フランス料理

2017年04月07日

ソウルでフレンチ

ソウル出張の話がつづきます。
私の中学時代の友人(もちろん日本人です)でフランス人のキャリアウーマン(高級官僚)と結婚した者がいます。
フランスでは原則として夫婦は一緒に生活するということで、雇用者はこれをできるだけ守るようにしなければならないそうです。
友人は日本の団体の役員。
友人が中国の北京に赴任すると、フランス政府は奥さまに北京の仕事を用意します。
そして、友人が日本で仕事をしているとき、奥さまは若い時には日本にあるフランスの機関で働いたこともありましたが、だんだん齢とともに偉くなってくると日本に彼女に適した役職がみつからなくなりました。
ということで、今回は日本に近いソウルに役職がみつかり、ここに赴任してきました。
友人は日本からときどきソウルに行って奥さまと会っているのですが、ちょうど私のソウル出張とタイミングが合い、一緒に食事をしようということになりました。
場所はカンナム区でも美味しい店が多いアックジョン(狎鴎亭)にあるフランス料理のビストロPassionné(パショネ)。
ここはソウル在住のフランス人には人気の店とのことで、ミシュラン・ソウル版にも載っています。

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《ビストロPassionnéはアックジョン(狎鴎亭)のビルの2階にありました》

料理はプリフィックスでメインの肉料理を牛肉、鶏肉、仔羊の3種類の中から選ぶことができ、私と奥さまは仔羊を、友人は鶏を選びました。

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《根セロリのクリームスープ》

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《オニオングラタン》

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《肉は仔羊、牛肉、鶏肉から選べます。私は仔羊にしました》

さて、食事をしながら英語と日本語、そしてフランス語をミックスしながらさまざまな話題を語り合いました。
実は私は韓国でまともなフランス料理をいただくのは多分初めて。
ですから、その料理に大変興味がありました。
まずは、塩味が日本やフランスに比べて薄く感じます。
韓国では韓国料理や日本料理も塩味を薄くしなければなりません。
ラーメンの一風堂のソウル店(残念ながら撤退しましたが)もスープの塩味を日本と同じものと韓国用の薄味の2種類をメニューに用意していました。
2番目はコースメニューにスープが入っていることです。
フランスや日本のフランス料理レストランやビストロの多くでは、今ではスープを入れません。
しかし、韓国ではスープは大事です。
韓国料理にはカルビタンやサムゲタン、クッパ、テンジャンチゲ(味噌チゲ)など、スープ料理が多く、スープ大好き国民です。
ですから、スープをメニューに入れたのではないでしょうか?
最後に季節感の問題です。
日本では日本料理だけでなく、フランス料理やイタリア料理、中国料理でも高級店は季節感を大事にするところが多いのですが、韓国では一般に季節感を重視するレストランはあまりありません。
そのことを会食相手のご夫妻に私が言うと、奥さまは、「日本は桜の季節にはどの店に行っても桜のプレゼンテーション。紅葉の季節はどこも紅葉ばっかり。あれは良くない。」とおっしゃいます。
なるほど、夏に関西に行くとハモ(鱧)ばかりですが、以前はハモを食べなかった福岡の和食店でも夏はハモを出す店が多くなってきました。
個性を大事にするフランス人には日本の画一的な季節感は奇異に映るのでしょう。
いずれにせよ、美味しい料理と美味しいフランスワイン、それにたくさん会話で、楽しい時間を過ごすことができました。
メルシー・ボクー(Merci beaucoup;大変ありがとうございました)!

Passionné:https://guide.michelin.co.kr/en/restaurant/passionne/

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2017年01月16日

濱野雅文シェフの凱旋フェア@福岡

1月12日(木)から15日(日)にかけて、ミシュランガイドブック・フランス版で1星を獲得しているレストラン‟Au 14 Février à Saint-Amour Bellevue”オーナーシェフの濱野雅文氏の凱旋フェアーがホテルニューオータニ博多で開催されました。
私も土曜日のディナーに出席しました。

濱野シェフ・ディナー26
《Au 14 Février à Saint-Amour Bellevue”オーナーシェフの濱野雅文氏(左)》

ご一緒したのは私が日頃からお世話になっている人生の先輩のご婦人方です。
濱野シェフは福岡・糸島の出身で、中村調理製菓専門学校1995年卒です。
ミシュランガイドブック・フランス版ではナカムラ卒業生は濱野シェフのほか、パリのレストラン‟Sola”の吉武広樹シェフが星を取っています。

