なぎさ薫「僕の入淫生活 ママと叔母と姉ナース」
(フランス書院文庫、2018年3月、表紙イラスト:二見敬之)
ネタバレ有り。御注意下さい。
作品紹介(公式ホームページ)
【あらすじ】
叔母の藤子と肉体関係を重ねていた陽一だったが、ある日サッカー部の追い出し試合で骨折してしまい、母の小百合が勤める病院へ入院することになる。しかし小百合は研修で暫く地方の病院に行かねばならず、代わりにインターンとして働き始めた姉の恵が看護してくれることになった。積極的な恵と忙しい藤子と交互に奉仕を受ける入院生活だったが、退院前夜に小百合にその関係を知られてしまい…。
【登場人物】
桜田陽一
17歳で大学受験を控えた高校3年生。父を亡くし母親の小百合と二人で暮らしており、看護師の仕事で不在がちなのもあって一人でいることが多い。サッカー部に所属し引き締まった身体に反し、年上女性の庇護欲をそそる性格のようである。小百合とは友だち感覚で話し相手になっているが、実は小百合と藤子の二人に女性としての魅力を感じている。20cm超えの巨根だが堪え性がなく、早漏気味なのが悩みの童貞少年。
八雲藤子
34歳。陽一の母親の小百合の妹で、朝の人気番組のニュースキャスターである。仕事上のトラブルもあり泥酔していた時に桜井家を訪ね、陽一と近親相姦の関係へ陥ってしまう。うぶな割に巨大な持ち物の陽一に夢中になり、彼が怪我をして入院したと聞くや特別病室に移させるなどかなりの溺愛ぶりを見せる。
桜田恵
21歳。陽一の姉で小百合のひとり娘。母親に憧れ看護学校に入り、インターンとして小百合と同じ病院で働き始めた。高校時代はソフトボール部に所属し日焼けした肌にショートヘアだったが、看護学校に入ってからは髪を伸ばし色白となり、女としての魅力が見られるようになった。奔放な性格もあり実家には一度も戻っておらず、陽一が入院した時が3年ぶりの再会である。
桜田小百合
42歳。陽一の母親で夫を亡くしてから看護師として働き一家の生活を支えると共に、両親も亡くなってからは留学中だった藤子の学費も負担していた。しかし藤子の男性遍歴が災いし、小百合の方から避けている節が伺える。陽一が入院した直後研修で二週間不在となっている間に予期せぬ事態となり…。
【展開】
藤子と肉体関係にある陽一はある日の朝彼女が出演するニュース番組のエンディングで右の耳たぶを触るのを見て、「今夜(部屋に)行くから」というサインを送られ今夜はエッチできると喜びを隠せない。振り返れば藤子が番組プロデューサーと身体の関係まで結んだのに、キャスターの若返りと称して降板予定だと聞かされ、騙されたと憤り酔って陽一の家まで来たことがあった。抱いてと求められ童貞だった陽一は、早射ちを繰り返しながらも無事に筆下ろしをしてもらい、また藤子も少年らしからぬ巨根と優れた回復力に感嘆しすぐに溺れていってしまった。
そして今夜も藤子と情事を済ませて見送ったものの、翌朝帰宅した小百合が妹の香水の残り香に気付いたようで、もう二人きりで逢うなと激しい口調で叱られる。困った陽一は藤子に連絡すると、これからは自分の部屋で逢おうと提案され、藤子の部屋にやって来ると書棚にあった春画集を見付け興味を抱く。春画に描かれていた四十八手も半分ほど制覇したある晩、陽一は自分の奪い合いで喧嘩する母と叔母の夢を見て、母の胎内へ白濁を注ぎ込んだところでハッとして目覚めると、大量に夢精していたことに気付き自己嫌悪に陥ってしまう。
そんなある日サッカー部の追い出し試合に参加した陽一は淫夢のせいで集中力を欠き、後輩のタックルを受けて転倒し左足と支え手の右手の両方を骨折し、痛みに悶えながらも母の働く病院へ運んでと告げる。案の定小百合は心配そうな顔を見せるが、あいにく二週間ほど研修で地方に行かねばならず、インターンとしてやって来た恵に看護を依頼する。入院した翌朝三年ぶりに姉と再会した陽一だったが、蠱惑的な仕草を繰り返す姉が暫く見ない間に女らしくなったと感心しながらも欲情を抑えられずにいた。恵は身体の清拭の際に弟が勃起に気付いており、触っただけで呆気なく果てたことにがっかりしながらも、すぐに回復したのを見るや今度は口唇奉仕で精を受け止める。
