メスタの独り言

2005年04月13日

NO.42 履修届けで奮闘中

春と言えば新学期、科目履修生になったメスタは早速ディスレクシアならではの困難に立ち向かわなくてはなりませんでした。履修届けです。星槎大学から連絡があり、LD教育士の資格を取るのに必要な科目で大学が用意している以上の科目を履修しようとしているけれど良いのですか?全然、レポート提出など進んでいないけれど大丈夫ですか?スクーリングの申し込みはされていますか?と質問をしてくれます。履修届けは初めの説明どおりに出したはずだけれど…、レポート提出ってまだ教科書もいただいていないけれど…、スクーリングの申し込みは葉書できちんとしたはずだけれど…。

会話を続けているうちに色々と判明しました。履修届けは当初とカリキュラムが変わったのに気が付かずに初めのままで出していたこと、レポートの未提出は教科書さえもまだ学費を納入していので届いていないこと。スクーリングの申し込みだけは届いていました。でも書き入れたはずのスクーリングの申し込みがされていませんでした。

ディスレクシアの人はこれほど左様に手順を追って作業をすることが不得意です。今回はありませんでしたが記入欄がずれてしまう、本日の日付を生年月日に入れてしまう、講座名の写し間違えなど、助成金の申請や役所の書類や銀行振り込みの用紙の記入など、日頃から毎日のように困難に直面しています。

そういえば数十年前、大学生のころフランス語が落第しているので2年生に進学ができないと言われて調べてみると履修間違えで、そのときは学校のミスもあり助けてもらったことがありましたが、間違ったのが得意科目でよかったと胸をなでおろした思い出があります。化学とかだったら、妙に納得して引き下がっていたでしょうから。

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2004年04月03日

NO.39 ティーチングとコーチング

教育と言う言葉には教える(ティーチング)と育む(コーチング)と言う言葉が含まれています。
先日、LDやADHDの指導にも有効なコーチングの講演会に参加して来ました。

講師の岸先生いわく、保護者が一日に出す指示語は平均80あるそうです。思い当たりませんか?朝だけでも「起きなさい」「早く着替えなさい」「ご飯食べて」「これ持って」…。その上、学校ではほとんどすべてが指示されます。こどもは慣れてしまい、聞き流すか、反抗するようになります。ましてや自主性など生まれようもありません。これではティーチング以前の問題ですね。

コーチングは、本来は上下関係ではなくて、パートナーシップで対等の立場で会話して、相手の能力を引き出す方法だそうです。こちらの立場を説明して、相手が自主的に動きたくなるような会話を重ねることで、よい循環が生まれ能力はぐんぐん上がっていくといいます。

自分の知っていることや出来ることしかティーチングは出来ませんが、コーチングは相手の能力を引き出すのですから自分にその能力が備わっていなくてもできます。マラソンのキューちゃんこと高橋尚子選手を育てた小出さんがその良い例でしょう。

それぞれが持つ能力を引き出すためには自分はまんざらではないと感じてもらうことが大切です。人に認められて、自分が誰かに必要とされていると感じることができると子どもの顔は生き生きとしてきます。

メスタは、善は急げと早速コーチングの修行を始めるのです。

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2004年03月02日

NO.38 共通の悩み

2月7日には品川区の子育てセンターにてお話をさせていただきました。
EDGEのこと、ディスレクシアのことそしてLD疑似体験と進んで行って今回は質疑応答に大分時間をとりました。そして、その後もっと長い間、主に保護者の方からのお話を伺うことが出来ました。猿が出没する宮崎だろうが、野菜の美味しい千葉だろうが、新幹線のターミナルの品川だろうが聞こえてくる悩みは共通です。

