「私が殺したのは人ではなく心の中が邪悪なマモノ(魔物)」-。小泉毅被告は一連の公判中、法廷に響く大声で独自の主張を展開してきた。自己の正当性を主張するばかりで、反省や謝罪の言葉は最後までなかった。

 昨年11月末の初公判。小泉被告は罪状認否で「エゴで満たされている人間には、私のことは理解できない」と他人を見下すような主張をした。被害者を「魔物」と呼んだことについては、「動物(飼い犬)の尊い命を奪ったことに対してまったく罪悪感を感じないのをマモノという」などと説明した。

 また、被告人質問では、被害者やその遺族の名前を呼び捨てにし、人数を「1匹、2匹」と数えた。

 伝田喜久裁判長は判決で、こうした法廷での言動を「被害者を冒涜(ぼうとく)し、遺族の感情を逆なでした」とした上で「更生する意欲を全く見せていない」と厳しく指弾した。

 被害者への謝罪どころか、「34年間思い続けてきたことをやっと実現できて満足」などと供述した小泉被告。死刑判決が下されようとも、被害者の無念は少しも晴れることはない。

 判決後、山口さん夫妻の長男、琢磨さんは「『どうしてこのような思考の人間が生み出されたのか』という思いで傍聴したが、最後まで納得できなかった」とコメント。また、吉原健二さんは「被告のような人間がこれからも生存を許されるとすれば、社会の安寧と秩序は保たれないであろう」とのコメントを出した。

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