次の日藤子は陽一が入院したと知り特別個室に移させると、陽一に小百合が何故自分を遠ざけようとしているかを話し、派手な男性遍歴の果てに子どもを死産してしまったこと、両親や姉に散々迷惑を掛けて来たことを打ち明ける。藤子の悲しみを抱いてあげることで癒すことが今は出来ない陽一はもどかしく感じたが、翌朝早く今度は恵が訪ねて来てお目覚めフェラで抜いてくれる。更に夜勤明けの帰りには昼食を食べさせてもらうが、口移しはまだしも何故目隠しを問うと恵の不倫相手だった男の趣味らしく、バター犬のようにシックスナインで秘蜜の味まで楽しませてもらう。
陽一の怪我の回復は順調で朝は恵の口唇奉仕、夜は藤子が訪ねて来てのセックスと入院生活を満喫していたが、退院まであと三日となったある晩藤子は来られないらしく暇を持て余していた。そこへ恵がやって来てエコー検査に使うジェルを使いヌルヌルを楽しみながらの手扱きを受け、更には騎乗位で跨がられて遂に姉とも近親相姦を冒してしまうが、どうやら恵は陽一が退院したら元の姉と弟の関係に戻りたいようである。その二日後やっと藤子が見舞いに来てくれたがどうやら多忙なようで、慌ただしく性交を済ませると暫く逢えそうにないと聞いて陽一はパンティが欲しいとねだるのであった。
しかし藤子と入れ替わりで小百合が訪ねて来るとパンティの存在を隠し切れず、陽一は叔母との肉体関係を告白するが、小百合から頬を張られた上にもっと早く真実を告げていればと言い慟哭し始める。小百合から秘密を聞いた陽一は愛していると告白し、関係性が変わっても今度は恋人として付き合って欲しいと性交を求める。抱かれた相手は夫だけという小百合の反応を楽しみ何度もアクメに導くと、陽一は仰向けになった彼女の身体を屈曲させ正常位で交わり中出ししてしまう。
医師のアドバイスもあり小百合は退院した陽一のリハビリと称して一週間休暇を取り伊豆の温泉ホテルの予約を取ると、一晩でただの母と子という関係から支配者と被支配者へ変化したことに満足し、初めてのアナルセックスやバイブでの玩具責めなど濃厚な日々はあっという間に過ぎていく。そして自宅に戻ってから数日が経ち、陽一は朝のニュース番組で藤子から右の耳たぶを触るサインを目にし、今こそ真実を打ち明ける時だと小百合を説得し藤子のマンションの部屋に向かう。藤子の帰宅を待つ間に陽一は小百合の着ている服を見て小学校の卒業式に着ていたものだと懐かしさを感じ、叔母の寝室で行為を始めると暫くして帰って来た藤子と目が合い逃げようとするのを何とか引き留める。真実を聞かされてショックを隠せない藤子は、陽一に招かれて三人でしようと求められその場の雰囲気に流され受け入れるのだが…。
陽一との関係性の変化もあって藤子はその後の誘いを無視し続けたが、当の本人が部屋を訪ねたとなれば断ることなど出来ず、藤子と呼び捨てにされると何故かぞくぞくするような快感に浸りながら抱かれる。こうして藤子とも関係を復活させたものの、今度は恵から話があるとメールが届き喫茶店に向かうと、衝撃の告白を聞かされて隠していた秘密を打ち明ける。恵も陽一が藤子だけでなく小百合ともセックスしていると薄々勘づいていたようで、自分を一番に考えてくれるのなら構わないと返事をする。こうして陽一は恵までも交歓の輪に招き入れるのであった。
【レビュー】
