2017年04月16日

人生タクシー

Taxi イラン
 コメディ&ドラマ
 監督:ジャファル・パナヒ
 出演:ジャファル・パナヒ
     
     
     

【物語】     (シネマトゥデイ)
 ジャファル・パナヒ監督が運転するタクシーに、さまざまな境遇の客たちが乗り込んでくる。
死刑制度について議論する教師と路上強盗、監督志望の大学生、金魚鉢を抱えた2人の老人など、個性豊かな乗客たち。彼らと監督との対話から、テヘランに生きる市井の人々の人生模様や、リアルなイラン社会が浮かび上がってくる。

 2〜3年前に秀作良作を連発しかなりの猛威を振るったイラン映画もここのところイイ作品が入ってきていないなぁと思っていたところに2010年にイラン政府から20年間の映画監督業をはじめインタビュー等の表現の禁止命令を受けながらも様々な映画を続けている「オフサイド・ガールズ」のジャファル・パナヒ監督の最新作が公開。久々のイラン映画だし、15年のベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したとあっては観に行く十分以上ってぇことで張り切ってタクシーではなく電車で行ってきた。

 監督自身がタクシードライバーに扮し、死刑制度を是認する泥棒と反対を唱える女性教師、法律で禁止されている欧米の映画、音楽の海賊版を闇で売りさばく業者、強盗被害にあった幼馴染、変な強迫観念にとらわれたオバちゃん2人組、政府の意に沿わないがために活動を制限されている人権派の女性弁護士、そしておしゃべりで小生意気な監督の姪っ子ちゃんと入れ替わり乗車してくる乗客たちと織りなす悲喜こもごもの人生模様を「オフサイド・ガールズ」同様にフェイクドキュメンタリータッチで綴られ、泥棒話にはじまり泥棒ばなしで繋ぎ、泥棒話で落とすの演出も素晴らしく見応え十分以上のオモシロい作品。
 そのユーモラスの裏に見え隠れする欧米文化の否定、表現の自由の制限とイラン社会が抱える矛盾や実情が皮肉たっぷりに語られいるあたりは、2030年まで映画製作、執筆活動を国から命令されながらも、制作をつづけいている監督の反骨魂を観る思い。
また、生活様式から娯楽まで何から何まで法律で制限されているイランだけに、街並みも堅苦しいものかと思いきや、女性のファッションもヒジャブ主体でありながら洋装と組み合わせていたりと意外とオシャレで、街並みも思っている以上に自由な空気にあるように見受けられ、その辺をうかがい知れるだけでも観た価値はある。

 もし制限なく映画を自由に撮れていたなら今以上の監督さんになったのかなぁとも思う反面、限られた状況だからこそ最大限の才能が発揮でき、抱いている想いを表現できたのかもと。

notorious74 at 22:30コメント(0)トラックバック(1)劇場公開  

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1. 人生タクシー  [ あーうぃ だにぇっと ]   2017年04月16日 16:47
人生タクシー@東宝東和試写室

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