2006年03月
『ピノッキオ』 (0) 『インファナルアフェア3』 (3) 『インファナルアフェア2』 (0) 『生命』 (2) 『インファナルアフェア』 (6) 『ミリオンダラー・ベイビー』 (4) 『トンネル』 (2) 『オアシス』 (9) 『25時』 (6) →これから借りるタイトルのメモ (8)2006年03月26日
『ピノッキオ』
映画『ピノッキオ』をDVDで観る。
イタリアの才人、ロベルト・ベニーニ主演の映画。ベニーニは、ジム・ジャームッシュの『ダウン・バイ・ロー』で初めて観て、レベルの高い演技だなあ、と思ったのだが、その後観た、『ライフ・イズ・ビューティフル』も感動的な一本で、しかも彼自身が監督をしているということで、非常に尊敬する映画人となった。
今回はそのまんまピノキオの映画で、おいおいこんな老けたピノキオってありかよ。と、正直最初はそう思ったのだが、観ていると馴染んでくるあたりにベニーニおよびこの映画の凄さが感じられる。
脚本の展開はずばり童話なんだが、お調子者のイタリアンなピノキオを観ていると、子供向けの話かよ。とは感じなかった。
あらゆる面に置いてそつなく纏まっているし、家族で見ても良い感じ。どうだろう、ディズニーとかの映画より、こういうものを見せて子供を育てたいなあと思った。
イタリアの才人、ロベルト・ベニーニ主演の映画。ベニーニは、ジム・ジャームッシュの『ダウン・バイ・ロー』で初めて観て、レベルの高い演技だなあ、と思ったのだが、その後観た、『ライフ・イズ・ビューティフル』も感動的な一本で、しかも彼自身が監督をしているということで、非常に尊敬する映画人となった。
今回はそのまんまピノキオの映画で、おいおいこんな老けたピノキオってありかよ。と、正直最初はそう思ったのだが、観ていると馴染んでくるあたりにベニーニおよびこの映画の凄さが感じられる。
脚本の展開はずばり童話なんだが、お調子者のイタリアンなピノキオを観ていると、子供向けの話かよ。とは感じなかった。
あらゆる面に置いてそつなく纏まっているし、家族で見ても良い感じ。どうだろう、ディズニーとかの映画より、こういうものを見せて子供を育てたいなあと思った。
2006年03月24日
『インファナルアフェア3』
2006年03月22日
2006年03月20日
『生命』
映画『生命』をDVDで観る。ヤスーさんのブログで紹介されていた映画。
台湾の大地震のドキュメンタリー。ちなみに俺はドキュメンタリーが好きで、テレビなどでやっているとついつい見てしまう。それらの番組と比べると、わりと制作者の呉監督が取材対象の人に深く関わっていると思った。
内容については、なんとも言い難い。まあ、人間が生きている以上、幸や不幸はかならずついて回るものだし、そういった出来事に対するとらえ方は人それぞれで、とりたてて同情とか共感とかいう感情は産まれなかったのが正直なところだ。
ただ、あの三人の詩には感動した。特に、最初の詩。あの母親は従事する仕事からしても教養とか知識は無いのだが、それでかえって力強い、シンプルな言葉から紡ぎ出される愛情がドーンと俺を襲った。
あとは友人とのやり取りも、驚いたなあ・・・計画というのは、大火のほうのことだったのだろうか。
見終わって、はなはだ曖昧な言葉だが、「生命よそこに在れ」といったような呉の思いが伝わるような気がした。
台湾の大地震のドキュメンタリー。ちなみに俺はドキュメンタリーが好きで、テレビなどでやっているとついつい見てしまう。それらの番組と比べると、わりと制作者の呉監督が取材対象の人に深く関わっていると思った。
