August 20, 2010

ホントに初?

やけのはら / THIS NIGHT IS STILL YOUNG (2010)
_SS500_


やけのはら / Good Morning Baby (2010)
bpm:94


そう思ってしまうくらい、この夏届いたやけのはらの1stソロアルバム"THIS NIGHT IS STILL YOUNG"には所謂「処女作感」のようなものが、ない。今作にも収録されている彼のトラック「ロックとロール」が入ったコンピレーションCDや、七尾旅人との共同作業の末に生まれた傑作シングルに加え、レギュラーパーティーのヴァイヴが120%伝わる素晴らしいMIX CDを聞きながらこのリリースを待ったからでしょうか。

いずれにせよ90年代半ば〜ゼロ年代前半に「オルタナティブ」という言葉に触れた人間ならほぼ皆感じるであろう懐かしい質感を、このアルバムは与えてくれます(そしてその「オルタナティブ」は、J-POP含めた確固とした「王道」が存在したからこそ成り立ったことも教えてくれます)。DJシャドウのめくるめくサンプリングの世界の楽しさや、コーネリアスの描く雑多な子ども部屋のようなアルバム観を思い起こさせます。結果として今作、自分はクチロロの前作以上に、やけのはら自身が意図したという「生活の音」に包まれたアルバムになっていると思います。

個人的にはやはり、多幸感に溢れたリードトラック(アルバムでは最後に収録)と、"Rollin' Rollin' (Urban Soul)"がお気に入り。特にリバーブたっぷりのマスタリングをし直したとおぼしき後者は、圧倒的にカッコいい。その結果フューチャーされたサックスやスネアも粘っこいベースラインとの相性が良く、シングルバージョン以上に今回の方が好みです。

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そんな記念すべきアルバムをリリースしたばかりのやけのはらが、自分たちのパーティーに出演してくれます。

2010.8.22(SUN)
15:00-21:00
KOMPLOTT VOL.3@渋谷UNDERBAR
door: ¥2000(w/1D)

今週の日曜、しかもデイイベントというかなり変則的な開催ですが、お時間ある方は是非いらしてください。
自分は上でも書いたコンピCD"Perfect"のリリースパーティーで初めてやけさんのDJ(七尾旅人も参加していた貴重な機会)を見たのですが、まだダンスミュージックの世界に入りかけだった自分に、テックハウスのキラキラした魅力を伝えてくれた素晴らしい体験だったことを覚えています。
とにかくとっても間口の広い音楽であることは間違いないので、遊びにきてもらえると嬉しいです。

自分は16時ぐらいから回します。何かけようかなーワクワクします。



oasist1 at 17:28コメント(0) 

静謐なファンク

Marvin Gaye / A Funky Space Reincarnation (1978)
bpm:96


Live Ver.


1978年リリースのアルバム、"Here, My Dear"から唯一シングルカットされたのがこのトラック。モータウン社長の姉でもあった妻との離婚がテーマであり、その慰謝料稼ぎのためのアルバムであったという裏事情もあってか、アルバムの作りは"What's Going On"などと比べるとラフで、リリース当時の評判も決して良いものではなかったらしいです。(「真夜中のSong Book」参考

しかしながら現代のDJ(FRANCOIS K.、THEO PARRISH、国内ではDJ NOBU、DJ YOGURT)には好まれてフロア投下されるナンバーでもあり、バレアリック・クラシックと呼ばれたりも。このタルいBPMとタイトル、生楽器のみの仕様にも関わらず感じられるスペイシーさ等々が要因でしょうか。

オリジナルbpm以外でも、元々の33回転で限界まで上げてもいいですし、思い切って44回転で回しちゃうのも、ヴォーカルにフィルターがかったような効果があってアリかもしれません(最低ならbpm118程度)。ビートの細かいアフロビートものなんかと繋げれば、違和感なくいけそう。というかその行程こそが、アフロビートとソウルファンクの関係を端的に示しているのかな。