小学校低学年の間はそれでもまだいろいろな対応がなされてきているのですが、小学校高学年、中学校と進むにつれLDであることが学校生活に困難さを招くのです。特に読み書きのLDであるディスレクシアにとって、急に難しい漢字が増えて来ると、書き取りや漢字のテストも拷問の様になって行き、本来は長文読解力はあっても文字を見ただけで気分が悪くなってしまうことがあります。
ご相談の中で多いのが高学年になって本を読みたがらないのだけれどどうしたら良いかと言うものがあります。個々の進学相談にお答えするのは難しくても家庭で出来る工夫についてはいろいろとアドバイスできます。最近見付けたヒントが普通のベストセラーの中にあります。

最近売れている本で「あらすじで読む日本の名著」川義男編中経出版と言う本があります。その3まで出ています。元々いまの生徒が本を読まない事に憂慮して国語の教員にあらすじを書いてもらったものが効を奏し、まとめたものが出版されたのですが、「浮雲」、「金色夜叉」などの名著がそれぞれ1ページ程度の中で、ルビ入りで題名、著者の説明、作品の背景が書かれ、後4ページであらすじが本文の雰囲気を損なわないように書いてあります。ディスレクシア用に出来ているものではありませんが、まず教科書に出てくる本のあらすじや背景が分かっていたらどれほど楽だろうと思いました。

ちなみにメスタは2時間くらいで28編分を読破しましたが、どの本の筋がどれなのか分からなくなってしまいました。興味を持てるような本を選んで一日一編程を読んで理解するくらいが一番いいのかもしれないと反省しました。そうしたら読書感想文も書きやすくなるのではないでしょうか?

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2003年11月03日

NO.37 宮崎便り

宮崎ではじめての保父さんとディスレクシアを結んだのは6月に放送されたメスタの出演したNHKのラジオ番組がきっかけでした。ちょうど何気なくラジオを聴いていた吉野保育園の川越園長が「これは?!」とNHKに問い合わせ、その上EDGEに連絡を下さり、ご自分の園での講演会を催してくださったのです。

自ら建築の勉強もしていた園長は、幹線道路に近い場所から山の中に園舎を移しました。
少し小高い場所にあり、子ども達が外に出てしまっても見渡せる素晴らしい環境にあります。
できるだけ木を使った構造で園舎の設計を自ら手がけたそうです。日の光が十分に入るように設計された高い天井にはパワーポイントでのプレゼンに備えて暗幕が張られていました。
なんと、これは保育園バスの運転手さんがアイロン掛けをして園長が自分でミシン掛けをしたそうです。途中糸がなくなって白と赤の糸に変わっていたり、生地が足りなくなっていくつかの窓はそのままでしたが、ご奮闘振りが手に取るようにわかりました。資料のコピーも園長が自分でしていたところ、100名分で十分と思っていたのになんと150名近くもの参加になり、紙がなくなり大変!ビラを1万枚以上つくり、NHKのローカル枠で10分ほどのPRの時間を作り参加を呼びかけた結果、こんなにも多くの方の参加になりました。山のあぜ道に駐車場に入りきれない車の渋滞が起きるくらいで1時からの予定が1時半からの開始になりました。
ちなみに普段はウサギやいのしし、時には猿が顔を出すような場所だそうです。

川越園長は宮崎県の保父さんの会を作り飲みながら保育論を戦わせたりしているそうです。
本当にマメでフットワークがよく、プロとして保護者と子どもの視点に立って「はぐくみ」に取り組まれていると感銘を受けました。

タイム・マネジメント
LDの人はタイム・マネジメントが下手だといわれています。確かに一生懸命時間通りに動こうとしても遅れてしまうことや、電車を反対方向に乗ってしまって時間に遅れたり、勘違いで一時間遅れたり、違う日に約束の場所で待っていたりとメスタは普段から苦労をしています。(多分、メスタの周りの人はもっと苦労している)。おっちょこちょいでは済まされない問題です。ディスレクシアの子ダヌキ君はしっかりと駅スパートで下調べをしてそれにかかるとわかった時間に一時間足していくという方法を自分で編み出してしのいでいます。
さて、今回出かけるときは石田さんがいつまで待っても飛行場に現れない。
やっと搭乗10分前に息せき切って現れました。寝過ごした、目覚ましを止めてまた寝てしまったそうです。
一方、メスタは帰りの便を朝一番にお願いして午後からの用事に出ようと思っていました。
時計を6時半にセットしたはず…だったのですが、目覚めていると9時半。
乗るはずだった8時半の飛行機はとうに空の上。7時に朝食を一緒にと言っていた石田さんにあわてて電話をかけるとなんと石田さんも今起きたところという恐ろしいことがおきていました。

