238
本当にあった怖い名無し2012/02/22() 16:56:20.10 ID:+xdZHQiG0

ある山中にダム湖があって、そこまで舗装道路が続いている。
 

その先にも県境になっている山を越える道路はあったが、

路面状態がよくなく、交通は少ない。

僕は友人と二人、バイクで峠を越えるつもりであったが、

その日は通行止めになっていたため、

ダム湖のほとりで野宿をすることに決めた。

 

 

239 本当にあった怖い名無し2012/02/22() 17:02:24.77 ID:+xdZHQiG0

それは何時くらいのことかよく覚えていないが、

8時か9時でもかなり夜更けのように感じるものだから、

まだ結構早い時間だったかもしれない。

5,60mほど向こうに、

貸しボート屋の看板を掛けた三階立ての民宿があった。

その前に軽トラックが停めてあるのだが、

その横に手をつないだ小さな子供と母親らしき人影が見えた。

 

騒いだつもりはないが、

山中なので話し声が少しうるさかったかな?

と思い、友人に

「近くに家があるから、少し声を抑えよう。」と言った。

 

 

240 本当にあった怖い名無し2012/02/22() 17:07:47.85 ID:+xdZHQiG0

友人は、無人に見える電灯の灯らない民宿を見ながら

「人いますかね?」と答えた。

僕は、ほら、と言うように

顎先を親子の人影に向けて目線を送った。

親子の人影はさっきよりも

少しこちらに近づいているように見えた。

 

「何かいますか?」

友人には見えていない様子だった。

人影は、まさに、「影」という感じで、

全体に輪郭もぼんやりしたものだし、濃淡のないものだった。

あ、これは違うな・・・

そう思って「いや、何でもない」といった。

人影は、また少し、こちらに近づいていた。

 

 

241 本当にあった怖い名無し2012/02/22() 17:15:05.63 ID:+xdZHQiG0

「ひょっとして、怖い話しをしようとしてませんか?」

「そういう訳じゃないが、もしかして苦手な方か?」

「嫌いじゃないですが、あまり得意じゃないです。

ここ、ちょっと怖い感じがしますよね。

もしなにか出そうなときは言って下さいね。」

 

友人は恐がりな質らしく、些細なきっかけで怯え始めた。

僕は、いつもなら驚かせて楽しむ事が多いのだが、

「引き返しましょう」と言われるのが面倒だったので

人影についてはふれないでおいた。

そして、人影はまた少しこちらに近づいていた。

 

 

243 本当にあった怖い名無し2012/02/22() 17:24:09.02 ID:+xdZHQiG0

少しずつ近づいてくる親子連れの人影を、

さすがに僕も気にしていた。

面倒くさがらずに移動した方がいいかもしれない。

沸かしたばかりのお湯で作った紅茶をすすりながら

ちらちらと影を気にしていた。

不思議と恐怖はあまり感じなかった。

何かの見間違いかもしれないとも思った。

だから、その時点では撤収は本当に面倒くさかった。

 

しかし、友人は一点を凝視し始めた。

「どうした?」

「いえ、○○さん(僕)がさっきから気にしてるのは、

もしかしてあれかなと思いまして・・・」

 

 

244 本当にあった怖い名無し2012/02/22() 17:30:06.21 ID:+xdZHQiG0

「何か見えるの?」

「いや、気のせいかもしれないですが、何となく・・・」

 

「幽霊とか、見える方?」

「いえ、ぜんぜん。今まで一度も見たことないです。」

 

「じゃあ、今なにが見えてるんだ?」

「そうですね・・・何となく、親子連れのような・・・」

「そうか、じゃあ、きっと見えてる。

俺もあまり見える方じゃないが、今同じものが見えているよ。」

 

「じゃあ、あれ、お化けですか?」

「本物の親子連れなら二人で見えてもおかしくないだろ?」

「いえ、たぶん違うと思います。」

「やっぱりそう思う?あれね、じつは最初に見えたときより、

こっちに近づいてるんだ。」

 

 

245 本当にあった怖い名無し2012/02/22() 17:38:26.32 ID:+xdZHQiG0

「え~!こっちに来てるんですか?帰りましょう!

