2006年11月16日

おいらカンタービレ♪ 中編

<前回までのあらすじ>

 

希望と下心を胸に初めて訪れた春のキャンパスでは、各サークルが

熾烈な勧誘競争を繰り広げていた。

謎の美女(片瀬那菜似)の誘惑に大きく心を揺すぶられるおいらだったが・・・。

 

 

<中篇ここから>

 

 

「じゃあ、行こうか!」

にやけ男がおいらをうながす。

 

「行ってらっしゃ〜い!」

片瀬那菜似が微笑みながら手を振る。

 

どうやら彼女はここに残って、引き続き新入生の勧誘をするらしい。

 

にやけ男と差しさわりの無い会話をしながら、しばらく並んで歩いた。

 

最初に連れて行かれたのは学食だった。

片隅のテーブルがサークル用にキープされており、既に連れて来られていた

新入生が5人ほど席に座って、落ち着かないそぶりでキョロキョロと

辺りを見回していた。

みんな野郎ばかりなのがちょっと気になる。

 

「とりあえずここに座って待っていてくれる?」

 

そう言うと、にやけ男は再び学食の外に出て行ってしまった・・・。

 

見知らぬ野郎どもと取り残されたおいらは仕方なく、他のメンバーの

事を観察し始めた。

 

色々な奴がいる。

いかにもヘビメタやってますと言うような雰囲気の長髪。

どちらかと言うと地味めな坊ちゃん刈の小太り。

痩せ型で長身の何を考えているのか分からないような眠たげな目のやつ。

気難しそうな顔で腕を組んでいる学者タイプ。

ツンツンの髪を金色に染めた小柄なパンク野郎。

 

まったくもって一貫性が無い。

でもこいつらがおいらの恋のライバルになるのだ。

(↑それしか考えてないのかいっ!!)

 

そうは言っても、みんな右も左も分からない新入生同士。

お互いに不安な事もあり、誰からともなく喋り始めた。

しばらく待っている間に、おいらたち6人は次第に

打ち解け合いはじめていた。

 

みんなの共通項は音楽が好きという点。

ただし聴く音楽のタイプは様々だった。

おいらのようにハードロックやヘビメタを好むものもいれば、

クラッシックばかりという者もいた。

その他パンクや歌謡曲、JAZZなど音楽の趣味にあまり統一性は無い。

 

一体どんな音楽をやるサークルなのだろう?と噂しあったが、結局

軽音楽だからそれぞれ好きなタイプのバンドを組むんじゃないの?”

という意見で一致した。

 

 

小一時間も経過しただろうか。

 

「おまたせ」

 

声を掛けられて振り向くと、先ほどのにやけ男がもう1人の

新入生らしき男を連れて立っていた。

もう1人の男は生真面目なサラリーマンのようなきっちりした印象の男。

アイビールックのような服装でネクタイを締めている。

みんなの視線を集めているのに気付いて、ペコリとお辞儀をした。

どうやらこの男が本日最後の新入部員なのだろう。

 

「じゃあ、これから懇親会の会場に行くから付いて来て!!」

 

懇親会はキャンパスの外で行われるらしい。

みんなで、にやけ男の後をざわざわ会話しながら付いていく。

 

校門を出てから十数分歩いたところにある、ちょっとおしゃれ目の

カフェが懇親会場だっだ。

(昼間はカフェ、夜はお酒も飲めるようだ)

 

中に入ると既に40〜50名の先輩男女学生がワイワイ

盛り上がっている。

 

おいらたちが入るとオーッと言うようなざわめきが起こり、

中には拍手する者さえいた。

 

おいらたちもあわてて軽く会釈を返す。

 

「さあさあ中に入って座って」

 

そう言われてもどこに座ったら良いのかわからず

突っ立ったままでいると、

「こっち空いているよ、こっちに来なよ!」

あちこちのテーブルから声がかかって、おいらたちはバラバラに

なって適当な場所に収まった。

 

「みなさま長らくお待たせいたしました。それではこれから新入部員

歓迎の懇親会をはじめたいと思います。

みなさんお手元に飲み物はございますでしょうか?」

 

部長なのだろうか?長髪でメガネをかけデニム生地のシャツを着た

中肉中背の男が乾杯の音頭をとる。

 

「では本日の新しい出会いを祝してかんぱ〜い」

 

「かんぱ〜い!!」

 

ガチャガチャ!!

 

グラスを当てる音があちこちで響く。

 

「さあさあ!遠慮せずに飲んで食べて!!

新入部員さんはただだから心配しないで!」

 

なにしろ高校を卒業したばかりで、こういった雰囲気は初めてでもあり、

すっかり圧倒されてしまっていた。

大学生って大人だなぁ・・・。

 

周囲の先輩女子学生がしきりに世話を焼いてくれる。

「パスタとったげるね?好き嫌いは大丈夫?」

「飲み物何が良いのかな?」

思っていたよりは地味目ではあったが、綺麗なお姉さんや

可愛いお姉さんたちからちやほやされて、すっかり有頂天に

なってしまっていた。

男の先輩も気を使ってくれて、

「生まれはどこ?兄弟は?」など話を降ってくれる。

ああ〜っ!!なんて楽しいんだ。サークルって・・・(∇ ̄〃)O〇○

 

懇親会の最中に例の片瀬那菜似がどこの席に座っているのか気になって

何度か探したが、残念ながら、その姿を見つけることはできなかった。

(やはり一番最初に声を掛けてくれた美女の事は気になるものだ。)

 

育ち盛りのおいらたち新入部員はその日 大いに飲み、食べた。

おいらなんて3人前くらい食べたんじゃなかろうか?

もっとも7人前食べた猛者もいたようだが・・・。

 

夕方4時から始まった懇親会も7時には終了して、

その後一旦部室に戻って入部届けを提出することになっていた。

 

すっかり気を許したおいらたち新入部員だったのだが、

ここで重要な事を聴くのを忘れていたことを思い出した。

<後編に続く>



Posted by oceanslowwalker1 at 09:28│Comments(4)TrackBack(0)

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/oceanslowwalker1/50806051
この記事へのコメント
読んでいるうちに、現実の話なのか
お得意の妄想なのかわからなくなってきました(笑)

それにしても、おいらさんがロック。
ちょっと以外でした〜

Posted by miux at 2006年11月16日 15:13
miuxさん どうも!
いや本当にロック好きなんですよ〜。
ブラックサバス、レッドツェッペリン、ディープパープル、
ユーライアヒープ、オジ−オズボーンバンド、フリー、
マイケルシェンカーなどなど聴きまくってました!!
最近ではウルフマザーってバンドが最高ですよ。
Posted by おいら at 2006年11月16日 20:08
「志村!後ろ後ろ!」と叫ぶ子供の気持ちが
分かりました。
「おいらさん!騙されてない?!」
Posted by たぬきち at 2006年11月16日 23:21
たぬきちさん どうも!
学習能力って必要ですよね。
いつも同じパターンなのでいい加減分かりそうなんですが(苦笑)
Posted by おいら at 2006年11月16日 23:56