結果としては、おかげで、宮崎のシーガイヤ、地鳥の南蛮焼きなどを楽しみ、お子様のことでお悩みのご家族の相談にもゆっくりと乗ることができたと超楽天的なメスタは喜びました。

笑い話
東京からいっぱいの資料をお送りしました。私たちが宮崎について園長に「EDGE」からの資料は届いているかお聞きしたところ「いいえ」というお答え。石田さんと困ったと思っていると「水なら届いていますよ」と園長。「???」と考えてみると古い中学校の後に入居しているEDGEにはミネラルウォーターが必需品。またその外箱は資料を送るのに最適ということで、事務局がその箱に資料を詰めて送ったのではないかと見てみると中には資料が入っていました。
園長は「特別な水を持参してこられたのかと思った」ということで大笑いをしました。

講演では3時間にわたり、メスタからディスレクシアのお話をちょっとと白熊のような石田さんからは疑似体験とどのような対応ができるかのお話をしました。当日きてくださった方、熱心に聞いてくださり、疑似体験に積極的に参加してくださりありがとうございました。
講演会の内容はニュースレターでお知らせいたします。

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2003年10月14日

NO.36 ソープ氏ディスレクシア賞受賞

9 月にEDGEが主催したマッケンジー・ソープ氏の絵画展に来てくださった方も多いと思います。息子さんのオーエンが8歳でディスレクシアと診断されその時に自分もディスレクシアだとわかりました。そのソープ氏が英国ディスレクシア・インスティチュートから第21回目のディスレクシア賞を11月18日に受賞しました。

ディスレクシア・インスティチュートは主に教員の研修や私立の学校にディスレクシア教育のコンサルティングをしています。
このディスレクシア賞はディスレクシアの啓発や理解に貢献をした人たちを表彰しようというもので21年前から始まっているそうです。今回の受賞はディスレクシアや自信を失って苦しんでいる子ども達のために数々のチャリティーと理解を進める活動を認められてのものです。ちょうど英国にいた私もご招待を受け参加してまいりました。ブッシュ大統領が訪英中でアメリカ大使館の近くのホテルで行われたので日頃はコンボウしか持たない警官が機関銃を構えている中、ブラックタイの正装の会です。参加者は400名ほどでしょうか?

さて、8時近くになってやっと扉が開きディナーが始まります。銀行の偉い人、政治家、テレビのパーソナリティーや映画俳優のスーザン・ハンプシャーが軽妙に会を進めてゆきます。
皆、何らかの形でディスレクシアと関係があります。息子さんが、本人がディスレクシアと言う人が皆1人1人、ディスレクシアネタの冗談を言って会を盛り上げていきます。
ソープ氏のテーブルでご一緒しましたが絵の題材にもなっている奥様のスーザン、息子のオーエンそして娘さんのクロエ、みんなとても魅力的な家族でした。
ソープ氏はこのような晴れがましい場所は賞でももらわない限り出席はしないと言っていて、息子ともどもノータイでしたが、それでもその場にはふさわしく見えるから不思議です。壇上での挨拶も他の人たちの軽い乗りとは違いちょっと辛口のコメントをしました。

