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「山奥の村」2012/07/14() 18:35:56.05 ID:DiuWV/qV0

休みの日にドライブするのが趣味です。

特に山方面の酷道をのんびり探索するのがおもしろい。

7月初めの曇りの日、諏訪湖の方角に行ってみた。

長野に入った辺りから雨が降り出して視界が悪くなった。

このままでは危ないので引き返そうと思った。

どうにもUターン出来そうな場所が無く、

仕方なく脇道に入り大回りする。

が、どんどん道が細くなり

行き止まりになるのではないかとハラハラした。

峠を越えて下りになった。

急なカーブを何個も通過し、集落に辿り着く事が出来た。

少し広い場所に片寄せてナビと地図を確認する。

この先数キロで幹線道路に出られる。

よし、行くべ!

多少のスリルが味わえたことで高揚し、いい気になっていた。

 

走り出してすぐに「ゴンッ」と前輪が跳ね上がり、

ガリガリと底を擦る。

ブオーンッ!!と空転した。

側溝が道を横断していて、その蓋がほとんど割れていた。

前輪が二つともハマり、車体が地面にへばりついていた。

 

 

256 「山奥の村」2012/07/14() 18:40:29.53 ID:DiuWV/qV0

バックしたり、ハンドル切ったりしてみたが全くダメだった。

青くなりながら、最終手段のJAFを呼ぶ事にした。

しかし、携帯が繋がらない。

ハザードつけっぱなしにして集落の方へ戻ってみる。

携帯の電波が届くかもしれないと思った。

圏外表示が消える事無く、

おそらく集落の中心であろう所まで来てしまった。

こうなったら何処かで電話を借りようと周りを見渡すが、

人が居る気配が無い。

 

段々畑のすぐ上の農家が一番近い。

不審人物に見えないようにでかい玄関にたどり着く。

「すみませ~ん。」

「ごめんくださ~い。」

反応が無い。

縁側の方にまわってみる。

そこでもう一度呼びかけてみるが、やはり反応が無い。

 

 

257 「山奥の村」2012/07/14() 18:41:35.34 ID:DiuWV/qV0

道の向かい側にも古い農家があるのに気がついた。

こんどはそっちに助けを求めてふらふらと近づく。

「すんませ~ん!」

ごめんなさーい!もしもーし!

一瞬、台所らしき窓に人影が見えた気がした。

御老人がおられるようだ。

良かった、人が居た。

 

玄関にたどり着いてギョッとした。

扉が完全に外れて内側に外側に倒れている。

(昨日今日壊れたものでは無い)

中も埃まみれで下駄箱の上の置物やら何やらが散乱している。

 

怖くなって後戻りし、

携帯のアンテナが2本立っている事に気がついた。

そのおかげでJAFに連絡でき、1時間程度で隊員が到着した。

JAFの人は黙々と脱輪からの救出を行ない手続きをしてくれた。

 

 

258 「山奥の村」2012/07/14() 18:42:44.61 ID:DiuWV/qV0

礼を言って、そのままの道を行こうとすると

隊員はあわてて話しかけてきた。

「この先は通行止めですよ」

「あ、そうなんですか?」

「もうこの道は廃道で、

無くなる予定ですから来た道から戻って下さい!」

「・・・あ、そ、そうなんですか・・・」

 

「もしかして、酷道ハンターとか言う方ですか?」

「いえ、違います。似たような事してた訳ですが・・・」

「気をつけて下さいね、ここは熊とか出ますから」

「は、はい・・・熊ですか!」

 

JAFの車に付いて山を下りながら考えていた。

オレが見たのは・・・

今でも謎のままである。



ほんのりと怖い話スレ その86