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「アメリカ国民の中心課題は、2020年の大統領選挙で、いかに、選挙民がトランプ大統領を再び大統領として選ばないか、と言うことである」と筆者に語るのは、アメリカの元トップ雑誌の副編集長だったT氏である。

 

筆者ももろ手を挙げて賛成した。「このままトランプ大統領が現職にあり、2020年大統領として再選され、4年間、同氏が大統領として残るのであれば、アメリカは、国家として成り立たなくなるだろう」と、T氏は、冷静に言う。

「もしそのようなことが起こったなら、アメリカの威信はなくなるどころか、世界の各国に、悪の国。無慈悲な国として見られるようになるだろう。

「そして、おそらく、アメリカは、世界の平和を確立するために創られた国際条約、国際連合やそのほかの国際機関から、脱退するだろう」と言う。

 

筆者が「それでは、これまで長い歴史の中で、世界各国が参加して、創った平和を築くための条約、国際機関をなくしてしまうのではないか。アメリカがそのような国際条約や国際機関から抜けた場合、その条約も国際機関もほぼ無力となると思う。よって、世界は、秩序のないものとなってしまう。アメリカが参加しているからこそ、成り立ってきたのである」と筆者が言うと、「あなたの言うとおりである。アメリカは、世界のあらゆるところで、敵を持つことになるだろう。そして、世界のあらゆるところで、アメリカ人は、攻撃を受けることになるだろう」とT氏は言う。

 

「トランプは、アメリカの威信を落とした。名誉も善良さも、そして、アメリカの寛容さもなくしてしまった。世界の歴史上、初めて、アメリカは、悪い国と評されることになった」と語る。

 

筆者は、T氏の見方について「あまりにも悲観的すぎるのではないか?」と聞くと、「もちろんそうだ。しかし、アメリカでこの危機感が高まらないと、トランプが再選されることになる可能性があるからである」と言う。

「それでは、あなたは、その可能性をどの程度見ているのか?」と聞くと、「民主党の対立候補が問題だが、このまま有力な候補を立てられなかったら、50パーセントの可能性が出てくる」と答えた。

筆者も、トランプ再選は、まったく不可能なことではない、と見ているので、T氏の不安がよく分かった。

 

今のアメリカはそういうムードがあるのである。移民を苛め抜き、白人至上主義という愚かな考えを持ち、そして、極端な右寄りの考えを持つ人物を最高裁判事に指名し、妊娠中絶を否定する社会に変えようとしたり、これまでアメリカが進化してきて築いたものを壊そうとしているのである。

外国では、中国にひどい関税を課し、西欧諸国を批判し、NATOから、脱退することもあり得る。反対に、アメリカ第一主義を取るトランプ大統領を良し、とする人々を増産しているのである。

 

このような動きに真っ向から立ちはだかる大規模な動きがアメリカにはないのである。世界の多くの人々がアメリカは、間違っている。トランプ大統領は間違っている、という声が盛り上がっているのに、その当事者のアメリカ国民の中に、トランプ大統領を快し、と思っている多くの人々がいるのである。

 

中曽根元総理は、アメリカ大統領のレーガン氏に対し、ヨーロッパ政策に関し、意見をしたことがあるが、安倍首相もトランプ大統領に「モノ申す」と気が来ているのではないか。黙っていると、日本も軍事予算を大幅に増やすよう圧力をかけられ、多くの武器を買わされる時が来るのではないだろうか。

 

佐藤則男

ニューヨーク




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