルと同じであり、それに、ジョージ・ブッシュも加え、よくその世代の考え方、ものの見方は、よくわかる。当時、アメリカの大学のロースクール、ビジネススクールの学生の考え方は、「アントレプレナー」であった。自分で、ビジネスを始めることばかり考えていた。トランプも同じ世代で考えることは同じであった。彼もアントレプレナーである。

 

彼らに共通しているのは、このアントレプレナーシップとアメリカンドリームである。ヒラリーもそうなのである。

 

筆者も同じである。アメリカで生きる決意をし、独立し、会社を設立し、アメリカンドリームを追いかけてきた。道は険しかった。何度も挫折した。しかし、道は、ひとつしかなかった。果てしない夢を追いかけ、それを信じ、とことんまでやるしかなかった。辛い、と何度も思った。だが、やってきた。何にも負けない不撓不屈の精神がそれを跳ね除けた。

 

ヒラリー、頑張れ。トランプに勝とう。それは、もはや、自分だけのためではない。アメリカ、そして、世界のためなのである。

 

佐藤則男

ニューヨーク

 


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民主党大会三日目、筆者は、やっと「我がアメリカの姿」を見た。そこには、本来の筆者が認識しているアメリカがあった。「自由と平等、そして、アメリカンドリームを追及でき、力いっぱい生きられる国」アメリカがあったのである。

 

筆者は、1975年アメリカにやってきたが、アメリカをそのように見て、懸命に生きてきたつもりである。

 

今日の民主党大会の主な演説者は、オバマ大統領、バイデン副大統領、ケイン副大統領候補、ブルムバーグ前ニューヨーク市長などであった。皆、それぞれの特徴を生かした演説でただ「素晴らしい」の一言に尽きる。筆者は、感激のあまり、感涙した。

 

皆、ヒラリー・クリントン大統領誕生で一致している。まさに、挙党体制である。不満を持ち、ひねくれ、いじけているのは、熱狂的サンダース支持者である。しかし、そこは、民主主義を信奉する国である。彼ら感情も存在も尊重されなければならない。

 

それにつけてもオバマ大統領の演説は冴える。人心を捉える。多くの観衆が涙を出している。内容もさることながら、しゃべり方がうまい。それに、素晴らしい笑顔である。

 

前大統領であったブッシュ親子、マッケインなどの主要上院議員、共和党大会が開かれたクリーブランドのあるオハイオ州知事であり、共和党の予備選に立候補した、ケーシック氏も欠席した共和党大会とは、まったく異なっている。共和党大会は、ヒラリー・クリントンを憎悪と嫌悪で、つるし上げの大会であった。リンカーン大統領を生んだ政党とは、とても信じられなかった。

 

このような民主党大会を見ると、トランプがいかに不純な人物かよくわかる。この人物が、現在、アメリカ大統領選のトップを走っているなどということが信じられない。批判、嫌悪、憎悪をむき出しにし、それもデマゴーグを用い、相手候補をののしり、選挙民を不安に陥れ、さも、自分がメサイアのように演技する。批判や非難はするが、政策は何一つ具体的現実的な政策は示さず、ただ、独りよがりの独善的な「考え」を示すだけである。

 

だが、これも民主主義である。そんなトランプも尊重しなけっればならない。

 

アメリカの選挙民が、この人物に、絶大な支持を与えていることが誠に不思議である。白人ブルーカラーはそうはいかない。しかし、それも民主主義である。彼らを尊重しなければならない。

 

そして、トランプか、ヒラリーかで、堂々と一騎打ちが、118日に行われるのである。

 

そんな貧しい共和党大会であったが、クリントンに対するネガティブ度があまりにも高く、「嘘つき」などという強い嫌悪感を選挙民にもたれているせいもあるのであろう。世論調査では、トランプがヒラリーを追い抜いてしまった。

 

果たして、この民主党大会で、また、ヒラリーがトランプに追いつき、追い越すのか、注目される。

 

