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トランプ大統領の支持率が上がっている。

ギャラップ調査では、支持が37パーセント、保守的なリサーチ会社でFOXニュースお抱えのラズムセン調査は、45パーセント、CNNは、40パーセントとなっている。最悪時に比べたら、56パーセント良くなっている。

これは、北朝鮮との対立が原因であり、アメリカは国難の時期を迎えると、大統領の支持が上がるという特徴を持っており、トランプ大統領に対する国民の見方が変わったということではないので注意が必要である。「国が困難に陥れば、大統領の下に集結する」のがアメリカが国家としての国民の伝統的習性である。いかなる大統領でもこの恩恵は受けるのである。

さて、アメリカと北朝鮮の対立は、言葉の上では、激しくなる一方であるが、筆者は、トランプ大統領と金正恩委員長とは、とことん「言葉の戦い」を演じると思う。何故なら、両者とも、国内問題、国内世論を考えているせいもあろう。両者とも、それぞれの国の内情を大きく気にしなければならない真っただ中に来ていると思う。

トランプ大統領は、オバマケアを跳ね除け、新らしい医療保険法の成立に失敗したことを上院院内総務のマッコーネル氏のせいにし、猛烈な非難を始めた。そして、その地位を降りるべきだと主張し始めた。要するに「首切り」である。もちろん、トランプ氏には、そんな権力はない。立法府と行政府の間には、明確に一線が引かれている。

またしてもトランプ大統領の滅茶苦茶な主張である。しかし、トランプ大統領は、立法機関の最大の味方である議会で多数を占める共和党の上院リーダーと仲違いしようとしているのである。トランプ流の強引な「人事強硬策」である。この対立は、トランプ氏のふりを招き、その代償は高くつくと思う。

トランプ氏とマッコーネル氏の対立は、初めからあった。しかし、両者はそれを抑えていた。何といっても共和党とトランプ氏が大統領選挙中に、声を張り上げ主張し、必ず無効にして見せると言っていたオバマケアがあった。その声を、7年間も鳴り響かせたのである。それが敗れたのであるから、そのけじめはつけなければならないとトランプ氏は、考えているのであろう。マッコーネル院内総務は、その責任を取らねばならないと考えているのであろう。当然のことと思える。

トランプ大統領は、まだ、ほかに立法化の問題があり、ほとんどの自分が発案した法案が成立していない。議会で多数を占める共和党に反トランプはの造反があるのである。大統領として、恥ずべきことである。

このような状況にあって、北朝鮮との対立は、自分がアメリカ国家のリーダーであること、軍の最高指揮官であることを示すためには、好都合と判断してもおかしくはないと思うだろう。

メディアは、四六時中追いかける。対北朝鮮問題が危機に陥れば陥るほど、トランプ大統領はメディアを独占し、コントロールできる。

一方の金委員長は、アメリカとの対立を強めれば強めるほど、中国、ロシア、そしてヨーロッパ諸国の同情を買うという利点もあるのではないだろうか。確かに、国連や日本、アメリカなどからの制裁措置は強くなるであろう。だが、核兵器は、持っているもののアメリカの敵ではない。核兵器の力の差は、歴然としている。

北朝鮮の経済力、国力もアメリカには、比べ物にならない。ただ、核兵器、ミサイルを少々持っているだけである。とことん、アメリカと対立し、何らかの和平交渉に持っていけたらよいのではないか、と言う考え方もできるのではないだろうか。

事実、北朝鮮とアメリカの水面下のコミュニケーションは、世界のどこかで行われているという報道もある。ニューヨークもその一つであるとされている。国連と言う接点もあるからである。

外交には、必ずと言っていいほど、リスクをとことんまで取るが、それが交渉をするまでの条件となるケースはあると筆者は理解している。間違いであろうか?

だから、トランプ大統領と金委員長のブラフ合戦と言う見方が出てくるのだと思う。ただ、気になるのは、二人ともエクセントリックな性格で、何をしでかすか分からないところがあり、予測を超える要素は持っていると思う。それが、世界を不安にしているのではないだろうか。

 

佐藤則男

ニューヨーク