最近はこういった、自分を抑制しながらも熱さを十分に伝えてくれる楽曲に惹かれる傾向があるみたいです。

oasist1 at 16:22コメント(0) 

July 21, 2010

和風キメ

Calender / Comin on Strong(1976)
bpm:115


オリジナル盤に関してはこちらぐらいでしか情報を確認できず。どうやら楽曲だけでなくバンド自体も相当マイナーな存在だったようです。1983年、シカゴ<ウェアハウス>からFrankie Knucklesが去った後を居抜く形でRon Hardyが<ミュージックボックス>を開いてから、彼の定番トラックとして使われたことがこのトラックの転機となった模様。彼を後追いする形でTheo ParrishやRahaanがヘビーローテに乗せ、それを受けてJamie 3:26がre-edit盤をリリースし…という流れか。

BPM的にも様々な展開で使えるし、曲の構成自体も単純明快な中でビートの前ノリ・後ノリの使い分けや随所で入る16分のキメも格好良いし、有り難いです。re-edit盤は特にギミックが加わるわけでもない所謂長尺バージョン。元の作りが非常にシンプルなだけに、その良さをそのまま残したこのre-editには好感を覚えるDJの方が多いのでは。



oasist1 at 05:25コメント(0) 

July 16, 2010

失恋ソング

Harold Melvin & The Bluenotes / The Love I Lost (1973)

Super Disco Blend (Dimitri From Paris)
Ugly Edits Vol 2 (Theo Parrish)


日本大好きなフランス人DJ/プロデューサー、ディミトリがビバ!フィリーソウルなミックスを先日リリースし、それに合わせてご丁寧に使用トラックをそれぞれ別個にLPプレスまでしてくれました。先週末はその記念パーティーがairで開かれてた模様。
そのLPをレコ屋で買い求めた際に、よもや出会えるとは思わなかったUgly Editsシリーズの中で屈指の出来映えとも言われるvol 2に出会ってしまい、同一曲の別ミックス…どうしよう…と悩んだあげく双方お買い上げしてしまった…という散財話。いや、でも極め付けの「イイ曲」です。パーティーの最後にかかってしまったら最後のコーラスの節回しと共に多分泣いてしまう。これに限っては特に、ボーカルが素晴らしい。5人組ボーカルグループによるディスコ・チューン、という枠を超えてダニー・ハサウェイばりの精神性の高さというか、商魂とは別のソウルをひしひしと感じます。笑

もうなんかフィリーソウルばっかり聞いてる人みたいになってきましたが、そろそろ時代を一歩先に進めてみてもいいのかな。

oasist1 at 00:04コメント(0) 

July 12, 2010

もう4年

曽我部恵一/LOVE CITY [2006]
200_45lovecity


M-2 「3つの部屋」


自分がここ数回上げつらっているような音楽を聴くきっかけの大半をモチベートしてくれたのはこのアルバムだったと思う。本当に良く聞いたし、今でも聞き続けています。レコ屋でLPを見つけたら迷いなく購入するだろう(まだ出会えていない)し。気付いたらこのバッキングパターンと強弱が生活リズムの一つになっていて、都市を起点にした音楽の聴き方を自分は身につけていたような気がします。アルバムタイトルはスライ、M-1タイトルはフィッシュマンズ、か。

曽我部恵一はいつだって指針を示してくれる。ほら、この夏も

oasist1 at 05:09コメント(2) 

July 10, 2010

カンフル剤

MFSB / Summertime [1976]
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A-4 "Sunnin' And Funnin'"


MFSBと言えばサルソウル・オーケストラの前身となった70年代ソウルを代表する一大集団であり…とかなんとか、形容の仕方は幾つもある偉大なバンドですが、彼らが裏方に回らずクレジットを前面に出して作り上げたこのアルバムは、凄い。そのメンバー構成と同じく多彩で雑食性の高い(でも洗練されてる)楽曲の数々を受け、A面だけでもうめちゃくちゃにテンションを上げてくれます。中野のユニオンで何故か300円くらいで購入。出回り過ぎているからなのか、値付け間違いなのかはわからないけれど、ありがたやありがたや。特にお気に入りはA-1"Picnic In The Park"、A-4"Sunnin' And Funnin'"、B-1"Summertime And I'm Feelin' Mellow"。

oasist1 at 15:18コメント(0) 

July 05, 2010

ジャニス!

