2015年12月06日

黄金のアデーレ 名画の帰還

Woman in Gold アメリカ&イギリス
 ドラマ
 監督:サイモン・カーティス
 出演:ヘレン・ミレン
     ライアン・レイノルズ 
     ダニエル・ブリュール
     ケイティ・ホームズ

【物語】     (シネマトゥデイ)
 アメリカ在住の82歳のマリア・アルトマンは、グスタフ・クリムトが描いた伯母の肖像画で第2次世界大戦中ナチスに奪われた名画が、オーストリアにあることを知る。
彼女は新米弁護士ランディの助けを借り、オーストリア政府に絵画の返還を求めて訴訟を起こす。法廷闘争の一方、マリアは自身の半生を振り返り…。

 「ミケランジェロ・プロジェクト」を筆頭に巨匠、藤田嗣治を描いた「FOUJITA」、そして「美術館を手玉にとった男」と、芸術の秋(もう冬か…。)の言葉通り、美術関係の作品が目白押し。
 と、ここまで美術関係の作品を観てきたのだから最後まで付き合わなきゃ本末転倒ってぇヤツだし、個人的に現時点でライアン・レイノルズ出演作は、ハズれが極端に少ない俳優さんの一人でもあるんで、ならば本作も大きくハズれということがなさそうなんで、とりあえず観ておけということで観に行ってきた。

 正直なところクリムトの絵はあまり好きじゃない…好きじゃないけど、本作を観るにあたって勉強しておけとアート本を購入して、作品に対しての予備知識を入れておいたのだけれども、クリムトを、その作品をどうこう言ってるものじゃないんで、あまり知識は必要ではなかった…まぁ、それでも写実&印象と抽象、そして装飾画の中間の作品の良さが解り、今ではそれなりに好きと思えるようになった。
 それはそれとして、オーストリアにおける大戦中ナチスに奪われた財産の返還請求の法廷劇の顛末がメインなのかと思っていたのだけれども、これを軸に語られるマリアという一人の老女の波乱の半生と、一族の誇りと民族のアイテンティティ、そしてナチスに加担した過去を持つオーストリアの後ろ暗い歴史が語られ、思いのほかしっかりとしたテーマを持った作品だった。
作風も重くなりがちなところを時にコミカルにテンポよく描いていたことで、ダレることもなく最後までオモシロく観ることができたし、クリムトの「アデーレの肖像」を見るたびに、この絵が人と国の歴史に大きく関わっていたのかと、感慨深さの度合いも一段と深く感じられるのではと。
 ただ気になるのは、マリアが戦後だいぶ経ってから絵の返還を求めたあたりの行の曖昧さというか、急に思い立った感が少なからず拭えないことと、家族の歴史という言い分も解るし、最後に歩み寄りを見せたのにとも言ったいたけれども、オーストリアの「モナ・リザ」とまで謳われ、国民の愛されている名画をアメリカに持ち帰るのは如何なものかと…ここだけを切り取って観るとただの意固地なバァさんにしか見えなくもだし、そもそもあの絵自体が、アメリカに渡りたくなかったようにも思えてしかがない。また何事も戦勝国寄りという面も見えてきてしまって最後は素直に感動できず…まぁ、事実なだけに仕方ねぇか…。

  この間までオレ中ではブルース・ウィリスだったのに今ではライアン・レイノルズがリーディングヒッターの座に君臨! てか不思議なんだよねぇ〜この俳優さん、ホームランをかっ飛ばすほど強烈な存在感を発揮してるワケじゃないんだけど、きちっと塁にでて、きちっとホームベース踏んでんだよなぁ。きっと選球眼に優れた俳優さんなのだろう。
にしてもヘレン・ミレンもアクションものから文芸ものまでとやたらと守備範囲が広くてマジですげぇバァさんだぜ。本作でも昔フラッシュバックしたときの沈鬱な表情から、ツバでメガネを磨いたりと硬軟自由自在で感心しまくり。

notorious74 at 22:30コメント(2)トラックバック(7)劇場公開  

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1. 黄金のアデーレ 名画の帰還  [ 佐藤秀の徒然幻視録 ]   2015年12月07日 15:24
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2. 黄金のアデーレ 名画の帰還  [ あーうぃ だにぇっと ]   2015年12月07日 16:05
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3. 黄金のアデーレ 名画の帰還 (東京国際映画祭にて)  [ 風に吹かれて ]   2015年12月07日 16:23
あの日オーストリアで 公式サイト http://golden.gaga.ne.jp11月27日公開 実話の映画化 監督: サイモン・カーティス  「マリリン 7日間の恋」 1998年、カリフォルニアで
4. 「黄金のアデーレ 名画の帰還」☆感動のポイント  [ ノルウェー暮らし・イン・原宿 ]   2015年12月07日 17:19
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5. 「黄金のアデーレ 名画の帰還」:年の差コンビの掛け合いの妙  [ 大江戸時夫の東京温度 ]   2015年12月07日 22:21
映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』を試写会で観ました。また出たナチスがらみの作品
6. 黄金のアデーレ 名画の帰還/ヘレン・ミレン  [ カノンな日々 ]   2015年12月08日 09:13
学生時代にグスタフ・クリムトを敬愛する友人がいて彼女が作る服は基本クリムトにインスパイアされてたんですよね。なので私もちょっとばかり影響を受けてクリムトの画集は持って ...
7. 黄金のアデーレ 名画の帰還  [ 心のままに映画の風景 ]   2015年12月18日 00:44
1998年。 アメリカ在住の82歳のマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)は、亡くなった姉ルイーゼが、オーストリア政府に対し、グスタフ・クリムトの名画“黄金のアデーレ”の返還を求めていたことを知る。 マリア姉妹の伯母であるアデーレの肖像画は、第二次世界大戦中に

コメント一覧

1. Posted by ノルウエーまだ〜む   2015年12月07日 17:28
風情さん☆
やっぱり最後は素直に感動できなかったですよね・・・いろいろな事情があるのは判るのですけど。

ヘレン・ミレンは本当に素晴らしいですね。
私はバックに飴ちゃんを入れているのが気に入りました(笑)
2. Posted by 風情☭   2015年12月10日 10:52
コメント感謝です♪

ホロコースト、国に裏切られたという過酷な過
去があり、それを半世紀以上経っても忘れたく
とも忘れらないことを思えばマリアが意固地に
なるのも十分以上に解るんだけど、最後の最後
にアメリカに持ち帰ったことを見ると、結局の
ところ金なのね…と思えなくもでしたかね。
弁護士が熱い弁をふるっても、素直に感動はで
すよね…。
ヘレン・ミレン、さすがだけど、80過ぎのばぁ
さん役はチョイと可哀想でした……r(^^;)

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