2017年04月15日

午後8時の訪問者

LA FILLE INCONNUE ベルギー&フランス
 サスペンス&ミステリー&ドラマ
 監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ
 出演:アデル・エネル
     オリヴィエ・ボノー
     ジェレミー・レニエ
     オリヴィエ・グルメ

【物語】     (シネマトゥデイ)
 若い医師ジェニーが診療時間を大幅に過ぎてから鳴らされたドアベルに応対しなかった翌日、近所で身元不明の少女の遺体が発見される。診療所の監視カメラにはその少女が助けを求める姿が映し出されていた。自分が診療しなかったせいで少女が死んだのではないかという思いにさいなまれるジェニーは、少女の生前の足取りを調べ始める。

 過去に何度かカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞しているんで、ダルデンヌ兄弟の名前は知ってはいたけど、その作品は劇場でもレンタルでも残念ながら未だ観たことがない。そのダルデンヌ兄弟の新作となる本作も16年のカンヌ国際映画祭で、受賞こそ逃したもののノミネートされ、作風も好物の欧州産の静謐ミステリーとあって、これはダルデンヌ兄弟作品を観るにはもってこいの機会ということで、張り切って観に行ってきた。

 診療所のドアベルが鳴るも診療時間外、患者にも厳しくということでドアを開けること良しとしなかった女医のジェニーが、その翌日にドアホンを鳴らしていた訪問者の死を知り「あの時、ドアを開けていれば助けられた」と自責の念に陥ると同時に、医師としての職責から身元不明のアフリカ系の移民である以外は何も解らない被害者の名前と身元、何故に死んだのか?それとも殺されたのか?の真相を知るために行動を起こし云々はかなりフラットな展開なうえに雰囲気もかなり静謐なんで途中オチかけたりもしたし、サスペンスとしては物足りなさもだったけど、終始つきまとう不安感はとてもリアルで、思いのほかガッチリ心掴まれるオモシロイ作品だった。
 また、真相を探っていくうちに見えてくるどこにでも存在する地域の裏社会の存在をはじめ、格差社会、移民問題、右極化と欧州が抱える社会情勢も描かれていたあたりも素晴らしい。
なんでもダルデンヌ兄弟は一貫して移民問題を描いている監督さんとのことで、この辺の社会的弱者や社会問題提起するあたりは敬愛する映画監督ケン・ローチに通ずるものを感じる。
そう思うともっと早くダルデンヌ兄弟作品を観ておけばヨカッタという思いに。

 診察シーンからは医師と人、そのどちらからもあまり温か味が感じらないながらも、その責任感の強さと生真面目さと優しさゆえから地域の人から大きく信頼されている主人公ジェニー役のアデル・エネルの控え目な演技がとてもヨカッタ。
あまり感情を表に出さないジェニーが最後に見せるホっとした表情が印象的。

notorious74 at 22:30コメント(4)トラックバック(3)劇場公開  

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トラックバック一覧

1. 『午後8時の訪問者』('17初鑑賞38・劇場)  [ みはいる・BのB ]   2017年04月23日 20:44
☆☆☆−− (10段階評価で 6) 4月19日(水) シネ・リーブル神戸 スクリーン2にて 14:15の回を鑑賞。
2. 「午後8時の訪問者」  [ ここなつ映画レビュー ]   2017年05月09日 12:53
人が、人として高潔である、自身の人生と他人の人生に対して等しく誠実である、それは一体どういうことなのか?ということが真っ直ぐに心に届く作品。ダルデンヌ兄弟の監督作品である。いつも心に抜き難い棘を刺す作品を送り出す。ただ、その棘は近年柔らかい素材でできたも
3. 「午後8時の訪問者」:監督も主人公もダウナーで辛い  [ 大江戸時夫の東京温度 ]   2017年05月13日 21:45
映画『午後8時の訪問者』は、あの「暗い名匠」ダルデンヌ兄弟の新作。昔に較べると、

コメント一覧

1. Posted by ここなつ   2017年05月05日 13:39
こんにちは。
この作品はダルデンヌ兄弟の誠実さが表れていて、とても良かったです。
アデル・エネル、ちょっと町医者にしては綺麗過ぎたけれど(笑)、それ以外はかなり等身大の登場人物、描き方だったのではないでしょうか?
2. Posted by 風情☭   2017年05月07日 20:29
コメント感謝です♪

恥ずかしながらダルデンヌ兄弟監督作品を観るのは
本作がはじめてなんすよ〜。
ここなつさんのおっしゃる通り、彼らの評価を読む
と誠実とか弱者に対しての目線と語られていたんで、
この手の作風を得意とする監督さんが好きなんで、
もっと早く彼らの作品に触れるべきだったと反省し
てます。
なんにせよ、これできっかけはつかめたってぇ〜と
ころです♪ (゚▽゚)v
3. Posted by ここなつ   2017年05月08日 14:55
あっ!でもでも、言い忘れました。
次にご覧になる時は「ダルデンヌ兄弟作品」としてご覧になるのでしょうが、「息子のまなざし」を一番最初にもってきてはダメですよ!心が苦しくなります(他の作品も心が苦しくなりますが、「息子のまなざし」は格別です。)
4. Posted by 風情☭   2017年05月14日 14:18
コメント感謝です♪

「息子のまなざし」もダルデンヌ兄弟作品だったんですね。
公開当時、本作を観るか否かで悩み、おそらくおっしゃる通り
かなり重くなりそうという理由からスルーした記憶があります。
他の作品もと思い検索してみれば、こちらは好みの作風なうえ
に当時、チョイと熱をあげたセシル・ドゥ・フランス主演だか
らリストにあげていた「少年と自転車」もそうだったんで、
思いのほかダルデンヌ兄弟作品を観る機会があったんだと今さ
らながらに思わされてます♪ (゚▽゚)v

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