政治家の発言は往々にして送り手(メディア)側が持つ「編集権」によって分解されてしまい、意図が伝わらない事が多い。

 メディアが常に不偏不党、公正中立でありうるとは思っていないし期待もしていないが、「報道の自由」というものを「国民の知る権利」とニアリー・イコールに考えている節が多々見られる。「送り手」がどう考えようが一向に構わないが、「受け手」は知りたい事全てをメディアが教えてくれていない事を体験的に知っている。トヨタのリコール記事が小さく、三菱ふそうのリコール記事は一面に載る。自社の不祥事に「コメントを差し控える」等々。

 防衛庁長官時代に『ゲル長官』という異名と、『防衛オタク』という風評を得た石破茂(現農水相)のブログが非常の面白い。エントリーの中で、巷間話題の『田母神論文』問題についてのそれがある。

 多くの人が、石破氏が戦闘機などのプラモデルを飾っている写真などから、単なるオタクが防衛大臣(庁長官も)になった、位の認識しか無いだろう、そういう報道が多かったからだ。

 しかし、前掲の『田母神論文』問題のエントリーを読むと、そういう印象は恐らく一変するのではないだろうか?

 読む人のイデオロギーによって印象は異なるだろうが、私は政治家としてバランスの取れた思考を持つ人だなぁ、と感心した。しかも、コメント欄も閉じていない。当然さまざまな意見が書かれているが、政治家としての「限界」を弁えつつ、「為すべきこと」を網羅している文章からは、「節度ある知性」を感じざるを得ない。

 こういう一次情報を得られる時代になった今、送り手たるメディアに問われるのは「不偏不党・公正中立」ではなく、「取材力」と「読解力」、そして「要約力」ではないだろうか。

 石破大臣の『田母神論文』問題のエントリーを読んだ前後で、従来から持っている印象と違和感をもったとするならば、その要因の大半が送り手にあって、石破大臣には、無い。