稜線に吹く風をさがして

そのとき、その場所にしかない風景をさがして。山登りの記録と記憶。

木曽駒ヶ岳 - 白く穏やかな春の日、GW残雪ハイク (2017.4.28)

ルート : 千畳敷 → 乗越浄土 → 木曽駒ヶ岳 (ピストン)
天候 : 快晴


ルート図 :

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GW突入前日に代休を使って木曽駒ヶ岳へ。

中央アルプスに位置する木曽駒は、ロープウェイを使って労せずに3000メートル級の本格的な山岳風景が体感できる「千畳敷カール」が有名で、多くの観光客が訪れる山である。
また、登山もロープウェイを降りて2時間程度で山頂に立つことができる。
山小屋も充実しているので、「はじめてのアルプス」にはもってこいの環境が整っているといえる。

ただ、それは夏山シーズンの話であって、冬は当然ながら深い雪に閉ざされる。
それでも、ロープウェイを利用できるため、一気に雪のアルプスの中心部に行けてしまう。
千畳敷の雪景色だけでも素晴らしいのだが、さらに登れば、美しく厳しい冬山に出会えることは間違いないだろう。

駒ヶ岳ロープウェイへのアクセスは路線バスとなる(タクシーも使えるみたい)。
駒ヶ根インター近くに位置する菅の台バスセンターに大きな駐車場があり、マイカーの場合、ここでバスに乗り換える。
バスの始発よりも早く着きそうなので、ひとつ手前の松川インターで降りて下道を行くことに。
途中、中央アルプスの眺望が良かったので愛車(今回からスバルのXVに)と一枚。
真っ白なピークは空木岳、南駒ヶ岳あたりかな?


駒ヶ根に入ると水仙がたくさん咲いていた。
水の張った田んぼに宝剣岳と千畳敷カールが映り込んで、いい感じ。


菅の台からこの時期の始発は7:15。
ちょっと遅い気もするけど、山頂まで往復のコースタイムは4時間掛からないので、焦る必要はない。
GW突入前日のこの日は、20名ぐらいを乗せてバスは出発。
ちなみに、バスとロープウェイの運賃は往復¥3900で、少々お高いのは仕方ないか…


ロープウェイはいいポジションになれなかったので写真なし…。
ということで、いきなり、標高2600mの千畳敷カール。
雄大、そして真っ白な世界が目に飛び込んでくる。
これまでに写真で何度も見たことはあるけど、実際に目の前に広がる風景は圧倒的ともいえた。


ホテル前泊の人たちだろうか? 早くも乗越浄土まで目前の登山パーティが見えた。
しかしながら、とんでもない急斜面だ。


8:30 千畳敷(登山開始)
いきなりの素晴らしすぎる雪景色を楽しんだ後、準備を整える。
最初からアイゼン着用でスタート。
ルートは雪崩の危険を避けるため、まずはカールの底部に下りていく。

 
2日前の低気圧通過で、あたらに雪が積もったようで、岩稜にうっすら雪が被っている。
その新雪が快晴の空に映え、最高の雪山日和となった。ここに立てただけでも、幸せな気分。
カールの中を蛇行して伸びるトレースに登山意欲が掻き立てられる。


木曽駒といえば、その本峰もさることながら、シンボル的な存在なのがこの宝剣岳である。
千畳敷側から見ると「剣」のようには見えないが、険しい岩稜は痺れるような格好の良さ。


出発した千畳敷のホテルからサギダルの頭方面に向かっていく団体さんたち。
山スキーだろうか?


雪の緩むこの時期、特に降雪があった後は雪崩を心配しなければならないが、思いの外、雪はしっかり締まっていて、不安を感じることはなかった。
乗越浄土に向かって徐々に斜度が増して行き、息も上がって苦しくなってくるが、目の前の一歩を確実に登り詰めていく。


振り返れば、伊那谷を挟んだ反対側には、南アルプスの峰々が連なっている。


着実に高度を上げ、千畳敷カールから見上げていた岩稜帯まで到達。
この岩、現地では「オットセイ」に見えたけど、写真ではあんまり?


