以下にはネタバレおよび著作権侵害のおそれが多分に含まれます。
これらから押見修造の「悪の華」を読もうと思い、かつネタバレが嫌な方はすぐにブラウザを閉じることを推奨します。
また「悪の華」関係者各位、およびまったくの部外者だが法的熱意・正義心、または単に批判したい方、晒しあげたい方、著作権抵触はしているとは思いますが、個人的解釈をするという意図をもって作品の詳細なあらすじをあげていることをご理解いただけることを願っています。
またあらすじに関しては諸注意を受けたらすぐに記事を消すことを約束します。


惡の華(1) (少年マガジンKC)
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惡の華(2) (少年マガジンコミックス)
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惡の華(3) (少年マガジンコミックス)
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惡の華(4) (少年マガジンコミックス)
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惡の華(5) (講談社コミックス)
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以下、あらすじ。

 群馬県の公立中学校に通う文学青年「春日」は容姿がいいわけでもなく、成績が良いわけでもなく平凡な中学生にすぎなかった。春日はクラスのマドンナ的存在である「佐伯」さんのことが好きだった。というよりも「詩神(ミューズ)」としてとらえ、一種の憧れの存在にすぎなかったのかもしれない。
 ある日、愛読書であるボードレールの「悪の華」を学校に忘れたことを気がついた春日は誰もいない教室に入る。自分の机の中から「悪の華」を取り出すと、ふと教室の後ろに体操着が落ちていることに気がつく。それは「佐伯」さんのであった。理性との戦いにもあえなく完敗した春日は「佐伯」さんの体操着を盗んでしまった。誰にも見られていないと思っていた春日だったが、見られていた。普段は大人しいが、ふとしたきっかけで「うっせークソムシが」というような言葉を発する「仲村佐和」だった。
 仲村は言う「ばらさないでやっても」いいよ、そのかわり「私と契約しよう」。
 当然、春日は体操着を盗んだことをバラされたくないので仲村と半ば強制的に、気がついたら契約せざるおえなかったのだ。それから春日は仲村と共に過ごすようになったが、ある日、春日の憧れの存在「佐伯」とデートの約束を取り付ける。有頂天の春日に仲村は言う、「春日くんは今日一日佐伯さんの体操着を着てデートするの」。春日は仲村に言われた通り、佐伯の体操着を下に来てデートをした。デート自体はうまくいった。二人は町の古本屋に入り、春日はお気に入りだというボードレールの悪の華を佐伯にプレゼントし、なんと二人は付き合うことになる。佐伯は言った「私たち……大事に付き合っていこうね」。
 それに納得のいかなかったのは仲村だった。仲村は「二人を応援する」と言いつつ、佐伯に近寄り「春日くんは変態だよ」と言う。一方、春日に対しては「佐伯さんは春日くんとセックスしたいって」と告げる。
 翌日、佐伯は学校を休んだ。仲村が「春日くんとセックスしたい」という部分だけを聞き取り、勘違いした結果気を病んだのだ。そこへ春日が学校で配布されたプリントを届けに行く。佐伯は言った「これからもよろしく」、その言葉には佐伯の前に言った言葉が含まれていたのかもしれない。それに春日は決心した。「佐伯さんに、体操服を盗んだことを告白しよう」。
 それを聞いた仲村は真夜中に春日を連れて彼らの教室に侵入する。そして春日は抵抗しながらも教室に自分が佐伯さんの体操着を盗んだことを黒板や床や教室の至るところに書き示した。それを見た仲村は気を良くし、墨で教室中を滅茶苦茶にする。
 翌日、教室に入ってきたクラスメイトは荒らされた教室の真ん中に盗まれたはずの佐伯の体操着があることに気がつき、騒然となるが告白したはずの春日の名前は墨で全て消えていた。騒然とした教室から離れた春日と仲村のもとに佐伯が現れる。春日は罪悪感から佐伯に「別れよう」と告げる。しかし佐伯は体操服を盗んだのも、教室を滅茶苦茶にしたのも全て春日の仕業だと気がついていた。何故なら教室の真ん中には春日の愛読書ボードレールの「悪の華」が落ちていたのだ。その上で佐伯は「絶対に別れない」と言う。
 翌日、春日は学校を休んだ。すると家には佐伯が訪れた。面会を拒絶する春日に佐伯は外から叫ぶ「体操着のことは別に嬉しいよ」「春日くんの頭の中……ちゃんとわからせてほしいの」。それを聞いた春日外に飛び出した。どこかに消えてしまいたかった。何となく普段、仲村とよくいる河川敷に来るとそこには仲村がいた。そして仲村は「あの山の向うに行こう」という。二人はそのまま山のむこうを目指した。
 そのころ春日が失踪したという噂を聞きつけた佐伯は春日のことを探す。そして佐伯は真っ暗やみの山の中、降りしきる雨を避けるため山の木陰のところで二人が休憩しているところを見つける。佐伯は「仲村さんのことを好きなの?」と聞く。否定する春日を遮って仲村は言った。「春日くんは心にずっと体操着を着ている。皮全部ひんむいたホントの体にずっぱりへばりついている。それをさらけ出せるの。変態なんだ本物の」。それに対して佐伯は言った。「私にぶつけて! ちゃんと受け止めるから! 仲村さんに知らない春日くんがいるなら……私に教えて!!」。しかし何の解決もできないまま三人は佐伯の両親が出した捜索願によって出動した警察によって三人は補導されてしまう。
 夏休みを目前に控えた三人は共に疎遠になる。しかし春日が求めたのは佐伯に対しての関係修復ではなく、仲村との関係修復だった。春日は仲村の家を訪れた。無許可で入った仲村の部屋の机には一冊のノートがあった。そこには鬱々とした日々の思いや、春日との出会いの嬉しさ、そして「山のむこう」に行けなかった絶望感に満ちた言葉があった。春日は決心した。「このクソムシの海から……這い出す契約を……」。
 翌日から計画は始まった。まずは河川敷近くの草むらの中に秘密基地をつくる。完成すると次はクラスの女子の水泳の時間に更衣室に侵入し、クラス全員のパンツを盗んだ。ただしある人のを除いて。盗んだパンツを秘密基地に飾ると仲村を招待した。笑みを浮かべる仲村、そして言った。「佐伯奈々子のだけ取らなかったでしょ。何で?」。春日は言った。「それが一番ひどいことだからだよ」。
 佐伯は何故自分のだけ盗まなかったのか悩んだ。そして春日と仲村がどんな関係なのか確かめるためにひそかに彼らの後をつけると、彼らが去った後秘密基地の中に入り、佐伯は言う「許せない……」。