第18回フランス書院文庫官能大賞特別賞を受賞した『したがり先生』の刊行より、早くも5ヵ月のスパンで第2作目を出すことになったなぎさ薫氏の新刊である。デビュー作品同様に誘惑系の官能小説ではあるが劇的な展開が好みのようで、単に甘いだけでないメリハリの付いた作風となっている。要するに主人公ラヴで甘く優しい展開を期待すると意外なしっぺ返しに遭うもので、大学受験を控えた年齢の主人公に対し母親と叔母と姉という典型的な近親相姦作品と述べた方が良いのかもしれない。その作風から官能面では現代的な軽さと、90年代的な官能作品の重さを感じさせる尖った設定はややミスマッチであるものの、何とも癖になる不思議な感覚を与えている。
看護師の母親【小百合】(42歳)と二人で暮らす主人公は、ある晩泥酔していた叔母の【藤子】(34歳)の来訪を受けて彼女の魅力に欲情し、抱いてと迫られては断れずに相姦の関係に陥る。春画を見て四十八手のレクチャーを受けるなど藤子との爛れた関係は最初の3章で綴られるが、題名にあるように「入院(淫)生活」は主人公の怪我により次の3章で描かれていく。ナースの卵である姉【恵】(21歳)との思わぬ再会に驚き、母小百合が研修で不在となる状況にて、藤子が度々見舞いと称しては情交を重ねる。恵にも訳ありな理由があり禁忌などほぼ無いままにイヤらしいことを繰り返し、二人と代わりばんこに精を搾り取られる日々は、まさに淫らな入院生活そのものである。
話が思わぬ方向に向かうのは小百合が戻ってからの3章で、性格の違いもありしっくりいっていなかった藤子との逢瀬を見抜かれると共に、尖った設定を生かした複雑な流れへと導かれる。母親とも深い仲に陥った主人公は小百合を恋人同然にし、「叔母さま」と呼んで慕っていた藤子に対しても新たな関係を構築した上で、最後には恵をも巻き込む締め方である。章を細かく切っていて短編集を思わせる作りだが、一つ一つの章には濃厚なまでの情交描写が組み込まれている。欲を言えば後日談としてのエピローグはやや蛇足な印象を受けるが、ミスマッチなのに癖になる作風には次回も期待したいと思う。
デビュー作品では家庭教師の人妻ヒロインが夫の浮気に耐えかねて主人公の父親と刹那的な情交に至り、しかもそれを主人公に見られてしまうというドラマチックな展開が盛り込まれています。作者のなぎさ薫さんはトー・クン作品時代からの官能作品の愛読者のようで、確かにこうした一竿とは言えない作りはその時代からの影響なのかなと思います。Amazonレビューに投稿した内容はそう捉えていただけると幸いです。
本作はやや込み入った流れで、拙レビューでの【展開】ではかなり省略した部分もあります。(完全ネタバレをするつもりはありませんので、気になった方はお買い求めください。)先に述べた一竿とは言えない部分として、本作では叔母の藤子がテレビプロデューサーに抱かれる描写も数ページありますし、姉の恵も妻子ある医師との不倫関係が発覚し弟で慰めを得ようとしているところも伺えます。でも主人公は高校に通う少年で、大人のヒロインの過去すべてを自分だけのものにすることは出来ませんよね。官能作品における一竿とはいわばファンタジーでしかなく、全員が主人公との初めての人になる展開の方が不自然でしょう。
本作を読んで個人的に感じたのはシチュエーションがあちこちに移る点では本藤悠さんの作品のようでもあり、ちょっと文学的な匂いを感じさせる点では鮫島次郎さんの作品のようにも思えます。背徳と倒錯をない交ぜにした混沌さとでも言いましょうか。フランス書院文庫の誘惑作品の王道的展開とはと問われると答えるのが難しいのですが、神瀬知巳さんなどの路線とはまた違った尖った味わいを感じます。恐らく読み手によっては好き嫌いがはっきり分かれるのかなと思いますが、売れ線に寄せていく傾向は何処にでもある話で、もしかするとなぎさ薫さんが今後作品を重ねていく内にそうなる可能性はあるのかもしれません。ならばデビューして間もないこの時期だからこそ、書きたいものを書いてみたいという気持ちは分かるような気がします。次の作品がいつ刊行されるのかは分かりませんが、期待したい作家さんのお一人です。
