予算審査特別委員会の質問の2つめのテーマは、競輪事業の繰り出し金の使途です。
競輪事業については、以前より取り上げてきているテーマです。特別会計は、市民サービスに直結する一般会計ほど注目されず、また民間に準じた財務情報の公開が義務付けられている公営企業会計ほど見える化が進んでおりません。
そのため、ともすれば無駄や利権の温床となり得るのが特別会計であると考えております。
そしてその中でも特に、営利を得る「競輪事業特別会計」「卸売市場特別会計」については、厳しいチェックが必要と考え、予算/決算審査で何度も取り上げてきている経緯があります。

さて、競輪事業ですが、利益は出ていますが、その殆どを「基金」として自会計に積み立てていました。
しかし公営競技の成り立ちが市民サービスの向上を目的としている以上、必要経費を除いた利益は全て市民へ還元=一般会計へ繰り出しすべきです。

しかしそうはなっていなかった。そこから私と競輪事業特別会計との長い付き合いが始まったのです。
1年目は、経営実態が見えなかったので、収支の見える化=民間に準じた損益の情報を作成/公開するよう要求しました。
2年目は、出てきた収支計画から一般会計への繰り出し金が少なく、その分施設整備基金への積立が多いのでは?ということが判明。基金積み立ての根拠となる施設整備・修繕計画を求めたところ、作成していなかったことが判明し、その計画を早期に作成/公開するよう要求しました
3年目は、施設整備・修繕計画が出され、その結果収益から必要経費と修繕計画にのっとった最低限の基金積立金を除した残りはすべて一般会計への繰り出しを行うという答弁を引き出しました。
ここまで長かった。。。。
そして今回の予算審査特別委員会です。ようやく競輪事業からの一般会計への繰り出し金が、増える算段が整いました。そこで、この増額分をどう使うのか?という議論を行ったのです。
以下そのやり取りをまとめたものです。短縮しているため言葉尻やニュアンスは若干異なる部分もあるかと思いますが、ご容赦ください。

競輪事業特別会計からの繰り出し金の使途を具体化(学校トイレ改修)することについて

【質疑概要】

質問 競輪事業から一般会計への繰出金が4000万円増額した。この使途は?

答弁 義務教育施設の校舎増築事業に使う

質問 数十億の事業費に4000万円を混ぜ込んでしまうと増額効果が薄まる。

学校トイレの快適化に使うなど箇所づけを明確化しては?

答弁   来年度から義務教育施設整備費のうちの「校舎増築事業」と明示した。

質問 昨年の11月の委員会報告から一般会計への繰り出し金が4000万円増えた理由は?

答弁 神奈川県競馬組合からの構成団体繰り出し金が増額されたため

質問 H29から競輪事業の包括的な業務委託を行うとのことだが、経営管理は誰が行うのか

答弁 引き続き川崎市が主体となって行う

質問 昨年11月に委員会で示された収支見込みの数字は、委託後に代わるのか

答弁 包括的な業務委託の導入効果を見極めながら精査していく



【質 疑】

◆小田理恵子

競輪事業特別会計については、経営状況の見える化・適正化という観点で、これまで議会で取り上げてきました。その中で、民間企業に準じた収支を出してもらい、次の段階として施設整備計画を出してもらい、それにより、基金積立額の適正値が判断できるようになりました。

これでようやく競輪事業の事業評価を行うことのできる土台が出来上がったと認識しています。今後も引き続きこうした経営管理を継続してもらいたいと考えます。平成29年度からは包括的な業務委託を行うとのことですが、委託後は、収支や計画は誰が作るのか、また委員会で示された平成37年までの収支見込みはより変わる見込みがあるのか伺います。

さらに平成28年度の一般会計の繰り出し金の額が、11月の委員会報告の際には13千万円であったが、今回の予算では17千万円と4戦万円増額となりました。この理由について、経済労働局長に伺います。