「今朝見たテレビの番組で本当に憂鬱な気分になった。2003年の現在いまだに'toutch'と書いた人を指してウスノロだとコメントをしている人がいた。
私にはそのどこが問題なのかもわからない。そんな私が批判されているような気がした。この協会から奨学金をもらえるのは一部の恵まれたディスレクシアの子で、今日こうやっていてもつらい思いをしている子どもがいくらでもいることを私達は忘れてはいけない。」という内容でした。

インスティチュートでは、この一晩だけで2000万円のチャリティーを集め、奨学金にしているそうです。本場のチャリティー文化に触れた一晩でした。



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2003年09月02日

NO.34 メスタの独り言

先日、豪雨の中、「タッタヒトリノアナタヘ」〜一人一人のbeing(存在)を見つめよう、輝かそう!〜というフォーラムに参加しました。講師のお一人荒木次也さんは「困っている今の状況を出発のエネルギーに」と言うタイトルで普段は2時間かけるお話を40分の駆け足で聞かせて下さりました。ギュッと凝縮されていて、そのままお聞かせできれば良いのだけれど、その中でも特に響いたキーワードは「なってよかった不登校」「長所x好きなことx得意なこと=特別な才能」でした。荒木さんのほとばしるエネルギーに元気をいただきました。

「なってよかった不登校」
その荒木さんは東北の田舎の隣にはマタギが住んでいるような片田舎の全校生徒19人しかいないところで学校にほとんど行かずにいたそうです。
朝、家は出るのだけれど、犬やら猫やらウサギやら動物にであって結局学校に行っていませんでした。その後、学校の先生が彼に知的に遅れている生徒の世話を彼に任せてくれ、そのおかげで彼は役割ができ、その結果人と関わる仕事をするようになったという話でした。
身柄は学校に行っていても心は教室にない心の不登校。
メスタも小学校時代はそうでした。窓際のトットちゃん状態だったのです。
不登校は子どものサイン。サインを見逃していい子のまま大人になってしまうとそれこそ取り返しのつかないこともあると聞きます。
その子を見直す良い機会と捉えて、しばらくたって「なってよかった不登校」といえるように。

「長所x好きなことx得意なこと=特別な才能」
悪の三原色は白、青、黒。これはモロッコで飼っていたカメレオンを観察して感じていたことを荒木さんも指摘していました。カメレオンは周りの色に合わせることで良く知られている動物ですが、気分によっても色が変化することはあまり知られていません。気分がいいときは鮮やかな黄緑、求愛のときはその上葉っぱのように身体を平たく広げ大きく見えるような角度でメスの気を引こうとする。けんかをする気分のときは黄緑とクロのまだら模様。
ぎょっとすると白。他のカメレオンにいじめられると真っ黒。
流石に青はないのですが…。当日LD疑似体験のさわりのさわりをしましたが、随分白から青に顔色が変わった方がいました。10分程度でこれだから、一日8 時間、一年200日以上こんな目に遭っていたら、顔色だけでなく心の中まで真っ黒になってしまうでしょう。
カメレオンにとっての鮮やかな黄緑は人間にとってはほのかなピンク。
人は認められ、楽しく感じて、幸せな気分な時、好きなことをしているとき、得意なことをしているとき、ピンクに輝きます。これはディスレクシアの子にもいえます。
不得意なことをあげつらい、教え込むのではなく、良いところを見つけ、認め、得意分野から伸ばしていけば信じられないほど伸びます。
読めないはずの難しい本でも自分の興味がある本だったら読破して、そのおかげで段々読むのがいやではなくなります。
また、自分の好きな分野のことを学んでいるうちに違う能力も上がって行きます。
もちろん違う方法でその知識が吸収できれば言うことはありません。

「蛇足」
中央教育審議会は10月7日に出した初等中等教育における当面の教育課程及び指導の充実・改善方策についての答申の中で次のようにまとめています。

■新学習指導要領の基本的なねらいは[生きる力]の育成。
各学校では,家庭,地域社会との連携の下,[生きる力]を知の側面からとらえた[確かな学力]育成のための取組の充実が必要。