この民主党大会は、本日、ヒラリー・クリントンを圧倒的な迫力で、指名候補とするのであるが、ヒラリーがどんな演説をするか楽しみである。子供たちを考え、アメリカの将来を高らかに描く演説だと思うが、その方向でよいと思う。

 

相手のトランプの演説には、明るい将来がない。非難と否定と憎悪、そして、それらから出てくる暗さである。

 

おそらく、アメリカ人も「本来のアメリカ姿」を見られるようになるだろう。

 

今夜も、筆者は、徹夜でテレビを見ることになる。筆者、今回の大統領選挙があまりにも変わっているため、一時、一時を逃したくない。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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先程、トランプが記者会見で述べた「ヒラリーの行方不明の32,000の文書をロシアに調べさせろ」という発言が問題になっている。自分の国の国家機密文書を他国のハッカーが持っているので、それに調べさせればわかることだ、というのである。

 

そして、挙句の果ては、「それを外国に頼むのは、オバマ大統領である」と捨て台詞を残した。ただ、あっけにとられるだけである。

 

ヒラリー陣営、民主党は、一斉に反発を強め、トランプの言うことは国家反逆行為という人も多い。

 

筆者は、これは、単なる民主党党大会を引っ掻き回そうとするトランプの作戦だと思う。トランプは、そのような作戦には、メディアを使う。「ニュースを追いかける記者たちにセンセーショナルな話題を意図的にねつ造して与えるのだ」と筆者の友人は言う。そして、「トランプの言うことを報道しなければ、新聞は売れないし、テレビは視聴率を稼げないのだ」という。

 

筆者が「トランプという男は、メディアに注目を浴びていないと、不安になってくるのではないか」というと、「そうだ。完璧なメディア人間だ」と友人は言う。

 

「メディアに与えるセンセーショナルな話題がないと、ねつ造するわけだ」と筆者いうと、それも賛成する。「しかし、ねつ造するにしても、今回のケースは、ウイキリークの証拠がある。いくらでも、フィクションめいた話は作れる。トランプという男は、このような面では、天才と思える」と友人は言う。

 

「しかし、今回は、自分の人格が疑われるのではないか」と筆者が言うと「民主党支持者はともかく、トランプに支持母体である白人ブルカラー層は、トランプを信じる。だから、扇動することに自信を持っている。トランプはやるのだ」という。

 

いったい、アメリカの大統領選挙とは何なのであろうか?

 

まるで、おとぎ話ではないか、とさえ思える。筆者は、41年間アメリカで大統領選挙を見てきたが、こんなおとぎ話に基づくチープな作戦が通用する大統領選挙は初めてである。

 

しかし、筆者は、このようなトランプに対し、なにも効果的な作戦が取れないクリントン陣営は一体、どうなっているのであろうか。「無視する作戦」では、通らないと思う。筆者は、すでに述べたが、副大統領候補が、もっと、自分を犠牲にして、戦わなければならないのではないか、と思うのである。人選を間違えたのではないか、と思うのである。

 

アメリカの世界における役割、アメリカの進路などが全く論議されないアメリカの大統領選挙を悲しい思いを持って、見ている筆者は、誠に残念に思うのである。

 

アメリカは、もっと偉大な国で、筆者のようにアメリカンドリームを持ってやってきた人たちもいるのである。筆者は、この国に到着した時の希望と夢に満ちていた自分自身を懐かしく思い出す。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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ヒラリー・クリントンとバーニー・サンダースの支持者の対立の危機を回避し、盛り上がりを見せている民主党大会に、横槍を差すように、ドナルド・トランプが鋭く批判した。本日、トランプは、一時間以上に渡り、記者会見を開き、徹底的に、クリントンを打ち砕く挙に出た。

 

その裏には、世論調査で、トランプ株が上がり、ヒラリーを追い抜き、ロスアンジェルスタイムズの世論調査では、トランプが4740でリードしていることをトランプは、記者会見の席上、明らかにした。これから、全州を素早く回り、さらに激しい攻撃を加え、党大会後のヒラリーの挽回を抑えようとするだろう。