Skip Mahoney / Janice (Don't Be So Blind To Love) [1980]


先日吉祥寺バウスシアターにて「ソウル・パワー」爆音上映を観に行ったりと、ここのところブラックミュージック全般を本当に無理せず自然体で聞けるようになってきています。加えて喜ばしいことに、レコ屋さんに通う頻度も今まで以上になっている気がします。偶然の出会いを含め、音楽脳を鍛える上で一番の教室はやっぱりレコ屋さんだと実感中なのです。あとは各楽曲の楽しみ方を知っている「先輩」がいれば、これ以上求めるものはありません。

そんな流れで前回同様渋谷ユニオンのダンクラ棚を漁っていたら発見したアグレッシヴなディスコナンバーが、Skip Mahoney / Janice (Don't Be So Blind To Love)です。正確にはサルソウルプレスのオリジナル12inchではなく、Gil Scott-Heronによる不世出の大名曲"The Bottle"(サルソウルレーベルが初めてリリースしたシングルはジョー・パターンによるこの曲のカバー)とのカップリングの体裁を採った後発編集盤(正しい表現なんだろうかこれは?)でした。粘っこさもありつつちょっとアーバンソウルっぽいクールさを兼ね備えているのは80年という時代のなせる業(70年代ディスコのオーケストラサウンドから打ち込み/ハウスへの過渡期)か。日本人が入って行きやすい。カッコいいですね。この手のオケが無理せず入るのもこのBPMが上限という印象。

で、御茶の水にある大概の在京ミュージックラバーがお世話になった経験のある某レンタル屋さん、あれの語源は多分、この曲にあると思う。(違ったらごめんなさい)



oasist1 at 03:14コメント(0) 

June 18, 2010

「ブラコン」

Herbie Hancock / Lite Me Up (1982)


「ハービーハンコック」という言葉が大概の人々に与えるイメージを大きく裏切るであろう1982年発表、同名のアルバムからのシングルカット。ブラコンという言葉で語られることが多く、一聴してEarthやXTCあたりを想起させる所謂80年代サウンドである。そう、この時代はニューウェーヴ/ポストパンクとブラックミュージックが自然に親和性を保っていた奇跡のような時代でもあった。特にこのトラックの作曲はロッド・テンパートン(スリラーの作者)なので、その権化のような存在による優秀なAORだとも言える。

あーハービーって、こんな普通にポップスとして優秀な曲も作ってたんだ!!という衝撃を与えてくれた1枚@渋谷ユニオンのダンクラ棚にて。

oasist1 at 03:25コメント(0)REMARK 

March 15, 2010

クロスオーバーを死語として捉えないために

_SS500_【名前】Jukka Eskola
【題名】Jukka Eskola
【発売】2005年05月
【評価】★★★★★

今日のエントリーのタイトルは完全に自分への戒めとして。

友人から教えてもらった音楽を喧伝するのもどうかと思うのですが、いやはやこれは最近聞き込んできた無数の音楽(前回のエントリーにも書いた通り、ここのところ作為的にも無意識の内にも音楽の聞き方やアンテナの張り方を変えています。今までならタブー視していた部分を解禁してみたり)の中でも相当に衝撃的です。音楽そのものの口当たりがスムースなので、余計に衝撃なんだと思います。それが70年代的と言われる由縁(自分の中ではAOLやフュージョンと直感的に繋がりました)であり、「クロスオーバー」感覚の発露なんだと言われれば何となくわかった気と共に納得してしまいそうです。