乗越浄土の直前は、かなりえげつない登り…。容赦なく腿上げ運動を虐げられる。
前を行く歩荷さんもきつそうだった。


千畳敷のホテルはすでにかなり下に見えるようになった。
自分の後には、平日でそれほど多くないが、登山者の列が続いている。


息は切れているが、意外とあっさり乗越浄土へと登り切ることができた。
視界が開けて、目の前には中岳が現れる。


雪をまとった岩稜の向こうに、南アルプスを望む。
この画角だと仙丈ヶ岳から北岳、間ノ岳、塩見岳ぐらいまでかな。
富士山も見えているが、わかるだろうか?


緩やかな曲線を描く中央アルプスの稜線。
あの稜線の途中には西駒山荘があって、ロープウェイができる以前に賑わったクラシックルートになっている。
いかにも気持ちよさそうなルートで、いつか歩いてみたい。


大きな岩稜の向こうに見える白い頂は三沢岳。ピラミダルな山容に目を引かれる。


そして、これが宝剣岳の全容。
薄っすらトレースは残っているようだが、新雪でほとんど消えかかっていら。
端から挑戦する気はないが… 、機会があったら、無雪期には登頂してみたい。


稜線に出ると、さすがに風がある。
凍えるような寒さでは全くなかったが、しっかりエビの尻尾ができていた。


小高い丘といった感じの中岳は、労せずに登れてしまう。


息が上がる前に中岳のピークまで来ると、どっしりと構える木曽駒の山頂が目の前に広がった。
そして、その背後に御嶽山が控える。


美しい独立峰の御嶽山。この日は噴煙は見えなかった。


中岳は小さなピークだが、眺望は抜群、なかなかの絶景であった。
来た道を振り返ると、宝剣岳と背後に続く空木岳、南駒ヶ岳。三沢岳への稜線も秀逸だ。


伊那前岳の稜線と南アルプス連峰。


宝剣岳は改めて見るとすごい迫力。岩の要塞みたいな感じ。


三沢岳もなんだかとっても気になってしまう。
知名度も位置的にも地味なポジションだけど、これはいつか歩いてみないといけないな。 


さて、そろそろ木曽駒ヶ岳に山頂に向かいますか。
中岳からは一旦の下り。 雪原に続くトレースが画になる。


下っていく途中、雷に打たれたように大きく割れた岩が見えたけど、あっちが中岳の山頂だったみたい。帰りに寄ることにする。


さあ、山頂へ。


最後の登りは穏やかに見えたけど、山頂直下ではしっかり急斜面を登らされた。


10:10 木曽駒ヶ岳・山頂
そして木曽駒ヶ岳・山頂に到着。
千畳敷を発ってからわずか1時間40分だけど、濃密な時間だったように思う。


まずは登頂のお参りを。
木曽駒ヶ岳神社の鳥居とお社は凍てついていた。
ちなみに、山頂にはもうひとつ、伊那駒ヶ岳神社もあるはずなんだけど、雪で埋もれていて、どこだかわからなかった。


