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「一匹の妖怪がヨーロッパを徘徊している」とはマルクスの「共産党宣言」の冒頭の言葉である。アメリカに、21世紀の今日、この妖怪が徘徊している。ものすごい勢いである。79歳の指導者、サンダース上院議員である。それだけ、アメリカの貧富の差が激しいせいであろうか。 

筆者は、アメリカの民主党の衰え、弱体化、死にゆく政党の姿を感じる。こんなことは45年間、大統領選挙を中心にアメリカを見てきて強く感じる。そのような状態を落ち込ませたのは、バーニー・サンダースという人物である。彼は、2大政党時代にもかかわらず、民主党にも、共和党にも属さないIndependenttと名乗る上院議員が出てきたのであった。日本で言えば、無所属と言うことになる。

2大政党がしのぎを削る戦いの中で、サンダースは、2大政党の戦いでマヒしたワシントン政治に不満を持ち、極端な左思想に流れる若者たちに目を付けた。彼の思想の裏には、資本主義の敗北を予言したマルクス主義から借りたものを使えば、政治の大きな潮流になると判断したのであろう。マルクスと言わず、アメリカの矛盾を彼は、階級闘争を説くことにより、政治の流れを変えることに気が付いたのであろう。

大統領という地位につくために、この階級闘争をわかりやすく説明し、単純明快なメッセージにすれば、大きな流れになると判断したのであろう。何故なら、若い世代は、マルクスの資本論などの本を読まないどころか、存在さえ知らない若い世代にアピールするだろうと考えたのであろう。そして、ロシアや中国の古典的共産主義がどんなことになったか、また、共産主義がいかなる社会を創り、腐敗していったかなど夢にも考えない世代に共産主義社会の華麗なる理想を説いたのであろう。

社会悪は、大企業のせいであり、そのような大企業に基盤を置く政治家が腐敗した政治を行っていると主張してきたのである。大企業が法外な利益を乗せてものを売る。金融保険などのサービス大企業も搾取する、今の社会の問題は、大企業が支配しがいるからだ、と古典的マルクス主義の見方を説く。

アメリカの若者、貧困層にこのからくりを訴えれば、彼らは、いとも簡単に動いたのであろう。

ここに政党ではなく、一人の宗教団体のようなものが出来上がり、サンダースは、教祖となったのである。

このサンダースが民主党の大統領選挙の指名大統領候補最先端になっているのであ。そしてメディアが大きな声で教祖の教えを報道する。

サンダースの集会に集まる若者たちを見るとサンダースがいかに彼らを扇動しているかよく見える。

トランプ大統領が口癖にしている「フェイクメディア」というのも無理がない点もあると筆者は、公平に見ている。

かくして、民主党は、サンダースに最大の支持を与え、古典的社会主義思想の人物に代表させ、この横暴なエゴの塊であるトランプ大統領と戦いを行おうとしている。

 

サンダースがいかに自分で金が好きで、金をため込んでいるかに気が付いても、無言の支持者になってしまったのである。

 

民主党は、もはや政党ではなく、サンダース社会党となったのである。

そして、それは、トランプ再選を許すことになるのである。

 

佐藤則男

ニューヨーク



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