ロシアスキャンダル捜査に新たな、それも、かなり重要な出来事が起こった。
2016年の米大統領選挙のトランプ氏陣営で選対本部長を務めたポール・マナフォート被告は、司法妨害などの罪を認めたいたが、ロシア疑惑を捜査するマラー特別検察官と司法取引で捜査に協力する見通しになった。
これは何を意味するか?
マラー捜査官の焦点は、大統領選挙の2016年の夏、ニューヨークのトランプタワーで、ロシアの怪しい弁護士と、トランプ側近が密談し、ヒラリー・クリントンを陥れる相談を行った。この時、どんな会話が交わされ、どんなことが決まり、どんなことが実施されたかである。
マナフォート被告は先月、脱税などの罪で有罪評決を受けていた。さらに、ウクライナでのコンサルタント業務に関係するマネーロンダーリングの罪などに問われ公判が予定されていたが、マラー氏に協力することで今後の公判を避ける形になる。
マナフォード氏は、職業で言えば、ロビイスト、政治コンサルタント、弁護士と言えるだろう。日本にこの人と同じ職業を上げるとしたら、政治や、というところか。しかし、学歴はもっと高く、弁護士の資格を持っていることである。それゆえに、政治犯罪を犯したら、巧妙である。
マナフォードは、2016年アメリカ大統領選ではドナルド・トランプ陣営に加わり、同年3月から8月まで選挙対策本部長を務めた。それ以前にはジェラルド・フォードやロナルド・レーガン、ジョージ・H・W・ブッシュ、ボブ・ドールなどの大統領選挙キャンペーンの顧問を務めていた。
マナフォートはこれまでにウクライナのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ元大統領やフィリピンのフェルディナンド・マルコス元大統領、コンゴ民主共和国の元独裁者モブツ・セセ・セコ元大統領、アンゴラ内戦の当事者の一人で反政府武装勢力アンゴラ全面独立民族同盟を指揮したジョナス・サヴィンビなどの外国の指導者のためにロビー活動を行なっていたが、外国の政府または指導者の代理人としてロビー活動を行う者に義務付けられている外国代理人登録法に基づく司法省への登録を2017年6月2日時点で行なってなかったことが判明すると同月27日に過去に遡る形で司法省へ登録を行なった。
現在マナフォートは複数の連邦機関によって調査中であり、2016年アメリカ大統領選でのロシアの干渉に関する捜査における主要な人物の一人です。彼は2017年10月30日にミュラー特別検察官によってビジネス・パートナーでありトランプ陣営幹部の一人であるリック・ゲイツと共にアメリカに対する陰謀(共謀罪)や資金洗浄、無登録による外国政府や指導者の代理人としてのロビー活動、虚偽陳述など12件の罪状で起訴された。
マナフォートは起訴以来、無罪を主張しているが彼と共に起訴された長年のビジネス・パートナーのリック・ゲイツは2018年2月にミュラー特別検察官がマナフォート、ゲイツを新たに32の罪状で追起訴した直後に自身の有罪を認めると共に司法取引を行い捜査への協力を約束した。マナフォートは1000万ドルの保釈金を支払い自宅でGPSによる24時間体制での監視下に置かれた。
2018年6月8日、マラー特別検察官はマナフォートが同僚であるコンスタンティン・キリムニクと共謀し同年9月に証人として証言台に立つ可能性があったマナフォートも参加する欧州の元指導者によって構成されるロビー団体ハプスブルク・グループに参加していた元ジャーナリストのアラン・フリードマンとエッカート・ サガーの2人に対して虚偽の証言を行うよう買収を試みた司法妨害と司法妨害に関する共謀罪(証人買収罪)で2人を起訴すると共にマナフォートの保釈取り消しを裁判所に対して請求[17][18]、同月15日、ワシントン連邦地裁は司法妨害と証人買収罪に関連しマナフォートの保釈取り消しと収監を命じ、同日中に収監された。
2018年8月21日、バージニア州連邦地裁の陪審はマナフォートの審理で、起訴された18の罪のうち、脱税や銀行詐欺など8つの罪について有罪の評決を下した。
佐藤則男
ニューヨーク
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