しんぼっちの徒然日記

お寺での日常を気ままに記すしんぼっち(新発意)の日記です。文学・御詠歌・お花を中心に綴るブログです。※しんぼっち→新米僧侶  東日本大震災のために被災したふるさといわきで育児をしながら活動中です。

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令和になって初めての小名浜諏訪神社の例大祭。

息子は幼稚園でお稚児さん。
娘は近所の子どもを守る会のお神輿。しんぼっちは娘の付き添いの予定…が、なんと娘が2日前に蕁麻疹に。ウキウキわくわく楽しみにしていましたが、やむなく断念しました。

そんなわけで、朝、お見送りにだけ出たのに、
「私も行きたい!」
と騒ぐ娘。それを見た役員さんが、
「町内に戻って来た時に合流したら?」と提案してくださったので、午後から一緒にちょっとだけはっぴを羽織って回りました。

3つの子ども会が合併したため、広範囲に渡る地域をみんなで「ワッショイ!ワッショイ!」

お祭りはやっぱり楽しいですね〜✨

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帰宅後、大人が担ぐ大神輿にも無事にお賽銭をお供えして、人心地つきました。大神輿がいらっしゃらないと、そわそわして用事が出来ない米野の人間。まだかまだか?と通りに顔を出すご近所さんが、散見されました。

お祭りは、参加するのもお詣りするのもどちらも楽しいですね😊

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東日本大震災から8年が経ちました。

8年経っても来て下さる方々がいらっしゃいます。ありがたいことです。

しんぼっちも夫と共にいわきの各浜を回り、回向をしてまいりました。午前中の暴風雨が吹き荒れる真っ只中に外で拝んだので、びしょ濡れ。でも、拝むことで気分が晴れました。自己満足かもしれませんが、やはり拝まずにはいられない。

写真は岩間海岸。
震災のあった年の初夏に、広島からいらしたお坊さんと3人で階段の上で読経していたところ、捜索活動をしていた自衛隊の方々がじっと待って下さっていた場所です。

自衛隊の方も、お坊さんが読経しているところを見ると安堵すると聞いたことがあります。亡くなられた方にも生きている方にも、少しでもお役に立てれば幸いです。

記憶は少しずつ薄れていくもの。
ですが、次世代に地震と津波と原発事故について伝えていき、防災・備災の大切さを知って貰えるよう、忘れないようにしたいものです。

南無大師遍照金剛

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娘のおやつの「ジャイアントカプリコーン」を開封したら、顔が書描かれていました。

目がハート😍

念のため息子の物も確認したら、顔はなし。

調べてみたら「カプすけ」という見つけたらラッキーなキャラだそうです。

何か佳いことあれば良いですね〜♪

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夕方から会議があったため、高輪の高野山東京別院に参りました。

常磐線で南下するに従い、車窓の景色は葉桜になっていきました。なので、期待はしていませんでしたが、なんと!東京別院のしだれ桜はまだまだ綺麗に咲いていました。

お大師さまの後ろ姿も麗しゅう見えます(*^^*)

会議はたくさんの議題を話し合ったために、予定時間をオーバーしての白熱したものでした。暑いくらいの気温も、帰る頃には程よく冷えて気持ちの良い空気。

出席されたお坊さんは、関東圏の方が中心で、

「うちはもう葉桜だよ」

「うちもですよ」

「花まつりに花がないぞ」

「何の花まつりになりますかね?」

なんて会話が聞こえてきました。
小名浜はまだまだ満開。やっぱり東北なんだなぁとつくづく思いました。

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久々に訪れた松ヶ岡公園。
駐車場に停めるのに30分待ちの賑わいでした。

子どもたちを遊具で遊ばせようと連れてきましたが、震災の影響でモノレール等は撤去され、お砂場とブランコのみがありました。回転ブランコとか小さな電車とか、子どもの頃遠足などで楽しんだしんぼっちとしては寂しい限りです。

そういえば、落ち葉のプールもありました。
こちらも原発事故の影響でなくなったのかもしれないと思うにつけても、寂しいものです。

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桜が満開になったと思いきやもう散りはじめ

花びらではなく花ごと散った桜が足下にチラホラ

潔いというべきか

花の盛りは短くて

短いからこそ心に残る



さまざまな 事思い出す 桜かな

芭蕉の句がしみじみ思われるお年頃のしんぼっちでした(*ゝω・*)ノ

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しんぼっちのバッグには、京都の十三やのつげの櫛が入っています。高校生の時に京都で買ったのか?物産展で買ったのか?記憶が定かではございませんが、何しろ20年以上の愛用品でお守りです。

「京・十三や」の焼き印が入った櫛は、外材のつげ製ですが、高校生のお小遣いで精いっぱいの贅沢をしたことだけは憶えています。お店の方が丁寧に「ちゃんと手入れをすれば、国産とそれ程変わりはないですよ」と説明してくださった通り、丈夫で今でも現役です。今日はオリーブオイルでお手入れをしました。

さて、先々月に金剛流合唱団の大宮公演に参加させて頂きました。公演では「龍華」の節で大宮の氷川神社の御詠歌のお唱えがございました。素戔嗚尊(すさのおのみこと)が奇稲田姫(くしなだひめ)に妻問う歌です。

