2020年05月25日

説得の法則6

【権威や肩書きを利用する】
 以前、結婚披露宴の司会の(プロとして)仕事もしていました。権威や肩書きの凄さや嫌らしさを思い知らされたものです。大臣が来賓として招かれたときは、SPがつきホテル全体が警戒モードに包まれます。でも、大臣の肩書きがなくなれば、ただの来賓です。祝辞をいただく方の紹介を「このようにして」と肩書きを羅列されたメモを渡されうんざりしたこともあります。日本人は肩書きに弱いと同時に、肩書きの使い方もうまいことを、その時に発見しました。

 『権威や肩書きは人を説得するときの大きな武器になる』、そのことを知っていて損になることはありません。(私など超零細企業の社長は、土台、権威や肩書きでビジネスに勝てるとは思っていませんが・・・)

 私の読者は自治体の職員が多いのであえて書きましょう。住民やクレーマーと応対するとき、権威や肩書きが威力を発揮するのです。「俺が文句を言ったら部長が応対した」、そう言って満足して帰るクレーマーは数多くいます。なぜかと言えば、それは「自分自身を大切に扱ってくれた」という満足感をクレーマーに与えるからです。金品搾取を目的にしたクレーマーにトップが対応することは厳禁ですが、そうでない場合は効果覿面です。首長が対応すれば一発でOKの場合もあります。

 人生、大なり小なり『権威や肩書き』をかさにしたり、それに振り回されたりして生きているのではないでしょうか。




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2020年05月18日

説得の法則5

【無いものねだり】
 本来は、無いものをしきりに欲しがる、という意味です。ここでは少し意味をアレンジして『無くなると言われると買いたくなる』と考えてみましょう。

 「限定販売」「本日限り」などの広告を目にしたことがあると思います。販売戦略としてよく使われる手です。人はそのような言葉に購買意欲をかき立てられるものなのです。迷っている客に「最後の物件ですよ!」などと言って背中を押すテクニックはその典型でしょう。この法則を悪用してはいけませんが、人の心理はそのようなものだと理解しておくことは大切です。(080210)


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2020年04月28日

説得の法則4

【プレゼントをする】
 日本には古来から『お中元・お歳暮』の風習があります。これには二つの意味があるでしょう。一つは“心からお世話になりました”、というお礼の意味。もう一つは“ビジネス戦略として位置づける”意味です。両者とも根底にあるのは『恩義』という心理です。人はプレゼントをいただいた時、何かお返しをしなければと思うものなのです。(但し、これが行き過ぎると贈収賄などの汚職事件に発展します)

 民間ではこれらのプレゼントがさまざまな形に変わって行われます。接待などは典型的な例でしょう。善悪は抜きにして、人を動かす有力な武器といえるのです。

 公務員の皆さんや公共団体とお取引をさせていただく私などは、このプレゼントを金品や接待に求めたら大問題になります。それだけに知恵が必要なのです。形に表せないだけに、それらは「気くばり」「誠意」「情熱」「感謝」「謙虚」など抽象的なものに限定されます。だからこそ、それらを真面目に実践すれば説得の効果も大きくなるのです。多くの人はプレゼント=金品と考えますから、その逆をいく発想でどうすればよいかを考えてみましょう。




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2020年04月13日

説得の法則3−B

【関心事をつかむ2】
 十数年前、加齢による男性特有の病気(若い男性でもいますが)で入院手術をしました。1週間程度の入院でしたが、ベットの中で書いた入院観察日記は、いまでも病院の職員研修には大いに役立っています。その病院の玄関を入った外来受付フロアの一角には、とても素晴らしい写真パネルが展示してありました。おもに花を撮影したもので、それはとても見事な作品ばかりです。私も花が好きですから、投薬治療で経過観察中(約1年)の頃から、作品が交換される度に足を止め見惚れたものです。手術の主治医はその写真を撮っていらっしゃる先生でした。

 ドクターと私的な会話をするのは、私のような話し方の講師でも勇気がいるものです。術後の回診の際、「先生、素晴らしい写真ですね!」と思い切って声をかけました。瞬間、ドクターに満面の笑みが浮かびました。数日間の入院でしたが、そのひと言でドクターと私の距離は急に身近になったような気がします。いまは数年に1回の定期検診だけですが、その先生が私を忘れたことはありません。

 関心事は人によって違います。趣味だけではありません。お子さんや家族のこともあります。独特のこだわりもそうでしょう。身に着けているものなどは最たるもの。誰も気が付いてくれなかったのに、あなただけが気が付いてくれた、そんな時ほど、人の心は動くものなのです。(080103)



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2020年03月24日

説得の法則3-A

【関心事をつかむ1】
 温かい関心を示されて悪い気がする人はいません。人は誰でも関心を示して欲しい、という欲求を持っています。その欲求が満たされたとき、振り子は快に振れるのです。