濱野シェフ・ディナー1
《たくさん並んだナイフとフォークがこれからのディナーへの期待を高めます》

濱野シェフ・ディナー2
《ミニャルディーズ・サレ》

濱野シェフ・ディナー3
《新年の宴の始まりを告げる3つのプレリュード 糸島牛 パイナップル ブロッコリー》

濱野シェフ・ディナー4

濱野シェフ・ディナー5

濱野シェフ・ディナー6
《潮の温もり 加布里の絵 ライム パプリカ》

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《故郷の彩 サーモン 47℃ 晩白柚》

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《大地の息吹 フォアグラ デコポン 牛蒡》

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濱野シェフ・ディナー12

濱野シェフ・ディナー13


さて、濱野シェフの料理ですが、故郷の糸島の食材を用いたもので、味といい盛り付けといい大変繊細なもので、ご一緒したご婦人方も大感激のようでした。
たくさんの料理とワイン、そして楽しい語らい。
いつのまにか4時間近い時間が過ぎていました。

濱野シェフ・ディナー14
《朝焼けと夕凪 本日の魚河岸から… フランボワーズ ビーツ》

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濱野シェフ・ディナー16
《なつかしの… メロン バジリコ 愛のカタチ》

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そして、きょう1月16日(月)は後輩たちのために母校に授業に来てくれました。
世界を相手に料理で勝負する先輩の姿は学生たちにもきっと大きな刺激になったことでしょう。
お忙しい中のご来校、本当にありがとうございました。

Au 14 Février à Saint-Amour Bellevue(フランス語サイト):https://www.sa-au14fevrier.com/

濱野シェフ授業1

濱野シェフ授業2


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2016年01月13日

浜野雅文シェフの料理フェア

中村調理製菓専門学校・平成7年卒業で、フランス・ブルゴーニュのサンタムール・ベルヴューのミシュラン1星レストラン“Au 14 Fevrier”のオーナーシェフ、濱野雅文さんの料理フェアが1月8日から11日までホテルニューオータニ博多レストラン・カステリアンルームで開催されました。
4日間のランチとディナーのいずれもほぼ満席という人気で、私も何とか予約することができるほどの盛況でした。

2014年にサンタムール・ベルヴューの店を訪問した際のブログ:http://blog.livedoor.jp/nsg3/archives/51946606.html

浜野シェフ1

メニューは濱野シェフの故郷の糸島の食材を使い、濱野シェフらしい料理に仕立てたものでした。
実は、このイベント終了の翌日(1月12日)は中村調理製菓専門学校の後輩たちのための特別講義もやっていただきました。
その授業の話は明日のブログでご紹介しましょう。

浜野シェフ2

浜野シェフ3


浜野メニュー12500 (719x1024)
《12,500円のメニュー。私がいただいたのはこちらです》

浜野メニュー8500 (720x1024)
《8,500円のメニュー》

浜野シェフ5

浜野シェフ6

浜野シェフ7
《ミニャルディーズ・サレ;食前に小さなおもてなし》

浜野シェフ8

浜野シェフ9

浜野シェフ10

浜野シェフ11
《アミューズ;新年の宴の始まりを告げる3つのプレリュード 〜故郷への想い〜》

浜野シェフ12

浜野シェフ13
《バターはブルターニュのジャン・イーヴ・ボルティエのもの。左は海藻を練り込んだもの。右は無塩バター》

浜野シェフ14
《まろやかな牛蒡のポタージュ ミントの香り》

浜野シェフ15
《前菜1皿目;糸島野菜とヤリイカのマリアージュ イベリコの生ハムとパルメザンチーズのアクセントで 〜糸島・久保田農園からの贈り物〜》

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《温かい前菜;ペリゴール産鴨のフォアグラと伊都國鶏のモモ肉のコンフィを早生キャベツに包み込んで トリュフの香り 甘酸っぱいリンゴのピューレを添えて ペリグーソースとシャンピニオンの泡のソースと共に》

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浜野シェフ18
《魚料理;しっとりと焼き上げた本日の鮮魚と加布里のハマグリの酒蒸し 彩り鮮やかな人参のpétales仕立て 香ばしく焼いた芝海老入りポレンタを敷いて 潮風の香り漂うハーブティーを注いで》

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《ワインはフランスの店で支配人兼ソムリエを務める石塚裕介氏が選んだ料理とのマリアージュを愉しめる4杯をいただきました》

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《ミネラルウオーターは太陽王ルイ14世も愛飲し「水のドンペリニヨン」とも称されるシャテルドン(Chateldon)としました》

浜野シェフ21
《お口直しのグラニテ》

浜野シェフ22
《肉料理;燻製をかけた糸島牛ロースのロースト カルダモン風味の温州みかんのコンポートと爽やかなレモン&山葵のシャンティを添えて サクサクの山椒香るパートブリック エシャロットのクーリ入りポルト酒のソースと共に》

浜野シェフ23
《アヴァン・デセール;ココナツのメレンゲ&メロンとライムのソルベ 〜白雪〜》

浜野シェフ24
《グラン・デセール;ごく薄く仕上げたホワイトチョコレートのドーム仕立て フロマージュブランのムースと甘酸っぱい『あまおう』シャーベット 彩のフルーツを華やかに飾って キラキラ輝く熱々のライチのソースを注ぐその時…》

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《ミニャルディーズ・シュクレ;食後の小さなおもてなし》

浜野シェフ27




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