神話では、八岐大蛇に食べられそうになっていた奇稲田姫を櫛に変え、自分の頭にかざして素戔嗚尊は八岐大蛇を退治します。お酒を飲まされてべろんべろんの八岐大蛇は、ひとたまりもありません。35年前の幼稚園の学習発表会のオペレッタがまさにこの神話だったので、その当時を懐かしく思い出しました。

古来より櫛は「奇し」であり、不思議なものです。魔除けにもなるし、身代わりにもなります。

「く」は「苦」、「し」は「死」に通じるから江戸時代にはプロポーズの時に「苦も死も共にして欲しい」と贈るものだったとか。櫛を突き返されるときは離婚の時だそうです。

『源氏物語』では、六条御息所の娘が伊勢の斎宮として都を去るときに朱雀帝から櫛を賜ります。斎宮が都に戻るときは、天皇の退位か斎宮の身内の不幸や謀叛等があった時です。だから「都に戻ることのないように」と、送り出されるわけです。

そういえば、他人の櫛を使うのは、その人の不幸を貰うので良くないと、しんぼっち母は申します。まさに、身代わりになるからなのでしょうね。

実は、産後にショートヘアにしてから使用頻度の減ったつげの櫛でしたが、最近ヘッドマッサージに使うようになりました。ガチガチの頭皮が心なしかほぐれてきたように思います。肩凝りも少し楽になりました。

夫のガッチガチの坊主頭もつげの櫛でほぐしたい願望に駆られますが、すんでのところで踏みとどまっております(;^_^A

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10年ちょっと前に境内に植えた沈丁花が大きくなり、板碑を圧迫するようになってしまいました。

板碑には、梵字で光明真言が刻まれております。この碑の傍らにちんまりと花が咲き、お彼岸のお詣りの方々の目と鼻を楽しませることが出来ればと思っていたのですが、想像以上に巨大化。光明真言も見えません( ̄∇ ̄)


ところで、夫はしんぼっちを「猪突猛進」と表現します。まさに見境なく突っ走り、夫を巻き込むのだとか。確かに、震災以降「いい加減にして」と何回言われたか分かりません。不惑も過ぎて「中庸」ということを意識するようになりましたが、人間なかなか変われないものです。「中庸」とは過不足なくバランス良く行動すること。

ただ、孔子は、「中庸」を説くと同時に、事なかれ主義よりも失敗を恐れず目標に向かうことも大切なことと説いております。ベストは「中庸」だけれど、出来なきゃ猪突猛進も致し方ないと、解釈しております(;^_^A

沈丁花の枝葉が見境なくのびのびと広がっているさまが、まるでしんぼっちの大暴走に見えて、可笑しくなりました。加えて、白い花が最近夫の頭に増えものに見えて、申し訳なく思います。

そういえば、あるお坊さんが「一山の住職していると個性伸び放題」と笑っていたことを思い出します。銀杏や欅にくらべれば、沈丁花なんて可愛いものではありませんか(*^^*)




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昨日、行きつけのスーパーで「芋がら」が目に入りました。夫も子も食べたことはないはず。以前食べた芋がらの炒め煮が美味しかったので、ちょっと躊躇った後に買い物かごに入れました。品名には、

芋がら(ずいき)

とあって、恥ずかしながら「芋がら」は「ずいき」という名もあるのか!と驚いた次第です。

さて、「ずいき」と言えば法会の列席者を「随喜(ずいき)」と呼びます。「随喜」には、他人の善行を見て、これに従い喜びをおぼえることという意味があるので、これに由来しているのでしょう。他に、ありがたく思い喜ぶという意味もあります。

ネットで検索をしてみると、芋がら=ずいきの語源には諸説あれど、一説に夢窓疎石(鎌倉〜南北朝期の禅僧)の和歌、 

 いもの葉に
 置く白露の 
たまらぬは 
これや随喜の 
涙なるらん  


に由来するとかなんとか。鎌倉期の説話にお供えを芋の葉に載せる和歌もあることから、あり得ない説でもないなぁと感心してしまいました。

 肝腎なお料理ですが、乾燥している芋がらを水の中でもみ洗いした後に水でもどして、酢を入れた熱湯で湯がき、ざるに上げて水洗い。それをお好みの具と味付けで炒め煮にしました。

 5歳の娘は案外気に入って、しゃくしゃくした食感を楽しみ、夫は、  

「戦国時代の籠城食じゃん」  

と、むしゃむしゃ食べておりました。夫曰く、熊本城築城の際、籠城に備えて芋がらが材料の1つになったのだとか。 

戦国武将も食べたやもしれぬ食材を初めて口にして、さぞ感激の涙を浮かべているかと思いきや、

「どっかで食べたことがある! 高野山かも?」

と譲らない。「随喜の涙」とは行きませんでしたよ。

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夕方、ちょっとした所用でいわき・ら・ら・ミュウに行ったついでに、アクアマリンパークを散歩してきました。

巡視船なついとアクアマリンふくしまとマリンブリッジを撮影📷

先日、久方ぶりにお墓参りにいらした方が、境内から小名浜港を眺めて、

「えっ?! 何あの橋! いつの間に!?」

と驚いていました。震災以降、小名浜港湾は、目まぐるしく変化しております。十年一昔とは言いますが、今撮影した写真もいつか懐かしい写真へと変わるのでしょうか…

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こんな風に4人で散歩する今は貴重な時間なのだとつくづく思います。


それにしても、ちょうどわんちゃんの散歩時間とぶつかり、さながらワンコ銀座の様相でした。うちのチビたちも、似たようなものか( ̄∇ ̄)

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