このアルバムのリーダーであるユッカ・エスコラはトランペット/フリューゲルホルン奏者。一昨年の新譜リリース時にremix誌で巻頭特集が組まれたのも記憶に新しい、今や北欧を超えてユーロ・ジャズの代表格となったと言えるFive Corners Quintetの一員でもあります。詳細且つ明快で素敵な解説はこちらで自分も勉強させてもらったので、自分個人のリスニングポイントに絞って述べるなら、やはりフリューゲルホルンのフューチャーっぷりを挙げます。フリューゲルホルンはトランペットに似た楽器ですが音色の柔らかさに長があり、どちらかと言えばクラシックで多用されるもの。この楽器のジャズ方面への採用が、リバーブたっぷりスモーキー、なのに細かくクランチされた音の粒が見える気がする程クリアな現代北欧サウンドプロダクションと相まって、ただのFMラジオフレンドリーなクラブジャズに留まらない70sのアップデートに奏効しているのは間違いありません。白眉はやはりM1"Introduction"からM2"1974"の流れ。インディーロックリスナーからするとローズレコードの曽我部恵一ソロ作とホテルニュートーキョーを彷彿とさせる、アーバンソウルとジャズファンクの邂逅。ホントに素晴らしい。サンプリングを上手に処理したM1があるからこそM2のエレピ+フェンダーローズのユニゾンから始まる冒頭がベタにならないという意味で、このM1はアルバム全体の、だけではなくM2のIntroductionの役割も果たしているんだと思います。そしてこのシングル曲を聴いて改めて思うのは、ユッカはリーダー/アレンジャーのみならずプレイヤーとしても本当に優秀だということ。高音の抜けがキツくなくて全く持って気持ちよいし、もう1ホーンのサックスプレイヤーがホットなプレイをするのを受けて自分は吹き切り過ぎない点も見事。絶対早いパッセージ吹き切るテクも持ってるのに。更にもう1曲12インチカットされたというM5"Buttercup"も。ホーンは勿論、リズムセクションに完全に持って行かれます。これ落とすDJが東京にいるなら絶対知りたい踊りに行きたい。

FCQの最新作リリース後にソロ次作もリリースされていたらしく、こんなブログパーツも取扱レーベルから公開されていた模様。ということは日本でも相当人気があるということの証拠。また来日してくれる機会もあるでしょう。その時はブルーノートでもなんでも、駆けつけたいものです。金貯めておこう…



oasist1 at 01:11コメント(1)REVIEW (with rating) 

February 25, 2010

ひとりヨラテンゴ状態

昨日代々木laboでのカガトシユキのライブを録ってみました。
iPhoneからの録音でこの「たゆたい」です。
実際には音が潰れるどころか軽く一人でアメリカと日本のオルタナティブをブリッジしちゃってます。
彼を見ると、シーンなんてある一人の確固とした信念の前では、そこでは、確実に無力化するなと驚愕することが多いです。
その分、その個は数多くのことを引き受け、消化して、解釈して、それでもって進み続けなければいけないことは無論言うまでもありません。
是非最後まで聴いていただきたい。

リビドー / カガトシユキ


ルーザー / カガトシユキ


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明日はswingの4回目です。

最近はDJとしてすっかりバックカタログも考え方も混乱してますが、今の自分がやりたいこと、楽しみたいことってなんだろうね?という至極単純な問いに立ち返ってやりたいなと思ってます。

ロック、ジャズ、ファンク、ディスコ、ハウス、テクノ…聞きかじった音楽の統合の方策(人によってはそれをブラックミュージックの奥深さと言うのかもしれません)に感づき始めた日本人がそれでも演る(DJだってそれはアーティストと変わりません)音楽って何やねん、なんてニッチな悩みを抱いている方、既に答えに行き着いた方は是非声かけて下さい。一杯奢ります。笑

Roy Ayers / Tarzan (Ame remix)




oasist1 at 20:35コメント(0)EVENTLIVE 
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