山頂からは北アルプスの眺望もばっちり。
居合わせたカップルの立ってる向こう側は切れ落ちていて(雪庇の上かも?)、見ていて少し怖い。


乗鞍岳と槍穂連峰の眺め。


乗鞍岳もまだ真っ白。


槍・穂高の重厚な峰々。その左側には笠ヶ岳や黒部五郎岳など。


もちろん御嶽山も。


西駒山荘方面への稜線はやっぱり気持ち良さそう。
背後には八ヶ岳連邦が横に伸びている。


伊那前岳と背後の南アルプス。


中央アルプスの全容。
北アルプスと比較していた訳じゃないけど、ちょっと侮っていたかも。


空木岳と南駒ヶ岳。いつか縦走してみたい。


そして、最後はやっぱり宝剣岳の存在感。今日は誰も登っていないようだ。


まだ、ランチって時間でもないので、景色を存分に楽しんだら下山に掛かる。


行きは素通りしてしまった中岳の山頂。小さな祠が祀られていた。


さくさくと乗越浄土まで戻ってきたが、時間はまだまだ余裕がある。
そこで、山頂から気になった伊那前岳の方へ歩いてみることに。


始めはトラバース気味のルート。
程よい雪質で歩きやすく、全然怖さはなかったけど、万全を期して慎重に進む。


この稜線、踏み抜くことはないけど、かなり雪深かった。
稜線の向こう側は雪庇になっているので、近づき過ぎない方が良いだろう。


こちら側から見る宝剣岳は切れ落ちていて、また違った迫力がある。
雪のある時期に、あの頂に立つなんて、よっぽどの勇気がないとできないのでは…


もう少し広角だと、こんな感じ。
ちなみに、崖に向かってトレースがある、山スキーヤーがここからドロップしたようである。


千畳敷カールへはこんな風に落ち込んでいる。
ここを滑り下りるなんてすごい、というか命知らず。。


伊那前岳九合目ピークと名付けられた場所(これは木曽駒への九合目?)に立つ。
この先は、雪庇の稜線が続いていた。
伊那前岳のピークまで行けば、きっと絶好の南アルプルの展望台になっているだろう。
ひとり分と思われるトレースが見え、慎重に行けば大丈夫かなと思ったけど、いかにも踏み抜きそうなので、おとなしくここまでとした。


乗越浄土まで戻って千畳敷へ下る。
ここはコンディションによってはアイスバーンになりやすく嫌らしいが、この日は心配なし。


それでも、転んでしまったら、ただ事では済まなさそうなので、最新の注意で下っていく。


斜度が緩くなったら尻セードで一気に。
でも、暖かさで雪が緩くなっており、勢いはイマイチ。(写真はイメージ…)



最後は少しだけ登り返してゴール。
千畳敷カールにはTバーリフトが掛けられ、春スキーを楽しむ人がいた。


最後に千畳敷カールと宝剣岳を見上げて。
真っ白で、真っ青で、穏やかな春の日。短いながらも、充実の雪山登山となった。



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霊仙山 - 咲き誇る福寿草とカレンフェルトの台地 (2017.4.16)

ルート : 榑ヶ畑 → 落合 → 西南尾根 → 霊仙山 → 榑ヶ畑 (周回)
天候 : ガス のち 晴れ


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私事だが、この4月から単身赴任で名古屋在住となった。
4年前にも1年半の間、愛知に住んでいたことがあって、その時にいくつか鈴鹿の山々を登っている。
そして、東海地方での復帰戦に選んだのが 「霊仙山」 である。

霊仙山は鈴鹿山脈の最北部に位置する。
「花の百名山」に数えられており、花シーズンの開幕を告げるこの時期の主役は福寿草である。
例年だと3月末から4月初めが盛りのようだが、雪の多かった今年は開花が遅れている模様。
願ったり叶ったりのタイミングとなった。

今回、スタートとするのは米原に近い「榑ヶ畑登山口」である。
ここまでは醒ヶ井養鱒場から狭い林道を10分ぐらい走って到着する。
駐車スペースはあまり広くなく、10台分程度しかない。この日は、6時の到着時点で2台先着だった。
なお、下山時にはかなり下の方まで路駐の列が続いていた。


準備を整えて、6:20にスタート。
真っ直ぐに広い林道を進み、最初のヘアピンカーブから登山道に入る。
植林の森を10分ぐらい歩くと「山小屋かなや」が見えてくる。


分かりやすい看板があったので記録として。
今回は汗拭き峠から落合・今畑に向かい、西南尾根登山道で山頂に向かうルートを選択。


山小屋からは本格的な登りになって、10分で汗拭き峠。
ここから落合へはいったん下りとなる。降り始めはなかなかの急斜面だった。
ちなみに、このルート、現地に表示や規制線はなかったが、
米原市のHPには数年前の台風被害で通行止めと表記されていることを記しておく。


これが台風の爪痕。ルートはやや高巻きを迂回するので、問題なく通ることができた。


やがて沢が近づいて、ひとつめの徒渉。
過去のレポートなどを読むと水量によっては苦労することがあるようだ。
夜のうちは雨が降っていたのでちょっと心配していたけど、思っていたよりも楽に渡ることができた。


ふたつめの徒渉は水没した飛び石を使い、靴を半分ぐらい水に浸して通過。
もっと水量があるとやや苦戦するポイントかもしれない。


汗拭き峠から30分と少しで、廃村の落合集落まで降りてきた。
ここからは少し車道を行くことになる。
人気のない集落を歩くのは、あまり気持ちのいいものではなかったが、
神社などは手入れが行き届いている感じで、まだ完全に忘れられた場所という訳ではなさそう。