■「総合的な学習の時間」等を通じて学びへの動機付けを図るとともに,
子どもの実態指導内容等に応じて「個に応じた指導」を柔軟かつ多様に導入することなどの工夫による「わかる授業」を行い,子どもたちの学習意欲を高めることがとりわけ重要。

■全国的・地域的な調査により,
[確かな学力]の総合的な状況を把握し,各学校における指導の充実・改善や教育課程の基準の不断の見直しが必要。

昨日届いた小泉首相のメルマガの中で新しく文部科学大臣に就任された河村氏のメッセージには「 ただ、ここで言う「学力」とは、知識を詰め込み、試験で得点がとれるといったことだけを意味しているのではありません。子どもたちが生涯を通じて自ら考える力を育むためには、知識や技能に加えて、学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力なども含めた[確かな学力]が必要です。」とあります。私達EDGEもディスレクシアの子達の真の「確かな学力」を伸ばし、それぞれが生まれ持った「能力」を発揮できるよう「個にう応じた指導」を行う一助となれればと思います。

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2003年08月01日

NO.33 ソープ展を終えて

マッケンジー・ソープ氏の初来日となった絵画展が無事に終了いたしました。
おかげさまで大勢の方に丸善会場、ホテル・オークラ会場に来場いただきました。
ミセスに載った記事をご覧になって新潟から駆けつけてくださった方や、ディスレクシアのお子さんをもつ方も来てくださり、お目にかかることができたのは大きな喜びでした。
ご協力いただいた団体、ボランティアの方たちにスタッフ一同この場をお借りして、感謝いたします。

熱いメッセージと暖かな人柄に触れた感動の2週間でした。

さて、ソープ氏とディスレクシアにまつわるこぼれ話をいくつか…

1)兄弟もお父さんも、おじいさんもディスレクシアだった!
ご自身がディスレクシアと気が付いたのは自分の息子が小学校に入るときにディスレクシアと判ったときに、そういえば自分も同じような間違えをしていて、同じように大変な思いをしていたから。気が付けば、兄弟も同じだし、お父さんは20になって初めてHANDSという字が書けたそうだし、おじいさんにいたっては生涯で書くことができたのは自分の名前だけだったそうだ。自分はメールもやらないし、文章は全部秘書に口述筆記してもらっているとのこと。

2)漢字は書ける!!来日を記念して作成した画集にサイン会をしていたときに、お客様にお名前を紙に書いてもらい、それを実に芸術的にまねて書いていた。ハネもしっかりと私などよりしっかりした良い字を書いていた。編集責任者の穂奈美なんていう難しい字もしっかりとバランスよくかけていた。平仮名の方がちょっと難しそう。

3)聴覚もしっかりと良い!!!声帯模写が天下一品。
フランス語、ロシア語、中国語、日本の侍、猫、犬、ねずみ、交差する電車などリクエストをするといくらでもやってくれます。いたずらでバスに乗っては子猫のまねをして、バスを止めたこともしばしばあるとか…。私としてはジェスチャー入りの「日本の侍」がお気に入りです。

4)6歳の頃から、無能で役立たずといわれ続け、自分でもそう思っていた。自殺をしようとしたこともある。絵にめぐり合い、日本に来られるような画家になった46歳の今も時々自分が何の役に立たない、ダメな人間だと落ち込みそうになることがある。一人でもそんな気持ちを味わう子どもが少なくなる事を祈って、ソープ・ファウンデーションを立ち上げようと思っている。大人にできることはEDGE(崖っぷち)にいる子ども達が無事に飛び立ち、良い場所に着地できるよう、ほんのちょっとのきっかけつくりをすること。ソープ氏の叔父さんがソープ氏が絵の学校に通えるようにと出してくれた2000円のように。

5)大変日本を気に入られ、毎年のように日本に来て、children on the edge(崖っぷちにいる子ども達)とワークショップをしていきたいと夢を語ってくれました。今回、お会いできなかった地方の方たちにもお会いできればと夢は膨らみます。

