2014年10月25日

誰よりも狙われた男

amost アメリカ&イギリス&ドイツ
 サスペンス
 監督:アントン・コルベイン
 出演:フィリップ・シーモア・ホフマン
     レイチェル・マクアダムス
     ウィレム・デフォー
     ロビン・ライト

【物語】      (シネマトゥデイ)
 ドイツ、ハンブルク。諜報機関でテロ対策チームの指揮を執るバッハマンは、イッサというイスラム過激派に関わりがあるといわれる若い密入国者をマークする。人権団体の弁護士アナベルを介して銀行家ブルーとの接触をもくろむ彼を、あえて拘束せずに監視するバッハマン。イッサの動向を追い掛けることでテロ資金源となっている人物にたどり着こうと考える彼だったが、思いも寄らない出来事が次々と降り掛かってくる。

 本作の同作者J・ル・カレの前作「裏切りのサーカス」は、その重厚さとリアル志向は見応えはあったものの、退屈感が先行してしまう残念な結果に…作風なんてそうそう変わるもんじゃないから本作の着地点も前作と同様であることが予測できるも、先日、薬物の過剰摂取で惜しくも他界した、お気に入りの俳優さんの一人であるP・S・ホフマンの遺作ということで、彼への悼みもあって観に行ってきた。

 スパイ映画=女王陛下のスパイとアクションあり、爆発&チェイスありのエンタメ性に富んだ、作りに頭のてっぺんまでどっぷりと慣れ親しんじゃってる身からすると、それほど起伏がなく淡々と進む様相にやっぱり窮屈さを感じてしまい、終盤手前で2〜3度オチてしまった…。
チェチェンから密入国したイッサの人物像と目的をもう少しハッキリして欲しかったかなぁと。
 小者を泳がせて大者を釣りあげる作戦のためにワケも解らぬまま(因縁はあったけど)に巻き込まれたうえにイヤな思いだけを味わった銀行家のトミー・ブルーのように市井の人でも使えるものは使えをはじめ、盗聴&盗撮に拉致監禁、人心掌握&操作の手口はなんともリアル。
実際のところハント君みたいにハイテク機器を使って罠にハメたり、ところ構わず爆破&銃撃戦をかますスパイなんて、そういるハズも…だしね。
 白黒が存在せずの灰色の連中たちによる不信につぐ不信の思惑入り乱れての諜報戦&駆け引き劇、全てお膳立てしたところを最後に全部かっさらわれ、実際に泳がされ狙われていたのが手前ぇ自身であった現実と、ひとりの個人的感情、善性なんぞ入り込む余地のない世界を改めて痛感したギュンターの悲痛の叫びはかなり見応えがあった。
そんなこんなで、当初は一塁打…最悪凡退を覚悟したけど、この響くラストのお陰で二塁打で終われ、結果、劇場に足を運んでヨカッタと。

 ギュンター役のP・S・ホフマンの演技は鬼気迫る中にも悲哀さ、ときに軽い冗談を披露するコミカルさと喜怒哀楽が表現されていて素晴らしかった。
ラストの叫びと彼の末路を重ね合わせて感慨深さに浸る人も多いようだけど、オレはたとえどんな理由があるにせよ、薬物で身を滅ぼした者を擁護する気は毛の先ほども持ち合わせてはいないから、その辺に関してなんら感慨深いものはない。ないけど、フェイドアウトする彼の悲哀漂う後姿のラストカットにはさすがに感慨深くならざるをえなかった…合掌。

notorious74 at 22:30コメント(3)トラックバック(5)劇場公開  

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トラックバック一覧

1. 誰よりも狙われた男  [ 佐藤秀の徒然幻視録 ]   2014年10月26日 11:21
フィリップ・シーモア・ホフマン最後の台詞は「チクショー!」 公式サイト。アメリカ=イギリス=ドイツ。英題:A Most Wanted Man。ジョン・ル・カレ原作、アントン・コービン監督。フ ...
2. 誰よりも狙われた男  [ あーうぃ だにぇっと ]   2014年10月26日 12:49
誰よりも狙われた男@一ツ橋ホール
注・内容に触れています。『誰よりも狙われた男』A MOST WANTED MAN原作 : ジョン・ル・カレ監督 : アントン・コービン出演 : フィリップ・シーモア・ホフマンレイチェル・マクアダムスウ
4. 『誰よりも狙われた男』  [ 時間の無駄と言わないで ]   2014年10月26日 20:14
ジョン・ル・カレ原作のスパイ映画。 この原作者だとドンパチの無い地味映画になるってコトは「裏切りのサーカス」で学習済み。 だけど、それにしたって地味過ぎやしないかい? ...
5. 誰よりも狙われた男  [ 象のロケット ]   2014年11月01日 11:47
現代のドイツ・ハンブルク。 秘密のテロ対策チームを率いるギュンター・バッハマンは、チェチェン出身の密入国者イッサに目をつける。 イッサはイスラム過激派として、国際指名手配されており、CIAのベルリン支局や、ドイツの諜報機関OPCも彼を逮捕しようとしていた。 バ

コメント一覧

1. Posted by ノルウェーまだ〜む   2014年10月30日 23:15
風情さん☆
私は「裏切りのサーカス」的スパイものが好きだったので、結構たのしめました。
確かに息遣いも聞こえてくるような静かなシーンが多かったので、オチてしまう人もいたの分かります〜
2. Posted by mig   2014年11月03日 20:28
コメありがとですー。
これは寝ちゃうのわかりますよ、
淡々してるのが続くしわたしは寝なかったけど
面白くはないですね、
ふーんて感じでラストはなるほどでした、やはり
シーモアが良かったですね★
3. Posted by 風情♪   2014年11月04日 10:18
コメント感謝です♪

ノルウェーまだ〜む様
前作の「裏切りの〜」もリアルで、決して悪くは
なかったんすけど、やっぱり暗すぎてチョイと肌
に合わずだったんすよね。
まだ〜むさんがブログでおしゃってた欧州の空気
感は確かにアメリカあたりでの諜報戦とくらべる
とかなりピリピリしたものがあって、その辺はボ
クも好きっすね♪ (゚▽゚)v


mig様
オモシロくなくはないんすけどね。
何でしょうねぇ、仄々として淡々としたものは絶
対的に寝ないんすけど、緊張感がありながら淡々
としたもんとなるとどうもなんすすよね…。
それでもラストの駆け引きと裏切り劇はかなり見
応えがあって、結果「良」といったところです。
にしても本作のホフマンといい、前作のG・オール
ドマンと主演俳優の質はかなり高めですよね♪
(゚▽゚)v

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