Lyrics

 久しぶりのShare The Feeling企画(企画の説明についてはコチラ)。今回は、リリース20周年を記念して今年再発された90's Emoの名盤、American FootballのS/Tのオープニングを飾る曲、"Never Meant"を取りあげます。

  この6月に素晴らしすぎるミュージックビデオが公開されるまでは、きれいな旋律を奏でるバンドよなぁって音にしか注目してなかったんやけど、ビデオの内容が素晴らしすぎて、歌詞の内容が気になって読んでみると、もうそれはそれは自分の心にグッと来て。どうしてもこの気持ちを紹介したいなって、今回歌詞の内容について記事にしてみた。

 
 
 これぞエモっていう、男女の別れの歌。やっぱり共感してしまうのは、歌詞を書いてるのが男性からやろうか。要約してしまえば、仲の良かった男女が付き合うことになったけど、結局別れてしまうことになって、これまでのことはなかったことにしようっていうありきたりな内容なんやけど、それをあの音楽に乗せて、言葉数も少なくここまでの世界観を表現されてしまったら、水分がいくらあっても足りません。涙で体が枯れちゃいます。

 曲のタイトルにもなってる"Never Meant"っていうのは、「そうするつもりじゃなかった」っていう意味。Never meant to beって形で使われるのが普通なんかな。女の人からしたら、「男の人ってすぐそうやって言い訳がましく」って思う人もいるんかもしらんけど、きっとemoの世界観が分かる人なら、この歌詞を歌った男の人の切ない気持ちが分かるはず。



 別れ、それも「Good-bye」をいう瞬間にスポットライトを当てた歌詞になってると個人的には思ってて。"Like we never did. Not to be overly dramatic."っていうフレーズが途中に出てくるんやけど、これは「こうやってさよならしよう」っていう気持ちを表現してる。愛し合ってた頃は、毎回いちゃいちゃしてなかなか離れられなかったけど、本当にさよならする今回は、本当に何気ない感じにしよう。そうじゃないと、君が忘れられないでしょ。って。でも、本当に忘れられないのは、男の方やったりするんよね。

 個人的に一番グッと来るのが、Best Friends, Better Halves, Good-byeっていう並び。Better halfっていうのは、「妻」って意味の口語で、ここは親愛なる人っていうぐらいの意味やと思う。ってことで、親友やった二人の関係が、愛し合う二人っていう関係にグレードアップしたってのが普通やろうけど、ひねくれものの自分は、ここであえて「Better Half」っていう言葉を使った理由を勘ぐってしまう。

 BestよりBetterの方が、意味的には劣る。そのBetterの入った言葉をあえて使うことによって、Best Friends>Better Halfっていう大小関係を暗に示してるんじゃないかなぁって。そこのメロディーはだんだん暗くなっていくし。もともと親友同士やったけど、何かのキッカケで恋人同士になって「しまった」っていう。そこから二人の関係は崩れていく。無かったことにしたいのは、恋人として過ごした時間ももちろんそうやけど、一番は親友から恋人に変わる瞬間なんじゃないかなぁって。

 解釈はひとそれぞれやと思うけど、自分はそんな風に思いながら例のミュージックビデオを見て、何度でも感傷に浸れます。最高の時間を過ごした二人が別れなければならなくなって、その時に一番感じるのは、やっぱり思い出が思い出として残ってしまうことの辛さ。そんなことをサラっと少ない言葉数でものすごい深みで表現してくれるこの曲は、やっぱり名曲以外の何物でもありません。

So let's just pretend
Everything and anything
Between you and me
Was never meant