穴

84 :本当にあった怖い名無し:2007/03/30(金) 21:56:32 ID:6xJPoudD0
確認の電話
10年ぐらい昔。


日曜の朝の9時35分。
父親はパチ屋、母親はクリスチャンなので日曜礼拝、妹はたぶん睡眠中、俺はTVゲーム中だった。
突然電話が掛かってきたのだが、母方の祖母からだった。
母親と同じで婆さんもクリスチャンなので、日曜礼拝のことだろうと思っていたら、
どうやら誰宛とかじゃないみたいだった。

内容は、『みんな大丈夫?誰も亡くなってない?怪我してない?』。
親は出掛ける前に「行ってくるわ」と顔を出したので、いつも通りなのは確認済み。
妹は知らんが、昨日の晩は一緒に飯食ったし元気だろう。
そもそも『亡くなってない?』なんて電波な質問に対して、「あぁ元気元気」と適当にあしらった。

婆さんは、そんなこと言うタイプではない。
気味の悪さからゲームに集中出来ず、確認した方がいいのかなぁと引っかかりつつも、
考えるほど嫌な予感がし、恐怖で確認できないでいた。

9時45分。
起きたらしい妹がパジャマ姿で部屋に入ってきて、とりあえず妹は安心。
しかし一言、「ゴンタ死んでる」。
寒気がした。

死んだ人が別れの挨拶をするって話しはありがちだが、
愛犬でも似たようなことがあるというのを身を持って知った。

愛犬と婆さんの面識は3回もないと思う。家族旅行の時に預けたぐらい。
電話の内容から察するに、何かが亡くなったのを感じたんだろうか。
不気味だ。



855 :添い寝:2007/03/29(木) 15:30:36 ID:RJO9BJ3Y0
ごうち
ある新興住宅地で起こった出来事です。


そこはバブル期初期に計画ができ、既存の鉄道路線に新駅を作り、
広大な農地を住宅地へと造りかえて、
駅の近辺には、
高層マンションやショッピングモールなどできるはずでした。

しかし、そのうちバブルもはじけてしまい、
新駅を中心に住宅こそそれなりに造られたものの、

高層マンションやショッピングモールなどは建設が中止になってため、
住宅地と住宅地の間に農地や空き地が所々に見られる、ちぐはぐな街となってしまいました。

小学校以来の仲で、今は不動産業を営んでいるやつがいるんだけど、
仮にそいつをアキバ(アキバ氏)としておく。
で、そいつに飲みに誘われたとき、その席で言われた。
「うちで分譲した新Q地区の区画なんだけど、
そこの建売買った人やその家族が相次いで死んでるんだよね。
数日前にも一人死んだ」

新Q地区とは、この住宅地がある場所で、Q町の新街区だからこう呼んでいる。
どんなような死に方をしているかと言えば、アキバいわく、
「分譲が全部終わって、一年かそのくらいは何ともなかったんだけど、
それから事故死、病死で2人が立て続けに死んだ。
それからさらにひと月ほどして、4人まとめて自動車事故で一家全滅。
まあ、このくらいなら偶然とも取れなくはないんだけど、
その後三月足らずの間に、更に2人が事故や病気で死んでいる。
病死の中にはそれなりの年齢の人もいたけど、異常だろ?」
約30軒のうち半分近くが、わずか半年足らずの間に葬式を出しているという。確かに異常。


856 :添い寝:2007/03/29(木) 15:31:23 ID:RJO9BJ3Y0
「今では『何かの祟りじゃないか』と、その区画の人は全員といってもいいくらい怯えている。
クレームも多くなってきてね。で、何やら怪しげな話が好きなお前に、相談しようと思ったわけだ」

確かに俺は怖い話は好きだけど、霊が分かるわけじゃないし、
ましてやお祓いや除霊の類はできない。

でも興味があったから、一応一通りのことは聞いてみた。

「その分譲地に、何か曰くはなかったのか?」
「詳しくは分からないが、無かったと思う」
「地鎮祭はやったのか?」
「もちろんやった」
「そのとき神主は何も言わなかったのか?」
「その場にいなかったので分からない」
「死亡が相次いでいるのはそこの区画だけなのか」
「その通り」
「前の地主は何も言っていなかったのか」
「俺は特に何も聞いていない」
「亡くなった人の共通性は?」
「今は分からない」
「おまえの親父さんが亡くなったのは偶然か?」
「それは全く分からない」
アキバの親父さんは、1年ちょっと前に癌で亡くなっている。

まだ60歳前で、現代なら十分若死の部類に入るだろう。
その区画を分譲したのは、まだ親父さんが社長をやっているときで、
分譲が終わってから程なくして亡くなった。

それまでは普通だったが、ある日突然立てなくなり、
病院に行ったところ頭に大きな腫瘍が発見され、

その後三月と持たずに亡くなってしまった。

既に癌が体中に広がっていたのだという。
もちろん俺も葬式には参列している。
その後、親父さんの後を継いだのが彼であるが、
その区画を分譲しているときは他の物件を扱っていて、
そのときの様子はよく分からないのだそうだ。




857 :添い寝:2007/03/29(木) 15:32:36 ID:RJO9BJ3Y0
「俺よりも、地鎮祭をやった神主に相談したほうがよっぽど頼りになるんじゃないか」と言ったが、
「その神主、死んでしまっている」
「なんだそりゃ」と思わず突っ込んだが、冷静に考えるとかなり怖い。
「でも神主、かなりの歳だったからな。
それで、うちが檀家になっている寺に頼もうかと思ったんだけど、
そこの住職、どうも胡散臭いし、俺とも折が会わなくてね。誰かお祓いできる人知らないか?」
「『自称』霊能者ってやつは俺も知っているんだけど、そいつもかなり胡散臭くてね…」
「それでもいい、紹介してくれ」
そんなやりとりがあって、『自称』霊能者である人間を紹介することに。(彼を仮に『オオツカ氏』とします)

そして数日後、アキバ、俺、オオツカ氏の3人で現地へ。
到着して界隈を一通り歩いたあと、オオツカ氏が言う。
「確かに何か感じます。しかし、何か違うというか、何かおかしいというか…」
やっぱり、こいつ怪しいなと思う。

誰だってそのくらいのこと言えるだろ、と心で突っ込みを入れてアキバの顔を見ると、
彼も胡散臭いものを見ているような目つきをしている。
「対処できそうですか?」
アキバが恐る恐る聞く。
「うーん…」と首をひねったあと、オオツカ氏は「無理そうです」と一言。
まあね、できないのにやった振りをしちゃうよりは良心的かな、と思ったりする。

しかし、それからオオツカ氏は、ある人物を紹介してくれた。
その人物は近くの市に住む50代の女性で、オオツカ氏とは長い付き合いとのことだった。
ただ、その人に会う前にまた死者がでた。
ある家の高校生の息子が、急性アルコール中毒で死んだ。
引越しを検討している一家も少なくないとの噂もでてきた。



858 :添い寝:2007/03/29(木) 15:33:38 ID:RJO9BJ3Y0
さらに数日後、その女性(ウエノさんとします)を含め4人で再び現地へ。
件の区画を歩いたあと、「近くの土地も見てみましょう」と、区画から外へ足を向ける。
あいにくの小雨模様だったが、傘もささずに早足で歩きだした。後を追う。

ウエノさんは隣の区画を回ったあと、今度は反対に向かった。
そこにはとても小さな公園があり、その向こうは荒地となっている。
さらにその荒地に隣接して、また別の区画があった。
荒地の前まできて、ウエノさんは足を止めた。

「ここみたいだね」
「ここ、ですか?」
アキバが怪訝な顔で聞く。
「そうよ。ここがおかしい。あなたも何か感じる?」
振られたオオツカ氏も、「確かに感じますね」と呟く。相変わらず胡散臭い感じではあったが。

「しかし、ここが原因ならば、あそこの区画より、ここにすぐ隣接している場所のほうに影響がでるのではないですか?」と俺が聞く。
「まあ、そうなんですが。そこは私もおかしいと思ってます。調べる必要がありそうですね」
「この土地の持ち主はわかりますか?」
ウエノさんがアキバに聞く。
「調べれば分かるとは思いますが」
「至急調べて、地主を見つけてください」
「分かりました。で、不躾ですが、対処はできますでしょうか?」
「まずは、ここの因果関係が分からないと何とも言えませんね。それを知るためにも地主さんに話が聞きたいのです」

職業柄、土地の所有者を探すのは不動産屋にとってはお手の物。
その日のうちに地主を割り出したが、その地主、今は隣県に住んでいるという。
さっそくアポをとってみたところ、日曜日なら会えそうだとのこと。
早速日曜日に地主宅を伺った。

地主は還暦を過ぎたばかりの男性であった。(地主をカンダ氏とします)
もっとも、俺は仕事のため行けず、ウエノさんとアキバの2人で行った。
後から聞いたことはこんなことだった。



859 :添い寝:2007/03/29(木) 15:34:42 ID:RJO9BJ3Y0
簡単な挨拶の後、ウエノさんが用件を切り出す。
「新Q地区に、カンダさんが所有している土地についてのことなんですが」
「はあ」
「それで、あの土地についてご存知のことを教えて欲しいのです」
「いや、私はただ土地を持っているだけですが」
最初カンダ氏は、不信感、敵対心がありありだったという。
もっとも、見ず知らずの人間が尋ねてきて、いきなり土地のことを聞けば無理はないのかもしれない。

さらに少しやりとりがあったあと、ウエノさんが努めて穏やかに言った。
「私どもは、カンダさんに金銭的なことを含めて何か要求したり、責任を追及する気はありません。
ただ、俄かには信じられないかもしれませんが、あの土地が原因で人の命が奪われている可能性があります。
ですから何でもいいので、昔からの謂れを知っていたら教えて欲しいのです。
決してそれを悪用したり、むやみに人に漏らしたりはしないとお約束しますので。どうかお願いします」

