2009年12月26日
財政悪化でも農業は満額に「?」
科学技術関連や防衛など各種 重要予算で減額が相次いだ今予算。
だが、そんな財政の中で満額を得られたのが「農業」である。
2009.12.25 21:34
農林水産省は、焦点だったコメ農家への戸別所得補償制度で5618億円の要求を満額で確保した。戸別所得補償は、販売価格が生産費を下回った場合、差額を埋め合わせる制度。支払いは、政府が定めた生産数量目標を守ることが条件だが、参加はコメ農家の自由意思に委ねた。来年度からの制度実施で、罰則を伴う生産調整を約40年にわたって農家に科してきたコメ政策は「減反選択制」に大きく転換する。
今まで行われていた減反調整金は毎年ほぼ2000億円である。これが個別所得保障制度になり、2.5倍に増額。
同制度に参加するすべてのコメ農家には、米価水準にかかわらず、全国一律の定額補償が10アール当たり1万5千円支払われる。ここ数年、コメの販売価格と生産費の全国平均の差額は10アール当たり1万4千円以下。所得補償は、天候に左右される不安定な農業経営を支えるほか、農業に意欲を持つ企業や若者の参入を促すと期待されている。
注目すべきは、補償を受けられるのが「制度に参加するすべてのコメ農家」となっていること。
日本農業の生産性を下げている農家も生産性を上げている農家も一緒くたにしている。
これでは、今後の生産性の改善など望むべくもない。
ただ、生産効率の改善など経営努力を促す仕組みを見送り、「片手間の経営でも一律に補償が受けられる形は農家のモラルハザード(倫理観の欠如)を招く恐れがある」(東京大学大学院農学生命科学研究科の鈴木宣弘教授)。
日本の農家の8割9割は兼業農家。
農家としての権利や利益を享受しているが、実のところ「名ばかり農家」ばかりが、蔓延っており本来的に支援を与えられなくてはならないはずの専業農家は、その分割を食う形になっている。
兼業農家という「名ばかり農家」に農家への支援を打ち切れば、その分専業農家に予算を回すことが可能になる。
また、財源負担も考慮し米価水準を維持する生産数量目標を残したため、今後もコメの値段は大きくは下がらないとみられ、消費者にとっての政策転換のメリットは薄い。耕作面積に応じた補償払いの仕組みが、意欲のある経営者への農地の移転・集積につながらなければ、所得補償は、巨額の税金を使いながら単にコメ農家の現状を固定化するだけにとどまりかねない。マニフェスト(政権公約)予算の満額確保でも、農政の見通しはとても満点とはいえない。
今まで行われてきた減反制度は、わざわざ税金を使って農家が高いコメしか作れないようにする制度であった。
国民は、納税者として税金を農家に取られ、消費者として高いコメを買わざるおえなくなくされてきた。
これが、個別所得保障でどう変わるかと思えば、納税者として農家に取られる税金が今まで以上に高くなる。
一方コメの価格が安くなるわけではなく今まで通り。
馬鹿馬鹿しいにも程がある。ヽ(`Д´)ノ
税金を使うのであれば安いコメを作る農家だけを支援すればいい。
わざわざ高いコメを作る農家に税金を使う必要はない。