カーナビ窃盗が全国で多発する中、神戸市西区の金属部品メーカーが開発した「特殊ねじ」の売り上げが急増している。防犯意識の高まりもあり、売り上げは3年前の約10倍。専用の工具がなければ脱着できず、手慣れた窃盗団でも短時間で盗むのは困難という。被害の大幅減が期待されるため、警察関係者も注目している。

 特殊ねじを開発、製造しているのは「ユーロック」(竹中福康社長)。カーナビの高機能化と値段の高騰で被害が増加し始めた平成15年ごろにねじを考案。もっとも、簡単にねじを取り外せないため、メンテナンスの際に時間がかかるなど、当初はほとんど売れなかったという。

 ところが近年、カーナビやホイールなどが盗まれる「部品ねらい」が急増するとともに、徐々に注文数が増加。3年前には1カ月に80セットぐらいだった注文が、今では毎月千セット前後に上っているという。

 特殊ねじは、ねじの頭の部分が従来の「プラス」や「マイナス」ではないことに加え、市販の六角棒スパナなどでも開閉不可能。複雑な形状のため、開閉できる工具の作製も困難だ。さらに、定期的に形状を変えるなど、防犯効果を高める工夫を凝らしているという。

 通常のねじを使っている場合、自動車関連業者は「慣れれば30秒以内に取り外すことが可能」と指摘。一方、特殊ねじの取り外しは専用工具を持つ業者しかできず不便な面もあるが、高価なカーナビを守るために不可欠と考える人が増えているようだ。

 各地の警察や自動車メーカーも注目しているといい、竹中社長は「特殊ねじにすれば、取り外すのはまず無理。今後も研究を重ね、より防犯性の高いねじを作っていきたい」と話している。

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