ラ・ファソン古賀でランチNYのスーパーシェフと茅乃舎へ

2017年06月15日

27年目の学生食堂で

このブログでもときどきご紹介していますが、中村調理製菓専門学校には調理師科の学生たちが授業の一環として運営する学生食堂が3か所あり、調理師科以外の学生や教職員も利用できます。
私も学校で業務をしている日はほとんどここで昼食をいただきます。
営業時間は12時半から1時半までとなっています。
先日、12時半の営業開始時間に第1学生食堂に行きましたが、私がこの日の最初のお客ということで待ち時間無しでセルフサービスの料理を受け取りゆっくりと食事をすることができました。

学食26年1
《校内に3つある学生食堂で最も古く1991年から運用している第1学生食堂。この日、私は一番乗りでした》

学食26年2
《この日の定食(300円です)は一番人気のハンバーグでした》

第1学生食堂は3つの食堂の中では最も古く、学生たちによる営業は1991年から始めましたから今年で27年目を迎えます。
実はそれまでは学生たちは調理実習の授業が午前中にあるクラスの場合は自分たちが実習でつくった料理を食べますが、それ以外のクラスの学生たちは弁当を持参したり、コンビニなどから買ってきたカップ麺や弁当、パンなどを食べていました。
私はこれでは良い料理人は育成できないと考え、学生食堂をつくり、もう少しまともな昼食を学生たちに食べさせたいと思いました。
そして、学生食堂を運営委託しようと中村学園事業部という中村学園グループの給食事業を行っている部門の責任者に相談しました。
すると、当時の学生数は今よりも極めて少なく、とても給食委託では採算が取れず引き受けられないと言います。
そのとき、「調理師の学生たちだから自分たちで学生食堂を運営したらいいじゃないですか」と言われ、なるほど!と思いました。
ということでできたのが学生が授業の一環で運営するスタイルの学生食堂でした。

そして、27年前の記念すべき営業初日。
前宣伝とこの日のために購入した食券自販機のおかげで食券は100枚以上売れ、昼休みには学生食堂のカウンターの前には長蛇の列ができました。
しかし、いつまでたっても料理が出てきません。
ついに昼休みが終り午後の授業の時間となり、この日の食券購入者全員には後で料金を払い戻してお詫びしました。
私はそのとき、この学生運営の学生食堂は大きな意味があると感じました。
それまでの調理実習の授業は、学生たちは自分たちのペースで調理を行い、いつまでに料理ができあがらないといけないという考えが無く、また先生たちも同様でした。
お客さまの都合に合わせて調理しなければならないという当たり前の考えが欠落していたのです。
そしてこの後、1か月もすると昼休みの開始時刻には調理が完了するようになりました。
この授業も次第に発展していき、今では3種類の学生食堂があり、それぞれ異なる目的の調理授業を行っています。
また、多くのお客さまの調理をするということで食中毒の予防も徹底するようになり、昨年末には3つの学生食堂のうち、衛生に関する知識と実践が主目的の食堂がNASAの衛生基準であるHACCPの認証を取得するまでになりました。
このHACCP認証を学生運営の学生食堂が取得しているところは日本では極めて珍しいということです。

学食HACCP3-1
《HACCPの認証をいただいた第3学生食堂》

学食HACCP3-3
《HACCPの認証書です》

ということで「継続と、日々の改善」ということを実感したお昼でした。

注:中村調理製菓専門学校の学生食堂は定食が300円と安価なため、近隣の飲食店にご迷惑をおかけしてはいけないという理由から営業許可を取っていません。
そのため、外部の一般の方のご利用はできません。
しかし、校内に2つある実習レストランは客単価が少し高いことから営業許可を取っており、一般の方もご利用できます。
また、製菓技術科の学生たちが運営する実習ケーキショップも営業許可を取っております。
是非ご来校して学生たちの味をご堪能ください!

実習レストラン・実習ケーキショップのサイト:http://www.nakamura-s.com/printemps/

学食26年3
《やがて学生たちで満員になりました》

nsg3 at 05:52│Comments(0)TrackBack(0) 専門学校 | 教育

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