2019年12月02日

ドジ

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案山子堂

 ニシオカ・ト・ニールから「栄ちゃん免許取ったんでしょ? IKEA行こうよ」

 という連絡。

 彼女とは古い付き合いで、同い年で、同じ作・演出家で、女優として私の芝居に出てもらったこともあるし演出助手をやってもらったこともあるし、川尻恵太と私を引き合わせたのも彼女だったりする。
 そういう付き合いだ。

「俺の車ちっこいからそんなに積めんぞ」

「買いたいのはソファーカバーだから大丈夫でーす」

「だったら車で行く必要ねーんじゃねーか?」と思ったのだが飲み込む。

 ニシオカ君の初期設定の基本情報としては「ドジ」だ。
 アビリティ「ドジ」なのである。
 ドジっ娘のそれとは違うネイキッドな「ドジ」だ。
 界隈では「ドジ」と言えばニシオカ君を思い浮かべる人が多いと思う。
 そういう人だ。

 だからニシオカ君と行動を共にしたらどのみち「ドジ」に巻き込まれることは目に見えているので余計な保険は打たず五体投地のような心持ちで向き合うのが良いとされる。

 そんなわけでニシオカ君を乗せて千葉のIKEAに向かう。

 店内を物色するニシオカ君。

 IKEAで購入したソファーのソファーカバーを買い替えるというのが本日のミッションらしい。

 見当たらないので店員さんに聞くニシオカ君。

 店員さんは在庫を確認したりカタログをチェックした後に言う。

「すいません、そもそもそのソファーを置いてないんです」 

「えー!」

 本日のミッション、失敗。

 どうやらそのソファー自体がもう販売停止になっているらしい。

「事前にネットで調べることも出来たのでは?」とか野暮なことは聞かない。

 これがニシオカ君だからだ。
 ドジなのだ。
 ただし、彼女はドジを反省する。 
 それがニシオカ君の良きところではあるのだが。

 ニシオカ君はオロオロしながら私に色々な商品をすすめて来た。
 IKEAの回し者のように。
 目的を達せなかったことを申し訳なく思い、何か私にとって有用な商品を見つけて私がIKEAに来て良かったと思えるような展開に持ち込みたいのだろう。

「ほら栄ちゃん緑だよ。緑好きでしょ? 緑色のクッションだよ」

「…」

 色々な思いが巡り、買うことにした。

 ホットドックを食べてIKEAを後にする。

 夜、ニシオカ君からの連絡。

「栄ちゃん主にホットドックの為だけに運転ありがとね! ネットで調べたけどソファーカバーは全店で欠品だったわ」

 想定内です。

 一応フォローをしておくと、ニシオカ君はとてもオシャレさんなので、昨年のパリでのトークショーのときなどに「友達に恥はかかせらんねぇ」と、私の服をコーディネートしてくれたりする優しい女史です。

 ちなみに緑色のクッションは我が家の椅子とは仕様が合いませんでした。




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