そのとき、ひとりの老婆が部屋に入ってきた。
カンダ氏のお袋さんである。80を優に超えてはいるが、しっかりした人である。
「その子(カンダ氏)はあまり知らないから、私がお話しましょう」
「是非お願いします」
「あそこは忌み地なんですよ」
カンダ婆さんはそう話し始めた。
まとめると、次のようなことである。

いつの時代かははっきりしないが、かなりの昔から、
その土地に『不幸な出来事』に関連するもの、『穢れた』ものなどを捨てる(埋める?)ようになった。
それは物質的なものだけではなく、気持ち的なもの、
所謂『怨念』や『憎悪』などを、代々捨ててきたという。


ただし、カンダ婆さんがカンダ家に嫁にくる頃には、その風習はほとんど廃れており、
実際にどのようにやっていたかは分からない。
しかし、舅や旦那(亡くなっている)から概要を聞かされており、
そこには無闇に入ってはならないこと、また、子供を近づけてはならないなどと注意を受けていた。
そして、その土地を『ごうち』と呼んでいた。
なぜ『ごうち』と呼ぶのか、また、どんな漢字があてはまるのかは分からない。



860 :添い寝:2007/03/29(木) 15:35:53 ID:RJO9BJ3Y0
その土地はカンダ家の所有ではあるが、
管理は集落で行っていて、そういったことは集落全体で共有していた。

ただ風習はなくなっても、『ごうち』は集落の主に年寄りたちによって管理されつづけ、
その集落一帯が新Q地区となって再開発されるまで行われていた。
もともとカンダ家は集落一の地主であったのだが、農地解放で落ちぶれた。

ただし落ちぶれたとはいっても、かなりの土地は残り、バブルと再開発の影響で土地は高騰、
しかし、土地を手放すことに抵抗していたカンダ婆さんの旦那(カンダ家先代)が亡くなると、
カンダ氏は土地を売り、それを元手に事業に手を出した。
そのうちバブルも崩壊して、事業もだめになり、今はここにいる。

『ごうち』であるが、そこだけはカンダ婆さんが売却にはかなりの難色を示し、
周辺の家々からも売らないでくれと懇願されたので、
そこと周辺の一部はわずかな土地ではあるし残した。

「そう言われてみれば」とカンダ氏も言った。
「そう言われてみれば、子供のころは『ごうち』の周りにあった雑木林で遊んだときは、親父に酷く怒られたっけ。あと、『ごうち』の端を流れる水路でも絶対に遊ぶなと、何度も言われたな…」
「心配だったんですよ」と、カンダ婆さんは話の最後に呟いた。

ウエノさんは帰りの車の中で、
「私にはちょっと手に負えないかも。アキバさん今日はお時間取れます?」と聞いてきた。
アキバは大丈夫だと答える。
「それならW市に行って欲しいのですが」
W市とは、Q町近辺の市町の中心的役割を果たす市である。
丁度よいことに、カンダ氏宅からQ町に戻る途中に通ることもあり、寄り道するには好都合だった。

ウエノさんからW市で紹介されたのは、オオサキ氏という男性であった。
ちなみに、次から次へと霊能者を紹介されて、ぼられるんじゃないかとアキバは心配したそうだが、
そのときに、ウエノさんとオオサキ氏からきちんと説明を受けて、安心したとのことだ。



861 :添い寝:2007/03/29(木) 15:37:36 ID:RJO9BJ3Y0
結局その日は時間が遅いこともあって、翌日改めて現地へ向かうことになった。
そのときは俺も参加した。というより、させて貰った。
オオサキ氏は30そこそこで、背が高く端正な顔立ち。
礼儀も正しく好印象であったが、それだけに全然霊能者らしくない。

彼はアキバの親父さんが分譲した区画と、
ウエノさんが目星をつけた荒地(つまり、ごうち)を見て回わった。

見歩いている最中はまったく無言であったが、一通りめぐると口を開いた。
「社長(アキバのこと)、ちょっと協力していただきたいのですが」
「できることなら、なんでも」
「この土地と周辺の昔の形を調べられないですか?
できれば戦前、少なくともニュータウンが計画される前の状態が知りたいのです」
「できると思います」
「それなら、お願いします。ただし時間がない。急がせて申し訳ありませんが、至急お願いします」

その後、彼はウエノさんに言った。
「ここ、結界が張られていますね。分かりますか?」
「ええ、分かります。でも複雑な形に張られているようですね」
「どういうことでしょう?」と、俺はふたりに聞いた。
「いえ、今ははっきりと答えられません。社長が昔のここ周辺の状態を調べていただければ、分かってくると思いますので、少しお待ちください」
とオオサキ氏は答えた。
「それでは社長、分かりましたら至急連絡をいただけませんか。夜中でもかまいませんので」

翌日、アキバはオオサキ氏に依頼されたことを早速調べ上げ、彼に連絡した。
そして、『資料をファックスで送って欲しい』というので送った。
『結論が出ましたら、こちらから連絡いたします』
とのことで、実際に連絡が来たのは5日後であった。
その間、オオサキ氏は彼なりに郷土史を調べたり、カンダ婆さんに会いに行ったり、
新Q地区に古くから住む人に話を聞いたりしていたという。
その間、幸運にも例の区画から死者は出なかった。



862 :添い寝:2007/03/29(木) 15:38:37 ID:RJO9BJ3Y0
その日の夕刻、オオサキ氏、ウエノさん、アキバ、俺、なぜかオオツカ氏、
そしてシブヤさんという70歳くらいの男性が、アキバの事務所に集まった。
このシブヤさん、オオサキ氏が連れてきたのだが、新Q地区の古くからの住人である。
オオサキ氏が語りだす。
「まず『ごうち』とはどんな意味であるか、どんな字を書くかですが、
一般的に『ごうち』と読ませるのは『郷地』、或いは状況を鑑みて『業地』などが思い浮かびます。
時間がなかったので詳しく調べたとは言えませんが、私の推測では『児地』だろうと思います。
読んでその通り、小さな子供を意味します。これが訛って『ごうち』となったのでしょう。
或いは…可能性としては高いのですが、わざと訛らせたのかも知れません」
オオサキ氏はシブヤ氏に、「それではお話していただけませんか」と促した。

「みなさんは知っていらっしゃるようだが、あの土地には忌みごとを捨ててきた。
で、何でそうなったのかと言えば、これは言い伝えだから本当かどうかは分からんが、『村八分』ってのを知ってるでしょう?」


863 :添い寝:2007/03/29(木) 15:40:20 ID:RJO9BJ3Y0
シブヤ氏の話をまとめると、
少なくとも明治より昔、あの地区で村八分を受けた家があった。
その折は天災続きで、村八分を受けた家はとても生きていけなくなった。
そこで村人に許しを請うのだが、村八分というのはされた側に問題がある。
それなら『心を入れ替えた誠意を見せろ』ということになった。

そこで村八分の家では、子供をひとり人柱に建てることにした。
それがどちら側の提案であるかは今となっては分からないが、
一番小さい子供に白羽の矢が立った。

名主であったカンダ家が土地を提供し、人柱は建てられた。
そのおかげかどうかは分からないが、天災は収束し、その家も村八分を解かれた。

しかし、人柱を建てたその土地は、農地やその他実用なことには使えない。
祠を建てて子供を慰めようか、という案もあったが、
それでは人柱が記憶に残り、子供を生贄にした罪悪感が引き継がれる。
そうして、土地はそのままにされたのだが、曰くつきの土地であり、
いつの頃からか穢れた物や忌みごとを捨てる地となった。

シブヤ氏が子供の頃は『ごっち』という人もいたが、
シブヤ氏がそのように言うと、「罰が当たる」と親に怒られた。

ある程度の年齢になったとき、『ごうち』とは子供のことを意味すると教えられた。
『ごうち』を丁重に管理しなければならないことは、集落の各家に伝えられているはずだが、
その謂れは、親の判断によって伝えられたり伝えられなかったりしているようだ。

話したがりとそうでない人がいるように、親がそうでないときは詳しい話は伝えられない。
初めのうちは、祟りなどを恐れて詳細に語り継がれていたのだろうが、それにも限度がある。
だから、土地の持ち主であるカンダ婆さんも、このことを知らなくても不思議ではない。
「俺らも、あそこで死人が立て続けにでているので、たぶん『ごうち』に関係があるのだろうと気を揉んでいた。
俺らはもう歳だからいいとしても、そのうち子供や孫に害が及ぶんじゃないかと。自分勝手な考えだが」



864 :添い寝:2007/03/29(木) 15:41:40 ID:RJO9BJ3Y0
「ありがとうございました」とオオサキ氏が礼を言って、再び話しだす。
「いろいろな地方で、例えば道祖神などにそういったことを肩代わりしてもらう、といったことがありますが、
これもそのひとつの形態といっていいでしょう。
ただこの『ごうち』の場合、は成り立ちが極めて特殊ですが。
それで、そうしたことをするためには、何か『代』が必要になるわけですが、
土地自体が強力な『代』となりえます。
しかし、昔あの辺りに住んでいた人々は、それをさらに強力なものにしようとしました。
と言うより、強力なものにしてしまったといったほうが正確かもしれません」

彼はここで1枚の地図を取り出した。
アキバが調べた、『ごうち』とその周辺の昔の地図である。

「これを見てください。これが『ごうち』本来の形です」
地図には赤鉛筆で線が引かれていた。



865 :添い寝:2007/03/29(木) 15:42:26 ID:RJO9BJ3Y0
「以前にあった雑木林との境、水路との境、隣地との境界を線引きすると、この通り、人の形になります。
しかも、頭の大きな幼児の形です。
恐らくこれは偶然ではなくて、当時の人が意識的に形を作ったのでしょう。

祠など、目に見えるものを残すのは嫌だが、それでも罪悪感は残る。
それで、せめてもの標しに、土地を子供の形に模った。
その後、この地が忌み的な場所となってしまったので、災いが起こらないように、
或いはすでに何らかの災いが起こり、能力のある人物の助言を得て、土地を改造し結界を張った。

人型も人形がそうであるように、「代」としては優秀なものです。
つまり、土地を人型に囲い、その上で結界を張り、かなり強力な「代」としたのです。
いや、なってしまったと言うべきでしょうか。
これならば、ここに捨てられた念や不幸は外に漏れる心配がない。

