2010年04月09日 22:57
シャッターアイランド
シャッター アイランド」 です。
しっかりと地に足を付けきちんと観察しているはずなのに、どこか現
実が歪んでいく。そんな主人公が覚える違和感を、身にまとわりつく
ようなねっとりとしたカメラワークで再現する。感覚はどこまで正し
いのか、何が正常で何が狂ってのか、彼が事件の真相を追う過程で、
閉ざされた島、消えた患者、謎の灯台、巨大な陰謀、といったさまざ
まな要素が混沌と秩序のメタファーとなり、人間の主観の本質に迫る。
絶海の孤島に設けられた精神障害重大犯収容所で女性患者が脱獄、連
邦保安官テディは助手のチャックと共に島に渡る。捜査を進めるうち
にテディはこの島で行われている非人間的な実験に気づく。
細部にわたるリアルな描写と、壮大かつ理にかなった妄想。統合失調
症は決して知性の欠如や崩壊なのではなく、小さなことも忘れない記
憶力とある意味筋の通ったホラ話を作る想像力であるとこの作品は教
えてくれる。患者のイメージは、経験を元に作り上げた患者自身の脳
内現象に過ぎないのだが、本人はいたってまじめに事実だと思い込ん
でいるのだ。
その後の展開は、「スコセッシなら何か新しいアプローチを見せてく
れるのでは」という予想を見事に裏切ってくれる。むしろそこから感
じ取れるのは、罪の意識にさいなまれている男の“己を罰してほしい”
という願望にほかならない。「怪物として生きるよりも、いい人間と
して死ぬ」ことを、わずかに残った彼の良心が訴えていたのだ。
お勧め度=★★★ (★★★★★が最高)
「シャッター アイランド」
についての詳細は、
http://www.otello.com.ua/
しっかりと地に足を付けきちんと観察しているはずなのに、どこか現
実が歪んでいく。そんな主人公が覚える違和感を、身にまとわりつく
ようなねっとりとしたカメラワークで再現する。感覚はどこまで正し
いのか、何が正常で何が狂ってのか、彼が事件の真相を追う過程で、
閉ざされた島、消えた患者、謎の灯台、巨大な陰謀、といったさまざ
まな要素が混沌と秩序のメタファーとなり、人間の主観の本質に迫る。
絶海の孤島に設けられた精神障害重大犯収容所で女性患者が脱獄、連
邦保安官テディは助手のチャックと共に島に渡る。捜査を進めるうち
にテディはこの島で行われている非人間的な実験に気づく。
細部にわたるリアルな描写と、壮大かつ理にかなった妄想。統合失調
症は決して知性の欠如や崩壊なのではなく、小さなことも忘れない記
憶力とある意味筋の通ったホラ話を作る想像力であるとこの作品は教
えてくれる。患者のイメージは、経験を元に作り上げた患者自身の脳
内現象に過ぎないのだが、本人はいたってまじめに事実だと思い込ん
でいるのだ。
その後の展開は、「スコセッシなら何か新しいアプローチを見せてく
れるのでは」という予想を見事に裏切ってくれる。むしろそこから感
じ取れるのは、罪の意識にさいなまれている男の“己を罰してほしい”
という願望にほかならない。「怪物として生きるよりも、いい人間と
して死ぬ」ことを、わずかに残った彼の良心が訴えていたのだ。
お勧め度=★★★ (★★★★★が最高)
「シャッター アイランド」
についての詳細は、
http://www.otello.com.ua/