(フランス書院文庫、2018年3月、表紙イラスト:二見敬之)
ネタバレ有り。御注意下さい。
作品紹介(公式ホームページ)
【あらすじ】
叔母の藤子と肉体関係を重ねていた陽一だったが、ある日サッカー部の追い出し試合で骨折してしまい、母の小百合が勤める病院へ入院することになる。しかし小百合は研修で暫く地方の病院に行かねばならず、代わりにインターンとして働き始めた姉の恵が看護してくれることになった。積極的な恵と忙しい藤子と交互に奉仕を受ける入院生活だったが、退院前夜に小百合にその関係を知られてしまい…。
【登場人物】
桜田陽一
17歳で大学受験を控えた高校3年生。父を亡くし母親の小百合と二人で暮らしており、看護師の仕事で不在がちなのもあって一人でいることが多い。サッカー部に所属し引き締まった身体に反し、年上女性の庇護欲をそそる性格のようである。小百合とは友だち感覚で話し相手になっているが、実は小百合と藤子の二人に女性としての魅力を感じている。20cm超えの巨根だが堪え性がなく、早漏気味なのが悩みの童貞少年。
八雲藤子
34歳。陽一の母親の小百合の妹で、朝の人気番組のニュースキャスターである。仕事上のトラブルもあり泥酔していた時に桜井家を訪ね、陽一と近親相姦の関係へ陥ってしまう。うぶな割に巨大な持ち物の陽一に夢中になり、彼が怪我をして入院したと聞くや特別病室に移させるなどかなりの溺愛ぶりを見せる。
桜田恵
21歳。陽一の姉で小百合のひとり娘。母親に憧れ看護学校に入り、インターンとして小百合と同じ病院で働き始めた。高校時代はソフトボール部に所属し日焼けした肌にショートヘアだったが、看護学校に入ってからは髪を伸ばし色白となり、女としての魅力が見られるようになった。奔放な性格もあり実家には一度も戻っておらず、陽一が入院した時が3年ぶりの再会である。
桜田小百合
42歳。陽一の母親で夫を亡くしてから看護師として働き一家の生活を支えると共に、両親も亡くなってからは留学中だった藤子の学費も負担していた。しかし藤子の男性遍歴が災いし、小百合の方から避けている節が伺える。陽一が入院した直後研修で二週間不在となっている間に予期せぬ事態となり…。
【展開】
藤子と肉体関係にある陽一はある日の朝彼女が出演するニュース番組のエンディングで右の耳たぶを触るのを見て、「今夜(部屋に)行くから」というサインを送られ今夜はエッチできると喜びを隠せない。振り返れば藤子が番組プロデューサーと身体の関係まで結んだのに、キャスターの若返りと称して降板予定だと聞かされ、騙されたと憤り酔って陽一の家まで来たことがあった。抱いてと求められ童貞だった陽一は、早射ちを繰り返しながらも無事に筆下ろしをしてもらい、また藤子も少年らしからぬ巨根と優れた回復力に感嘆しすぐに溺れていってしまった。
そして今夜も藤子と情事を済ませて見送ったものの、翌朝帰宅した小百合が妹の香水の残り香に気付いたようで、もう二人きりで逢うなと激しい口調で叱られる。困った陽一は藤子に連絡すると、これからは自分の部屋で逢おうと提案され、藤子の部屋にやって来ると書棚にあった春画集を見付け興味を抱く。春画に描かれていた四十八手も半分ほど制覇したある晩、陽一は自分の奪い合いで喧嘩する母と叔母の夢を見て、母の胎内へ白濁を注ぎ込んだところでハッとして目覚めると、大量に夢精していたことに気付き自己嫌悪に陥ってしまう。
そんなある日サッカー部の追い出し試合に参加した陽一は淫夢のせいで集中力を欠き、後輩のタックルを受けて転倒し左足と支え手の右手の両方を骨折し、痛みに悶えながらも母の働く病院へ運んでと告げる。案の定小百合は心配そうな顔を見せるが、あいにく二週間ほど研修で地方に行かねばならず、インターンとしてやって来た恵に看護を依頼する。入院した翌朝三年ぶりに姉と再会した陽一だったが、蠱惑的な仕草を繰り返す姉が暫く見ない間に女らしくなったと感心しながらも欲情を抑えられずにいた。恵は身体の清拭の際に弟が勃起に気付いており、触っただけで呆気なく果てたことにがっかりしながらも、すぐに回復したのを見るや今度は口唇奉仕で精を受け止める。
