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本当にあった怖い名無し2009/08/26() 18:08:00 ID:pL/6U0Xv0

全然、怖くない話。

 

俺が18歳から19歳にかけて浪人暮らししてた頃、

東京の親戚の家の離れに暮らしてたことがある。

12畳ほどで、トイレと小さなキッチンはついているが、

風呂は母屋に借りに行かなければならない。

でも、一応、クーラーはついてるし、

冬は冷えたが灯油ファンヒーターもあった。

なによりテレビがなかったので、

テレビっ子な俺は勉強がはかどった。

朝起きて予備校行ったら夕方まで帰ってこないわけだし、

寝るだけの部屋としては十二分だった。

 

異変というか、変だなと思い始めたのは、

暮らし始めて1か月半ぐらい経ち、梅雨になった頃。

夕飯を食べ、風呂を浴びて、

それから2時間ほど机に向かっていると、

背中の方で気配がする。

ラジオを聞いてると気にならないんだが、

その日はたまたまラジオの電池が切れてたんで

無音でやっていた。

どうしても背中の方の気配が気になって

仕方がないので、後ろを振り向いたら…

 

見たこともない和服の婆さんが針仕事をしてた。

静かにちょこんと座って、

正坐して背中を丸めながら、チクチクと。

 

俺は何が起きたか全く分からない。

本当に婆さんが静かにそこで針仕事をやってるだけ。

表情も穏やかで、怖くもなんともない。

髪の毛も乱れひとつなくちゃんとしてる。

和服もちゃんとしてて、灰色っぽい感じの着物に、柿色の帯。

 

 

318 本当にあった怖い名無し2009/08/26() 18:09:18 ID:pL/6U0Xv0

俺が茫然として眺めてたら、婆さんが振り向いて、

オヤ?という表情をしたかと思ったら、

スゥーッと姿が薄くなって、

煙のように部屋の角に消えていった。

 

婆さんが消えた瞬間に、

俺は驚いて「うわああああ!」と叫んで母屋へ行った。

 

母屋で叔父と叔母に慌てて説明すると、

叔母はウンウンと冷静に話を聴いた後、

「ああ、死んだ婆さんが遊びに来たのかね」

聞けば、その離れは10年前まで婆さんが遣っていたとのこと。

叔父叔母と一緒に仏壇の間に行ってみると、

そこには、さっきの婆さんの笑顔の写真が飾ってある。

とりあえず、その夜は離れで泊まり…

 

その後もきっちりと丸1年間、離れで浪人生活を送りました。

次の日から、朝食を食べに母屋へ行くと

仏壇に手を合わせて「おはようございます」。

予備校に行く時は仏壇の前で手を合わせて「行ってきます」。

予備校から帰ってきたら「ただいま」。

で、たまに自分用のお菓子を仏壇にあげたり。

寝る前は、婆さんがいた一角に頭を下げて「おやすみなさい」。

 

その後、5回ほど見掛けたんだが、

月命日の毎月28日に現れてた。

見た目が生きている人間と全く変わらないし、

一応は肉親だったから怖くなかった。

幽霊というのを見たのは初めてだったけれど、

あまりにも普通にそこに存在するので、

「あ、いるな」って感じ。

 

唯一、困ったのはオナニーする時ぐらい(笑)。

誰かがいると思うと、

なかなか出来ないもんだよね、どうしても。

まあ、それもオナニーを控えめにして、

勉強に集中できたから良かったのかもね。

第一希望の大学に受かった時は、

あの婆さんのおかげだと思った。



一人暮らしの怖い話・・・part20

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