ただし、人型は「代」としては優れている反面、
ややもすれば閉じもめた念を増幅させて、それが一人歩きしかねないといった欠点もあります。
いわば諸刃の剣といったところです。

だから、これでは篭った念が強くなりすぎて、
ある日突然狂ったように暴れだす、ということにもなりかねません。

そこで、巧妙な仕掛けを作った。

この仕掛けこそが、誰だかは分かりませんが、
能力のある人物のアドバイスによって作られたものでしょう。

それがこの水路です。
この水路は幼児の頭にあたる部分を通っていますが、ここの結界をわざと弱くした。
そのため、飽和した念や恨み、穢れといったものは、ここから水路に流れ込みます。

そしてこの水路は近くを流れるE川につながっています。
こぼれ出た念を水に封じ込め、そのまま水やその他自然の力によって弱めながら海まで運ばれ、拡散される。
実にうまい仕組みだと思いますよ」



867 :添い寝:2007/03/29(木) 15:43:04 ID:RJO9BJ3Y0
「俺もそれは知らなかった。気づかなかった」とシブヤ氏。
「『ごうち』を見たとき複雑な結界が感じられたので、地形を調べようと思ったのです。
こういった言い方は不謹慎かもしれませんが、私にとっても思わぬ収穫でした」とオオサキ氏が言う。

「で、今回の出来事は、土地開発によってそれが壊されたから起こったのですか?」とアキバが聞く。
「まったくその通りです」
「それにしてもおかしい。それなら『ごうち』により近い区画や、隣接部分の多い区画に、
より酷い災いが起こってもおかしくないわけですが、あそこだけに集中している」
「はい。それでは、これをご覧ください」
彼は、また1枚の地図を出した。

「これはアキバ社長のお父上が分譲した区画図ですが、これもどことなく人型に見えるでしょう?」
確かに、トイレを示すマークをいくらか崩したような形に見える。
「そして、『ごうち』とこの区画の位置関係は、このようになります」
また地図を出す。それには2つの土地が赤鉛筆で囲ってあった。
「これ、肩の部分にあたるところが隣接しているでしょう。
母親、もしくは父親が、子供に添い寝をしているように見えませんか?」
「あっ!」と声があがる。

確かにそう見えた。病気の子供をいたわって、親が添い寝している情景が浮ぶ。
「管理がおろそかになって結界も弱くなり、所々綻びもでているのでしょう。
さらに今は、念を逃がす水路は存在しません。
だからその負の念は、隣の添い寝している人型へ移っている。
人型から人型へ、他に流れ込むより自然だとは思いますよ。
分譲地が人型になったのは偶然でしょう。
しかしその結果、分譲地も『代』としての役割を受け持つことになってしまった。
人型の分譲地に住む人たちも、人間である以上負の気持ちはあるはずで、
忌みごとや昔でいう穢れももっているでしょう。
そうしたことが念を増幅させてしまい、その偶然が今回の不幸なことを招いてしまったみたいですね」



868 :添い寝:2007/03/29(木) 15:44:07 ID:RJO9BJ3Y0
「・・・・」
俺もアキバも言葉が出ない。
「ことは緊急を要します。すでに10人が亡くなっている。
明日にでも応急処置にしかなりませんが、簡単なお祓いをいたします。
それから、これは私が強制できることではありませんが、
『ごうち』を昔の状態に復旧したほうがいいと思います」
オオサキ氏によると、アキバの親父さんの死はこれとは関係がないとのこと。

人型の区画に長時間住んではじめて影響があるのであって、
短期間入ったくらいでは命まで失うことはないだろう。

おそらく、医者嫌いだったのが原因ではないだろうかと。
しかし、神主は「そうかも知れない」と。
強力な念が流れ込む土地に対して、型どおりの儀式を行ったとしたら逆効果で、
「地鎮祭を見たわけではないから断定はできないが、影響はあったのではないか」と言っていた。



869 :添い寝:2007/03/29(木) 15:44:41 ID:RJO9BJ3Y0
その後。
アキバはオオサキ氏に正式なお祓いを依頼したが、彼いわく、
「依頼をされればやるが、それは一時凌ぎにすぎないし。報酬ももらわなければならない。
それより、一日も早く土地を元に近いように復旧して、根本的に解決させることが重要。
今では昔の風習が無くなっているのですから、元の仕組みを復活させれば、
『ごうち』はその役割を終えて普通の土地に戻るはず。
それなりの年月は必要だとは思いますが」

結果的に、土地を改良するといっても、
役所の認可など様々な手続きがあるうえ、工事にも時間がかかるので、

アキバはお祓いを頼み、その後根本的な対処を行うことになった。
また、お祓いを頼んだのは、オオサキ・ウエノ両氏へのお礼の意味でもあった。

お祓いは、オオサキ氏が主導して、ウエノさんが補佐という形で行われた。
なぜかオオツカ氏も、お手伝いとして参加している。役に立ったのだろうか…?
また、ギャラリーにはカンダ婆さんも現れた。
そして、その後の土地改良計画を聞いて、「これで私も安心して死ねる」と笑った。

蛇足ではあるが、この後、オオツカ氏がオオサキ氏に弟子入りを願い出て、
オオサキ氏は断るのに難儀したらしい。


土地の改良は、町とも相談した結果、
アキバ、カンダ婆さん、シブヤ氏をはじめとする、地元の古くからの住人の一部が出資し、
水路を戻し、木を植え、小さな公園と合わせて親水公園のようなものとして、
それを町に寄付する形になった。


水路は多くの部分が暗渠となったが、オオサキ氏によれば「さほど問題はないだろう」とのこと。
ただし『ごうち』であった部分は、ビオトープのようなものにして、自然保護を理由に立ち入り禁止とした。
それは、その後1年のうちに行われた。

そして、それから約2年が過ぎましたが、
人型の分譲区画で自然死以外での死亡は発生していません。

偶然といってしまえばそれまでですが、やはり怖かった・・・
(なお、人物はすべて仮名です。分かった方もいるとは思いますが、山手線の駅名から拝借しました。また、アルファベットも、頭文字や関係のある文字ではありません)



119 :本当にあった怖い名無し:2007/04/22(日) 07:45:36 ID:JM6sc3Xk0
写真の違和感
最近、バイト先の店長から聞いた話投下します。

その店長の兄が、10年ぐらい前に経験した話らしい。

その兄は当時とある中小企業に勤めてたんだけど、
まだ2月の寒いある日、同期の女の子が無断欠勤した。
休むとの連絡も無いんで、上司がその子の自宅(アパートで一人暮らし)に
電話をしても出ないし、携帯にかけても出ない。


次の日も欠勤したんで、普段まじめな彼女が2日続けての無断欠勤とはおかしい、
という事で、彼女の実家に電話した。

電話に出たのはその子の母親だったが、娘からは何の連絡も無いと。
とりあえずご両親が、その子のアパートに行って見るという事になった。
その子のアパートは実家から電車で1時間ほどなので、後でまた会社に連絡くれるとのこと。

で、その日の夕方、会社にその子の父親(以後Aさん)から電話があったんだが、
大家さんに鍵を開けて貰い部屋に入った所、娘は居ないとの事。
部屋も別に荒らされている様子も無いし、書置き等も無いし、
ご両親もかなり困惑している様子で、警察に届けるべきかどうか迷っているらしい。
電話の対応をした会社の上司も、誘拐等の犯罪に巻き込まれたんじゃないかと不安になったが、
とりあえずご両親に会社に来て頂いて、そこで話し合って対応を決めようという事に。



120 :本当にあった怖い名無し:2007/04/22(日) 07:47:09 ID:JM6sc3Xk0
暫くしてご両親が来社し、社長交えて話し合った結果、
やはり警察に通報した方が良いと言う事になり、警察に電話した。

そして、警察が来るまでの間、彼女の机やロッカーを調べて
何か手がかりが無いか探そうという事になり、

まずは机を調べたところ、引出しから一枚の写真が出てきた。
写真には、人で賑わうスーパーの前で、半袖のTシャツとジーンズ姿でこちらを向き、
ピースサインで微笑んでる彼女が写っていた。
いつ撮られた写真かもわからないし、今回の事に関係あると思えないんだけど、
Aさんは何故か知らないけど違和感を覚えたみたいで、しきりに写真を見つめ考えこんでいたらしい。

そうこうしている内に警察がやってきたんで事情を説明し、社員への軽い事情聴取の後、
(店長の兄はその子の同期で、結構仲も良かった為に疑われたのか、聴取が長くて凹んだらしいw)
ご両親と社長が署に同行し、捜索願いを出すことになった。
先程の写真も、警察に事情を説明したところ、
何かの手がかりになるかも知れないと言うことで、預かってもらった。

で、小さな会社がちょっとした騒ぎになりつつも何とか業務をこなし、
それから2日経った日、
Aさんから会社に電話があった。
娘らしき人物が警察に保護されたようなので、今から病院に行くと。



121 :本当にあった怖い名無し:2007/04/22(日) 07:48:55 ID:JM6sc3Xk0
病院は彼女の実家から電車で3つほど先の駅の近くにあって、
とりあえず社からは上司と店長の兄が、その病院に向かう事になった。

病院に到着した上司と店長の兄が、病院の待合室に居た母親から話を聞いたところ、
保護された人は娘で、目立った外傷も無く、
やや衰弱しているだけで意識はハッキリとしているとの事。

母親もホッとしたのか、涙ぐみながら「本当にご迷惑おかけしてすいません」と平謝りだったらしい。
今ちょうど警察の人が娘に事情を聞いている最中で、面会はまだ出来ないとの事なので、
上司と店長の兄も、無事で良かったとホッとして社に戻った。

その数日後、Aさんがお礼とお詫びをかねて来社し、今までの経緯を報告してくれた。
それによると、彼女は保護されるまでの記憶が全く無いらしい。
仕事の後、帰宅して食事を取り、入浴後睡眠したところまでは憶えているが、
それからの記憶が全く無く、
気が付いたら見知らぬ住宅街の歩道を歩いており、
急に恐ろしくなり、道端で座り込んで泣いている所を、

