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本当にあった怖い名無し2012/02/21() 22:29:43.68 ID:Naj81WHa0

民話収集してるが、岩手は遠野市に通いつめる渓流釣り師、

その内の、少なくとも二人から聞いた話は印象に残っている

遠野市の山峡には時折ヤマセがやって来るが、

このヤマセの中で、ときたま

ざわざわとした何者かの声を聞くという
 

ヤマセとは、春~夏に太平洋側からやって来る冷湿な風で、

このヤマセが来ると遠野盆地は

まるでドライアイスの煙の中に沈んだように、

とっぷりと白く覆い包まれる。

特に標高の低い谷川などには滞留するそうだ

日によっては手を伸ばすと掌が見えなくなるほど

霧が濃い場合もあり、遠野に通う釣り人には、

これに出会って山中に立ち往生を余儀なくされた人も多い

 

そして、このヤマセの中では

人の声が聞こえる場合がある、という。

自分が話を聞いた二人の話に共通しているのは、

それが決して薄気味悪いものではなく、

どちらかというと賑やかで、大人数の人間が寄り集まって

祝宴を開いているような音なのだという

 

自分が話を聞いた一人は、釣りをしている最中にヤマセに会い、

クルミの木に背を預けてじっと霧をやり過ごしている最中、

がやがやとした人の声、カチャカチャと食器がこすれ合う音、

神楽囃子の音が聞こえてきて、

正気を保つのに必死だったという

 

また別のひとりは、

ヤマセの中で一心不乱に釣り続けている最中、

やはりこそこそと話し合う複数の人の声を聞いたそうだ

声の主が冗談を言い合って

くすくすと笑いあう声まで聞こえたそうで、

彼はこの声の主を山の精霊であろうと言っていた

 

 

 

声の主の素性、発生条件等はわからないが、

なんだかちょっとロマンあふれるなぁと思った話

ヤマセは一体何を運んでくるのだろう



∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part60∧∧

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