2002年12月

2002年12月01日

NO.22 年末スペシャル3話

ここのところ色々な会に出ていろいろな良いお話を伺っています。
何を聞いてもディスレクシアに結びついてしまうのは、お許しいただくとしていくつか忘れてしまう前に書き記します。

1)欧州連合大使のお話

先日、EU(欧州連合)の10カ国加盟が決まり、さらに拡大することになりました。
ドイツとフランスの間で長年の争いの元になっていた鉄鋼と石炭の利権を欧州の6ヶ国で共同管理し、欧州のひいては世界の平和に寄与しようという崇高な理念から始まった試みは、数々の重荷を荷いつつも確実に歩を進めています。

共通通貨EURO、共通のパスポート、職業の自由移動などを実現しながらもそれぞれの国家に特有の文化、アイデンティティーは大事にしてという難しい課題に取り組んでいます。

ここでさらに旧ソ連国が加わることで、経済的には明らかに足かせにもなるのにどうして拡大する道をとるのでしょうか?

経済的、政治的な理由はありますが、‘多様性’のためです。多様性は強みです。
そこからダイナミズムが生まれるのです。そして魅力も生まれるのです。

2)メスタの多様性の原体験

私が一番覚えているのはイタリアのミラノの小学校に通っていたときのことです。
6名だけのクラスでしたが担任の教師がサリーをまとったインド人。クラスメイトはアルメニア人、イタリア人、アメリカ人、カナダ人、イギリス人それぞれ1 人づつの小さなクラスでした。肌の色こそ黒人はいませんでしたが価値観も歴史も言葉も違う7ヶ国の教師と生徒が一緒に学ぶのですからルールはフェアーかアンフェアーかが基準なのです。社会科の授業ではそれぞれの子が持ち回りで自分の国の話をします。皆一人一人が何かでクラスで一番になりました。
このことは日本で窮屈な思いをしていた私には大変新鮮でした。

3)武見敬三さんのお話

喧嘩太郎で知られた武見太郎氏が以前話されたことを披露してくださいました。
当時の硬直化して自由の少ない医療制度に対して断固戦った方です。

プロフェッショナル・フリーダム:一人一人に最適な治療を施すことをプロとして行う。
そのフリーダムには責任が伴う。ニーズの多様化に伴い、患者の選択によるサービスを提供する。

上の文章のプロを教育のプロ、治療を教育、患者を生徒としたらそっくりそのまま教育に当てはまるなーーと考えていました。

共通するキーワードは多様性。ディスレクシアの人たちは大多数の人とは違う思考回路を持つ人たちだと私は睨んでいます。彼らの人と違うところが発揮できれば、日本もダイナミズムあふれる社会になれるのにナーー

さて、暮れ行く2002年皆様にとってどんな年でしたでしょうか?
NPO EDGEにとっては驚きと喜びの多い年でした。多くの方にめぐり合い、勇気付けられ、目を覚ましていただき、支えられて気がついたら、望んだ以上のことが進められた年でした。

来年以降はこれまでの準備を元に、少しでも目に見える形でディスレクシアの子ども達の力になりたいと思います。感謝を申し上げると同時にこれまで以上のご支援をお願いいたします。

良いお年を。

npo_edge at 00:00|PermalinkComments(0) メスタの独り言