内容については、なんとも言い難い。まあ、人間が生きている以上、幸や不幸はかならずついて回るものだし、そういった出来事に対するとらえ方は人それぞれで、とりたてて同情とか共感とかいう感情は産まれなかったのが正直なところだ。
ただ、あの三人の詩には感動した。特に、最初の詩。あの母親は従事する仕事からしても教養とか知識は無いのだが、それでかえって力強い、シンプルな言葉から紡ぎ出される愛情がドーンと俺を襲った。
あとは友人とのやり取りも、驚いたなあ・・・計画というのは、大火のほうのことだったのだろうか。
見終わって、はなはだ曖昧な言葉だが、「生命よそこに在れ」といったような呉の思いが伝わるような気がした。
2006年03月16日
『インファナルアフェア』
映画『インファナルアフェア』をDMMで。
何かの映画の予告編で見て、ずっと以前から気にはなっていた反面、外したら嫌だなあと思ってスルーしていた。しかも3作揃って借りたいし。だがDMMは定額レンタルなので、ちょっとくらいの冒険が出来るうえ、シリーズものを連続して借りられる機能があるから、借りてみた。
さて、結論から言うと、最高に面白かった。いや驚きましたよまじで。スルーしていた俺はバカのキョンであり、すなわち、無間地獄行き。
まずシナリオ。俺が観てきた映画の中で一番スゴイ。いったいどういう風に着地するのか、上映中ずっと、全く予断を許しません。しかも着地したらしたで、あれえ!と言いたくなる着地ぶり。NHKのアナウンサーがこれをみたら、金メダルへの夢の放物線と言わざるを得ないでしょう。
いや金メダルは関係ねえけど。それぐらいの驚きというか。
まあシナリオは後日『3』が一番だなと思うわけですが・・・。
演技もかなり良い。アンディ・ラウもトニー・レオンも、正直、演技力についてはよく知らん。まあトニー・レオンは『ブエノスアイレス』とか『2046』とか『HERO』とか観てるわけだが、ふーん格好いいね。ぐらいの印象しか無かった。
今回は、まあ脚本の良さがあるとはいえ、なかなかマッチしていて印象的。もうちっと作った冷酷さが表現されていたら言うこと無し。
で、それより印象的といえば、アンディ・ラウ。こいつはヤベエ。本作でもトニー・レオン並には印象的であるが、『インファナルアフェア3』でかなり驚いた。脱毛。かなり良い。(これはまた『3』の感想で。)
あと、なんといっても、演出。シナリオが、スパイを扱っているので、この演出の上手さというのがかなり重大な要素なのだが、なぜなら、ドキドキさせたりとかね、で、この映画はその点で大成功しとる。いやあ、作り手の才能のほとばしりを感じざるを得ない。
音楽も良いねえ。上手に演出されているんで、重ねて良い。
最初に期待していなかった分、良い意味で裏切られた、そんな衝撃を差し引いてもこれは★が6個だね。観てない奴は今すぐ観た方が良いよ。
評価:★★★★★
何かの映画の予告編で見て、ずっと以前から気にはなっていた反面、外したら嫌だなあと思ってスルーしていた。しかも3作揃って借りたいし。だがDMMは定額レンタルなので、ちょっとくらいの冒険が出来るうえ、シリーズものを連続して借りられる機能があるから、借りてみた。
さて、結論から言うと、最高に面白かった。いや驚きましたよまじで。スルーしていた俺はバカのキョンであり、すなわち、無間地獄行き。
まずシナリオ。俺が観てきた映画の中で一番スゴイ。いったいどういう風に着地するのか、上映中ずっと、全く予断を許しません。しかも着地したらしたで、あれえ!と言いたくなる着地ぶり。NHKのアナウンサーがこれをみたら、金メダルへの夢の放物線と言わざるを得ないでしょう。
