各種世論調査で「次期首相候補ナンバーワン」の舛添要一前厚生労働相を代表として結成された新党改革は、まさに「舛添の、舛添による、舛添のための新党」といえる。ただ、舛添氏は自民党内で孤立化し、追い詰められた末の結党劇だった。新党結成に至る舞台裏を検証する。(今堀守通)

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 ◆幻の参院会長

 「おれは動く」

 今月20日午前、舛添氏は周辺にこう宣言した。政党要件として必要な5人以上の国会議員の参加のメドがたったからだ。もっとも、準備万端での結成にはほど遠かった。

 「新党を作らないと活動の基盤ができない。となると、自分も含め5人の同志を集めないといけない。しかし、それぞれの政治家には選挙区や後援会の事情があり時間の制約もあった」

 23日午後、国会近くの都市センターホテルで開かれた記者会見で、舛添氏は必ずしも満足していないことをうかがわせた。それだけ舛添氏は自民党内で八方ふさがりに陥っていた。

 舛添氏とともに自民党を離党した矢野哲朗代表代行は証言する。

 「舛添代表は執行部への批判勢力という位置づけで(自民党内で)どんどん窮地に追いやられたことも事実だ。党内で埋没してしまう恐れさえ感じた」

 矢野氏は4月はじめ、参院議員会長を舛添氏に交代する動きに出た。他の議員の投票ボタンを押した若林正俊元農水相には議員辞職を迫りながら、「政治とカネ」の問題で鳩山由紀夫首相らを追及しきれない自民党執行部に失望したためだ。

 「参院執行部を変えたい。駄目なら新党だ」

 矢野氏は舛添氏にこう持ちかけた。舛添氏も同意したが賛同者は集まらず、「舛添参院議員会長」構想は頓挫した。自民党内で矢野氏と舛添氏は孤立した。

 ◆邦夫氏もちかけ

 当初、舛添氏が離党に傾きかけたのは3月だった。最初に新党話を持ちかけたのは、東大法学部で同級の鳩山邦夫元総務相だった。鳩山氏は、舛添氏を中心に、与謝野馨元財務相や平沼赳夫元経済産業相、さらにはみんなの党も糾合した第三極の結集に意欲を示した。

 これに対し、平沼氏や藤井孝男元運輸相らは舛添氏を「肌合いが違う」と強く拒否。鳩山氏は3月15日に自民党離党を表明して最後の試みもしたが状況は変わらず、舛添氏だけでなく鳩山氏も「平沼新党」からはじかれることになった。

 「舛添取り」の動きは、別のところでも出た。

 「舛添を迎えたいんだ」

 4月1日、改革クラブの渡辺秀央代表(当時)は大江康弘氏にこう持ちかけた。改革クラブは、小沢一郎代表(現幹事長)に反発して民主党を離党した渡辺、大江両氏を中心とした政党で、自民党の補完勢力ともいわれてきた。

 渡辺氏と、今年初めに自民党から移籍した山内俊夫氏は夏の参院選で引退する方向だ。新加入がないと党は事実上存続できなくなる。そこで国民的人気がある舛添氏を迎えようと考えた。

 自民党との関係維持を重視する大江氏は、新党に「同意できません」と拒否。その後両氏は「ののしり合う」(関係者)ほどの応酬を繰り広げたという。昨年入党した中村喜四郎衆院議員も反対した。それでも、渡辺氏は舛添氏の勧誘を続けた。舛添氏は、この時点で“入党”には同意してはいなかった。

 ◆略称でつまずく

 舛添氏は橋下徹大阪府知事らとの連携にも失敗した。結局、大江、中村両氏を除く改革クラブの3議員に舛添、矢野両氏、それに夏の参院選で自民党公認が得られなかった小池正勝氏の計6人が顔をそろえることになったのは「10日ほど前」だった。荒井広幸幹事長も「2週間ぐらいで、魂をお互いに呼ぶようにして結党した」と述べた。

 大江氏は23日、改革クラブから新党改革への衣替えという形での新党結成に「これは新党ではない。(政党助成金の)交付金目当てで、非常にまやかしの党だ」と激しく非難した。結党会見で渡辺氏は「そういう意見があること自体、非常に卑しい」と反論した。

 党の略称でも一騒動があった。舛添氏の党であることを前面に出すため「新党改革」ではなく、「ますぞえ新党」を参院選比例代表で使用する党の略称とする方針を固めたが、国政選挙で代表者名を政党の略称には使用できないとの公職選挙法の規定に抵触する恐れがあったため、白紙に戻した。

 出だしからつまずいた印象は強いが、党関係者は今後、舛添氏がテレビに積極的に出演することで、党の知名度もあがると期待する。

 別の見方をする人物がいる。民主党の小沢氏だ。小沢氏は23日の大阪市内での会見でこう言い切った。

 「無党派とか浮動票が舛添氏のところに流れるのではないかとよく聞かれるが、私は心配していない」

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 ≪新党改革 基本政策の要旨≫

 ■政治とカネの問題を解消し、開かれた国民政党による政治を行う。企業・団体献金は禁止し国会議員定数を半減する。

 ■政治家がリーダーシップを発揮し、官僚をコントロールする真の政治主導を確立する。国民監査請求制度を創設する。

 ■新しい時代にふさわしい憲法を制定する。

 ■経済成長戦略、産業政策、規制緩和を推進。法人税減税で経済成長を復活させる。

 ■道州制を導入。一国二制度や大阪などの特区構想を打ち出し、地域が責任を持ち、独自のルールに沿った制度・行政モデルを容認する。消費税の地方財源化を進める。

 ■日米安保を基軸に国際社会に貢献する外交・安全保障政策を推進する。

 ■高齢者が働いて収入を得ても年金が減額されない制度を構築する。行政の無駄を省き、消費税を福祉目的税とするなど税制改正を断行する。

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