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日本を離れ、42年も経ち、日本について述べることは、誠に失礼なことであり、その資格が問われても仕方がないと思うが、一言述べさせていただきたい。

「日本ほど平和な国はない。日本国民ほど平和な国民はいない」と筆者が長い間お世話になっているA氏は筆者に熱っぽく語る。A氏は、まだ40歳である。彼が何を根拠に言っているか筆者は「なんとなく」分かる。その一つの例は、北朝鮮の核兵器による攻撃の可能性があるが、「それはないだろう」と言う安心感だと思う。そのよりどころは、アメリカとの安全保障条約の庇護の下にあるからであろう。

筆者は、そのような見方も十分わかるし、その莫大な金銭的負担を日本政府、国民が負担をしていることを考えれば、当然と言えるだろう。

そして、肝心なことは、北朝鮮がいきなり、核ミサイルで攻撃してくる可能性は低いだろう、と言う見方が定着していると思う。

また、安倍首相や河野外務大臣が国連を動かし、世界各国を動かし、アメリカとともに北朝鮮制裁の拡大キャンペーンを繰り広げている。それも、徹底的に北朝鮮を締め上げ、北朝鮮が折れてくる、と言う予想に立脚しているのではなく、国際政治上、国際地勢学上の一種の戦略で、安倍首相をリーダーとして、アメリカ政府との十分な話し合いで行われていると思う。

国際政治上、制裁は思うほど効果がないことは歴史が示している通りである。運悪くすると、制裁された国が、窮鼠猫を噛むと言われるように、思わぬ手に出ることがある。安倍首相は、それも計算ずくめのはずである。

そして、この日本政府の強力な北朝鮮潰しの制裁措置は、為政者にとっては、日本の内政の安定に寄与するとも考えられる。つまり、真剣に北朝鮮問題に取り組んでいるという姿勢を示し、日本国民に安堵をもたらす効果があるからでもあろう。

しかし、東アジア圏で、北朝鮮の脅威と攻撃を最も受けやすいのが日本ではないか、と言う自覚と恐れが日本国民にあることは、自明の理であろう。その最大の理由は、日本は、アメリカの庇護と同時に、東アジアでアメリカの同盟国であると見られているという事実である。

しかし、日本人の賢い選択は、それを適宜やわらげる術を知っており、微妙に外交面でバランスをとることができる。この日本政府の知力は、称賛されてよいのではないか、と筆者は思う。

歴史の中で、戦国時代、明治維新などの長い内戦を経験し、また、世界大戦で大きな敗戦を経験し、核兵器攻撃を受け、人類史上、壊滅的な打撃を受けても立ち直った勇気ある国、努力を惜しまない国である。

前置きが長くなった。ここで、この筆者の冒頭に掲げたA氏の話に戻るのであるが、「(これからの日本には)老年層が若い人を育てるとか、若い人に教える必要はない。若い人は老人たちから学ぶものはない」と言う発言が筆者の胸を深くえぐった。

まじめな性格のA氏から、予想もつかない発言であった。A氏はまだ若い。これから、日本の言論界で生きて行く人である。

日本の社会は、ますます老人は増え、国の財政は、ますます困窮すると思うし、若い人の税負担は、確かに増える。

しかし、若者たちを生み、育てたのは、今は、老人層ではないのではないのであろうか。もはや、老人層の役割は終わった。早く、逝ってしまって欲しい、と言う気持ちはわかる。

だが、これまでの世代が知恵を絞り、あらゆる困難を乗り越え、激しい労働に耐え、不撓不屈の精神で、築き上げたこの日本と言う国家なのである。

筆者は、若い人たちにそのような老年層に感謝しろ、とか、尊重しろと言っているのではない。そのような強制は、避けるべきであろう。

筆者が言わんとすることは、そのような経験を経て、日本国家を確立し、存続させてきた老年層の知恵、知識、行動まで、馬鹿にすることはないのではないか、と言うことである。

老人は、役目を終わり、静かに、この世を去る人々である。社会で最も弱い存在の人たちである。すでに、力を失い、無力の人たちである。しかし、選挙権は持っている。人口から見ても、選挙に大きな影響を与える。

日本の若者よ、老人たちに同情はいらない。だが、その老人たちが残した知恵、知識、そして、精一杯働き、日本を経済大国にし、今日の繁栄を築き、「平和ボケ」とまで言われる幸せな国を築いた老人たちに、罵りではなく、公平な見方をし、拍手を送ろうではないか!

佐藤則男

ニューヨーク


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