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本当にあった怖い名無し2013/04/06() 02:28:04.45 ID:RyixD4li0

実体験、投下させてください。

あんま怖くないけどごめんね

413 :本当にあった怖い名無し:2013/04/06(土) 02:28:35.55 ID:RyixD4li0

中学生の頃、

家が近いのでいつも学校から一緒に帰る友達がいた。

ちなみに自分女、友達はユキ(仮)といって、

幼馴染の女の子。

 

中学から家までは、大体歩いて三十分ぐらいの距離だった。

帰るには色んなコースがあって、

今日はこっちから帰ろうとかあっちから帰ろうとか、

バリエーションを楽しむのが日課だった。

私とユキは部活も一緒で、

その日も部活終わりに二人で帰路についていた。

 

季節は秋で、まだ夕方と呼べる時刻だったはずだけど、

辺りは暗くなり始めてた。

日が沈んだ直後の、空気が青い時間帯って言ったら分かるかな。

いわゆる逢魔が刻ってやつ。

 

その日は数あるコースの中から、墓地に沿った道を選んだ。

別に珍しいことではなく、よく通るコースの一つ。

左手が階段状に、斜面に沿ってずらっと墓石が並んでる。

右手は地元で有名な、某進学高校の長ーい石垣。

 

いつも通る道だし、

木が綺麗にはえてて静かないい所なんだよ。

不気味だとか、互いに少しも思ってなかったと思う。

少なくとも自分はちっとも、墓地だとか意識してなかった。

道は墓地の前を百メートルぐらい通る。

アスファルトで舗装された綺麗な道路を

二人で雑談しながらてくてく歩いてたら、

十メートルぐらい向こうの道の真ん中に、

黒くて小さい何かがいた。

 

 

414 :本当にあった怖い名無し:2013/04/06(土) 02:29:15.30 ID:RyixD4li0

辺りはもう薄暗いし、はっきりとは見えなかったけど、

私は「お、猫がいるー」って言いながら近付いていった。

黒猫だと思ったんだよ。

地面に、ちょうどそれぐらいの大きさで、

かすかに動いてて、ふわふわに見えたんだもん。

 

舌をちっちっと鳴らしながら呼んだのね。

「こっちこーい」とか言いながら、

しゃがもうとして腰を曲げた。

そしたら、ユキが急に後ずさりし始めて、

「ねえ、それ、猫?」って言い出した。

 

「へ? 猫でしょ」

って言いながらすぐ近くまで寄って、

覗き込むと、なんと猫じゃなかった。

なんか、毛の塊だったんよね。

説明が難しいんだけど、真ん中部分を中心に、

すごい勢いで大量の長い毛が回転してた。

で、回転してる毛の流れそのものも、

互いが激しくうねりながら絡み合って、

とにかく凄まじい運動をしてる、毛の塊だったのよ。

それが、ほんのちょっと地面から浮いた状態で、

ふらふら動いてたわけ。

 

 

415 :本当にあった怖い名無し:2013/04/06(土) 02:33:02.79 ID:RyixD4li0

私が呼んだからかどうなのか、

塊はふらふらしながら私のほうに寄ってきた。

私は慌てて、その回転する毛の塊をジャンプして飛び越えた。

ユキは私より一足はやく走り出してて、

私も「何あれ!何あれ!何あれ!?」って叫びながら

ユキを追いかけて走った。

 

しばらく行って振り返ると、

毛の固まりは相変わらずふらふらしながら、

道の向こうに遠ざかっていってた。

ものすごく動きが遅いからちょっと安心して、

「ねえ、もう一回見に行ってみようよ」

とワクワクしながらユキに言うと、

「やめなよ…もう帰ろう」って、

若干引かれながら言われたので諦めた。

結局、回転する毛の塊が何だったのかは分からないまま、

十年が経つ。

 

私は書店員として働き始めていたのだが、ある日、

雑誌コーナーの整頓をしているとき、客が読みかけのまま

その辺にばさっと開いて置きっぱなしにしていった

雑誌をふと見て、

思わず「うお!」と叫んでいた。

確かティーン雑誌だったと思うんだが、

夏の妖怪特集だか何だかで、水木しげるがイラストつきで

妖怪を紹介するコーナーが載っていて、

そこにいたんだよ。

例のあの、回転する毛の塊がイラストで。

 

 

416 :本当にあった怖い名無し:2013/04/06(土) 02:34:25.35 ID:RyixD4li0

仕事中なのを忘れて、

私は雑誌を取り上げて食い入るように見詰めた。

残念ながら、妖怪の名前は忘れてしまった

(本当に残念。知ってる人がいたら教えてください)

が、水木先生による短い解説文は今でもよく覚えてる。

 

『墓場に出る、死んだ女の髪が妖怪化したもの。

地面に近い辺りをふわふわと飛んで移動する。

墓場の掃除人などの足元からとりつき、

とりついた者の気分を悪くさせたりする』

 

すごく…地味です…。

 

その日、帰ってからすぐユキに電話して教えたら、

やっぱり、「地味だなー…」って言ってた。

 

ユキとは、今でも時々、会うとあの日見た妖怪の話になる。

あれから何度か、一人で夕暮れ時に、

あの墓地沿いの道に行ってみたけど、

一度も見れなかった。

 

妖怪っているんだな、でもきっと、

心が汚れた大人には見れない仕様になってるんだろうな、

と思ってますw

 

以上、をわり。



ほんのりと怖い話スレ その93