いや金メダルは関係ねえけど。それぐらいの驚きというか。
まあシナリオは後日『3』が一番だなと思うわけですが・・・。
演技もかなり良い。アンディ・ラウもトニー・レオンも、正直、演技力についてはよく知らん。まあトニー・レオンは『ブエノスアイレス』とか『2046』とか『HERO』とか観てるわけだが、ふーん格好いいね。ぐらいの印象しか無かった。
今回は、まあ脚本の良さがあるとはいえ、なかなかマッチしていて印象的。もうちっと作った冷酷さが表現されていたら言うこと無し。
で、それより印象的といえば、アンディ・ラウ。こいつはヤベエ。本作でもトニー・レオン並には印象的であるが、『インファナルアフェア3』でかなり驚いた。脱毛。かなり良い。(これはまた『3』の感想で。)
あと、なんといっても、演出。シナリオが、スパイを扱っているので、この演出の上手さというのがかなり重大な要素なのだが、なぜなら、ドキドキさせたりとかね、で、この映画はその点で大成功しとる。いやあ、作り手の才能のほとばしりを感じざるを得ない。
音楽も良いねえ。上手に演出されているんで、重ねて良い。
最初に期待していなかった分、良い意味で裏切られた、そんな衝撃を差し引いてもこれは★が6個だね。観てない奴は今すぐ観た方が良いよ。
評価:★★★★★
2006年03月14日
『ミリオンダラー・ベイビー』
映画『ミリオンダラー・ベイビー』を観る。
この映画のトレイラーを観た時点でストーリーをほぼ完璧に悟った俺。それが寸分の狂いもなく的中していたことに驚いた。これは才能だ。いや、俺のじゃない。監督のクリント・イーストウッドと脚本のポール・ハギスのね。
って皮肉っぽいけど、実際、単純なシナリオをこうも愚直に展開されると退屈に感じそうなのに、それなりに評価したくなる。なぜかね。やっぱ演技がすげえわ。
ヒラリー・スワンクはなんか、ああいう役作りって根性を感じさせるなあ。ハリウッド以外にああいう女優はいねえだろ。正直、俺より良いパンチ打ってるんじゃねえかと思った。
イーストウッドは、そんなに彼の演技に詳しくはないけれども、はまってた風に見えた。ただ、なんで奴が演じる役どころはいちいち無意味にカッコイイ設定を入れてるんだろう。精力が盛ん、な設定があった『トゥルークライム』然り。この映画でも、別にインテリじゃなくても良いじゃん。むしろ、インテリじゃない方がシナリオがぐっと深くなるのに。別にあのモ・クシュラとかいう言葉も無ければ無かったでどうということもないと感じたが・・・まあインテリの設定抜きにして、偶然その言葉を見つけたとかなんとか、いくらでも脚本に織り込めるだろうし。
あとはモーガン・フーリマン、最高だな。言うこと無し。それにあの役っつーのは、この作品の脚本の中で、もっとも意味のある存在だった。
それから演技以外で言うと、映像演出が良い。ジムという環境もあるけれど、あのスポットライトの使い方が最高に良い。スポットライトが産む、顔の強いコントラストが、それぞれが背負っている悲しみを浮き彫りにするふうに見えるんだね。
まあそんなわけで俺はイーストウッドが好きじゃないが、でも今回の映画はそれなりに良かった。だが絶賛されるほどの映画かと言われると、そうでもない。2度観たいとは、いまんとこ、思わない。
ああでも演出が好きだから、その意味でもう一度観そうな気もする。
評価:★★★☆☆
この映画のトレイラーを観た時点でストーリーをほぼ完璧に悟った俺。それが寸分の狂いもなく的中していたことに驚いた。これは才能だ。いや、俺のじゃない。監督のクリント・イーストウッドと脚本のポール・ハギスのね。