6)おまけのお話:ソープ氏のディスレクシアのせいか、こちらの聴覚のせいか、通訳をしながら時々????となることがありました。その中でけっさくな勘違いをひとつおまけでお送りします。「ダライ・ラマから平和を祈念してポップコーンを作れといわれたが、戦争が始まってしまい企画がペンディングになっている。」と聞こえたのですが、通訳者も周りの人も皆頭の中は????実は「ポップコンサート」の間違えでした。

詳しいご報告はニュースレターでいたします。
絵画展で販売していた絵葉書カレンダーホルダー付き(7枚組)1000円+送料、
絵葉書セット(8枚組)600円+送料をお分けします。
info@npo-edge.jpまで

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2003年07月15日

NO.32 倫敦より愛を込めて

始めまして高直です。今回はメスタに代わり独り言をつぶやかせていただく事になりました。
いざ東京に来てもっと湿気があるのかなあ、と気張っては来たものの、思ったより涼しくて驚かされている今日この頃であります。

さてディスレクシア本人の発言という事で、皆さんは僕の読み書きミスがあるのでは無いかと思っていらっしゃるのではないでしょうか。ところがどっこい残念ながらワープロ上では手書きのような問題が中々起こらないのです。というのも、英国のディスレクシア教育の一環でディスレクシアと判断されコンピューターの使用が有効と認められた生徒にはコンピュータの使用を薦めるからです。

僕の場合、書くときは鏡文字や変形した文字が多かったけれどもコンピュータを使う時は鏡文字や変な文字の修正もせずに、そんな大きな問題も無く言いたいことをそのまま文章にできるのです。学校もしくはディスレクシアの教育施設で、強制では無いけれどもコンピューターの使い方をオプションとして覚えられます。どうやって学んだか想像がつきますか? 

それはキーパッドをトランクス(未使用)の足を出すところから手を入れます。
そうすると最初は手がどのキーをタイプしているのかわからないのですが、手の感覚を短時間で覚えることが出来ました。テストの時は、ディスレクシアの特典としてそのコンピュータを使用することは可能です!読みと書きが非ディスレクシアよりも遅いわけです。早く正確にかけるのであれば問題なく使えます。それに補足としてテスト時間が非Dxよりも25パーセント長く貰えます。

これ以外にも数々の特典がもらえる僕らですが、それでも困ることが大かれ少なかれあります。
僕の場合考えをまとめるのに苦労することが多々あり、アイデアを一つにまとめていくのにすごく時間がかかることがあります。最近長時間読めるようになってきましたが、読む速度は遅いこともあります(色セロファンを使うと読みやすくなることもあります)。

でも成長するとともに障害が自然と状態が和らぐということが僕らの頭の中にはあるみたいです。
でもまだまだわからないことは多いみたいですねぇ。ということで高直による独り言です。

☆ 高直君は現在ロンドンの建築大学一年を終え、夏期休暇で一時帰国中です。


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2003年07月01日

NO.31 ABLE

できる。スペシャルオリンピックスのアスリート二人が主演するヒューマンドキュメンタリー、

ABLE。なんとまた見に行ってしまった。三回目である。

主演のゲン君(ダウン症)もジュン君(自閉症)もすごい。
何がすごいって、そばにいる人を幸せにしてくれる。

それがアメリカのアリゾナの広大な風景と青空の下、これまた素晴らしいホストファミリーに迎えられて、見る見るうちに明るく、積極的にいろいろなことを身につけていく。

人間の能力は無限だと感じさせたれる。
ある一つの見方からすればDISABLEな人も、違う見方からするとABLE。
そんな簡単なことに気が付かせてくれる映画だ。
よく見ていると、三回目にして気が付くことも多い。
ホストマザーがゲン君を指して「言葉ができるから言語に頼って英語がわからないと戸惑っている。反対にジュン君は言語に頼らないから、とても自然に手振りと観察でわかっている。」と表現していたが、あっという間に溶け込んで、バリアがない。
エンディングのところでLDの人が描いたゲン君とジュン君の絵が出てくる。
そして最後が圧巻でこの映画の製作を応援した4000人以上の人の名前がすべて出てくる。
しっかり見ていくとみたこともない名前の隣に、著名な方の名前が出ている。
この映画の素晴らしいところである。
細川佳代子さんの多くの人の賛同を得てこの映画を作るんだという意気込みが伝わる一瞬だ。

