2003年02月

2003年02月01日

NO.25 NASAとディスレクシア

その1)

ものすごいショック!!!スペースシャトルが大気圏に突入後爆発してしまいました。

丁度、時を同じくしてNHKがテレビ放送開始後50周年のお祝いをしていました。メスタの生まれた年の映像が数多く見られ不思議な感じがしました。また今年は鉄腕アトム=Astro Boyが作られたといわれる年でもあります。同じく手塚治虫が危惧していたクローン人間さえも生まれる可能性が騒がれています。

子供の頃はサイエンス・フィクションの世界での話であった宇宙ステーションや人を見分けることの出来るロボットが現実になってきています。

科学技術の発展には普通とは違う発想が必要だということでしょう。NASAでは色々なプロジェクトチームを作って新しい技術の開発をしていますが、ルールがあって一プロジェクトに1人はディスレクシアの人を入れなくてはならないそうです。 彼らの独創的な発想が活かされているのです。

他にもディスレクシアを中心に雇用している企業も欧米では増えているといわれています。デザイン系、 建築系、コンピュータチップのメーカーなどではディスレクシアの人のほうが就職は有利なところもあるようです。

その2)

NHKがテレビの放送が始まってから50周年を祝って色々と特別番組を組んでいます。エポックメーキングな事件や事柄を紹介している中で、アポロが月面着陸をして宇宙飛行士のニール・アームストロング氏がハッチを開けた時に同時通訳をしていた西山千氏のお話しが何とディスレクシアにちょっと関係があるのでご披露します。

アームストロング氏は
「This is a small step for man, but big leap forwardfor the World」といったそうです。当時始まったばかりの生中継の同時通訳をしていた西山さんは初め「人類にとっては小さな一歩だが、世界にとっては大きな一歩」と訳したそうです。
これは、後に当時の通信技術が悪かったこともあり、誤訳と思われたそうですが実はアームストロング氏が冠詞を一つ入れなかったために起きた間違いだったそうです。

本来は「for a man」となるところを「a」を忘れたがために「私にとっては小さな一歩だが」となるべきところを「人類にとっては」になってしまったという話です。

この「a」という英語では基本中の基本である言葉が実はディスレクシアの人にとっては「つまづきの第一歩」にありうることが、ロン・デイビスというアメリカのディスレクシアの彫刻家が書いた「Gift of Dyslexia」の中で記述されています。(4月中旬に和訳され出版の予定)

ディスレクシアの人にとってアルファベットという記号に音がありそれに意味があると考える結び付けが中々出来ないようです。
反対にその言葉のイメージを頭に描くと理解しやすいのですが「a」のイメージはわきにくい。そこで読みが困難になっていくということが著書の中で書かれています。

英語を学ぶ者(つまり日本の中学校以上で学ぶ人全て)にとって厄介な冠詞はディスレクシアの人にとっても厄介、そして通訳泣かせというお話しでした。

npo_edge at 01:00|PermalinkComments(0) メスタの独り言