って皮肉っぽいけど、実際、単純なシナリオをこうも愚直に展開されると退屈に感じそうなのに、それなりに評価したくなる。なぜかね。やっぱ演技がすげえわ。
ヒラリー・スワンクはなんか、ああいう役作りって根性を感じさせるなあ。ハリウッド以外にああいう女優はいねえだろ。正直、俺より良いパンチ打ってるんじゃねえかと思った。
イーストウッドは、そんなに彼の演技に詳しくはないけれども、はまってた風に見えた。ただ、なんで奴が演じる役どころはいちいち無意味にカッコイイ設定を入れてるんだろう。精力が盛ん、な設定があった『トゥルークライム』然り。この映画でも、別にインテリじゃなくても良いじゃん。むしろ、インテリじゃない方がシナリオがぐっと深くなるのに。別にあのモ・クシュラとかいう言葉も無ければ無かったでどうということもないと感じたが・・・まあインテリの設定抜きにして、偶然その言葉を見つけたとかなんとか、いくらでも脚本に織り込めるだろうし。
あとはモーガン・フーリマン、最高だな。言うこと無し。それにあの役っつーのは、この作品の脚本の中で、もっとも意味のある存在だった。
それから演技以外で言うと、映像演出が良い。ジムという環境もあるけれど、あのスポットライトの使い方が最高に良い。スポットライトが産む、顔の強いコントラストが、それぞれが背負っている悲しみを浮き彫りにするふうに見えるんだね。
まあそんなわけで俺はイーストウッドが好きじゃないが、でも今回の映画はそれなりに良かった。だが絶賛されるほどの映画かと言われると、そうでもない。2度観たいとは、いまんとこ、思わない。
ああでも演出が好きだから、その意味でもう一度観そうな気もする。
評価:★★★☆☆
2006年03月13日
『トンネル』
映画『トンネル』をDMMで。こいつもヤスーさんに紹介された映画。そう俺はけっこう人のお薦めを観るのが好き。外す確率が減るうえに、その人の好みも分かって一石二鳥だから。
体勢の愚かしさに奮闘して抗する、というこの手の内容は緊張感があるね。しかも実話。ただ、100%実話なんだろうかと思ってしまった。けっこう物語として出来上がりすぎているような気もしなくはない。
正直、まじかよ作ってんじゃねーのかよ、と思ってしまうほどタイミングがぎりぎりな場面がちらりほらり。
あとは一つ不思議だったのは、主人公と女性のアレのシーンだが、まあ互いに強い好意があったとしても、自分の恋人が死んだ後でああいうことになるのかなあ、と。これは単純に心理の不思議を感じた。
ま、ともかく映画というよりも脚本が、人間のガッツをよく表現している感動作だなと思った。
もう抗えないようなバカな事態ってのをこしらえるのも人間だし、そのバカに立ち向かうほど強烈なガッツを発揮するのも人間ですなぁ・・・。
なんか諸行無常な気も。
ちょうど、先日『白い巨塔』を読み終えたが、あれもそうなんだが、信念ってなんすかね。そんなもんあったって、下らねえことのほうが多い気がするんだが。つーか信念自体はべつに良いとか悪いとかねえんだが、信念を発露したら、そっから生じる強硬な態度の方が迷惑になってくる場合が多いんじゃねーかなと。
まあいいや、あとは東ドイツに残らざるを得なかった、あの女性。
切ねえ。
評価:★★★☆☆
体勢の愚かしさに奮闘して抗する、というこの手の内容は緊張感があるね。しかも実話。ただ、100%実話なんだろうかと思ってしまった。けっこう物語として出来上がりすぎているような気もしなくはない。