近所の人が通報して保護されたとの事。

精密検査の結果も、暴行された痕跡は勿論、
目立った外傷も無く、脳にも異常は見られないが、

とりあえず、あと2~3日は大事をとって入院するらしい。
まぁでも、とにかく無事で良かったと社長含め一同で話をしていたが、
Aさんが「でもちょっとおかしな事があるんですよ」と切り出した。



122 :本当にあった怖い名無し:2007/04/22(日) 07:51:16 ID:JM6sc3Xk0
娘らしき人が保護されたと警察から連絡があったので、病院に急いで車で向かったんだけど、
その途中で思わず「あっ!」と声を上げてしまったと。
あの写真に写っていたスーパーが通り沿いに見えた。
立ち寄って確認したかったが、娘の安否が気にかかるし、とりあえずその場は病院に急いで、
夜に妻を娘の病室に置いて、一人で確認しに行った。

スーパーの前の路肩に車を止め、降りて確認すると、
時間も遅く閉店してるし、夜で景色は違うけど、あの写真のスーパーに間違いない。
住所を確認し、急いで病院に戻り警察に電話して、担当の刑事さんに調べて欲しいと訴えたけど、
今回の事については、室内で争ったり拉致された形跡も無く、異性との交友トラブルも無い等、
事件性が薄い上に、あの写真も今回の件との関連性は薄いので難しいとの事。
警察の対応にやや憮然とはしたけど、やはりあの写真には気になることがあったので、
娘にそれとなく聞いても、そんな写真は知らないし、何の事かわからないという。



123 :本当にあった怖い名無し:2007/04/22(日) 07:53:37 ID:JM6sc3Xk0
んで、翌日そのスーパーをもう一度尋ねてみたが、そこで見た光景に背筋が凍ったらしい。
写真では小さく写っていてわからなかったけど、スーパーの入り口にのぼりが立っていて、
そこには『2月○日~△日まで、OPEN記念セール中!』みたいな事が書かれてあった。
○日といえば、彼女が行方不明になった日。
店内に入り店員に話を聞くと、そのスーパーは間違いなく4日前に開店したばかりだと言う。

そんな馬鹿な話がと思いつつ、
その時点でAさんが写真に覚えた違和感がわかってハッとしたんだって。

あの写真、彼女は半袖だけど、写ってる周りの人は皆ジャケットなりセーターなりの防寒服着てたと。
んで、止めが、あの写真・・・一体誰が写して、いつあの子の机に入れたのか・・・と。
その場の一同、唖然を通り越して絶句。

スーパーを訪れた翌日、警察署に立ち寄って事情を話したけど殆ど相手にされず、
例の写真も返却してもらった。

んで入院中の娘にその写真を見せても、
やはりと言うかこんな写真は知らないし、こんなスーパー行った事も無い。

それに、こんな服はあたし持ってないと。
もう一家揃ってかなり気味が悪くなったので、写真は燃やして捨てたそうな。

ちなみに、彼女はその後元気になり無事に退院したけど、
小さい会社でこういう騒ぎになったので、流石に居づらくなり辞め、
父親の家業(飲食店)を手伝っているとの事。



357 :1/4:2007/04/24(火) 22:37:23 ID:2xLUPJJv0
ママもやってたもん
結婚、家庭を巡って、何年にも渡って恐ろしい目に遭った。

先日やっと心が落ち着き、誰かに聞いてほしくてこの話を投稿する次第だ。
長文になることを許してほしい。

元妻と結婚したのが10年ほど前。私の会社でバイトとして入ってきたのが出会いだった。
同棲を経て結婚に至ったのだが、元妻は家族とは仲が悪かった。
お互いの家族には散々反対されたが、私たちはそれを押し切って結婚した。
まもなく子供が生まれた。女の子だった。(仮にAとする)
それから3年ほど経って、第二子が誕生。男の子だった。(仮にBとする)

二人ともすくすくと成長し、Aが来年幼稚園に入園となった年。
Bがよく怪我をするようになった。

擦り傷や打ち身という大したことのない傷だが、
転べば泣き喚くのが子供だろうに、元妻はまったくそういった現場に居合わせていないという。

最初は元妻の虐待を疑ったが、
どんなに子供が泣き喚こうと根気よくなだめたりしていて、
ストレスを溜めている様子はなかった。

元妻はBから目を離さないように、料理や洗濯のときも、
必ず視界に入る場所にBをいさせるようにした。


ある日、元妻がトイレに行って戻ってきたときのことだった。
Aが嫌がるBの口を手で塞ぎ、顔を力いっぱいつねっていたのだという。
元妻は動転しながらBからAを引き離し、叱ったそうだ。
「どうしてこんなことするの!?」と。
するとAはあっさりとこう答えたそうだ。
「だって、ママもやってたもん」
元妻は背筋が凍ったという。

確かに家族とは仲が悪かったという話は聞いていた。
私たちが結婚するというとき、最後まで止めようとしていたのは妹さんだった。
元妻は否定するが、おそらく妹さんは、元妻にいじめられていたのだろうと、
このときおぼろげながら思った。




358 :2/4:2007/04/24(火) 22:39:42 ID:2xLUPJJv0
「ママがそんなことしてたって、どこで聞いたの?」
さりげなく元妻が聞いてみたらしいが、Aはまったく答えなかったという。
ただただ「知ってるから知ってるんだもん!」と叫ぶばかりだったそうだ。
Bの怪我の原因はすべてAだったらしい。
BはすっかりAといるのが嫌になったようで、
Aが部屋に入ってくると、元妻の足元に逃げ込んでくるようになってしまったらしい。

それから元妻は、Bを自分の周りから離さないようにした。
それがさらにAには面白くなかったらしく、とうとう元妻がいる目の前でBを叩いたりするようになった。
止めて叱っても、「ママだってやってたからいいんだもん」と聞く耳を持たない。

そうしている間に、Aが入園の時期を迎えた。
これで少しはBも気楽に家ですごせるだろうと元妻が安堵していると、
幼稚園から電話が入ったそうだ。

Aが他の園児と、毎日のようにケンカをしているのだという。

それも、悪口を言い合ったり、多少の取っ組み合いだったりなどという生半可なものではないらしい。
Aとケンカになった園児の一人は、後ろから押されて前のめりに倒れ、口の中を切ったとか、
気の弱い園児は校庭?の真ん中でパンツを脱がされたりと、
ハイレベルないじめ行為だったらしい。


元妻は騒ぎの度に幼稚園に行っては謝り、
被害者の園児の家に行っては謝り、かなり疲れ果てていた。

幼稚園の先生が叱っても、やはり返事は「ママがやってたことだもん」の一点張り。
当然ながら、元妻の評判は園内ではガタ落ち.
それも元妻の負担になっていた。

家に帰ってきたら帰ってきたで、Bのおもちゃを隠す、壊すなど。
Aは私の言うことにもまったく耳をかさず、元妻もノイローゼ気味になり、
とにかく家は家庭崩壊寸前だった。


そんな折、決定的な事件が起こった。
Bが死んだのだ。
私たちが寝ている間の真夜中、寝かしつけたはずのAが、Bの首の上に馬乗りになり、
『おうまさんごっこ』をやっていて、窒息したのが原因だった。
最初は息があった。トイレに起きた私が急いで病院に連れて行ったのだが、助からなかった。
医師にいろいろ聞かれたが、何と話していいかもわからず、わからないとしか言えなかった。



359 :3/4:2007/04/24(火) 22:40:51 ID:2xLUPJJv0
元妻はいよいよ心労が募り、胃を壊したり、高熱を出すことが多くなった。
Bの一件から、Aの様子はほとんどかわらない。
幼稚園から小学校に上がっても、悪戯はエスカレートする一方でしかなかった。
ママがやっていたことだと主張しながら・・・

元妻には悪いと思いつつも、私は元妻の両親に連絡を取り、彼女の子供時代の話を聞くことにした。
Aがあんなになってしまう原因が何かわかれば、と思ったからだ。
私はそれまで元妻の両親とは連絡を取っていなかったが、意を決してAの事をすべて話した。
予想通り、元妻は妹さんをいじめていたらしい。両親に隠れて。
元妻の両親は青ざめて、『確かにいじめてはいたけど・・・そこまで酷いことは・・・』とのこと。
現に妹さんは、結婚して家を出てしまっただけであって健在だ。
だが、妹さんの小さい頃の写真を見せてもらったのだが、Aにそっくりだった。

妹さんとの関連の疑いが濃くなってきたので、
「妹さんに話を聞けないか」と掛け合ってみたところ、電話をしてくれた。
しかし、彼女は両親から話を聞いただけで、私と話すことは拒否。
『関係ない人間に責任を問うのはやめてほしい』と言われてしまったそうだ。
しかし、Aの病気?の原因は元妻と妹さんの関係にある気がしてならない。
私は妹さんに、「元妻は連れて行かない。私とAだけであなたに会いたい」と両親を通して伝えてもらい、
最初は嫌がっていた妹さんだったが、渋々会ってくれることになった。



360 :4/4:2007/04/24(火) 22:42:29 ID:2xLUPJJv0
Aを連れて待ち合わせの場所に着いたとき、妹さんはAの顔を見た途端、絶句した。
自分に似ていることにすぐ気づいたのだろう。彼女もさすがに驚いたらしい。
下手に疑うような目で見るのも失礼だったので、そこには触れずに彼女から過去を聞いた。
具体的な話はできないが、兄弟間の諍い程度で済む話ではなかったことは確かだ。
だからといって、やはりこれをAと結びつけるのにも無理があった。
しかし妹さんも、あまりにも自分に似ているAを見て動揺したようだ。
とりあえずその日は、私は妹さんに私の連絡先を教えて帰った。

帰ったら、またとんでもないことになっていた。
Aが寝込んでいる元妻に馬乗りになっている。
Bの時の悪夢を思い出し、動転しながらAをどかした。
元妻は多少咳き込んだだけで、意識もしっかりしていたし、怪我などもなかった。
私も妻も、この頃には完全に疲れ果てていた。