 

ヒラリーが民主党大会が終わった後で、どれだけ、挽回するのかわからないが、この7パーセントの差は、トランプ逃げ切りをほのめかす数字である。ヒラリーに重くのしかかるであろう。

 

さて、トランプの記者会見で、最も大きな問題は、ロシアが民主党本部のメールをハックし、ウイクリークこの民主党本部の問題をで流したとされる問題である。

 

本日、ウイキリークの創始者のジュリアン・アサンジは、ヒラリーを潰すために、このメールを公開し、ヒラリーを叩きのめすことを図っていたと明らかにした。

 

これに対し、トランプは、自分は、一切、この事件に関係なしと明言し、プーティンには会ったこともない。ロシアでビジネスなどやったことはない。などと明言し、一貫している。

 

さらに、国務省のサーバー問題で、ヒラリーが持ち出したと見られる35,000の公文書が消えているが、トランプは、ロシアが持っていると理解し、ロシアに公表を迫った。

 

この発言は、思わぬ方向に走りだしている。つまり、トランプがロシアのハッカーに自分の国の恥をさらすことを頼んでいるようなものである、と民主党は批判している。それより、問題は、民主党の党大会のためのコミュニケーションをハックし、それを利用して、アメリカの大統領選挙を左右するとは、何ということであろうか。

 

もちろん、まだ、ロシアのプーティンの仕業かどうかわからない。プーティンがトランプと政治、経済関係を築きたがっていることは、明白である。今後この問題は、深刻になる可能性があると思われる。

 

それにしても、トランプは、ヒラリーの欠点、弱点をよくとらえている。まるで、しょっちゅう訓練しているようであり、ヒラリーの悪口となると、よどみがない。

 

「オバマ史上最低の大統領で、ヒラリーはそれよりも悪い」決めつけている。

 

さらに、ヒラリーはTPPを支持していたが、それを変更し、反対する立場撮ったのだが、それがアサンダース支持者を怒らせる始末、せっかく昨夜、仲直りを見せた、サンダース支持者と、ヒラリー支持者であったが、またもや、別れてしまったのである。

 

最後に言いたいのであるが、アメリカが外国に、国家機密を握られることもさることながら、アメリカの行政府、民間企業の情報がハッカーされ、国を動かされてしまう世界になったことは、大きな不安である。

 

ヒラリー陣営の脇の甘さは、何度もお伝えしたが、ヒラリーも含め、実に狭い視野の細かい問題が起こっている。

 

佐藤則男

ニューヨーク


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本日の民主党大会二日目で、ヒラリー・クリントンが正式に、民主党の大統領選挙の正式な指名候補に選出された。

 

心から、クリントン女史に祝福を申し上げたい。

 

筆者が拙著「なぜ、ヒラリー・クリントンを大統領にしないか?」の執筆を始めたのが、ちょうど、昨年の今頃であった。その頃はまだ、アメリカでは、クリントン女史の民主党予備選での楽勝が予想されていた。しかし、筆者は、このヒラリー楽勝の予想には懐疑的であった。筆者の見方は、ヒラリーは、「ひ弱な花」と見るべきだと思っていた。拙著で述べたように、あまりにも欠点、弱点が多すぎるのである。

 

しかし、一年前の今頃は、ヒラリーの強さは圧倒的であったし、対立候補は見当たらず、立候補を表明したのは、バーニー・サンダース上院議員だけであった。サンダースは、当時は、全く知られておらず、しかも、社会主義者で、ヒラリーの相手ではなかったのである。

 

そのヒラリーが今日、正式に指名代表に選ばれるまで、薄氷を踏む様な目に遭ったことが何度あったことか。トランプの強烈な反ワシントン体制の動きと呼応し、サンダースの猛躍進が起こったのである。まさに「サンダースハリケーン」の暴走であった。

 