正直、まじかよ作ってんじゃねーのかよ、と思ってしまうほどタイミングがぎりぎりな場面がちらりほらり。
あとは一つ不思議だったのは、主人公と女性のアレのシーンだが、まあ互いに強い好意があったとしても、自分の恋人が死んだ後でああいうことになるのかなあ、と。これは単純に心理の不思議を感じた。
ま、ともかく映画というよりも脚本が、人間のガッツをよく表現している感動作だなと思った。
もう抗えないようなバカな事態ってのをこしらえるのも人間だし、そのバカに立ち向かうほど強烈なガッツを発揮するのも人間ですなぁ・・・。
なんか諸行無常な気も。
ちょうど、先日『白い巨塔』を読み終えたが、あれもそうなんだが、信念ってなんすかね。そんなもんあったって、下らねえことのほうが多い気がするんだが。つーか信念自体はべつに良いとか悪いとかねえんだが、信念を発露したら、そっから生じる強硬な態度の方が迷惑になってくる場合が多いんじゃねーかなと。
まあいいや、あとは東ドイツに残らざるを得なかった、あの女性。
切ねえ。
評価:★★★☆☆
2006年03月10日
『オアシス』
映画『オアシス』をDMMで。たしか、ヤスーさんに紹介された映画。
頭の弱い青年と、脳性麻痺の女性の恋。こう書くと、正直、ちょっとあざとい感じがする。感動狙いかよ、って。
だが実際観てみると、そういう穿った心持ちがまったく生じていなかった。っていうか、人より余分にひねくれた俺が素直に鑑賞していたので、余計驚いた。
その理由は、脚本と役者の演技だろう。
こういう、社会的弱者が扱われる物語では、通常の人との比較で同情を誘う展開がよくある。例えば年末、観るとは無しに見ていた『ジョゼと虎と魚たち』でも、主人公には健常者の恋人が出来てあった。そういう恋人と、ジョゼとの対比において同情をしたり切なさを感じたりさせられた。
だが本作はそういった比較がほぼない。別のカップルの物語を描くなんてこともない。この映画が映し出すのは純粋に彼らの恋のみ。
この恋っつーのが、何とも言えない。
第一、精神年齢が全く成長していない奴が、本能のまま生きて、迷惑をかけるのだが、また逆にその分、本能的な優しさを兼ね備えているとき---一体、どういう判断を彼に対して下せばいいのか。正直分からない。ただただ、苦々しいような、微笑ましいような悩みを突きつける。
男の行動はハチャメチャで、でもそれでも、本能のままの行動が女の救いになるときは、理屈としてはとうてい承知できないのに。
そう言った点で、単純に感動狙い、とは割り切れない脚本だ。良い。
そのドラマを支える演技も最高だから余計に良い。っつーか、二人とも、演技とは全く感じられん。凄すぎ。
ただ正直、たまに女の妄想が映し出されるのは危険だ。なんつーか、すごく現実的なドラマなので、相対的にメルヘンに感じてしまう・・・どうせなら、妄想シーンは要らなくて、ただただ他のカップルを見つめる二人、ぐらいの演出の方が俺にはぐっと来た。電車のシーンでそう思った。
しっかし俺ってとことんアンチメルヘンだな。
まあいいや。
だがそんな俺が、いま非難したメルヘンな地下鉄の場面で不覚にも泣いちゃいそうに。もう1〜2押しあったら、落ちてたよ。アブねえ。
まじで危ねえ!
俺の涙腺はドイツの守護神が守ってるからそれで良かったわ。
ってなことをコンパで話したら、泣きたいときには泣いちゃえば?と言われた。バカかお前。泣きたいときに泣くなんてのはウミガメでも出来るんだよ!と思ったが、そっかねぇーなんて調子よく併せたとことん社交的な水瓶座の俺だが、自分のことはさほど嫌いじゃない。むしろLOVE.