次の日藤子は陽一が入院したと知り特別個室に移させると、陽一に小百合が何故自分を遠ざけようとしているかを話し、派手な男性遍歴の果てに子どもを死産してしまったこと、両親や姉に散々迷惑を掛けて来たことを打ち明ける。藤子の悲しみを抱いてあげることで癒すことが今は出来ない陽一はもどかしく感じたが、翌朝早く今度は恵が訪ねて来てお目覚めフェラで抜いてくれる。更に夜勤明けの帰りには昼食を食べさせてもらうが、口移しはまだしも何故目隠しを問うと恵の不倫相手だった男の趣味らしく、バター犬のようにシックスナインで秘蜜の味まで楽しませてもらう。
陽一の怪我の回復は順調で朝は恵の口唇奉仕、夜は藤子が訪ねて来てのセックスと入院生活を満喫していたが、退院まであと三日となったある晩藤子は来られないらしく暇を持て余していた。そこへ恵がやって来てエコー検査に使うジェルを使いヌルヌルを楽しみながらの手扱きを受け、更には騎乗位で跨がられて遂に姉とも近親相姦を冒してしまうが、どうやら恵は陽一が退院したら元の姉と弟の関係に戻りたいようである。その二日後やっと藤子が見舞いに来てくれたがどうやら多忙なようで、慌ただしく性交を済ませると暫く逢えそうにないと聞いて陽一はパンティが欲しいとねだるのであった。
しかし藤子と入れ替わりで小百合が訪ねて来るとパンティの存在を隠し切れず、陽一は叔母との肉体関係を告白するが、小百合から頬を張られた上にもっと早く真実を告げていればと言い慟哭し始める。小百合から秘密を聞いた陽一は愛していると告白し、関係性が変わっても今度は恋人として付き合って欲しいと性交を求める。抱かれた相手は夫だけという小百合の反応を楽しみ何度もアクメに導くと、陽一は仰向けになった彼女の身体を屈曲させ正常位で交わり中出ししてしまう。
医師のアドバイスもあり小百合は退院した陽一のリハビリと称して一週間休暇を取り伊豆の温泉ホテルの予約を取ると、一晩でただの母と子という関係から支配者と被支配者へ変化したことに満足し、初めてのアナルセックスやバイブでの玩具責めなど濃厚な日々はあっという間に過ぎていく。そして自宅に戻ってから数日が経ち、陽一は朝のニュース番組で藤子から右の耳たぶを触るサインを目にし、今こそ真実を打ち明ける時だと小百合を説得し藤子のマンションの部屋に向かう。藤子の帰宅を待つ間に陽一は小百合の着ている服を見て小学校の卒業式に着ていたものだと懐かしさを感じ、叔母の寝室で行為を始めると暫くして帰って来た藤子と目が合い逃げようとするのを何とか引き留める。真実を聞かされてショックを隠せない藤子は、陽一に招かれて三人でしようと求められその場の雰囲気に流され受け入れるのだが…。
陽一との関係性の変化もあって藤子はその後の誘いを無視し続けたが、当の本人が部屋を訪ねたとなれば断ることなど出来ず、藤子と呼び捨てにされると何故かぞくぞくするような快感に浸りながら抱かれる。こうして藤子とも関係を復活させたものの、今度は恵から話があるとメールが届き喫茶店に向かうと、衝撃の告白を聞かされて隠していた秘密を打ち明ける。恵も陽一が藤子だけでなく小百合ともセックスしていると薄々勘づいていたようで、自分を一番に考えてくれるのなら構わないと返事をする。こうして陽一は恵までも交歓の輪に招き入れるのであった。
【レビュー】