そして今畑登山口。ここからが本当のスタートも言える。


西南尾根コースを登り始める。
植林、廃村を抜けると、だんだんと自然林に変わって行く。
日差しがあれば、もっと透き通ったような緑色に見えるのだろうけど、それでも十分にきれいな新緑だ。


標高を上げていくと、鈴鹿の山らしい石灰岩が目立つようになってくる。


笹峠が近づくと視界が開けるが、あれれ、山頂方面はガスの中…。
天気は回復傾向のはずなので、青空を信じて登り続けるしかない。


近江展望台に向けて、なかなかの急斜面を登って行く。
風景は御池岳の方角だと思うが、霞で遠望は効かず。


やがて周囲は真っ白に…。基本、尾根通しでいいと思うが、ルートミスしないよう慎重に登って行く。
足下は岩々していて、歩きやすいとは言えない。 


風景を楽しむことはできないので、小さな花に励まされるように、ひたすら前へ進み続ける。


ネコノメソウもたくさん咲いていた。


そうして、今畑から1時間半ぐらいで近江展望台に到着。
しかし、当然のように何も見えない。晴れていれば、琵琶湖なんかが良く見えるのだろうけど…。


ここからは山稜に向けて稜線を辿るルートになるが、
実際の道(踏み跡)は稜線筋の少し下、東側の斜面にトラバース気味に付いていた。
それも錯綜しているものだから、ガスに巻かれている状況ではルート選択に注意が必要だった。

やや迷ったのは「南霊仙」とされる小ピークで、稜線がふたつに分かれるポイントである。
右手方向にやや下って行くのが正解だが、視界が効かず、なかなか確信が持てなかった。

そんな中、今回のお目当てである福寿草を発見。岩の間に小さく顔を出していた。


こちらは仲良く並んで。 
この透き通るような黄色の花は、癒しと元気をもらえる気がする。


岩々の稜線の北西側は灌木帯になっていて、
その中は足場に気をつけないといけないほどの大群生だった。


一生懸命に花を開こうとしている姿が愛くるしい。


寄り添うように咲いて。


逆光に透ける福寿草。


灌木帯から出ると、これまで視界を遮っていたガスが晴れてきていた。
こういう稜線だったんだ。


今年は雪が多かったせいで、開花時期がだいぶ遅くなった。
茎が伸びて背の高い福寿草が多いのは、その影響かも知れない。


明け方までの雨のおかげもあってか、みんな活き活きと咲いているように見える。


この場を離れることが惜しく感じたが、切りがないので先に進むことにする。 
登ってきた西南尾根(何故、南西じゃないの?)を振り返るとこんな感じ。


東側の斜面は広く開けており、草原に木々が点在していてどこか牧歌的。
新緑や紅葉の時期に見てみたい風景である。


稜線の西側には、たおやかな曲線を描く霊仙山の山頂方面。 


ここまで来ると、もうきつい登りはない。
散歩気分で快適な山歩きを経て、霊仙山の最高地点まで目前。


10:20 霊仙山・最高点
福寿草の撮影に時間を掛けすぎたので、それほど疲れを感じないけど、いちおうの達成感。
少し早いけど、山頂方面が混んでいるのが見えたので、ここで昼食とした。


北側の眺望。伊吹山が頭だけ出していた。


鈴鹿方面の御池岳と藤原岳。
あちらも福寿草で有名だけど、たくさん咲いているだろうか?


やたらアルペンチックな雰囲気の避難小屋と背景に伊吹山。
昼食を取っている間に、ガスがだいぶ抜けて来た。


伊吹山を望遠で捉える。
これまでちゃんと意識して眺めたことはなかったと思うが、なかなかどっしりとしたいい山容だ。
雪ががっつりある時期に登ってみたい。


カレンフェルトらしい光景の広がる山頂部。


この開放的な山頂部の風景は、間違いなく霊仙山の魅力のひとつ。
何も知らずに登ってきたら、驚くだろうし、感動することだろう。


山頂の直下には、まだまだ大きな雪渓があった。


最高点から15分で山頂に到着。


山頂といっても、だだっ広い辺り一帯が山頂みたいなものだから、景色は代わり栄えしないが…。


多くの登山者で騒がしい山頂を早々に後にし、経塚山を経由して榑ヶ畑へ下山する。
このあたりもカレンフェルトらしくて好きな風景。


あちこちに穴(ドリーネ)が開いている。
もっと大きくて深いものもたくさんあって、落ちたら大変?