評価:★★★★★
頭の弱い青年と、脳性麻痺の女性の恋。こう書くと、正直、ちょっとあざとい感じがする。感動狙いかよ、って。
だが実際観てみると、そういう穿った心持ちがまったく生じていなかった。っていうか、人より余分にひねくれた俺が素直に鑑賞していたので、余計驚いた。
その理由は、脚本と役者の演技だろう。
こういう、社会的弱者が扱われる物語では、通常の人との比較で同情を誘う展開がよくある。例えば年末、観るとは無しに見ていた『ジョゼと虎と魚たち』でも、主人公には健常者の恋人が出来てあった。そういう恋人と、ジョゼとの対比において同情をしたり切なさを感じたりさせられた。
だが本作はそういった比較がほぼない。別のカップルの物語を描くなんてこともない。この映画が映し出すのは純粋に彼らの恋のみ。
この恋っつーのが、何とも言えない。
第一、精神年齢が全く成長していない奴が、本能のまま生きて、迷惑をかけるのだが、また逆にその分、本能的な優しさを兼ね備えているとき---一体、どういう判断を彼に対して下せばいいのか。正直分からない。ただただ、苦々しいような、微笑ましいような悩みを突きつける。
男の行動はハチャメチャで、でもそれでも、本能のままの行動が女の救いになるときは、理屈としてはとうてい承知できないのに。
そう言った点で、単純に感動狙い、とは割り切れない脚本だ。良い。
そのドラマを支える演技も最高だから余計に良い。っつーか、二人とも、演技とは全く感じられん。凄すぎ。
ただ正直、たまに女の妄想が映し出されるのは危険だ。なんつーか、すごく現実的なドラマなので、相対的にメルヘンに感じてしまう・・・どうせなら、妄想シーンは要らなくて、ただただ他のカップルを見つめる二人、ぐらいの演出の方が俺にはぐっと来た。電車のシーンでそう思った。
しっかし俺ってとことんアンチメルヘンだな。
まあいいや。
だがそんな俺が、いま非難したメルヘンな地下鉄の場面で不覚にも泣いちゃいそうに。もう1〜2押しあったら、落ちてたよ。アブねえ。
まじで危ねえ!
俺の涙腺はドイツの守護神が守ってるからそれで良かったわ。
ってなことをコンパで話したら、泣きたいときには泣いちゃえば?と言われた。バカかお前。泣きたいときに泣くなんてのはウミガメでも出来るんだよ!と思ったが、そっかねぇーなんて調子よく併せたとことん社交的な水瓶座の俺だが、自分のことはさほど嫌いじゃない。むしろLOVE.
評価:★★★★★
2006年03月08日
『25時』
映画『25時』をDMMで。
とりあえずエドワード・ノートンが出ているので観た。麻薬ディーラーの話だが、オチらしいオチというのは無かったので、印象が薄い。ただ、その中で絶望から毒舌を吐きまくるシーンがやたら異彩を放っていた。
ああいう事はなかなかメディアとして出来なさそうだし、俺がなにか脚本のChinkasuみたいなものを書くとしたらぜひやってみてえなあと思っていたアイデアなので、かなり興味深かった。
それにしても、どうせなら刑務所のリンチのシーンで終わった方がハードで良かったんじゃねえかなあ。ああいう幻想はなんか変に説教くせえし。あるいは、どうせオチが無いのなら、あの幻想と、リンチという現実を何度も交錯して映し出した方が、印象的な気がします。
しっかし、こうやって特定の役者が出ている映画を、かなり追って観ることが出来るっつーのは、オンラインレンタル様々。たぶん小林秀雄もあの世から羨ましがってるだろうなあ。IT万歳。
評価:★★★☆☆
とりあえずエドワード・ノートンが出ているので観た。麻薬ディーラーの話だが、オチらしいオチというのは無かったので、印象が薄い。ただ、その中で絶望から毒舌を吐きまくるシーンがやたら異彩を放っていた。
ああいう事はなかなかメディアとして出来なさそうだし、俺がなにか脚本のChinkasuみたいなものを書くとしたらぜひやってみてえなあと思っていたアイデアなので、かなり興味深かった。
それにしても、どうせなら刑務所のリンチのシーンで終わった方がハードで良かったんじゃねえかなあ。ああいう幻想はなんか変に説教くせえし。あるいは、どうせオチが無いのなら、あの幻想と、リンチという現実を何度も交錯して映し出した方が、印象的な気がします。
しっかし、こうやって特定の役者が出ている映画を、かなり追って観ることが出来るっつーのは、オンラインレンタル様々。たぶん小林秀雄もあの世から羨ましがってるだろうなあ。IT万歳。
評価:★★★☆☆