AMD Ryzenが発売になりましたので、気になるOC耐性をテストしてみました。

CPUはOCとしては一番うまみがありそうなRyzen7 1700をチョイスしました。型番の「X」のあるなしがINTELと違う意味なので、1700はOCできないというイメージがありましたが、倍率変更可能なCPUです。
Ryzen_asus_x370-pro

CPU AMD Ryzen7 1700
CPUクーラー CPU付属
マザーボード ASUS PRIME X370-PRO
メモリ Apacer DDR4-3600 8GB×2

OCの方法はBIOSからの設定しています。
もっとも簡単な設定としては以下の方法です。
(1)Ai TweakerのCPU Core Ratioで倍率を変更
cpu_core_ratio
(2)VDDCR CPU VoltageでCPU電圧を調整
cpu_voltage
この2つの設定でOC限界値を探ります。
CPU Clock Core Ratio CPU Voltage OS起動 Cinebench R15
デフォルト Auto Auto 1406cb
3.5GHz 35 Auto 1532cb
3.6GHz 36 Auto 1570cb
3.7GHz 37 Auto 1603cb
3.8GHz 38 1.20V NG

38 1.25V 1655cb
3.9GHz 39 1.25V NG

39 1.30V NG

39 1.35V 1688cb
4.0GHz 40 1.35V NG

40 1.40V NG

40 1.45V NG
4.1GHz 41 1.40V NG

41 1.45V NG

デフォルトでは3.2GHzで動作しています。その後、まずはCPU電圧をAutoのままで倍率を上げていきました。Autoでは1.18Vくらいで起動(CPU-Z読み)。37倍までCinebench R15が完走しました。

38倍でOSは起動するもののCinebenchはエラー。電圧を調整することでCinebenchは完走しました。
しかし、これ以上はなかなかつらくなってきます。
3.9GHzは何とかCinebench完走までいけたものの、4.0GHz以上は無理でした。OSは起動してきますが、負荷には耐えられません。やはり付属CPUクーラーだと冷却不足のようです。今回あえて付属のCPUクーラーを使っているかというと、ハイスペックのCPUクーラーを買うと、1800Xとの価格差のアドバンテージが薄れてくるからです。ですが1800XはCPUクーラーが付属しないため、いずれにしてもクーラーの購入は必要となるため、1700+付属クーラーとの価格差は3万円ほどになります。
Ryzen_cpu_cooler
3.8GHz以上は電圧が必要となり負荷時のCPU温度も80℃(ASUS AI Suite3読み)を超えてきます。さらに上のクロックにはハイスペックのCPUクーラーが必要ですが、しっかりと冷やせばCinebenchレベルであれば、4.0GHz前後は行けそうな感じです。

1800XのCinebench R15のスコアは1610cb〜1620cbくらいなので、付属CPUクーラーでも1800Xを超えるCinebenchのスコアは1700のOC3.8GHzで実現可能です。これなら1700で十分と思わせるパフォーマンスを見ることができました。自作PCの強みを活かせる、面白いCPUと言えます。

なお、3.8GHzで常用するには高負荷に長時間耐えるかどうかのテストも必要です。これは使用する環境によってどれくらい負荷テストすればいいかが変わってきますので、各自のチューニングになってきます。付属クーラーですと3.6GHz〜3.8GHzの間での設定が一つの目安かもしれません。

※OCにおけるチューニングについてや、動作については独自に当店が行ったものですので、このテスト結果を保証するものではありません。OCは慎重に設定をした上で、自己責任で行ってください。特に電圧を上げる際は注意してください。