Q.NPOが仮に負債を抱えたら理事としてどのような責任を負うのか(有限責任、無限責任)。役員候補には責任を負わせたくはないのですが、それらを事前に明記しておくことはできるでしょうか?

A.まず、NPO法人の役員は出資者ではありませんから、有限責任か無限責任かという問題自体が無意味です。では、理事はどのような責任を負うのか。債務を抱えたときが気になると思いますのでまとめておきます。
NPO法人が定款に書かれた「目的」の範囲内の活動をして債務超過となって破産した場合は、破産宣告を受けて清算手続に入ります。この場合の債務は法人の債務ですから、理事や社員が個人として負債を背負いこむということは原則的にはありません。
しかし、理事には、法人が行う活動における過失や事故などに対して、通常期待されている程度の注意義務を要求されます。
具体的には以下のような責任があります。
(1)
まず、善良な管理者としての事務を処理する義務(民法第644条)に反して法人に損害が生じた場合は、理事は法人に対してその損害を賠償する義務があります。
(2)
次に、法人が目的の範囲にない行為を行い他人に損害を与えた場合は、そのことに賛成した社員と理事、その行為を行った理事は、連帯して賠償する責任があります(民法第44条第2項)。
(3)
また、理事が法人の債務超過を知りながら破産の申立てをしなかったために法人の債権者に損害を与えた場合は、理事はその債権者に対して損害賠償の責任を負います。(民法第70条)。
(4)
監事は、理事と違って対外的な代表権や業務執行権はありませんが、理事の業務執行の状況を監査することなどを行う機関ですので、その責任を怠り法人に損害が生じれば、監事も法人にその損害を賠償する責任が生じることになります。
従って上のような法で定められた責任をも免れるような「無答責役員」はそもそも認められません。まあ、理事に就任するのですから、上のような社会的、法的な責任を負うというのは当然といえば当然のことです。