離婚の話が持ち上がったのが、この事件のすぐ後だった。元妻が限界に達したのだ。
普通の親なら親権を奪い合うものだが、私たちは押し付けあった。
散々もめた挙句、元妻の実家が引き取ることになった。
妻はその後、私の援助を受けながら精神病院に入院し、程なくして自殺してしまった。
Aと妹に罵られ、追い回される夢にうなされ続けたらしい・・・

離婚とともに引っ越して、身の回りが落ち着いた頃、会社に元妻の妹さんから電話が来た。
(当時は携帯は普及してはいたけど持っていなかったので、会社の内線番号を教えていた)
別れたと両親から聞き、気になって連絡を遣したのだという。
元妻が精神病院に入院した後自殺たという話をしたら、なんとも複雑な声で、
『あの・・・つい先日、Aちゃんに会ったときに、『よかったね』って言われたんです・・・
 何のことだかわからなかったけど、ひょっとしてそのことだったのかも・・・』

やっぱりAには、彼女の生霊がついていたんだろうか。
彼女は何も知らない振りをしながら、元妻に復讐したんだろうか・・・
今ではもう妹さんとも連絡は取れず、
私も元妻とその周りとはは関わりを絶ったので真相はわからない。

長文ではあったが、これで終了。後味の悪い話ですまない。



693 :本当にあった怖い名無し:2007/05/03(木) 19:36:38 ID:xMgTKN3U0
生贄の儀式
俺の親父の実家がある村の話。


父親の実家、周囲を山にぐるっと囲まれた漁村(もう合併して村ではないけど)なんだ。
元の起源は、落ち延びた平家の人間たちが隠れ住んだ場所で、
それがだんだん村になっていった感じ。

まぁそんなこと、村で一番の年寄りの爺さんがガキンチョに聞かせるだけで、
ほとんどの人間は意識していない。

若い子とかは、知らない子のほうが多いくらいだ。

俺の住んでいる市街(といってもすげー田舎)とそれほど距離があるってわけじゃないんだが、
地形の関係で周囲と孤立している。
今でこそ道路もきちんと整備されて、簡単に行き来できるようになったけど、
20年前なんかはろくに道路も整ってなくて、まさに陸の孤島って言葉が似合う、そんな場所だった。

よく田舎では余所者は嫌われるって言われてるけど、全然そんなことないんだよな。
村の人たちは排他的ではないし、気のいい人たちだよ。土地柄的に陽気な人が多い。
親族内でお祝い事があったら、明らかに親戚じゃない知らないオッサンとか混じってて、
それにも構わずみんなでわいわいやったりとか。
基本的に飲めや歌えやっていう感じ。
俺は半分身内みたいなもんだから、それでよくしてくれてるところもあるんだろうけどさ。

正確な場所はさすがに訊かないでくれ。
俺まだその村と普通に交流してるからあんまり言いたくない。

言えるのは九州のとある地方ってことだけだ。



694 :本当にあった怖い名無し:2007/05/03(木) 19:48:05 ID:xMgTKN3U0
親父の実家自体は普通の漁師の家。
でも、家を継いだ親父の兄貴(親父は九人兄弟の真ん中)が、
「年を取ってさすがに堪える」って言うんでもう漁業は止めてる。
実家は親父の兄弟姉妹とその家族が何人か一緒に住んでたり、
親父の叔父叔母が同居してたりでカオスだ。

俺も親父も親戚関係は全然把握できてない。
誰が尋ねてきても「多分親戚」ってくらい親戚が多いんだよ。


で、俺の家は何かあれば、ちょこちょこ実家に遊びに行ってた。
俺がガキの頃はかなり頻繁だった。

小さい頃は楽しかったけど、中学生にもなるとさすがにそういうのもうざくなってくるが。
それ俺って一族の中では年少者だったから可愛がられてて、お小遣いとか結構貰ってて、
そういうの目当てで大人しく親についていってた。

近所の爺さん婆さんたちも、子供は独立して滅多に帰ってこないっていうので寂しかったのか、
俺や俺の弟や妹たちをすげー可愛がってくれてさ、
俺もう20越えてるのに、今でも俺が来ると喜ぶんだよな。




695 :693:2007/05/03(木) 19:59:18 ID:xMgTKN3U0
そんな年寄りたちのなかで一番に俺たちを可愛がってくれたのが、シゲじいさんっていう人だった。
シゲじいさんはもともと海の男だったんだけど、
とうの昔に引退して、気ままな道楽生活を送っている人だった。

俺がガキの頃の時点で90超えてたと思うが、口は達者で頭もしっかりしてた。
奥さんもずいぶん前に亡くなってて、子供のほうは東京に出たっきり正月や盆にも帰ってこない。
だから俺らの遊び相手をして、寂しさを紛らわせてたんだと思う。

豪快なじいさんで、俺との木登り勝負に余裕に勝ったり、
殺しても死なないんじゃないか、というような人だった。
でも、そんなじいさんもさすがに死ぬときは死ぬ。

俺が中学生のときに病気になって半分寝たきり状態。
夏休みのときに実家に長期滞在したんだが、じいさんの病気を知ってからは、
親戚付き合いそっちのけで、じいさんの家に見舞いにいきまくってた。

じいさんは「もう自分は長くないから」と、昔話を聞かせてくれた。
そのときじいさんの話を聞いたのは、俺と弟だったわけだが、
あれを子供に聞かせていいような話だったのかと、あの世のじいさんにツッコミを入れたい。
じいさんの話は、生贄の話だった。



698 :693:2007/05/03(木) 20:20:07 ID:xMgTKN3U0
じいさんは、「昔ここらへんではよく生贄を捧げていた」とかぬかしやがる。
それも何百年も昔ってわけじゃなくて、昭和初期から中期に差し掛かる頃まで続いていたとかなんとか。
俺「いや、そげんこと言われても……」
弟「……困るし」
俺たちの反応のなんと淡白なことか。
でも、いきなりそんなこと話されても実感沸かないし、話されたところで、俺らにどうしろと?って感じだった。

俺「生贄ってあれだろ?雨が降らないから娘を差し出したり、うんたらかんたらとかいう……」
弟「あと生首棒に突き刺して、周りで躍ったりするんだよな?」
じいさん「ちげーちげー(違う違う)。魚が取れんときに、若い娘を海に沈めるっつーんじゃ」
俺「あー、よく怖い話とかであるよな。人柱とか」
じいさん「わしがわけー頃には、まだそれがあった」
俺「……マジで?」

じいさんの話はにわかには信じられないものだったが、まぁ昔だし、日本だし……
そんな感じで、当時若い姉ちゃんの裸よりも、
民俗学だの犯罪心理だのを追求することに生きがいを感じている狂った中学生だった俺は、
ショックではあったが受け入れてはいた感じ。
弟のほうはよく分かっていないような感じだった。
多分、漫画みたいな話だなーとか思ってたんだと思う


生贄を捧げるにしても、なんかそれっぽい儀式とかあるんだろうけど、
じいさんはそこらへんの話は全部端折った。

俺としてはそっちのほうも聞きたかったんだけど、
当時若造だったじいさんも詳しいことは知らないそうだ。


当時の村の代表者(当然、既に故人)とか、
そういう儀式をする司祭様みたいなのが仕切ってたんだろうけど、

そのへんのことも知らないらしい。
じいさんが知っているのは、
何か不可解なことが起きたときや不漁のときに、
決まって村の若い娘を海に投げ込んでいたというだけ。




699 :693:2007/05/03(木) 20:43:16 ID:xMgTKN3U0
親父の実家は、先にも言ったように陸の孤島みたいなところだ。
そういう古臭い習慣がだいぶ後まで残ったんだと思う。

じいさんがなんでそんなこと俺らに聞かせたのかは、未だによく分からないんだけど、
その生贄の儀式っていうのは、神の恩恵を求めたものっていうよりは、
厄介払いの意味を含めたものであったらしい。

村中の嫌われ者、身体・知的障害者や、精神を病んだ人(憑き物ってじいさんは言ってた)を、
海に投げ込んでハイサヨウナラって感じ。

だから、捧げられるのは若い娘だけじゃなかったらしい。
その裏で、多分こっちが本当の目的なんだろうけど、厄介者を始末する。
実際、近所の家にいたちょっと頭のおかしい人が、
生贄を捧げた次の日から見かけなくなった、というのがよくあったそうだ。
あまりにも頻発するんで、村の中枢とはそれほど関わっていなかったじいさんも、
薄々は気づき始めたらしい。


俺の妹が軽度の知的障害者だから、聞いたときは本当に嫌な気分になったorz
俺「でもさ…、それっておかしいとか思わなかったの?娘さんは最初から沈められるって決まってるけど、そういう厄介払いされる人たちって行方不明じゃん」
じいさん「いやー……娘さんにはむげー(可哀想・酷い)とはおもうたけんど、
 ほかんしぃが消えたあとはまわりんしぃ、むしろ厄介者が消えてせいせいって感じやったなぁ」
俺「……」



701 :693:2007/05/03(木) 21:16:09 ID:xMgTKN3U0
生贄の儀式が実は厄介払いのための建前っていうことは、
当時の村の人間の、暗黙の了解みたいなものだったんだと思う。
誰も何も言わなかったってのは、そういうことなんじゃないかな。

ちなみにこの風習も、昭和の中ごろになる前に自然消滅していったそうだ。
村の人間も、戦後あたりに家を継ぐ長男以外は出稼ぎで全国に散らばっていったから、
生粋の地元人ってのもあまりいないし、事実を知っている人間は年寄りばかりで、
そのほとんども亡くなっている。


今生きているのは、当時子供で詳しくは知らない人とか、そういうのばっかりだ。
そういう人たちも、わざわざ話したりしない。
だから生贄関連の話、記録とかには残っているんだろうけど(慰霊碑があるし)、
知らない人のほうが多いみたいです。
まぁ自分の地元の郷土史なんて興味なけりゃ、
ごく最近の出来事でも周囲の認識はこんなもんだと思う。


