JISかなは四段48キーにかなが配列され、日本語でよく使う拗音や母音が四段目にあることから打鍵範囲がとても広い。一方、親指シフトは三段30キーにかなを配列し、よく使うかなは二段目に集中しており打鍵範囲が狭い。(ローマ字は三段28キー、新JISかなは三段32キー)

JISかなは、50音配列が基本の旧配列を無理やり変更したので、配列に規則性や統一性がなく、指や手の移動が多い。一方親指シフトは、二段目に日本語でよく使うかなを人指し指から小指にかけて低減するように配列しており、指や手への負担が少ない。

この配列は早稲田大学での「頻出かな研究」を基にしており、よく使う日本語「かな」の6割以上を二段目に配置。三段目と合わせて9割を打てるようにしたものです。(JISかなでは概ね、一段目1.5割、2段目3割、3段目2割、4段目3.5割)

親指シフトの名前は、小指の位置にあるシフトキーに対して親指の位置に新たに設置するため命名されたものであり、唯一、入力時に遊んでいる?つまり変換・無変換やスペーキーしか担当していない親指を入力にも活用しようという発想から生まれたエポックメイキングなものです。

親指シフトは、1キーに「かな」2文字を配列したため三段に収まったものだが、この2文字を打ち分ける必要から親指の活用が考えられたのです。つまり、そのまま打てる「かな」(写真ではキーの下のかな)と、親指(シフトキー)と同時に打鍵するかな(写真では上のかな)を1キーに配置したわけです。

三段配列としたことで四段目に「かな」を配置する必要がなくなり、数字や記号がかなモードのまま打てるというおまけまで付いてきました。また、かな60種を配置してもキーに余裕が出たため、JIS配列ではシフト側にあった句読点をシフト側ではなくアンシフト側に配置し、そのまま打てることになりました。

唯一の欠点はWindows標準で搭載されていないことであり、エミュレーションソフトやドライバーをインストールしなければならない点です。しかしこれは最初だけであり、マスターすれば一生、快適な入力が楽しめます。(Linuxは標準装備)