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新聞、テレビ、ラジオ、そして、ディジタルメディアなど多様多岐にわたるニュースメディアの役割は、「事実を客観的に伝える」ことにあることは、筆者も十分承知している。

だが、北朝鮮の核兵器、ミサイル、そして、それらに対抗するアメリカの動きなどを報道するときは、もっと注意が必要なのではないか、と筆者は強く思う。事実を報道する、と言うあまり、日本のメディアは全般的に、トランプ大統領や金正恩氏などの言動、行動を「分析、予測、批判なし」に報道しすぎるのではないかと思うのであるがどうであろうか。

筆者はことさらThe New York TimesThe Washington PostCNNなどのアメリカのニュースメディアを良しとするわけではないが、これらのアメリカのニュースメディアのメインの記事で、トランプ大統領、金正恩の言葉をそのまま取り上げて報道しているが、記事の中で、解説、分析が必ずと言っていいほど含まれている。予測のあるものもある。

更に、そのメインのニュースに解説、分析記事が別についている。日本のメディアが起こすようなパニックがアメリカ国民の間で起こらない一つの理由となっていると思う。

日本にいて、日本のプリントメディア、テレビメディア、インターネットメディアなどニュースメディアを見ていると、今にも北朝鮮に対し、トランプ大統領が軍事行動を取るというような錯覚を起こす報道ぶりが目立つ。

トランプ大統領や、マッティス国防長官の発言をそのまま報道し、メディア自体の分析や予測をつけないまま報道してしまうからだと思う。

常識で考えても、アメリカ軍が北朝鮮に対し、軍事介入作戦をとるのは、難しいはずである。第一、今のアメリカには、軍事的にも財政的にもそのような能力はないのではないかと筆者は思う。泡良く、北朝鮮を手中に収めても、北朝鮮を国家としてせう率させるためにどれだけの兵力と金が必要か。莫大である。

それに、ピンポイントで北朝鮮の核兵器のありかを正確に捉え、核兵器が爆発させないでコントロールするような軍事作戦が立つのであろうか。

筆者は、以前、日本に住み、働き、生活しているアメリカ人の日本のメディアについて調査を行ったことがあるが、その調査結果で、ほとんどのアメリカ人が日本のメディアの突っ込みが浅く、分析と予測のなさを指摘していた。

この点を日本の大新聞社の記者に聞くと、「日本のメディアでは、分析や予測など私見の入った記事内容は許されない。常に、客観的で、公平な内容の記事でなければならない。客観的事実を上げ記事とし、あとは読者や視聴者の判断に任せる」と言うことであった。

だから、トランプ大統領やマッティス国防長官の「世論の形成を意識した」強硬な発言が見出しとなり、報道されるのであろう。

それでは、トランプの作戦通りとなる。。

トランプ大統領は、ロシア疑惑の真っただ中にあり、特別捜査官が大陪審員を設け、捜査している。いつ、トランプ大統領を弾劾する犯罪が発覚するかしれない状況にある。

トランプ大統領をこの事件から逃れるために、同大統領が最も狙っているのは、アメリカの世論を味方につけることである。メディアを「Fake Media」と決めつけ、メディア報道を否定する。そして、そのための戦略として、トランプ大統領の作戦は、メディア報道を独占することであると筆者は思う。

毎日、毎時間、北朝鮮の核ミサイルの脅しに対し、強烈な言葉で、北朝鮮を非難することは、国民の注意をそれに向けさせるのである。

トランプ大統領は、メディアを知り尽くしていると思う。世論操作が得意である。その作戦は、「ニュースの独占」である。だから、ツイッターも頻繁に使い、自分自身のFake Mediaを創るのである。毒には毒を持って対抗するのではないかと筆者は見る。

佐藤則男

ニューヨーク