 私が三十路を過ぎた頃の話です。小さな庭ですがその何年か前から藤棚を作っていました。でも、この藤が一向に咲きません。ところがその年の春、それはそれは見事な房の花を付けたのです。小躍りして喜びました。しかし、誰もほめてくれません。そんな時です。見るからに新人と分かる車のセールスマンがきました。軽くあしらうと、素直に帰ろうとしました。門を閉めようとした彼がポツリと言いました。『ご主人、見事な藤ですね!』と。そのひと言で一挙に振り子が快に振れました。この続きは割愛しますが、そのことがきっかけで、以来、その彼から車を買うようになりました。






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2020年03月08日

説得の法則2

【礼儀正しく】
 SEIKOに勤めていた頃、営業職の経験があります。敬愛していた大先輩に「営業マンは親しくかつ礼儀正しくを忘れるな!」と幾度となく教えられました。人間関係を深めることは当然。でも、どんなに親しくなっても礼儀を忘れるな、との戒めでした。特に「訪問と帰りのあいさつには礼節を尽くせ」、と言われました。

 講師とてお客さまと雇われ人の関係に変わりはありません。研修でお伺いした際には、関係部署にまずあいさつをします。「おはようございます」と言って入室したときに、E市の主管課職員は一斉に起立して返事を返してくださいます。F研修所とは十数年のお取引をさせていただいております。帰る際に担当係の職員が全員玄関で見送ってくださいます。玄関からタクシーが見えなくなるまで100mほどあります。職員の皆さんはその間、一礼して頭を下げたままです。なかなか出来ることではありません。その度に、私自身も初心を忘れずに、と身を引き締めます。(071212)

 




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2020年02月28日

説得の法則1

【振り子の原理】
 人の気持ちは振り子のようなものです。右(プラス)に振れたら心地よい快、左(マイナス)に振れたら腹の立つ不快。これを心理変化と呼び、人は常にこれを繰り返すのです。説得上手になるためには、振り子の位置を絶えず意識しなければなりません。怒っている場合は、振り子をマイナスから0点まで引き戻すことが優先されます。クレーム対応などはその典型です。

 この原理に大きく影響を与える要素が三つあります。「言葉」「語調」「ボディランゲージ(態度・表情・姿勢・服装など)」がそれです。人の心はこの要素に絶えず振りまわされるのです。つまり、この要素がセットにならないと説得効率は落ちるのです。言葉が全てではないことを肝に命じてください。




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2020年02月16日

説得の目的

 説得、交渉に臨む際に考えておかなければならないことがあります。それは、訪問や対話の目的を再確認することです。しごく当然のことと思われるでしょうが、とても大切なことです。

 その目的が「人間関係のきっかけをつくる」ことでしたら、第一印象が優先されます。当然、長居は禁物です。「人間関係を深めること」が目的でしたら、記憶力・会話力が求められます。「アプローチ」の場合は、興味を引かせる(聞く気にさせる)説明力が問われます。「抵抗の真意を探る」場合は、傾聴力(言葉と声なき声を聞く力)が不可欠です。クロージングに至るまでは、さまざまなプロセスがあるのです。

 あせりは禁物です。その場その場において、目的を忘れずに反芻するのです。そして、そこに意識をおいて事に臨むのです。(071111)




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2020年01月14日

得への認識2


 今回は、地権者と自分にとっての得を一歩踏み込んで、あるいは他の視点から考えてみましょう。

 例えば、いま地権者と交渉中の買収金額が2千万とします。しかし、交渉相手の地権者が莫大な資産を持っているとします。その金額は20億でも30億でも考えに大差はありません。この場合、地権者にとっての得はお金とは限りません。(お金は誰でも欲しいでしょうが・・・)時によりその得は、地域に対する貢献度という誇りであったり名誉の獲得であったりするかもしれないのです。お金のウエイトが小さければ、その段階で交渉戦術は修正しなければならないのです。

 そして、次に大切なことはあなたにとっての得は何かをしっかりと把握することです。歩合のようにお金での得は期待できません。成果を収めてもそれがイコール昇進・昇給という得に直ぐにはつながらないでしょう。だとしたら、あなたにとっての得は「達成感」であったり「自己成長」・「お役立ちのために」・・・と限定されるのではないでしょうか。そのことを認識しないで交渉・説得に成功するわけがありません。(071014)


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2019年12月22日

得への認識1

 「ビジネスはお互いに得るものがなければ成立しない」という言葉があります。当たり前のことと思われるでしょうが、これは説得における重要なキーワード、と私は考えます。

 自治体職員の「説得・交渉力を伸ばす研修」を担当させていただくとき、用地交渉の場面を例に出してそのことを説明することがあります。地権者にとっての得とは何ですか?そして、交渉担当であるあなたにとっての得とは何ですかと質問します。すると、地権者にとっての得はお金、と多くの人が答えます。あなたにとっての得について答えるとき、ほとんどの職員が一瞬と惑います。そして、得るものは何なのかと考えます。民間の営業担当のように成果への報酬(歩合や報奨金)と答えられないためでしょう。次回は視点を変えて、このことをもう少し深めたいと思います。




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