さて、民主党大会二日身であるが、大いに目立ったのは、ヒラリーの夫、ビル・クリントンの演説である。「1971年、ある女の子に会った」から始まった、ビルとヒラリーの恋愛物語であった。恋愛もそうであるが、二人がどれだけ、家庭に、子育てをしながら、政治活動を共にやって来たかを南部なまりの英語で早口に語った。この種の英語になれていないと理解しにくいであろう。ビル・クリントンは、演説の天才であると筆者観ている。また、何とでも政治的イシューを得意の政治レトリックで、自由自在に振り回すことのできる人物である。

 

しかし、これまでとは打って変わり、ヒラリーの人間的側面を強調した演説であった。果たして「嘘つきヒラリー」のイメージを払拭するために、どれだけ役立ったのか、がキイである。筆者は、ヒラリー支持層の信頼はより強くしたと思うが、不支持層から、支持層への転換には、さほどの影響はなかったのではないかと見ている。何故なら、いくら夫のビルがヒラリーの人間的側面を語って、家庭的な話をしても、夫のビル自体、数々の女性関係スキャンダルで信頼度が低いからである。

 

この点は、トランプが徹底的にたたいてくるであろう。

 

ヒラリーの大きな課題は、「何が何でも、ヒラリーは、嫌だ」と頑なに、ヒラリーへの投票を拒むサンダース支持層である。この層の中には、堂々と「トランプに投票する」と言っている人もいるのである。

 

サンダース支持層の85パーセントは、ヒラリー支持に回るという世論調査結果が出ているが、実際にその時になり、投票してみなければわからないと思う。そこまで、ヒラリーを嫌う人は多いのである。

 

筆者は、このようなヒラリー嫌いの人に会うたびに、人間の嫌悪、憎悪について深く考えさせられる。アメリカ人の場合、特に政治に関してそのような根強い感情があることが特徴であり、誠に不思議に思うのである。

 

このような理由から、民主党大会第二日が終了した時点で、筆者の見方は、党大会終了後、ヒラリー支持は、上がると思うが、この党大会直前に発覚した民主党本部の議長のサンダース排斥の動きの影響はあまりにも大きく、今後も糸を引きそうである。だから、ヒラリーのできることは、民主党支持者の支持をより強固にし、支持基盤をしっかりと築くことだと考える。

 

もし、ヒラリーがしっかりと、民主党支持層の支持を得られるなら、選挙民は、民主党支持者の方が、共和党支持者より、絶対的に多いのであるから、本戦で、勝利することは必定であるはずなのであるが、ヒラリーとビルに関する限り、二人とも、あまりにも派手な政治の真っただ中にあったので、アメリカ政治の特権エリートであった。大衆の支持は、受けにくい存在と言えると思う。

 

だが、最新の世論調査では、「ヒラリー・クリントンを大統領として。誇りに思う」という人たちが、わずか38パーセントというのだから、驚く。

 

以上

 

佐藤則男
ニューヨーク






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民主党大会の二日目の最も大きなイベントは、ヒラリー・クリントンの民主党指名候補の正式な任命であるが、筆者が興味を持つのは、夫のビル・クリントンの演説である。

かつては、「嘘つきビル」と言われた男である。大統領退職後、ヒラリーが大統領選挙に出ると、失言をし、どちらかというと足を引っ張った男である。金集めが上手で、クリントン基金を作り、疑惑を生んだ。大統領退職以来、あまり、パッとしたことはやっていない。

ヒラリーを大統領にするため、隠然とした力を民主党に及ぼし、動かしてきた。大統領に立候補した時、筆者は、選挙の天才と称した。実にうまかった。大統領時代は、好景気に恵まれ、財政赤字を帳消しにした男である。コソボ戦争は、犠牲者を一人も出さず、終結させた。

筆者は、この時の外交官であったリチャード・ホロブルックを高く評価している。クリントン夫妻は、外交政策でこのホロブルックに助けられた。

今夜、このビル・クリントンがどのように、演説をするか大変興味を持っている。

なお、ヒラリーがもし大統領になれば、アメリカで、最初の「ファースト・ジェントルマン」が誕生する。

佐藤則男

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