結局、シゲじいさんは、なんで俺と弟にこんな話をしたのかわからない。
俺が民族学やらなんやらが大好きってことを知っていたから、
それで聞かせてくれたのかもしれないけど。

あの人、変人だったし。
もう墓の下だけど、死ぬ直前まで口の達者なじいさんでした。

でも、あのじじいがこんな話をしてくれたもんだから、しばらくは大変だったよ。
今まで(今でも)可愛がってくれた年寄りたちの何人かはこの事を知っていて、
実際に身内の中に生贄を出した家ってのもあるかもしれない。
そう思うと嫌な気分になるっていうか、気のいい彼らに対する認識が少し変わったんだよな。
彼らがいい人ってのはよく分かってるから、それで交流を止めたりはしないんだけど。

以上、あまり怖くはないんだが、俺個人としては気分の悪くなった話。
俺は相変わらず実家に訪問することが多いのだが、
まだ他にも普通じゃない話はいくつか見聞きしている。

それは、話すときがあるかもしれないし、ないのかもしれない。
さすがに地元特定されるようなネタとかは話せないし。
個人的に、かつて村の有力者だったという家の話は、もっと凄かった……



928 :本当にあった怖い名無し :2007/03/15(木) 15:28:31 ID:o72A24BQ0
彼女を作らなくなった理由
俺の親戚の兄ちゃん(つっても30代だけど)から聞いた話。

兄ちゃんには昔彼女がいたが、白血病になった。
兄ちゃんは頻繁にお見舞いに行ったり、美味しいもの買ってきたりして、彼女を慰めた。
彼女も喜んでいたが、悲しい事に亡くなってしまった。

しばらく抜け殻のように兄ちゃんはなっていたが、49日あたりの時、彼女が現れた。
1人で酒飲んでて、トイレから戻ってきたら、生前の姿でベッドに腰掛けていたという。
兄ちゃんは涙をボロボロ流して、会いにきてくれたか~そうかぁ~的な事を叫んだ。
彼女もニッコリと笑いながら、何かつぶやいていた。
兄ちゃんが泣きながらベッドの彼女の横に座ると、彼女は本当に天使の様にニッコリ笑いながら、
「死ねッ死ねッ死ねッ死ねッ死ねッ死ねッ死ねッ死ねッ死ねッ死ねッ」
と、呪文の様につぶやいているのが聞こえたという。
笑顔だけに心底ゾッとしたと言う。

百年の恋も冷め、翌日すぐに懇意のお寺に行った。
「これはいけませんなぁ」と住職。
お払いしてもらったら出なくなったという。

「別に浮気してたわけでもなし…もう誰も信じられなくなったなぁ」

兄ちゃんはそれ以来、女遊びはするが、彼女を作る事はしなくなったという。



171:本当にあった怖い名無し:2013/09/26(木) 01:26:38.63 ID:DEHR4wY1I
山神トンネル
わりぃ

じゃぁ、書きます
ちなみに、高校生の書く文なので読みづらいところや至らない点が多いと思いますがご了承を

アレは今年の六月の初めかな?
友達三人
仮にI,S,Kとする
Iと俺は元中で別の高校
Sは同じ高校の友達
KはIの後輩

まぁその辺はどうでもいいんだけど
そいつらと神奈川の七沢にホタルをみにいったんだ
で、結局行ったはいいんだけどホタルは見れず
ズンダバってとこでラーメン食うだけになっちまったんだよ
それではツマラネェと思ったオレはみんなに「山神トンネル」に行こう
って提案したんだ

山神トンネルってのは七沢に心霊スポットのこと
でも、そこでSとKはビビって「帰る」って言い出した
まぁ、強制するのもなんだからオレはそいつらは帰してIと二人でいく事にした
んで、実は最初っからいく気まんまんなオレはで準備して持ってきてた仏像を念のためにI渡しておいた

ちなみに
オレの装備
銀の十字架、メリケン、木刀 小(Iの物)、ライト(iPhone)、充電器

Iの装備
仏像(オレの物)、木刀 大、iPod


続く



172:本当にあった怖い名無し:2013/09/26(木) 01:32:29.68 ID:DEHR4wY1I
続き

そして、iPhoneのGPSもあるし「迷ってもよゆーっしょw」って感じで9時頃から自転車で山神トンネルにむかったんだ
その道中で色々山神トンネルについての噂を話したんだ
「女の人が公衆トイレで強姦され殺された」
「作業着姿の男の霊が現れる」などなど
「その作業着姿の男、実は阿部さんじゃね?」
「アッーーーーー」や
「もし、山の神様にあったらなに願う?」
「無事に家に帰れるように願う」
なんてやり取りしたのもいい思い出だ

そんなこんなしてたら辺りが真っ暗になっていた
でも意外と先は見えるもんでスイスイ進んでいった
でも、一行につくきがしないんだ
地図ではかなり近くに感じたのに
しかも時間的には本厚木の駅から七沢に来たのと同じかそれ以上である

Iは少し飽きてきて「帰る?」的な雰囲気をかもし出してたけど
諦めるのも癪だから「あと十分」ってのを何度も繰り返して進んでいった
そんなこんなしてたらとうとう電波が来ないような山奥まできてしまった
で、最初っからなんだけどオレだけ妙に体が重くて息苦しかったんだ
それをIに言ったら「坂もあるし自転車は押して行こう」って事になった

その頃にはさらに暗くなり
オレらも流石にすこしビビってきたのでBGMを流す事にした
「空の境界」のハァーイヤーエェーみたいなやつ
で、それがさらに恐怖に拍車をかけるんだ
「もっと明るいのにする?」ってIが聞いてきたが
オレは「こっちの方が気分出るだろw?」ってすこし強がってそのまま進むことにした


続く



173:本当にあった怖い名無し:2013/09/26(木) 01:36:59.90 ID:DEHR4wY1I
続き

川を渡ったあたりかな
坂が急に急斜になったので自転車はそこにおいて置くことにした
そこから徒歩で歩いていると
「一般車通行禁止」
っていうすごく落書きされた看板を見つけた
「あぁもうすぐだ!」
オレはテンションが上がりそこからすこし早足で山神トンネルに向かって行った

すると次にまた看板を発見した
それは山神トンネル付近の地図だった
そしてそれが立っている場所にはだだぴっろい空間に仮設トイレ三個ほどおいてあった
オレらは
「多分ここが女の人が殺されたところだ」
っと勝手に決めつけて足を進めた
するとすぐに山神トンネルが姿を表した
ここについた頃には体の重さも嘘だったかのようになくなっていた

オレは軽く写真をとって
「よっし!いくぞ!!」
iPhoneのムービーを回して先に山神トンネルに入りそのあとをIがついてきた
トンネルの中は真っ暗で数メートル先すら見えなかった
それと涼しくて少し落書きされた壁が湿っていた

そんな落書きを見ながら
「てらDQNw」
「オレらも人のこといえねぇしw」とか言いながら進んで行った
そんなこんなしてたらトンネルを抜けて向こう側についた
長かったような短かったようなそんな奇妙な感じがした

続く



174:本当にあった怖い名無し:2013/09/26(木) 01:38:21.62 ID:DEHR4wY1I
続き

ムービーを止めてこちら側も写真をとり「今度は写真を取りながら帰るか」
そう言いトンネルに足を踏み入れた瞬間

ぴちゃ、ぴちゃぴちゃ

っと水滴が落ちる音がきこえた
トンネルだから反響してビビったけど
元々壁が濡れてたし水滴でも落ちただけだろ
自分にそういいかせて少し進んでいくと、水音にまざり


ザザッザザザザッ

何かが地面をするかのような音
そして





女の笑い声がこだました

続く



175:本当にあった怖い名無し:2013/09/26(木) 01:40:17.33 ID:DEHR4wY1I
続き

オレはすぐさまファイティングポーズをとり
Iは脱兎のごとく逃げ出した
数秒で10メートルは走ってたね
こういうのってすごく性格がでるよね
「おい!ちょ!!おまえ!!!」
流石にオレも一人でトンネルに残されるのは怖かったので
あとを追う

その時、後ろを振り返ると遠くに人の影が見えた
二人して絶叫しながらトンネルを抜けすぐにムービーに切り替えて今の現状を残すことにした
残念なことに水音しか入らなかったけど
それで、オレらはそこで少し議論をした
アレはなんなのか?幻聴ではないか?
実際二人で聞いたし幻聴ではない

そして、オレは逃げる時に見た人影を思い出し
「オレらと同じでここにスポット巡りしにきた人達じゃね?」
その時は本当に頭が回っておらず二人で
「それだ!」
ってことにしてトンネルに戻り抜けることにした
生憎、その道中にはなにもなかった

まだ続く



176:本当にあった怖い名無し:2013/09/26(木) 01:45:09.27 ID:DEHR4wY1I
続き

11時頃だろう
トンネルを抜けると今度は別の集団が現れた
10人ほどだったかな?
男だけの集団で「これから山神トンネルにいくんですか?」
オレが話しかけると
「そうだよ」っと気さくに答えてくれた
そしてオレらの格好をみて「どうしたの?」

なんせオレらは十字架にメリケンに木刀というよくわからない物をもっていたからな
その反応は当たり前だろう
「いやぁ~こわくて護身用に」
「あ~そんなんだ」「そうだ!もう一度オレらといかない?」
なにを思ったのかオレらに再度あのトンネルにいこう
と誘ってきたのだ

オレらは「別にいいですよ」っとこたえて同伴することにした
そこで稲川淳二の親戚と言う人物がいたり
「大学生で思い出作りできた」とか「え?高校生なの!?」など「下にあった自転車は君たちのか!!よく来れたね!!!」
などそんな感じで会話を楽しんでいるた

そこでIは気づいてしまった
オレらに結論付けた事のおかしな点に
「あの~ここに来る途中で女性のグループにあいませんでしたか?」
その言葉をきいた瞬間にオレはIが言わんとしてる事に気がついてしまった
「いや?みてないよ」
オレらはそれを聴いた瞬間に鳥肌がたった

もうすこし続く



177:本当にあった怖い名無し:2013/09/26(木) 01:50:22.82 ID:DEHR4wY1I
続き

オレは確かにあのトンネルで女の笑い声をきいた
それをオレらと同じ巡回者だとするなら途中でオレらと鉢合わせにならなければおかしい
もし途中で引き返したなら、この男性のグループに会わなければおかしい
でも、この人達は女性などあっていないと言った
それにオレは遠くに人影をみた
数メートル先すら見るのが怪しいトンネルの中で?

