今から4か月前の2月10日、1年半もの時間をかけた審理を経て出された、NHKスペシャルの放送には名誉毀損の人権侵害が認められるという決定に対して、NHKは脊髄反射で「人権を侵害したものではない」と言い張って、勧告の主旨も理解出来ないのかと呆れるほど支離滅裂な反論でBPO(放送倫理・番組向上機構)の決定にケチを付けましたが、そのNHKから先月9日付でBPO勧告に対する「対応報告」が提出されています。
3.「STAP細胞報道に対する申立て」 NHKの対応報告
本事案で「勧告」として「名誉毀損の人権侵害が認められる」との決定を受けたNHKから、対応報告(5月9日付)が委員会に提出された。
報告内容について意見が出され、次回委員会でさらに検討のうえ対応を決めることになった。
http://www.bpo.gr.jp/?p=9098&meta_key=2017
BPO勧告では、編集上の問題つまり事実と事実の繋ぎ方に悪質な印象操作があったために名誉毀損の人権侵害に当たるという厳しい勧告が出されたのに対して、「事実を積み重ねたので人権侵害ではない」というまるで反論の体を成さないトンチンカンな反論をしてしまったNHKが、自分達が制作した番組の問題点と向き合わないまま、いったい何をどのように「対応」すると言っているのか非常に気になるところです。BPOでは『報告内容について意見が出され、次回委員会でさらに検討のうえ対応を決めることになった。』とのことですが、NHKは自らの過ちを認めていないのに、反省も改善もあったものではないでしょう。
BPOで審理されたのはNHKスペシャルですが、NHKはその他にも2015年3月20日と3月24日にも悪質な印象操作報道を行っており、NHKはもともとSTAP細胞問題に関する基本的な報道姿勢に問題がありました。弁護団から抗議声明も出されているこの報道に関しては、有志の会からは公開質問を出していますが、NHKは抗議声明にも公開質問にも完全無視の構えを貫いています。
『NHKの報道に対する公開質問』
http://blog.livedoor.jp/obokata_file-stap/archives/1023340333.html
印象操作報道に対する弁護団からの抗議声明
https://www.bengo4.com/other/1146/1307/n_2921/
こうした経緯があった後にBPOへの小保方晴子さんからの人権侵害申し立てとなっていて、つまり直接の抗議を無視したNHKについて放送倫理を審査する第三者機関BPOに直訴して、やっとSTAP報道に問題があったと認定されたはずでした。ところが、1年半に及ぶ審理の末に決定された委員会勧告に逆らうというNHKの無法な振る舞いに対して、BPOから声明を出すこともなく未だに何のアクションも起こしていない状況です。
そもそもNHKから委員会に提出されたという「対応報告」の内容も直ちに公表する必要があったのではないでしょうか。BPO委員が容認できる中身でないために決着がつくまで公表を控えるということかも知れませんが、BPOには強制力がないので、NHKがこのままBPO勧告を無視した形でウヤムヤに終わらせることもあるのではないかと危惧しています。
NHKは公共放送局であり、視聴者=国民に対する説明責任があるはずです。この問題は個人に対する人権侵害の問題であると同時に、事実を歪曲して報道した「報道倫理」の問題であり、NHKの対応報告は本来は国民に向けて出されるべきものです。番組クレジットを出さずに制作関係者を匿名化して個人攻撃をした異常な番組が、どのような経緯で制作されたのかをちゃんと調査して説明しなければなりません。しかしNHKはBPOの人権侵害認定を受け入れない表明をしたきり、一向に視聴者に対して責任を果たす様子がありません。マスコミがNHKの人権侵害問題について沈黙を続けているお陰で、NHKは手の付けられない無法者に成り下がっているようです。
それに対してBPOがどのような対応を取るのか、BPOが出す結論を待ちたいと思いますが、その際にはBPOは、勧告を受け入れなかったNHKとBPO委員との間で交わされた議論の詳細を公開して、NHKの対応を国民のチェックの目に晒す必要があるでしょう。






