November 20, 2009

親としての訓練

子供に「こんな風に育って欲しい」と望むこと、もちろんあると思います。

「自立した子になってほしい」
「心の豊かな子になってほしい」
「お友達と上手くやってほしい」
「理解度、吸収率の高い子になってほしい」
「とりあえず学校の成績を普通に修めてほしい」
「バイリンガルになってほしい」

じゃあ、子供が親に望むこと、考えたことありますか?

私…正直あまりありませんでした。
押し付けることにばかり一生懸命だったかもしれません。

それを考えるきっかけになったのが
Parent Effectiveness Training-親業訓練
です。
頭でっかちになるのがイヤで、子育てセミナーや育児書などは避けてきた私ですが、
縁あって、10月から親業の「訓練」を受けることになりました。

―子供をこう育てるためには、という勉強ではありません。
子供を変えるのではなく、親が変わるのです。

例えば 子供が今通っている習い事に「もう行きたくないの…」と言ったとします。
「あなたはどう返しますか?」
という質問があります。いくつか例があります。

1. (毅然と)ダメです。許しません。行きなさい!
2. (そろそろと)やめちゃったら、○○ちゃんに抜かされるし、出来なくなって辛いよ。困るよ。
3. (冷静に)じゃあ、しばらく休んでみる?それともお母さんについてってもらいたい? 
4. (きつく)なにバカなこと言ってるの!
5. (イライラとorぽんっと)あなたはひとつのことを、やり続けたことがないんだから!
6. (優しく)そうなの。やめたければやめてもいいのよ。
7. (心配して)何か嫌なことがあったの? いじめられてるの? 誰が原因?
8. (あっけらかんと)明日になれば、気が変わるんじゃない?気にしな?い。
9. (元気に)さっ、頑張れ頑張れ!お母さん応援しているから!

私だったら、どう言ってしまうだろうか?―
続けさせたい!という気持ちが強ければ強いほど、
親の権威を振りかざして、1タイプ(「命令」)のことを口にするかもしれない。
もうワケわかんなくなって、4みたいにうっかり「非難」したり、5みたいに「辱める」…のは、さすがに避けたいけれど、
イライラしながら、2タイプでじわじわ「脅迫」することも、ありうるかも。
あーいやだいやだ。これらの4つ、決して良くないのは分かります。

もう少し冷静に、どう対処すべきか?を考える余裕があるときは、
他のことを口にするかもしれない。

で、
7は…心配しているようで、実は「尋問」をしています。
8も元気付けているようですが、実は「ごまかし」ているだけ。どっちもよくありません。
3は「提案」しています。
6は「同意」しています。
9は「激励」
これらなら、良さような気がします。

…でも、全部だめなんですって。
上の「命令」「非難」「辱める」「脅迫」「尋問」「ごまかし」「提案」「同意」「激励」に加え
「説教」「理屈」「解釈」
これらは、親業では「お決まりの12の型」と呼ばれ、
「子供の心を閉ざす対応」とされるのだと知りました。
「どれなら、子供を救ってあげられるのかな?」と必死で考えていた私は、
それを聞いて思わず「ひや?っ」。

だって、習い事を「やめたい」と打ち明けた子供、
心が悩みでいっぱいいっぱいなんです。
それが溢れてきて、お母さんに訴えたわけですよね。
お母さんがしてあげるべきことは、それをすっと受け止めること。
「命令」や「非難」がそんな状態の子供の心に響かないのは、明らかだけど、
「尋問」されたって、辛いばかりで答えられない。
「提案」なんて受け付けるはずもなく、
「同意」や「激励」は所詮お母さんの気持ちを押し付けているだけ。

「やめたいんだけど」と白いボールをぽんと投げてきた子供に、
あれやらこれやら、違う色のボールを投げつける。
これがさっきの「お決まりの12の型」。
そうじゃなくて、
そのまま「そう。やめたいんだね」と白いボールを素直に返す―
それで、子供は受け止めてくれた!と感じ、初めてほっとする。
そう、子供がいつも親に望むのは
「聞いてもらうこと。気持ちを酌んでもらうこと」
ほっとすると同時に、心のガードがいらなくなった子供の思考は驚くほど進み始める。
つまり自分で解決策を考え始める。
これが、自立の第一歩なのだと言われました。
親が解決していては、いつまで経っても自立しないということです。

でも、「聞く」って思ったほど簡単なことではありません。
悩み相談は、相手の言ったことを復唱してあげるのが良い、
という話、聞いたことがありませんか?
でも、実践できますか?
本当に難しいんです。
そこで、「訓練」が必要になってくるのです。それが親業訓練。


パピーが学校から帰ってきて、おやつを食べる時間。
元気がない。うーん、声をかけようか迷っていたら、
「ボク、今日学校イヤだった…。」
とぼそっと言いました。
「12の型」はいかんっ!と心の中でセーブするも、どうしたら良いのか分からなくて黙っていたら、
「○○くんってすぐ怒るんだ。蹴ったりするんだ」
筋が通ったり、通ってなかったりする愚痴が続きました。
ああ?、もう??!!!!!
私の中に溢れ出る思い。

(「パピーがなんか怒らすこと、言ってんじゃないの」
「学校で、お友達を怒らすようなことや嫌われるようなこと、言っちゃだめだよ」
「どのくらいの強さで蹴るの?痛い?怪我していない?」
「いや、○○くんは、ちょんって小突いただけじゃないの?『蹴った』なんてオーバーなんじゃない?」
「仕返ししてない?」
「先生は知っているの?」
「イヤだってちゃんと言わなきゃダメだよ」)
も?、私の中で渦巻く、渦巻く。
そして、全てをごっくんと飲み込みました。

(今書きとめてみて、自分自身の連射にびっくりです!
こんなこと全部吐き出してたら、子供はたまったもんじゃないだろうなあ!)

カラーボールを投げずには済んだけど、白いボールを上手く返すことも出来ず、
ヘンに寡黙な母に???なパピーは、
「…遊びに行ってくるね」と、いつものようにとっとと外へ行ってしまいました。
私の修行は、まだまだこれからです。

パピーはというと、心なしかすっきりした顔はしていたけれど、何も解決しちゃいません。
それでもこの日、私は彼の思いを受け止めることだけは出来ました。

学校で辛い思いをしたんだね。
いっぱいになっちゃった心を、私に開いてくれてありがとう。

って、思いました。

私は、ずっとあの子の「母港」でありたい。
辛いことでいっぱいになったときは、ここに戻ってきて、すべて荷を降ろせるような。

そんな風に思います。

at 22:04│Comments(0)この記事をクリップ!息子のこと(iroiro) 

コメントする

名前
URL
 
  絵文字