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北朝鮮が、水爆実験を行い、それがICBM(大陸間弾道ミサイル)の頭部に搭載することができ、文字通り、北朝鮮は。核兵器所有国となり、危険極まりない国家となった。。

さて、アメリカがどう出るのか?

筆者がこの問いに関し、筆者が歴史上思い当たるのは、196210月に起こったキューバ危機である。この事件は、北朝鮮核兵器問題の解決にヒントを与えてくれと筆者な思う。

キューバ危機は、アメリカの偵察機U2がキューバでミサイル基地が建設中であることを発見したことから始まる。それを許しては、北米大陸に届く範囲に核ミサイル基地が建設されることになり、アメリカにとって未曽有の危険が迫る。それはあってはならないことであった。

逆にキューバ侵攻、あるいは限定的であれ空爆を行った場合は、すでにミサイルはキューバに持ち込まれていたことを考慮すれば、キューバからの報復攻撃の可能性は大いに存在した。実際のところ、カストロがソ連の反対を押し切って、感情に任せてそのような報復行動に出ることが考えられ、核戦争が起こる確率は非常に高かったのである。

当時の大統領であったケネディ氏は、緊急に様々な専門家を集めこの問題に取り組んだ。そして、ここで検討されたアメリカの行動は次のようなものであった。

1.ソ連に対して外交的圧力と警告および頂上会談(外交交渉のみ)

2.カストロへの秘密裡のアプローチ

3.海上封鎖

4.空爆

5.軍事侵攻

6.何もしない

6つの選択肢を挙げた。そして 1.の外交交渉のみと 6.の何もしないは最初から真剣に討議された。1018日夜の段階でも外交交渉のみの案を支持するメンバー(主に国務省関係者)もいたが、ケネディは、1. 6.のどちらも却下した。2.のカストロへのアプローチも相手は、キューバではなくソ連が相手であることで却下となった。そして 5.の軍事侵攻も積極的な意見は出てこなかった。

ケネディが「侵攻は最後の手であって最初の手ではない」との意見が、ほぼ全体のコンセンサスとなった。残るは 3.の海上封鎖か 4.の空爆で、最初は空爆が有力であった。。

マクナマラ国防長官は、16日夕方の会議で海上封鎖をしてキューバの動きを見守り、その反応によってはソ連と戦うと述べた。ロバート・ケネディ司法長官は、事前警告無しの空爆は「真珠湾攻撃の裏返し」であり歴史に汚名を残すと述べ、この事前警告をした場合は逆にソ連に反撃のチャンスを与え、かつフルシチョフが反撃に乗り出さざるを得ない状況に追い込んで、却って危険な状況となることが予想された。

海上封鎖は実施された。しかし、軍事的威嚇、国連の介入、外交ルートによる交渉、など核戦争を回避するあらゆる努力が行われ、キューバ危機は回避されたのであった。

この事件から大きな教訓を学ぶことができる。まず、様々な専門家を集め、討議をすることが重要である。このような危機に際し、ケネディ政権のように、多様なメンバーによる議論をすることである。

それによって選択肢も増え、ある政策を採用した場合に生じ得る結果の予測もできる。ケネディ政権は、当時、確率の概念を多く使ったと筆者は、コロンビア大学経営大学院で学んだ。

ソ連側もさまざまな選択肢を考慮することができ、最終的なミサイル撤去へと繋がったのである。

北朝鮮の核問題に関して、果たして、トランプ大統領、トランプ氏のスタッフにこのような行動がとれるであろうか?

独善的で、独裁者であるトランプ氏、果たして、この直感の大統領は、幅広く専門家を集め、徹底した討論を重ね、解決に持っていけるだろうか?

場合によっては、思わぬ方向に進む確率も高い。

世界は、平和な世界を築くために、アメリカの大統領に対しても、リスクマネジメントを当てはめなければならなくなってきた。

佐藤則男

ニューヨーク