どこか明るいところに移動しましょう!」

友人はやはり騒ぎはじめた。

「そうするか。」

コッヘルのお湯を捨ててストーブを片づけ、

広げていた寝袋を丸めた。

 

ふと目を向けると、親子連れの人影はもういなくなっている。

「おい、まだ見えるか?」

「いえ、もういませんね・・・消えてくれたのかな?」

そう答えた友人の方を振り返ると、

友人の真後ろに人影がいた。

僕は思わずギョッとして彼の背後を見てしまった。

友人は僕を見て、思わず背後を振り向いた。


 

246 本当にあった怖い名無し2012/02/22() 17:46:36.59 ID:+xdZHQiG0

人影にははじめて表情があった。

女性であったが、

身長が180近い友人を見下ろすような顔の高さだった。

目を大きく見開き、口を堅く閉じていた。

「ぐわ~~!!」

と叫びながら手に持っていたものをすべておとして

尻餅をついたというか、跳ね飛んだというか、

怪我をしかねないような転び方をした。

 

僕は、グッと息が詰まり、動けなかったが、

友人が僕の足下に転び込んできたので、

とっさに手を出して支えようとした。

そのわずかな隙に、女性の顔は消えていた。

 

静かな夜に戻ったけども、僕と友人は寝ずに家路についた。

落ちはないけども、本当に怖い体験だった。

 

 

249 本当にあった怖い名無し2012/02/22() 19:45:18.52 ID:XNZVU8qd0

怖いなぁ。

で、その長身の女性が連れていた子どもはどうなったの?

 

 

251 本当にあった怖い名無し2012/02/22() 20:09:40.44 ID:+xdZHQiG0

子供の方はどうしたのかわからない。

最後にみたのは女性の肩から上だった。

 

そこで何があったのか、

何がしたくて僕たちに近づいたのかはわからないが

たまたまそこにいた、というよりは

こちらの存在を意識しているかのようなあらわれかたで

しばらくは祟りでもありかねないと思いびくびくした。

 

 

254 本当にあった怖い名無し2012/02/22() 23:46:17.67 ID:lSODn1Rq0

長身じゃなく肩から上が浮いてたってこと?

 

 

257 本当にあった怖い名無し2012/02/23() 15:00:02.23 ID:SYLoeq5/i

238です。

書きっぱなしの推敲無しであるため、

様々に疑問を生じさせ、申し訳ない。

親子連れの人影は、

その様に見えていたときはただ黒い影のように見えており

全体的な印象は、小学校修学前、

おそらく45才の子供とその母親のような佇まいであった。

 

友人の背後にあらわれた時に、女性であることがわかった。

長身というよりは、浮いているような感じであると思う。

 

 

256 本当にあった怖い名無し2012/02/23() 12:02:21.34 ID:vvsKEPWAO

友人なのに敬語口調なのが気になる

年下とか後輩?

 

 

258 本当にあった怖い名無し2012/02/23() 15:08:27.96 ID:SYLoeq5/i

また、友人が僕にたいして敬語を使う理由だが

正確に言えば、彼は当時職場の部下であった。

バイクという共通の趣味があったことで

公私を通じて交流があったため、

不要な説明を省く意味合いから、友人と表記した。

 

尻餅をついたのは友人の方であり

僕は女性の顔を見た瞬間に硬直し、動けなかった。

僕の目線を追って振り向いた彼は

顔が近かったこともあってか、

おそらく本能的に距離をとろうとして

僕の方に飛び転げてきた。


 

259 本当にあった怖い名無し2012/02/23() 15:15:00.31 ID:SYLoeq5/i

尚、常態による端切調の文体が、

諸兄に対していかにも生意気であるが、

快適とは言い難い入力環境のため

エネルギーの節約を意図したもので他意はなく、

ご容赦頂きたい。

 

 

260 本当にあった怖い名無し2012/02/23() 15:37:00.97 ID:SYLoeq5/i

蛇足であるが、僕は若いころからアウトドア志向であり、

野山に出向くことが多く、

それなりの体験をしたり聞いたりすることも多かった。

連続投稿は否定的人物や懐疑的な人物を

刺激し荒れるもとになると思い、投稿を控えている。

 

もし需要があれば、暇をみて投稿したいとは思うが、

当事者以外にはあまり怖くはないものが多い。

文末になったが、レスを有り難う。



∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part60∧∧

http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1329163799/