経塚山を振り返って、そろそろカレンフェルトも見納めとなる。


お虎ヶ池。色々と謂われがあるようだが、池自体はいたって普通。


 一気に下って樹林帯の中へ入る。


汗拭き峠に咲いていたスミレ。
福寿草以外はあまり花が咲いていなかったけど、色のある春はやっぱりいい。


山小屋かなやの周辺には、たくさんのミヤマカタバミ。


山頂から1時間半で榑ヶ畑登山口に下山。
咲き誇る福寿草に、独特のカレンフェルト台地と、イベント性も高い霊仙山。
春先のトレーニングとしてもまずますの疲労感で、充実した山行となった。


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谷川岳 - 神々しいまでの白銀世界を行く (2017.1.7)

ルート : 天神平 → 谷川岳 → 天神平 (ピストン)
天候 : 晴れ (山頂付近は風強し)


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2017年の初登りは谷川岳へ。
昨シーズンは冬に一度も山へ行っていないので、2年ぶりの雪山である。

谷川岳といったら「魔の山」なんて呼ばれるけど、あれはロッククライミングでの遭難の話。
冬山を軽視してはいけないけど、3連休の初日、しかも晴天予報となれば多くの人が登るだろうから、
雪山初心者でも敷居はそれほど高くない。

がっつり雪山やスキーに行くわけではない僕は、車に冬タイヤを履かせていない。
ロープウェイまでの道のりはさすがに積雪、凍結しているようなので、次のようなアクセスを計画した。
関越道の月夜野インターから国道17号経由で、新幹線の上毛高原駅へ。
ここまでの路面状況は問題なかった。(もちろん事前にネットなどで状況を把握済み)
駅前の駐車場に車を停めて、路線バスへ乗り換える。

バスの始発は少し遅めの8時。
のんびりバスの写真なんて撮っていたら、新幹線が到着して、続々と登山客がこちらに向かってくる。
慌てて乗り込むと、結局、席は全部埋まって、5名ぐらいが立つこととなった。

この後、水上駅でたくさんの乗客があり、バスは通勤さながらの満員状態に。
ルート的には沼田駅から上越線で水上駅へ、そしてバス乗り換えも選択肢にあったが、
上毛高原経由をおすすめしておく。


上毛高原から45分掛かって、谷川岳ロープウェイ駅のベースプラザに到着。
10分ぐらい切符を買う列に少し並んで、ここで登山届を提出する。
谷川岳のロープウェイはゴンドラタイプなので、待ち時間なく、乗り込むことができた。
スキーヤー、スノーボーダーに混ざって、一気に標高1400メートルの天神平に向かう。
天気は予報通りに快晴である。
白く輝く雪の峰に、早くも気持ちが昂ぶって来る。


天神平に降り立つと、さすがに身の引き締まる寒さ。
久しぶりのアイゼンを付けて、防寒対策もしっかり、身支度を整える。
スタートは9:45で、バス利用だとどうしてもこれぐらいの時間になってしまう。
かなり遅いが仕方ない。周りにも、まだたくさんの登山客がいた。

ありゃ、ストックのバスケットを雪用に変えてくるの忘れた…。
そのままでもいいかなと思ったけど、なんとなくピッケルで行くことにする。

最初から正面に谷川岳が見えていて、ちょっと有り難味に欠けるけど、あの白い頂を目指して出発。


右側には朝日岳、笠ヶ岳、白毛門の峰々がよく見える。
そういえば、土合橋のバス停で夫婦と思しき一組が下りたけど、あそこを目指しているのか?
いかにも雪深かそうで、大変だろうな。


天神平のゲレンデを横目に見て歩きはじめる。
すでにたくさんのシュプールが付けられているけど、ここは整地していないのかな?
もう10年近く遠ざかっているけど、久しぶりにスキーもやりたくなってきたかも。


こんな時間だから、もちろんトレースはばっちり。
先日に降雪があったようなので、最初のラッセルは大変だったに違いない。
多くの先人に感謝しながら、ウォームアップには少々きつい斜面を登って行く。