9月に来日するマッケンジー・ソープ氏の絵画展も同じように多くの方に賛同されて開催したいと思っている。
有形、無形での応援をよろしくお願いいたします。

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2003年06月01日

NO.30 メルマガへの反応

毎回、何通かメルマガの読者から反応があります。先回のメルマガで出してすぐの反応は「先客万来とあるが、これは何かのしゃれか?であるなら、しゃれの意味がわからないので教えてくれ」というものでした。申し訳ありません。ただのワープロが変換間違えをしただけです。でも、千客万来で普通は一番に出るでしょう!!!この、ワープロ(マイクロソフトワードです)はディスレクシアに違いない、と思った次第です。

もう一つ頂いた貴重な反応は広島大学の山田純先生からです。

そのまま飲用(引用)させていただきました。

『では、エステライヒャー先生から出された英語の問題を一つ「【Ghoti】は何かわかりますか?発音記号で確かめてください。皆さんの身近にあるものですよ。そう毎日食べると身体にいいですね。ゴーティなんて言っているのは誰ですか?
英語で【gh】はどう発音するでしょう?発音しないときもありますが、laugh やenoughだと【f】の音ですね。では【o】は?オーですか?womenのときは?ウィメンだから、そう【i】の音ですね。【ti】は?ティ? emotionのシュつまり【sh】です。もうお分かりでしょうか?
Fishなんです。極端ですがディスレクシアの人にとってネーティブでも英語はこのように大変なのです。」

これは、皮肉屋のG. B. Shaw が英語のつづりの複雑さを揶揄したときに使った例ですが、Shaw は、言語学的知識がありませんので、ただでたらめな例を作ったにすぎません。英語では、語頭で、gh が /f/ となることは、ありません。同様に、語尾で、ti が /sh/ になることもありません。すなわち、英語つづり法は、コンテクストも重要な鍵だということを、Shaw は、知らなかったということです。英語の指導に、ご参考にしていただければ、幸いです。』

山田先生、貴重な情報ありがとうございました。

体験学習

日ごろからディスレクシアの子たちには体験学習が一番と言い続けています。本で学んだ知識よりもしっかり身につくからです。

いつかは子供達と体験学習の合宿をしたいなあと思っていますが、一足お先に自分が体験学習をして来ましたのでご報告です。

長野の伊那に「アグリネーチャーいいじま」という設備が出来ました。二つのアルプスに囲まれ約4万?V$NEZCO$K=IGq@_Hw!"%2%k(モンゴルの移動式住宅)、炭焼き小屋や馬三頭で障害者乗馬が出来る施設などがあります。神奈川県鶴見にある橘学苑が所有する敷地にJAが事業運営をする施設です。

「いいじまの春を食べよう」、「春駒に乗ろう」という二つの企画があり、欲張りにも両方を体験しました。野草探しをして、取ってきた野草のチェック、そして野草の調理法の指導などを受け、そのあとで飯ごう炊飯をして食べました。いのしし鍋も作りました。今まで見ても目に入らなかった美味しい野草や、食べられるものとほとんど同じに見えるのに毒草があったりで食糧難になってもどうにか生き延びられそうだと感じました。

春駒のほうは乗馬ですが、橘学苑の卒業生が現在イギリスのRDA(障害者乗馬)の学校に留学していて、指導をしてくれました。ほんのさわりですが、大変気分の良いものでした。

春を満喫して帰ってきました。



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