第18回フランス書院文庫官能大賞特別賞を受賞した『したがり先生』の刊行より、早くも5ヵ月のスパンで第2作目を出すことになったなぎさ薫氏の新刊である。デビュー作品同様に誘惑系の官能小説ではあるが劇的な展開が好みのようで、単に甘いだけでないメリハリの付いた作風となっている。要するに主人公ラヴで甘く優しい展開を期待すると意外なしっぺ返しに遭うもので、大学受験を控えた年齢の主人公に対し母親と叔母と姉という典型的な近親相姦作品と述べた方が良いのかもしれない。その作風から官能面では現代的な軽さと、90年代的な官能作品の重さを感じさせる尖った設定はややミスマッチであるものの、何とも癖になる不思議な感覚を与えている。
看護師の母親【小百合】(42歳)と二人で暮らす主人公は、ある晩泥酔していた叔母の【藤子】(34歳)の来訪を受けて彼女の魅力に欲情し、抱いてと迫られては断れずに相姦の関係に陥る。春画を見て四十八手のレクチャーを受けるなど藤子との爛れた関係は最初の3章で綴られるが、題名にあるように「入院(淫)生活」は主人公の怪我により次の3章で描かれていく。ナースの卵である姉【恵】(21歳)との思わぬ再会に驚き、母小百合が研修で不在となる状況にて、藤子が度々見舞いと称しては情交を重ねる。恵にも訳ありな理由があり禁忌などほぼ無いままにイヤらしいことを繰り返し、二人と代わりばんこに精を搾り取られる日々は、まさに淫らな入院生活そのものである。
話が思わぬ方向に向かうのは小百合が戻ってからの3章で、性格の違いもありしっくりいっていなかった藤子との逢瀬を見抜かれると共に、尖った設定を生かした複雑な流れへと導かれる。母親とも深い仲に陥った主人公は小百合を恋人同然にし、「叔母さま」と呼んで慕っていた藤子に対しても新たな関係を構築した上で、最後には恵をも巻き込む締め方である。章を細かく切っていて短編集を思わせる作りだが、一つ一つの章には濃厚なまでの情交描写が組み込まれている。欲を言えば後日談としてのエピローグはやや蛇足な印象を受けるが、ミスマッチなのに癖になる作風には次回も期待したいと思う。
デビュー作品では家庭教師の人妻ヒロインが夫の浮気に耐えかねて主人公の父親と刹那的な情交に至り、しかもそれを主人公に見られてしまうというドラマチックな展開が盛り込まれています。作者のなぎさ薫さんはトー・クン作品時代からの官能作品の愛読者のようで、確かにこうした一竿とは言えない作りはその時代からの影響なのかなと思います。Amazonレビューに投稿した内容はそう捉えていただけると幸いです。
本作はやや込み入った流れで、拙レビューでの【展開】ではかなり省略した部分もあります。(完全ネタバレをするつもりはありませんので、気になった方はお買い求めください。)先に述べた一竿とは言えない部分として、本作では叔母の藤子がテレビプロデューサーに抱かれる描写も数ページありますし、姉の恵も妻子ある医師との不倫関係が発覚し弟で慰めを得ようとしているところも伺えます。でも主人公は高校に通う少年で、大人のヒロインの過去すべてを自分だけのものにすることは出来ませんよね。官能作品における一竿とはいわばファンタジーでしかなく、全員が主人公との初めての人になる展開の方が不自然でしょう。
本作を読んで個人的に感じたのはシチュエーションがあちこちに移る点では本藤悠さんの作品のようでもあり、ちょっと文学的な匂いを感じさせる点では鮫島次郎さんの作品のようにも思えます。背徳と倒錯をない交ぜにした混沌さとでも言いましょうか。フランス書院文庫の誘惑作品の王道的展開とはと問われると答えるのが難しいのですが、神瀬知巳さんなどの路線とはまた違った尖った味わいを感じます。恐らく読み手によっては好き嫌いがはっきり分かれるのかなと思いますが、売れ線に寄せていく傾向は何処にでもある話で、もしかするとなぎさ薫さんが今後作品を重ねていく内にそうなる可能性はあるのかもしれません。ならばデビューして間もないこの時期だからこそ、書きたいものを書いてみたいという気持ちは分かるような気がします。次の作品がいつ刊行されるのかは分かりませんが、期待したい作家さんのお一人です。