20分ぐらい喘ぎ登ると、天神尾根と田尻尾根に分岐(雪に埋もれてよく分からなかったが)に着く。
ここまで来ると、谷川岳がその全体像を見せてくれるようになる。
谷川岳の標高は1977メートルで、2000メートルに少し届かない。
それぐらいの高さしかない山とは思えないほど、どっしりと重厚感に溢れる山容。
そして、純白をまとった頂が美しすぎる。


双耳峰をなす谷川岳。
左側が南峰のトマノ耳。右側が北峰のオキノ耳(最高峰)である。
トマノ耳の左斜面には、小さく肩の小屋も見えていて、早くも登頂目前の登山者がいるようだ。


しばらくの間、樹林帯の中のをトラバース気味に進んだ後、天神尾根に乗っかると、
ここからは開放的な風景の中、楽しい雪山ハイクの時間になる。


左側に見えてくるのが俎嵓(マナイタグラ)からオジカ沢ノ頭の稜線。
これぞ迫力と精彩さとを兼ね備えた雪山の姿。


進む方向には、圧倒されるほどの谷川岳の山容。


ここで急斜面の下りがあって、少し渋滞が発生していた。
通過に5分ぐらい掛かったが、もう少し前方では密集して登山者が列をなしていたので、
その集団の中なら、もっと時間を要したに違いない。

渋滞待ちの間にじっくり眺望を楽しむ。
朝日岳、笠ヶ岳、白毛門には馬蹄形縦走で挑戦してみたいが、チャンスはあるかな?
手前に見えている西黒尾根も登らなくては。


渋滞のボトルネックになっていた急斜面を振り返ると、こんな感じ。
写真の左側は沢に向かって切れているので、ほんの少しだけ高度感がある。
この時はしっかりとステップもできていて、怖さは感じなかったけど、
雪の付き次第ではもっと難易度が高くなるかも知れない。


引き続き、大パノラマの尾根を行く。
尾根筋は風が強いかと思っていたのだが、このあたりは意外にも穏やかで、平和そのもの。


何度見ても美しくて、ため息ばかり出てしまう。


行く先の尾根道に見える行く登山者の列が、いい感じに撮れた。
この写真を見れば、谷川岳がいかに人気の雪山であるか分かるだろう。
翌日からは悪天候になるようなので、余計にこの日に集中したのも知れないけど。
それでも、ストレスになるような混雑ではなく、自分のペースで雪山歩きを楽しむことができた。
遅めのスタートになったけど、それが逆に功を奏したものあるかも。


上の写真の尾根の手前には、熊穴沢避難小屋がある。天神平からちょうど1時間だった。
小屋の埋もれ具合はこんな感じ。例年だとこれからもっと積もるようだ。
疲れは全くないので、そのまま歩みを進める。


避難小屋を過ぎて、このあたりからは風が強くなりはじめた。
スタート直後は歩いていると暑いぐらいでアウターを脱いでいたけど、さすがに寒くなって再び着る。


なかなかの急登が繰り返し現れるようになって、だんだんと息も上がってくる。
振り返れば、遠くに赤城山を望む。 


ひと際、キツイ急登を乗り越えると、森林限界を越えたのか、眩いほどの大雪原が広がっていた。
このあたりは西側からの風がかなり強くて凍えそうだった。


目の前の斜面を山スキーヤーが駆け下りてきた。
すごく恰好が良くて、シュプールも画になっていたのだけど、写真はイマイチだな…。 


俎嵓の高さにだいぶ近づいてきた。ここも真っ白の世界が美しい。


強風と急斜面に苦しめられながらも、一歩ずつ焦らずに登って行く。
頂上はもう近いはずなので、最後のひと踏ん張り。


そして、傾斜がなだらかになって肩ノ小屋に到着。 天神平から2時間とちょっとだった。
小屋の前は休憩する登山者で賑わっていた。
苗場山の方の眺望も開けて、風景はさらに開放的になる。


小屋の向こう側に広がるのは、オジカ沢ノ頭、万太郎山へと続く谷川連峰の主稜線。
風の通り道になっているのか、滝雲のような薄いガスがずっと掛かっていた。
左側に分かれていく俎嵓、川棚ノ頭の稜線の湾曲もいい感じ。


寒風吹き抜ける雪原に佇む指導標。
冬山らしい深い青色の空とのコントラストが、なんだかとても印象に残った。


肩ノ小屋から双耳峰の南側のピークで、トマノ耳までは、もう10分ほど登る必要がある。
夏には笹原が広がっているようだが、今は風紋が刻まれた緩やかな斜面を突っ切って行く。


