B002YP4FBYUpsides
Wonder Years
No Sleep Records 2010-01-26

by G-Tools

 #0 The Wonder Years 「The Upsides」 について
 #1 "My Last Semester" 
 #2 "Logan Circle" 
 #3 "Everything I Own Fits In This Backpack"
 #4 "Dynamite Shovel"
 #5 "New Years With Carl Weathers"
 #6 "It's Never Sunny In South Philadelphia"
 #7 "Hostels & Brothels"
 #8 "Melrose Diner"
 #9 "This Party Sucks"
 #10 "Hey Thanks" 
 #11 "Washington Square Park"
 #12 "All My Friends Are In Bar Bands"



 【Share The Feeling】と題して、新しく始めてみた、英語の歌詞を説明する記事。最初は、自分の大好きなアルバム、The Wonder Yearsの「The Upsides」について書いてみました。

 全ての曲についての記事を書き終えて、まず、声を大にして言いたいのは、自分の解釈が全てじゃないってことです。 これは、自分の英語理解の不完全さ、日本語による説明の拙さに対する言い訳というだけではありません(言い訳も含んでいます 笑)。日本語の詩でさえも、解釈がいろいろできるのが詩なのです。読む人それぞれ、また、同じ人が読むのでも、そのときの気分次第で、解釈は変わると思います。

 また、自分は、あえてこのアルバムを、1番から12番まで一つのストーリーであるかのような書き方をしてきましたが、それについても、本当はどうなのか分かりません。たとえば、ネガティブに解釈した、#1 "My Last Semester" の歌詞の内容は、一度アルバムを通して聞いたあとに、2週目で聞くと、「自分は自分」というように確固たる信念を抱く主人公の気持ちを歌っているようにも思えますし、逆に、ポジティブに解釈した、#11 "Washington Square Park"の歌詞の内容も、上手くいかずもがき苦しんでいる主人公の様子を歌ったものだという風にも捉えられます。アルバムの曲順どおりに話が進むというよりは、全ての曲の歌詞にリンクする部分があるような構成になってます。

 アルバム全体にちりばめられているのは、心の中の葛藤や迷い、希望や落胆、怒りなど、様々なテーマ。思春期に感じるもの とは違い、大学を卒業した後、社会に出て行こうとする時期に抱く思いが描かれているだけに、このアルバムが発売された2010年当時の自分の気持ちともリンクして、かなり思い入れの深い作品になっているということも言えます。

 The Wonder YearsのFacebookのページ(コチラ)には、 「The Upsides」というアルバムを作った経緯が書かれています。バンドのボーカルであり、歌詞を書いた本人である、SoupyことDanは、このアルバムを作る前に本当に落ち込んでいて、そんなとき、自転車に乗っていると、Logan Circleに噴水が立てられたのが目に留まる。その光景から一気にインスピレーションがわき、このアルバムを作るに至ったそうです。そういった意味で、このアルバムに登場する主人公は、Soupy本人であり、かなり個人的な内容をせきららに歌っています。

 かなりひねくれた目でこの世の中の無常さを捉えているSoupyですが、このレコードから、「 I hope it's this: Don't give those mother-fuckers an inch. Stand your ground every chance you get because everybody deserves a chance to be happy.」というメッセージが伝わればいいという風に語っています。ネガティブな歌詞が多いこのアルバムやけど、全体のコンセプトとしては、「だれもが幸せになるチャンスを持っている、決して沈んでしまってはいけない」というポジティブなものになっています。

 バンドは、このアルバムのリリース後、人気に一気に火がつき、トップアーティストへと登りつめます。その理由として考えられることは、曲のメロディーが素晴らしかったことも、もちろん理由ではあるやろうけど、やっぱり、リアルな歌詞がアメリカの若者の心に響いたからやと思う。

 このアルバムが最初にリリースされたのはNo Sleep Recordsやけど、人気バンドとなった後、Hopless Recordsと契約し、ボーナストラックを収録したデラックス盤がリリースされる。バンドとして成功したこともあってか、そこに収録されたボーナストラックの歌詞は、全てポジティブなもの。一応、Upsidesの続きとして書かれているものの、個人的には、まったく別なものになってしまったなと感じてしまうから、No Sleep Recordsから出たUpsidesが好きです。

 
 自分は、周りの多くの人を見回して考えて、かなりポジティブ思考な人間やと思う。それでも、ときに落ち込むことはあるし、悩むこともある。だから、人間って、ほんとスレスレのところで、気持ちのバランスを保ってるんやろうなって感じることが多い。だから、このアルバムに描かれた、Soupyの気持ちの変化にはすごく共感できるし、こういう気持ちの状態が長いこと続いたなかで、なんとか踏ん張って、現在はバンドとして大成功してることに尊敬する。

 「好きなバンドは?」とか、「好きな曲は?」って聞かれても、なかなか一つを選ぶのは難しいけれど、「歌詞が一番すきなアルバムは?」って聞かれると、自分は間違いなく、この作品を選びます。