Illustration-Andrew-Rae

関税を20パーセント引き上げれば、外国製品は値上がりし、アメリカ製品を買う。外国メーカーは、関税を逃れるため、アメリカに進出する。そして、それは雇用を上げる。すでに進出している外国企業は、関税を逃れるため、アメリカ国内の生産を上げる。そのために設備投資を行い、アメリカ経済に貢献し、アメリカ人の雇用を増やす。

 

こんな愚かな理屈があるだろうか?

トランプ大統領の著名で元大投資銀行の重鎮であった経済政策ブレ-ンは、こんな単純なトランプ大統領の理屈を正しいと思っているのであろうか?

もしそうなら、アメリカはとんでもない国になり下がったと思うが、現実はそうでないと筆者は確信を持って言える。

個の愚かな関税政策は、ワンマンショーの大統領、トランプ氏の独裁的結論から出たものと思う。逆らえば、You are fired!である。勇気のない部下は、黙って首になることを待つのみである。

まず、トランプ大統領は、世間知らずだと思う。

第一、一般のアメリカの消費者が求める商品の中で、アメリカ製品はどこのあるのか?

筆者がTシャツのMade in Americaを買おうと思って、そこら中歩いてもどこにもないではないか。着る衣類はほとんどそうである。

電気製品はどうか、コンピュータはどうか?

アメリカ製製品などどこにもない。

さらに、住宅の改造、改修などをしようと思って、業者にやらせれば、物、道具などすべてと言っていいほど外国製である。

さらに、その工事をする人は、どうか、それも半分ほどは、移民である。

 

また、アメリカでアメリカ人労働者を雇って使えば、どれだけ従業員マネジメントに苦労するか知っているのであろうか?

筆者は、この経験があり、アメリカ人従業員を雇い、使うことがどれだけ手間がかかるか、思う存分知らされた。

人事マネジメントにおいて、アメリカ人をマネジメントする苦労は、計り知れない。

外国企業がアメリカに進出し、アメリカでものを生産し、売ることがどれだけ難しいことか、トランプ大統領は、知らないと思う。

そんな国でものを創り、売る事業をやるには、莫大な資金とマネジメントコストが必要となる。

アメリカに進出し、日本と比べよりやりやすいことは、従業員を簡単に首にすることができるくらいのものである。

トランプ氏のもっともすぐれている点は、ここにあるかもしれない。

 

トランプ大統領は、単純な損得の計算しかしていないと思う。

大統領になってから、国内政策、外交政策もすべて、単純なプラス・マイナス計算でしかしていないのではないか。

こんな建設会社の社長である、トランプ氏の一大プロジェクトであるトランプタワーの建設に興味を抱く日本の企業はあり得ないと思う。

世界の外交、軍事政策、経済政策を支配するトランプ大王の独りよがりの支配は、今後進むばかりではないのか。

それに新たにプーチン大王が加わったらどうなるのか。そして、プーチン大王は、トランプ大王をどう利用するのか。そして、まだ、習近平大王がいる。この三人の大王に日本は、振り回されるのか。日本も大いに研究しなければならない。日本の外務省は、ますますその役割が大きくなるだろう。日本の運命を背負っている。日本のためにすべてをかけて行動するより大きなスケールの人物の登場が待たれる。

 

佐藤則男

ニューヨーク




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