2007年09月08日

ズバリ、嫌いな日本語って?

長く異国に暮らすと少しずつ母国語を忘れていく、それは悲しいけれど仕方のないこと。

帰国して、日本人だけに囲まれて生活し、毎日日本語だけが聞こえてくる。
十数年ぶりに生活の基盤を母国に移して数ヶ月、その日本語が気になってしょうがない。


僕は常々外国人に『日本語は表現力豊かな美しい言語である』、と伝えてきた。
言語学的に見て日本語は他のアジア言語とは異なる成り立ちをしているとモノの本で読んだことがある。
漢字だけでなく英語やフレンチなど、様々な外国語を吸収しつつも言語の本質を失わない、世界でもユニークな言葉だと思う。

時代の流れと共に言語も変化していく、それはどの国/文化にもあることで、そのことをネガティヴだとは思わない。
しかし、日常やたらと耳にする言葉であまりにも安易に使われていて、それでいて物事の本質をぼかしている都合の良い単語が一つある。それが『きちんと』だ。

政治への不信感が高まる中、政治家の不正がさらけ出され、そのたびに繰り返される謝罪と信頼回復への訴え。
「収支報告はキチンとなされなければならない」、政治/行政のみならず民間の企業も『金』の行方を明確にすべき、という風潮になってはいる。
一方で1円以上の領収書提出は必要ない、といった声も政治家から上がっていると聞く。
また民間でも商品の記載を故意に操作したという事件が後をたたない。
そして事件発覚後に責任者が言う決まり文句に『今後はキチンとした管理を行っていきたい』


日本語の持つ「あいまいさ」は『和』を重んずる日本人特有の国民性がそのまま現れているように思う。
それが文学の世界で表された時、日本人古来の繊細な感覚が浮かび上がり、行間を読ませる優れた作品になる。

だが、ニュース報道で毎日のように聞かされる『きちんと〜』。これに僕はうんざりさせられることしばしだ。

ためしに広辞苑でひいてみた。

きちんと:崩れや乱れがなく整然としているさま。過不足なく正確なさま。基準に合致しているさま、とある。

相手にこの『〜しているさま』を伝えようとするならば、具体的な内容を示すのが条件ではないだろうか?

「わが政党の収支報告書はきちんとしています」、こう聞いて納得する人はまずいない。


舛添厚生労働大臣は僕も活躍を期待する閣僚の一人だが、マスメディアに顔を出すことの多いこの方、残念ながらコメントの中で「きちんと」を連発する。
任命からわずか2週間、具体的な結果を求めるのは早すぎるが、この「きちんと」連発に一抹の不安を感じるのは僕だけなのだろうか・・・


みなさんの嫌いな日本語って何ですか?



nywine at 01:14│Comments(2)TrackBack(0) Far East Cafe 

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この記事へのコメント

1. Posted by semi   2007年09月09日 09:11
 嫌いというのではないけれど、何かしてもらった時とかに「ありがとう」というところを「すみません」と、言ったり言われたりすることがあります。私はすみませんより、ありがとうございますと言いたいなあとふっといつも思います。
 それから、同じ挨拶でも「こんにちは」ってなかなか言えなくて昼間なのにおはようございますって言ってしまったり。
 「こんにちは」って言えると、なぜか嬉しいです。
 
 
2. Posted by YUJI   2007年09月09日 11:55
この「すいません」が癖になって日本人が英語で話そうとするとやたらと「アイム ソーリー」を連発してしまう。

自分の非を認めないアメリカ人はソーリーとは言わず、だから旅でアメリカに行くときは「エクス・キューズ・ミー」が妥当なのだ。

逆に英語だとフツーの挨拶が気楽でいいよね。

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