 ひそかに夏祭りでのとある計画をすすめる春日に佐伯は電話をする。「河原で春日くんの大切なものが燃えてるよ」。急いで秘密基地にむかったが、そこは燃えていなかった。中には佐伯がいた。そして下着姿になった佐伯は言った。「春日くん……わたしとしよ」。拒絶する春日に佐伯は襲いかかると彼を犯した。血を滴らせながら佐伯は言った、「ずっと……一緒にいよ、春日くん」。しかし春日は佐伯を押しのけ出て行ってしまう。「仲村さんが……好きなんだ……」と言い残して。
 出て行った春日はふと振り返ると秘密基地には炎が上がっていた。佐伯が焼身自殺をはかったのではないかと思った春日は彼女を助けようとするが炎から垣間見える先に佐伯の姿はない。そこから離れ、呆然と橋の中腹に座りこんでいると仲村が現れる。自体を知らない仲村は冷たく彼に事を聞くが、そこには佐伯も現れた。佐伯は股間から足首にかけて血を滴らせながら「春日くんとしちゃった」と言った。しかし仲村は顔色ひとつ変えることはなかった。佐伯はもはや平静さを失って北関東訛りの言葉で春日を性的に受け入れ、かつ春日と仲村をつなぎとめていた秘密基地が消失したことを主張した。さらに卑下している自分(佐伯)にぶたれた気分はどうなのかとも問い詰めた。しかし何一つ動じることのなかった仲村は佐伯を抱きしめた。戸惑う佐伯は漏らした。「どうして。どうして私は仲村さんじゃないの?」。仲村は「やっと吐き出したね」と答えると、「おまえなんかに死んでもわかってたまるか」とも言った。そこへ騒ぎを聞きつけた警察と消防が駆け付けると、春日は仲村の手を握り走り去った。
 誰もいない夜道、二人で歩いていると仲村はふと言った。「この道はどこに続いている。この先で全部死んでいる。私は……死にたくない」二人はそこで別れたが、消失した焼け跡に残っていた計画書を見つけた警察は春日の家を訪れた……。