12:00 谷川岳・トマノ耳
そして、12時ちょうど、トマノ耳に到着。
時間的にはあっけないといえる範囲内だけど、しっかりとした充実感。 


トマノ耳に立ってまず目に飛び込んで来るのが、オキノ耳へと続く稜線。
迫力があるけど繊細にも見える雪庇が続いている。
背後に真っ白な茂倉岳、一ノ倉岳も。


そして360°の大展望。
北東方面は笠ヶ岳、朝日岳。
その左奥、遠くに見えるのは越後三山の越後駒ヶ岳、中ノ岳かな?
右側は平ヶ岳。


山頂の高層湿原が有名な平ヶ岳を望遠で。


尾瀬方面の至仏山と燧ケ岳。


こちらは2年前の冬に登った武尊岳と日光白根山。


万太郎山、仙ノ倉岳まで続く谷川連峰主稜線。
稜線を超えていくガスは、さっきまでよりも密度が薄くなってきているようだ。
左奥には浅間山も見える。

 
山頂が平らな苗場山。
よく見れば背後に後立山もうっすらと控えている。


茂倉岳、一ノ倉岳に続くたおやかな稜線。


谷川主稜線をアップで。なんというか、荘厳ともいえる雰囲気を持っている。
この稜線はいつか、夏か秋に縦走してみたいと思っているのだが、
このアップダウンの繰り返しは、一筋縄ではいかなそう…


ぐるりと一周、眺望を楽しんだ後、オキノ耳へ向かう。
この冬の初めはなかなか寒くならなかったのでこんな感じだけど、
雪庇はこれからもっと巨大に生長するらしい。


さくさく歩いて15分で谷川岳・最高峰のオキノ耳に到着。
山頂標がかろうじて頭を出していた。


兎にも角にも、風が強くて、雪庇から舞い上がる雪煙がそれを物語っている。
じっとしているとどんどん体温が下がっていくので、とても長居はできない。
急ぎトマノ耳に戻ることにする。


岩には巨大なエビの尻尾が成長中。 


写真だけ見ると穏やかそうな風景だが、実際にはめちゃくちゃ寒い。
他の登山者がたくさんいるので危機感は感じないけど、ひとりだったら心折れそう…


いつの間にか主稜線のガスが消え去っていた。 


雪山が寒いのは当たり前のことで、だんだん最高の雪山ハイク♪ って思えてきた。
なかなか天気の安定しない山域で、これだけ晴れてくれたのは幸運かも知れない。
存分に楽しもう。 


トマノ耳の直下はシュカブラもできていた。


トマノ耳に登り返したあと、肩ノ小屋に緩やかに下っていく。
こうして見ると、この小屋、最高のロケーションに立っている。


凍てついた指導標。


半端ない寒さの中、ゆっくり食事するのも億劫なので、
風の避けられる小屋の影でパンをかじるだけの少し寂しいランチを済ます。

それにしても、2000メートル足らずしかないとは思えない風景が、相変わらず目の前に広がっている。
人が容易に立ち向かうことの許されない、神々しいまでの白銀の世界。
その入り口で、真っ白な世界の美しさに心震え、そして同時に冬の山々に対する畏怖を感じる。

また一歩、雪山の魅力に取りつかれてしまったかな。


昼食後、多少急げば、予定してたバスよりも一本早く帰れそうなので、ガシガシ下って行く。


美しき雪景色に別れを告げて。
午後になって陰影がはっきりしてきたことで、俎嵓は立体的な風景に。


谷川岳も少しまどろんだような感じに見える。
山頂の厳しい世界が嘘のように優しい表情だった。


1時間20分で天神平に下山できた。


アイゼンを外して、ロープウェイで麓に帰還。
ただ、乗ろうとしていたバスが冬ダイヤでは運行しておらず、16時発の便まで1時間以上、待つことに…
ベースプラザの食堂は休日にもかからわず、昼を過ぎたら営業していなかった。
バスの時間調整をする場合は、ロープウェイに乗らないで天神平のレストハウスがいいだろう。

ちなみに翌日からは悪天になったようなので、最高の日に登ることができて幸運だった。
最後にちょっとミスしたけど、今年は幸先のいいスタートが切れたかな?

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