じゃぁ、あの声は一体……?

オレらは男性グループと共にトンネルを往復して帰路についた
その帰り道でオレらは一つの結論をこじつけた
アレは山の神様である
オレは「無事に家に帰れるよう」願ったか帰れたのでは?
じゃぁ、他の事をねがってたら?

その帰り道は行きとは違いそんなに時間も掛からずに家に帰れた
そして帰った二人、そして来なかった奴にLINEでその時起きたことを話した
反応はまちまちで
「帰って良かった~」とか「うそだろw」とか
そんなこんなしているとIが「山神トンネル 女 声」で、調べてみろというので
調べてみた

それで知ったんだけど


山神トンネルでは度々女性の声が聞かれているらしい



終わり



178:本当にあった怖い名無し:2013/09/26(木) 01:53:42.70 ID:DEHR4wY1I
いやぁー意外と疲れるもんですねぇー
受験勉強の息抜きで書いたつもりだったけど
ご静聴感謝します
iPhoneからだったので見難かったらすいません


後日談っといちゃあなんですけど
オレは学校の一時間目に途轍もない吐き気に襲われトイレで吐いた
ちなみにオレは朝はなにも食べないから胃の中は空っぽだったのが不幸中の幸いだった
そしてなぜか吐いた胃酸の色が赤みがかってたは気の所為だろうか?


ってなわけで本当に終わり



299:本当にあった怖い名無し:2013/10/07(月) 15:52:39.97 ID:ZxcSIuG40
交通事故
やっと書き込める

怖い話なのか、びっくりした話なのか、奇妙な話なのか、痛い話なのか…
どれともつかないけど書かせてください。

ちょうど三か月前の七夕の日
その日は日曜で、友人と遊んでチャリで帰る途中だった。
信号が青になり、渡ろうと漕ぎ出したところで左折してきた車に轢かれた。
といっても、初めはチャリの前輪がぶつかってバランス崩してコケただけだったんだけど、
何を思ったかその運転手はバックしてきてコケた俺の左足を轢き潰しやがった。

「えっ、ちょっ、まっ、がああああああああ!」
とバックから轢かれるまでの間の俺の焦りと最終的な叫びでやっと運転手が止まり、降りてきた。



300:本当にあった怖い名無し:2013/10/07(月) 15:53:34.98 ID:ZxcSIuG40
降りてきた運転手は50代くらいの女性で、俺を見た瞬間
「ひいぃぃぃぃ!」
と叫んだ。いや、叫びだしたいのは俺の方なんだけど…実際叫んだし。

女「あ、あ、あの…大丈夫ですか?」
俺「アンタに轢かれたんだ!大丈夫なわけねぇだろ!なんでバックして轢き直しやがった!」
女「あの、最初電柱か何かにサイドミラーぶつけたんだと思ったんです…それで降りたらあなたが…」
俺「状況説明はいいから110番と119番!」
と、とりあえず警察と救急車を呼んでもらう。

俺は見事に左足首がグッチャグチャで即入院。
女は警察に事情説明をして、その後入院している俺の所へ来て謝罪やら何やら…
と入院してもしばらくは忙しかった。

で、びっくりしたというか奇妙…というか、そういった話がここで判明した。
後日警察が病院に「事故当時の状況を一応貴方からも…」と聞きだしに来た。



301:本当にあった怖い名無し:2013/10/07(月) 15:54:09.80 ID:ZxcSIuG40
上に書いた通りの事を俺が説明すると、警察の方が頭を捻ったり「うぅん…」と唸ったりした。

「どうしたんですか?女性と食い違う部分ありましたか?」
と聞くと、警察の方は
「いや、それがね…女性の話と、たまたま事故を見ていた通行人の話なんだけどね…」
と話を続けた。

なんでも、俺は瞬間移動したかのように、急に信号のど真ん中に現れたらしい。
勿論俺にそんな能力があるわけもないし、あったらチャリに乗るわけもない。
「車のライトで見えにくくなったりとか、夜だったんで見えにくかったとかじゃないですか?」
と聞くと
「いや、我々もそうだと思うんだけどね…ただ、通行人の話っていうのが、一人二人の話じゃないんだよ」
と警察は答えた。
「いきなり君が信号の真ん中に現れた。と証言したのが、事故を起こした女性、それと…通行人が四名」
「…嘘ですよね?」
「いや、我々もそう思いたいんだけど…ここまで証言が一致するとなると…」



302:本当にあった怖い名無し:2013/10/07(月) 15:55:10.47 ID:ZxcSIuG40
そう言い、警察は事故当時ではなく事故が起きる前はどうしてたのかを聞いてきた。

自分は正直に友人と遊んでチャリで帰る途中にあそこで事故にあいました。と答えた。
そして友人と遊んだ時間、別れた時間、事故にあった時間、と詳しく聞いてきたので答えた。
すると、警察の方は
「それ、本当に時間は合っていますか?」
と聞いてきた。
「えぇ…友人と別れた時に携帯で時間確認しましたし、110番した時間でしたらそちらの方が分かってますよね…」
と答えた段階で、やっと自分でも気付いた。

友人と別れた場所から事故現場まで、自転車だと飛ばしても20分はかかる。
だが、自分は友人と別れてから8分で事故現場に行ってる計算になるのだ。



303:本当にあった怖い名無し:2013/10/07(月) 15:56:57.86 ID:ZxcSIuG40
警察は当然
「その場所から事故現場まで、終始自転車で移動されてましたか?」
と聞いてきた。
自分は
「えぇ…そうです…けど、おかしいですよね、時間的に」
と答えるしかなかった。
警察も
「そうですね…」
とだけ答えた。

最終的に、
「事故にあう前の行動は女性に言わないように、言ったら面倒な事になりかねないので」
と念を押され、それ以降事故の状況について警察に詳しく話を聞かれることも無かった。



304:本当にあった怖い名無し:2013/10/07(月) 15:57:31.14 ID:ZxcSIuG40
自分は信号待ちしていた記憶もあるし、信号が青になった同時にチャリを漕ぎ出した記憶もある。
でもここまでおかしなことが分かると…。

といった感じで、入院中やっとここに書き込めるネタが出来たと内心ウキウキしながら今日退院してきました。
見るだけなら奇妙な話ですが、実体験(というか事故る)となると怖すぎる…という話でした。
願わくば、あの時の女性や警察関係者の方、通行人の方々がこの書き込みを見ませんように。
以上です。



780:本当にあった怖い名無し:2013/09/27(金) 05:39:16.27 ID:9sdwK5J60
エレベーターのフタ
始めて書かせて頂きます

文章力も乏しい上に初心者ゆえ、読みづらい所や誤字脱字等あるかと思います。
何卒ご容赦下さい。


私がまだ小さかったころ体験した話です

好奇心旺盛だった私は、よくバカな事をして怪我して親に心配をかけるようなそそっかしい子供でした。

その当時、私と家族は10階建ての団地の8階に住んでいたのですが、
その団地はいわゆる曰く付きの団地でした


私の住んでいる県は、クソ田舎で、
あまり高層ビルなどはなく、10階建ての団地ですら最高峰と言っても過言ではないので、その団地が飛び降り自殺の名所になるのも必然といえば必然でした。
さらには霊が出るという噂もあり、県営団地なのに、空室がたくさんあるような…
とにかく寂れた古い団地でした。




781:本当にあった怖い名無し:2013/09/27(金) 05:39:47.34 ID:9sdwK5J60
当時チビだった私は、遊びに行く時など、下の階に降りる時はエレベーターを使いますが。
身長的に上の階のボタンにはまだ手が届かないので、
帰る時は階段を使わないと自分の住む8階には帰れないといった状態でした。

しかし、エレベーターホールの隅にあった階段は、昼ですら薄暗く、
ドアも鉄製の重くて閉塞感のあるドアで、さらに階段で幽霊を見たという噂が絶えないので、
大人ですらあまり階段は使いたがらないほど不気味な階段でした。


まだ小さかった私がどれ程の恐怖を階段に抱いていたかは想像に容易いと思います。

なので階段を使う時は猛ダッシュで8階まで駆け抜け上がり恐怖心を紛らわせていました。
たまに遊びに夢中になり、帰るのが遅くなってしまい、すっかり暗くなった階段を上るハメになった時には、半泣き状態で大声で母親を呼びながら8階まで駆け上ったのを覚えています。



782:本当にあった怖い名無し:2013/09/27(金) 05:41:37.78 ID:9sdwK5J60
そのうち知恵を付けた私は、上の階のボタンを木の棒などで押して、一人でエレベーターにて上り下りができるようになりました。

それまで階段が怖いという理由で必ず夕方のまだ明るい時間に帰っていた私でしたが、エレベーターを自由に使いこなせるようになってからは、
ついつい暗くなるまで遊んでしまい、よく親に叱られていました。

その団地自体も同じことが言えるんですが、そのエレベーターはとても古く、
すごく汚れていましたが、特にこれといった特徴もない普通のエレベーターでした。


あえて言うのなら、入って正面の壁の下の方に、ドアと呼ぶには小さな観音開きのフタがありました。
そのフタは普段鍵が掛かって開けることが出来ないのですが、
団地の住人が亡くなった時などには、そのままでは棺がエレベーターに入りきらないので、
その小さなフタを開け一時的に奥行きを広くして、
無理やり棺桶をエレベーターに入れるための言わば棺桶専用の空間に通ずるフタでした。

