Donald_Trump_August_19,_2015_(cropped)

トランプ大統領が奇跡とも言える変身を見せた。何と、もめにもめていた政府負債の上限の一時的な延長を民主党と手を組み議会でその法案を通過させたのである。

共和党は、オバマ政権の下で成立していた赤字予算幅を縮小させるため、行政機関の一時的閉鎖もやむを得ないとし、強硬な路線を取っていた。トランプ大統領もそれに乗り、国民を脅していたのであった。

そのトランプ氏が民主党の上院少数派リーダーであるチャック・シューマー時上院議員、ナンシー・ペローシー下院議員と会談し、この難局を乗り切ったのである。

トランプ氏がまさかこの激しく敵対していた民主党のリーダーと取引し、民主党案を通そうとは、夢にも思わなかった共和党上院多数派リーダーのミッチ・マッコーネル上院議員、ポール・ライアン下院議長には寝耳に水。そして、共和党保守派、このトランプ大統領の変身、と言うより、裏切りに怒りを感じている。

筆者もまさか、と思う。トランプ大統領は、あれだけ、行政府役所を一時的に閉鎖すると豪語し、国民に不安を抱かせていたのである。

果たして、これがロシアスキャンダル、ロシアでのトランプタワー建設計画の発覚、そして、トランプ大統領が進めている税制の改革、それも大企業減税優先で、議会を通過する可能性はほぼない。ここでトランプ大統領が考えた戦略は、民主党と取引する、ことではないのか?

トランプ氏は、大統領に選ばれると共和党を乗っ取った。。だが、共和党の中では、超保守派は、トランプ氏を認めていなかった。彼らはトランプ氏を嫌い、寄せ付けなかった。

今回のトランプ氏の変身は、共和党超保守派は許さないであろう。スティーブ・バノン前戦略上席補佐官は、ホワイトハウスを去るとこの超保守派と結んだ。今回のトランプ大統領の変身に対し、どのような動きをするのか見ものである。

さて、このトランプ氏の変身は、大いに共和党を揺さぶるのではないかと筆者は予測する。

ここで、トランプ政権は、豹変するのか?

忘れてはいけないことは、トランプ氏は、ビジネスでは、辛辣な「ディールメーカー」である。ディールメーカーの特徴は、「あらゆるものを取引に利用し、何でも取引し、目的を達成する」ことである。恥も外聞もない。取引を成立し、利益を取ればよいのである。

トランプ大統領に、ビジネスで鍛えに鍛えた精神が高揚し、民主党と取引し、自分の法案を成立させるという新しい方針に切り替えるのであろうか?

共和党と民主党の対立をやわらげ、自分はその二つの政党のトップに立つような野心が生まれてきたのであろうか?

果たして、ここがトランプ大統領の転機になるのであろうか?

そうなると、トランプ氏は、新しい活路を見出したのであろうか?

佐藤則男

ニューヨーク