Trump

今のアメリカには、3016年大統領選挙は、ロシアのハッカー行為によりアメリカの選挙民の投票が左右され、それもクリントン候補にとり、不利になる情報が流れ、トランプ氏が勝利した、と言う大半のアメリカが捉えていると思われる。つまり、順調に行けば、クリントン氏が勝つことが予測されていたのである。

もし、ロシアの干渉がなかったら、クリントン氏が勝ったのではないか、少なくとも、もっと接戦になっていたのではないか、と思うアメリカ人は多いであろう。

だが、この議論は、ほとんどメディアによってなされていない。『すべて済んでしまったこと。今更、議論しても仕方がない』と言うことなのである。

そして、不思議なことがある。ロシアのスパイ網に不利な情報を流され、破れ去ったクリントン女史にほとんど同情が集まっていないのである。

この点に、関心がないのかどうかわからないが、もしそうだとしても、分析し、検討する大きな価値があると思う。メディアは、その時々の社会現象をその動きに乗っかり、報道すればよいのではない。しっかりとした分析と予測がなければいけない。

そして、この分析と予測をとことんやらなければならないのは、民主党であろう。民主党は、何をやっているのであろうか。「なぜ、敗れたか」が分からなければ、「どうやって勝つか」が分からないはずである。

クリントン氏になぜ、同情が集まらないのか、についての理由の一つに、クリントン女史が今のアメリカの大衆、特に白人ブルーカラーにとり、あまりにもアウト・オブ・タッチ(心のつながりがない)ことが上げられる。

筆者はアメリカの大衆が大統領として選ぶ選択傾向も変わって来たと思う。まず、大衆が見るのは、候補者のイデオロギーや政策よりも人間らしさ、人間臭さであり、どれだけ、自分たちが近く感じることができるかと言う点であると思う。候補者がいくら細かくほかの候補と違うのかなどと政策を細かく述べるのは、ほとんど影響しない。

問題は個性である。だから、大統領選立候補者は、大衆の言葉、大衆の日ごろの生活スタイル、食べ物、好んで視るテレビ番組、ウエブサイトなど、特に知らなければならない。今の時代は、ディジタル技術、インターネット、ソーシャルネットワークを知らなければ、話にならないのではないかと思う。

クリントン女史は、これらの分野をほとんど理解していなかっのではないか、と思う。理解するためには、トランプのように自分の手自らやる必要があるのが、このソーシャルネットワークである。

佐藤則男

ニューヨーク