まぁそのフタがなぜ存在しているかなど当時の私は知っているわけもないので、
特に気にしたこともありませんでした。




783:本当にあった怖い名無し:2013/09/27(金) 05:44:41.19 ID:9sdwK5J60
ある日、私は家から少し離れた公園で時間を忘れて遊んでしまいました。
気が付くとすでに日は落ち、急いで帰る頃には辺りはすっかり暗くなっていました。


親にする言い訳なんかを考えながらエレベーターホールに飛び込み、
ボタンを押すと、しばらくしてエレベーターが降りてきました。
さっそく乗り込み、棒で8階を押し、ドアを閉めます。

ゆっくりとエレベーターが上に上がっていくと共に、
ゴウン…ゴウン…という単調なリズムで機械の鈍い音が室内に響きます。


その時、微かにですが、ガサッ…ザザザ…っと、後ろの壁から機械の音とは違う不規則な、例えるなら甲殻類が蠢いているような…なんとも不思議な音が聞こえました。

なんだろうと思い振り返ってみると、例のフタに1センチあるかないかぐらいの隙間が空いていました、今思えば恐らく棺桶を運んだ後、管理人が鍵を掛け忘れたのだろうと思います。

そのフタの意味を知っていれば気味悪がって何も聞かなかった事にすると思うのですが、当時の私はエレベーター内は聖域だと思っている節があり、恐怖心なぞ微塵も無かったので、即座にその隙間に棒を差し込み、てこの原理でこじ開けました。



784:本当にあった怖い名無し:2013/09/27(金) 05:56:29.82 ID:9sdwK5J60
フタは簡単に開きましたが、中を覗いて見ても、
何もない空間がタダぽっかりと口を開けているだけで、目新しい物はありませんでした。
ちょうどその時、エレベーターが停まったので、8階に着いたんだなぁと思い振り返りました


そこで私は見てしまいました

ドアが開くと視界に入ってきたもの

それは、薄暗いエレベーターホールの真ん中に立つ人

いや、明らかに人間ではありませんでした

人の形をした灰色の物体が中腰姿勢になり、上半身を揺らしながらゆらゆらと立っていました

姿ははっきりと見えているはずなのに、服を着ているのかもどんな顔をしているのかもわからない、何故か中心がボヤけていて、そこに光が吸い込まれているように見えました。

私は呼吸するのも忘れてこの謎の物体を見つめることしか出来ませんでした、



785:本当にあった怖い名無し:2013/09/27(金) 05:59:35.31 ID:9sdwK5J60
どれだけの間眺めていたのか。

気が付くと私は自分の家の布団の上に横たわっていました。
周りには母と知らないお婆さんが隣に座っていました。
一瞬自分に何が起きていたのか分かりませんでしたが、
母は私が目を覚ましたと父を大声で呼び、父は私に駆け寄って来て強く抱きしめてくれました。
その瞬間私は、エレベーターで見た恐ろしい光景を思い出し家族にしがみつきながら
むせ返してえずくほど大泣きしました。




855:本当にあった怖い名無し:2013/09/29(日) 01:44:49.80 ID:D868NucV0
ダビング
もう10年近く前のこと。

ろくに就職活動をしないまま大学を卒業してしまった俺は、職を求めて単身関東へ引っ越した。
とりあえずバイトを見付けて何とか生活する目処が立った頃、
俺はある地方局のローカル番組にハマった。

毎日の放送をVHSに録画して繰り返し見るだけでは飽きたらず、
番組が視聴できない地域に住んでる友人に貸し出して
布教活動をするほどのハマリっぷりだった。

その番組の放送時間は30分なのだが、月~金の平日は毎日放送。
視聴を始めて半年が経つ頃には、俺の部屋はその番組を録画したVHSが山積みになっていた。

録画視聴がすっかり習慣になってしまったある日のこと。
俺は諸々の事情で録りだめ状態になってた数日分の放送をまとめて見ていた。
何か別の作業をしつつVHSの映像を延々と垂れ流し続け、2時間ほどが経過した頃。
ふと違和感を感じてテレビへ視線を向けると、画面にはさっきまで全くなかった激しいノイズが。

よくよく見てみるとそれはノイズというよりも、
受信できないチャンネルを映した時の映像に似ていた。

酷く歪んだ映像には何かが映っているようだが、それが何かまでは判別できない。
音声も流れているようではあるが、雑音が酷くて全く聞き取れない。

(うわぁ、録画するチャンネルの指定まちがえたかも?)と思いながら早送りボタン。
暫くすると画面は鮮明な映像に変わり、いつものローカル番組のオープニングが映し出された。
一日分の放送を録り損ねたことは悔やまれたが、
それ以降はちゃんと録画できていたので別段気にすることもなく、

数日後にはそのことすら忘れてしまっていた。



856:本当にあった怖い名無し:2013/09/29(日) 01:46:54.73 ID:D868NucV0
引っ越してから初めての年の瀬、
帰省する旨を実家へ連絡した際、俺にとってラッキーな情報が入ってきた。

実家暮らしの弟が自分の部屋にDVDレコーダーを導入したらしい。
それまで使っていたビデオデッキも健在とのことなので、
二台を繋げばVHSからDVDへのダビング編集ができる。

俺は部屋に溜まった大量のVHSをダンボールに詰めて実家へ配送することにした。

無事実家に到着し、既に届いていた荷物を受け取った俺は、
弟の部屋で早速ダビング作業を行うことに。

取説とにらめっこしながら手順を確認すると、
どうやらVHSの映像を再生しながらでしかダビングはできないらしい。

つまり120分のビデオテープに録画した映像のダビングを完了するのに、
丸々2時間かかることになる。

発送したVHSの中身を全てダビングするにはかなりの時間を要するが、
収納スペースのことを考えれば致し方ない。

俺はダビング作業を開始した。

が、帰省してから3日が経過し正月を過ぎても、
ダビング作業は遅々として進んでいなかった。

俺自身に外出の用事があったり、
弟が「部屋でゲームしたい」とゴネたりと、いろいろな要因が重なったためである。

正月休みで実家に居られるのもあと2日、
実家に送った全てのVHSのダビングはできないにしても、少しでも数をこなさなければ。

と言うわけで、その日の俺は弟が朝からパチンコに出掛けたのを機にダビング作業を開始。
1本のビデオのダビングが終わる度にテープを入れ替えるという作業を延々半日繰り返した。

夕方6時を過ぎた頃、早めに用意された夕飯をリビングで食べていると弟が帰宅。
「開店初日でめちゃめちゃ勝てた」と自慢気に語ってニ階の自室へ向かおうとする弟に、
「ダビングしてるからデッキとかイジるなよ」と釘を差す。
食事を再開して間も無く、ニ階から突然叫び声が。
そして、ドタドタと慌てた様子で階段を駆け降りてくる弟。

「お前、アレ何だよ!?」「何がよ?」「テレビに変なモン映ってんぞ!」



857:本当にあった怖い名無し:2013/09/29(日) 01:48:21.74 ID:D868NucV0
食事を中断して弟と共に2階へ。
夕飯食うためリビングへ降りる際に電気を消していたので、弟の部屋は真っ暗。
その中でダビング作業中のテレビのブラウン管だけがぼやーと光を放っている。
その画面に映っていた映像を見て、俺は卒倒しそうになった。
ところどころノイズが入った粗い画質の中、目を見開き、
口を大きく開けたまま首を横に傾けた女の顔が

画面いっぱいに映し出されているのだ。

その瞬間、俺は録画に失敗した日のことを思い出した。
翌日以降の録画には何も問題がなかったのですっかり忘れていたが、
これはその時のビデオテープだ。

弟と暫し無言でその映像を眺めていた俺は、ハッと我に返った。

平静を装いつつ、「あれー?何かダビング失敗してるわぁ」とか言いながら
ビデオデッキのリモコンを取り上げ、停止ボタンを押す。

反応が無い。ボタンをいくら押しても映像が止まらない。
デッキのカウンターは数字でも英字でもない表示が付いたり消えたりしている。
DVDのリモコンも同様に無反応。
のみならず、チャンネル変更や電源ボタンなどのあらゆる操作を一切受け付けない。


俺はコンセントに刺さったコードを、タコ足プラグごと引っこ抜いた。
「ブツン」という音と同時に部屋の中のあらゆるAV機器の電源が落ちる。
ブラウン管の灯りだけで照らされていた部屋は途端に真っ暗になり、
俺は慌てて部屋の電気を付けた。

すっかり気が動転してしまっている弟。俺も心臓バクバクだったが、
「とりあえず飯食おうぜ」と平静を装ってリビングに戻った。




858:本当にあった怖い名無し:2013/09/29(日) 01:49:39.12 ID:D868NucV0
その後は大変だった。件のビデオをデッキから取り出そうとすると、
ヘッドにテープが絡まって全然出てこない。

強引に引き抜いたものの、ビロビロと吐き出されたテープをデッキから取り除くのに悪戦苦闘。
ドライバーやら何やらで何とか作業を完了させた後、テープはまとめてゴミ箱へ。

その後、DVDの方を確認。ダビング作業は途中で中断されてるだろうけど、内容が気になる。
そこでまた仰天。チャプター画面のサムネイル画像が、先ほど映ってた首を傾けた女の顔。
しかも10数個に分割表示された全ての画像が、同じ女の顔で埋め尽くされている。

すぐさまDVDデッキの取り出しボタンを押す。
ビデオとは違ってスムーズに出てきてくれたそれを、両手で思いっきり力を込めて真っ二つに。
先ほどゴミ箱に捨てたビデオテープと共に紙袋に詰めた上で小さく折りたたみ、
ガムテでグルグル巻き。

台所に居た母に「これ捨てといて」と言って手渡した。

以来あんなにハマっていた番組への熱がすっかり冷めてしまい、
録画はおろか視聴すらしなくなってしまった。

その後しばらくして再び引っ越しをしたため、
今はあの番組の放送局を受信できない地域に住んでいるけど。

こっちでもネット放送か何かで深夜に放映されているので、
何の気無しのザッピングでチャンネルが合うたびにドキッとしてしまう。

以上、長文且つ駄文失礼。



転載元:http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1380586373/
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1379099993/
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1376273448/