◎経済労働局長

包括的な業務委託は、これまで個々に契約しておりました委託契約や賃貸借契約等を一括して1つの事業者に委託するものでございまして、委託業務全体を俯瞰し、川崎競輪場の経費削減、集客力強化による売上増等の事業者提案を期待し、柔軟かつ効率的な競輪事業運営による収益向上を図るため、平成29年度からの実施を予定しているものでございます。

競輪事業の施行権は本市が保有するものでございまして、包括的な業務委託導入後も事業運営や収支計画等の作成は、引き続き、本市が主体となって行うものでございます。

次に、昨年11月の市民委員会でお示しした収支見込につきましては、過去の車券売上額の推移や特別競輪の誘致による売上増、施設整備や包括的な業務委託の導入など複数の要素を考慮し策定したものでございます。収支計画等の見込につきましては、包括的な業務委託の導入効果を見極めながら、精査してまいりたいと考えております。

一般会計繰出金についての御質問でございますが、平成28年度の一般会計繰出金を市民委員会でお示しした1億3千万円から1億7千万円に増額した理由といたしましては、平成28年度の神奈川県川崎競馬組合から本市に対する構成団体繰出金の予算額が、収支見込策定時より4千万円増額されたため、一般会計繰出金も増額したものでございます。

◆小田理恵子

委託後も経営管理は市が行うとのことですのでしっかりお願いします。4千万増額は競馬組合の構成団体拠出金の増とのことですが、この増額分はどのように使うのか伺います。

◎財政局長

競輪事業特別会計繰入金についての御質問でございますが、

今回、増額いたしました4千万円を含め、競輪事業特別会計からの繰入金につきましては、義務教育施設の校舎増築事業に充当することとしております。

◆小田理恵子

義務教育整備費の校舎増築事業に充当するとの事。こうした事業に混ぜ込んでしまうと、せっかく増額した分も見えなくなってしまうし、その分が有効に使われているのかチェックすることも難しくなってしまう。

例えば学校トイレの快適化事業など、箇所づけを明確化すべきと考えるが見解を伺います。

◎財政局長

この収益金を原資とする競輪事業特別会計からの繰入金につきましては、基本的には一般財源でございますが、これまでも、収益金の使途をわかりやすくお示しすることが重要であると考え、使途を明示してまいりました。こうした中、平成28年度におきましては、さらにその充当事業の具体化を図るため、「義務教育施設整備事業」のうちの「校舎増築事業」と明示したものでございます。

今後も、老朽化した学校施設の再生整備・予防保全を始めとした義務教育施設の環境整備には、大きな財政需要が見込まれますので、競輪事業特別会計繰入金につきましては、良好な教育環境の整備を着実に推進していくため、引き続き、貴重な財源として活用してまいりたいと考えております。

◆小田理恵子

今回のように、4千万増額して、それを数十億の事業予算の中に混ぜ込まれてしまうと、結果的に4千万なんて誤差の範囲となって、それがあっても無くても同じ結果になる可能性だってある。行革効果、歳入を増やした効果が見えなくなってしまう。

だから、こうしたものは、今から予算を増額する事業や市民要望の高い新規事業に充てるべきと考えます。個人的には、毎年7校ずつ実施している学校トイレの改修の数を上乗せして欲しいです。これは市民要望の非常に高いものであり、また拡充は市民満足度を上げるのに非常に有効です。

また、これは行革効果の見える化を行うことと同義ですからご検討くださいますよう要望いたします。



以上


残念ながら、今回は使途を絞ることは出来ませんでした。
しかし今後、行政改革や新たな財源を見つけて、市の財源を増やした場合、その使い道を明確にしてもらわないと、せっかくの増えた分が効果的に使われることが無くなってしまうし、本来もっと絞らなければならない事業にその財源が充てられる可能性もあります。
そういう意味で、今後も、増えた分&無駄使いを削減した分をどう使うのか、使途を明確化するよう働きかけるつもりです。


川崎市議会議員
小田理恵子